2024/07/19 のログ
天川 コウハ >  
「これはどうもご丁寧に。では念のために強めに行きますか」

彼女の使う弾丸は実体弾ではない。
ああ、通りで火器のようなデザインでありながら撃ちだす音は小さいし火薬の匂いもしないのか。
ちらりと横目で彼女の方を見た。
射手の手には随分と古い…銃としては最古だろうか火縄銃のような銃で、それでいて火縄銃が発射する際に必要なややこしい手順のラグもないのだろう。

視線を霊に戻す。
腕を大きく振り上げてきた
が、するりとまるですり抜けるようなギリギリの回避と体術。
カウンターの隙が出来上がる。

「では、刈り取ります。」

所持している支給用の魂を消費し、大鎌に宿す。
紅くギラギラした輝きながらも振り下ろされる一振りは大きく、巨大な紅い軌跡となってその魂ごと両断する。
禍々しくもありながらそれはこの世界の生死のバランスを守るための秩序の一撃だ。

全てが終われば彼女の方に向かうだろう。
念のためにケガがないか確認をしたい。

能守重高 > 本来の火縄銃の射出方法は正規だとどんなに手慣れたものでも20秒かかる。
早合を使ったとして15秒かかるので到底じゃないが前装填式の火縄銃は早々に改造して使っている。
本来のは上薬を銃口から入れ弾を入れカルカで銃底を2度ほどついてからカルカを戻し、
火蓋を開いて元薬を火皿の上にまき一度火蓋を閉じて火縄に点火し、
火縄を装着後構えながら火蓋を切り引き金を引くと僅かなラグをもって
銃口から煙が出ると同時に弾が射出される が 本来の火縄銃の発射手順である。

火縄銃はストックが本来はない代物だが少女は連発をしていた。
少女が少年を手助けする分の霊魂は全て撃ち落としてしまった。
少年が最後の霊魂を分断する様を見届けると、銃を下ろした。

「お疲れさまでした。…ああ、怪我は特にありませんが、そちらは?」

火縄銃を自身の影に落とすように収納しながら近づいてくる少年に何となく視線で察し、
答えながら彼の怪我の有無を確認したい。

天川 コウハ >  
随分と古風な武器を好む…というのがコウハの感想だ。口にはしないが。
とはいえ得物が特徴的なのはお互い様だろう。
こちらも死神に支給されるとはいえ人間から見れば随分と使い辛い武器だ。

「ああ、よかったです。こちらも怪我はないですよ。」

死神の鎌を術式で収納。これは相手の火縄銃召喚に近いところがあるかもしれない。
鎌をどこかへと消せば両腕を出してかすり傷もないとアピール。
互いにケガがなければ、ふう、と息を吐く。

「色々聞きたいことはありますが…そうですね、貴方も悪霊を刈り取りに来た同業者といったところでしょうか?技量からして中々なものでしたし」

死神には彼女のような者はいないものの死神関連ではなく別の団体、或いは個人の祓い師の類だろうか。
まあ、たまたま忘れ物を取りにきて、たまたま戦えるだけの生徒…という線もない事もないが

能守重高 > 火縄銃を好むのは最近の銃もあれば使うが
手慣れた武器を使うのが一番だとしたうえで使い続けている。
とはいえ支給された銃があればそちらを使う用にしているので
どうしてもという以外はなるべく武器は自前にしているのだ。
大鎌を使っている少年を観察したが、本物の死神では?と。
いや今更なのと正体が人ではないのはこの身もそうなので質問はしなかった。

「何よりです」

お互いにけがなし。ならば問題なし。

「同業者。あー。学生兼祭祀局で祓使をしています。
 もともとが狙撃兵なので純粋な術者ではないんです。
 接近戦の武器に才能がなくて重火器や弓で射貫く事をしています。

 申し遅れました、私 能守重高と申します。
 時間も時間ですし、他にもお聞きしたいことがあらばまた改めてを願います。」

申し訳ありません、最早真夜中過ぎて怒られそうなのでと
彼に向けて頭を下げると一枚の名刺を手渡す。名前と連絡先の書かれたそれを。
そうしてから彼の前で深々と頭を下げてその場を取り急ぎ急いで辞してしまう。

ご案内:「第一教室棟 廊下(深夜)」から能守重高さんが去りました。
天川 コウハ >  
彼女がこちらの正体に気づきつつある中コウハは彼女が人間ではないことには気づけていなかった。
魔術と射撃に優れた人間は手練れではあるがいるのだ。
とはいえ人間であろうがなかろうが等しく生を全うする者だ。死神的にそこに差別はない。

「祭祀局」

繰り返す。
この名は死神の研修でちらっと聞いたことがある。
なるほど目的は一緒らしい。敵対する理由はないしできれば仲良くしたい

「射撃がメインですか。であればその気配を察知する能力も頷けます。」

接近戦は見れなかったが術がメインではないにしろ正常に武器を出し入れする魔術が発動している次点で及第点だ。
そうして射手の嵩張りやすい武装をカバーできるのは優秀である証拠だ。

そうして自分が名乗る前に名刺を渡された。
名前は聞けたけどこちらは名乗れなかった…

「後で今日のお礼がてらでもしましょうか」

雲の合間から月が出て、窓から月光が差し込む頃…少年は人知れずいなくなっていた

ご案内:「第一教室棟 廊下(深夜)」から天川 コウハさんが去りました。