2024/08/31 のログ
ご案内:「第一教室棟 ロビー」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 >  
「ふう」

放課後。
お手伝いや、整理を終えて、椅子に腰を下ろす。

最近、声をかけてくれる人が増えてきた気がする。

何故かは、わからないけれど。

「今日は、ちょっと、疲れたなぁ」

呟いて、立ち上がり、自販機へ。

冷たい水を飲みたい気分だったから、ピッとボタンを押してからお金を入れる。
ガコン、と出てきたボトルを取り出してらまたさっき居た場所に戻り。

蓋をあけて、ごくごくと、飲み干して。

「はぁー…………」

ぷはぁっと、息を漏らす。
きっと誰もみてないから大丈夫。少しお行儀はよくないが、今はそんな気分だった。

伊都波 悠薇 >  
いつもの朝練に、授業。
風紀委員の役目に、いろいろなお手伝い。

プリントを運んだり、物を運んだり。
雑用のようなことを率先としてやっているうちに、少しずつ少しずつ、なにかできているという感覚を得ることができている、気はする。

(気休め、だけれど)

天井を仰ぐように背もたれによりかかり。

もう一度ふかく、息を吐いた。

ご案内:「第一教室棟 ロビー」に緋月さんが現れました。
伊都波 悠薇 >  
(ラーメン、食べに行こうかなぁ)

一回、家に帰って。
着替えて、辛いやつ。

制服にスープが飛ぶのはいやだから、とりあえず、白じゃないやつにして。

帽子を被って。

そんなことを考えながら、天井を眺めていた。

緋月 >  
ふらっと教室棟のロビーに歩いて来る人影がひとつ。
やたらと目立つ外套に書生服姿の少女。
此処でも長物の入った刀袋を持っている。

「確か明日からだから…しっかり教室の場所とか覚えて置かないといけませんね…。」

と、小さく独りごちる。

そう、今までは学生といっても登録上のもの。
そのために割と自由になる時間が多かったが、明日からはきちんと授業を受けねばならない。
肝心な時に迷わないよう、教室の場所などを頭にいれておいたのであった。

「――――おや。」

と、よく見れば椅子に腰掛けて天井を眺めている見知った顔。
以前に公園で顔を合わせた記憶。

ちょっと考えて、声をかけてみることにした。

「……もしもーし、悠薇さん?」

伊都波 悠薇 >  
ふと、聞こえた。

「はえ?」

まぁ、気のせいかと思いつつ。
我ながら変な声をあげながら、そっちをみる。

なにせ、ぼっちだし。
こんなときに声かけられることなどないと、思い込んでいたのもあり気が緩んでいた、のだと、言い訳しておく。

そちらを見て、2秒。

ばばっと、姿勢を正し。

「こ、こんにちは」

挨拶を返した。

緋月 >  
「はい、どうもこんにちは。
考え事ですか?」

考え事をしていると、思わず上の空になる事もあるものだよなぁ。
そんな事を考えつつ、一言訊ねる書生服姿の少女。

「私も、まあいろいろと考える事はありますから。
特に、明日からは私も学園の方に通学ですので…。」

失礼しても?と、近くの椅子を軽く指す。
歩き続けて疲れた、というわけではないが、少し休みたくなったのは事実。

伊都波 悠薇 >  
「ど、どうぞ」

恥ずかしいところを見られたと、前髪を弄り整えて視線を隠して。

「えと、このあと、なにしようかと悩んでいたところでした」

時間があいたので、と付け足して。

「明日から、ですか?」

通学と聞くと、少し驚き。

「よかったですね」

そう、返した。

緋月 >  
「では、失礼して。」

ひょい、と、椅子に腰を下ろして一息。
刀袋は脇に立てかけて置く事にした。

「はい、ちょうど月の変わり目ですし、夏休みも終わりになるので、そこから通学開始と。
今までは、入院が長引いたり、登録だけされた状態で夏休みに入ったりで…まあ、名義上だけ生徒でして。」

風紀委員である彼女であれば、情報が入っているかもしれない。
かの機界魔人の起こした最後の事件と、それに終止符を打った者。
――諸々の事情で、表立って報道はなされていないが。

「ああ、確かにそれは悩みますね…。
でも、余裕を持って悩めるのは良い事だと思います。
色々……何をすればいいのか、慌てて決めようとしてしまうよりは、ずっと。」

どことなく、我が身を振り返るようにそう一言。

伊都波 悠薇 >  
「ちゃんと通学できるようになったならなによりです」

ふわり、口許を緩めたあと、ふぅと息を吐く。
人と会う気持ちの準備をしてなかったから、整えるための一息。

「…………なにか、慌てて決めちゃったんですか?」

緋月 >  
「ありがとうございます。
それで、いざという時に迷ったりしないように、許可をもらってこうして学園の内部の地理を確かめていて。」

と、素直にここを通りがかった事情をお話。
何と言うか生真面目な。

「……そう、ですね…慌てて、ではないですけど…。
覚悟を持って、決めなくてはいけない事は、ありました。

もし、今も決めかねていたら…多分、後で後悔することになったかな、とは、思います。」

少し、遠くを眺めるような口調。
後悔はないようだが、後戻りはできそうにないような。

伊都波 悠薇 >  
「あ、そうだったんですね。大体見渡せました?」

なるほどと、理解を示し、偉いなぁと思う。

「ちゃんと考えて、決めたんですね」

ふむ、と、少し思案。

「今は、決めたこと、後悔してるんですか?」

緋月 >  
「はい、思ったよりも広くて、少し大変でしたが。
必要な所は凡そ覚えきったつもりです。」

少女なりに色々と頑張っているらしい。
まだ回り切れていない所は、また改めて覚え直すのだろう。

「後悔、ですか……。」

少し考えて、軽く頭を振る。

「苦しい判断だとは思っています。
でも、後悔はしていません。
決めなかったり、決める事を先延ばしにしたら、後悔どころじゃ済まなかったでしょうし。」

と、其処まで口にして、少し困ったような笑顔。

「すみません、折角のお休みに、なんだか真剣過ぎる話題を持ち出してしまって。」

伊都波 悠薇 >  
「もし、わからなかったら呼んでくれたら。そういうのも、風紀委員の仕事ですし」

気軽に、と口にした。
謝ったことに首をふる。

とんでもない、と。

「後悔してないなら、いいと思います。

そうしなかったよりも、良い、と思えるならそれで。

悔しい思いをいっぱいしてる、私がいうんですから、間違いないですよ。経験者はかたる、です」

緋月 >  
「――悔しい思い、ですか。」

ふと、思い出すのは先日のこと。
目の前の少女の姉との稽古の事。

(……強かったですからね。
やっぱり、妹さんとしては…思う所は、あるんでしょうか。)

優秀な身内、特に兄弟姉妹を持ってしまうと、どうしてもその存在を意識せずにはいられないだろう。
――話す機会は多くはなかったが、恐らくは己の姉も――

(…やめよう。昔の事です。)

「そうですね。苦しい選択でも…何も選ばず後悔するよりは、ずっといい。

ありがとうございます、悠薇さん。こんな話を聞いて貰って。

――学園生活で分からない事があったら、遠慮なく頼らせて貰います。」

先程より、幾分か明るくなった表情で、改めて一礼。