2024/07/16 のログ
武知 一実 >  
オレにも帰る実家でもあればな、と少しだけ思う。
物心つくまで生まれ育った家は、今も残ってるかどうか怪しいし、両親も何処に居るか分らんだろうし。
常世学園(ここ)に来るまで居た研究施設()は、あっさりと門前払いにすることだろう。
……改めて考えると、居場所ねえなあオレ。

「――ま、だから入学してすぐの時は自分からも喧嘩吹っ掛けてたんだっけか」

思えば憂さ晴らしもいいとこだ。
歓楽街の路地裏や落第街の表層で誰彼構わず因縁つけてた。
怪我しねえ日が無ェ一か月間だったっけな……授業もまあ、出てたけど。

「まァた行ってみっか、落第街(あっち)の方」

きっと当時喧嘩した連中が盛大に出迎えてくれる気がする。
一ミリも嬉しくねえのが一周回って笑えてくる。

武知 一実 >  
――と、そんな事を考えながら進んでいたら、前方に昇降口が見えてくる。
結局誰にも何にも遭遇せずに済んだようだ。ふぅ、怪異よりも先生に見つかるんじゃないかとヒヤヒヤしたわ。
後は中履きと外履きを入れ替えて外に出れば――

出れば……

「……やーっぱばっちり施錠されて(鍵掛かって)るよなァ!防犯意識良いねオイ!」

クソぅ……
そんなわけで引き続きスニーキングミッション。
用務員室を探して彷徨う事になるのだった。

ご案内:「第一教室棟 廊下」から武知 一実さんが去りました。