2024/09/05 のログ
ご案内:「第一教室棟 屋上」に角鹿建悟さんが現れました。
角鹿建悟 > 「―――――…む?」

ゆっくりと浮上する意識に呼応して薄っすらと瞼を開く。…眩しい、そして暑い。
どうやら屋上の一角にあるベンチの一つ…今は太陽の位置の関係でじりじりと日照りしている一角。
ただでさえ、黒い作業着という暑苦しそうな出で立ちだ。
むしろ、今までよく居眠りをしていたものである…さて。

「……もうこんな時間か…流石に暑いな…。」

欠片もそう思ってはいなさそうな無表情は何時もの事。
淡々と呟けば、日陰になっているベンチへと気だるそうに腰を上げて移動する。

(…生活委員会の仕事は…今日の分は既に終わっているし…後は夜の『直し屋』としての依頼が3件…。)

生徒手帳――オモイカネ8でスケジュールを眠たげに確認…記憶と照合、間違ってはいない。

「……参ったな、寝る前に良い建築の案が浮かんだ気がしたんだが…。」

そのまま眠りに落ちてしまって記憶がぼんやりしている。メモを取っておけば良かった。

角鹿建悟 > この前に知人と行った常世博物館の展示会…あれはとても良い刺激になった。
世界の建築物は勿論だが、矢張り日本の、神社仏閣は格別だ。この辺りは悔しいが血筋なんだろう。

「――仮に俺が神社仏閣を建てるなら…やっぱり”自分の手”でやりたいものだな…。」

角鹿家は『宮大工』の古い家系だ。本土では今では数少ない特殊な大工。
そんな一族に生まれた彼だが、”色々あって”僅か10歳でこの島に来て現在に至る。

『直す』事に異常に固執していた自分はもう居ない――訳ではないが。
『創る』という本来のやりたい事に目覚めた以上、何時までも固執してもいられない。

「…だが、仕事は仕事だ。何だかんだ直す事も嫌いではないしな…。」

そう、直して創る――その二つの両立こそが己の理想像だ。ただの理想像で終わらせるつもりは無いが。
しかし、喉が渇いた…炎天下で寝ていたからか。脱水症状も少し出ているかもしれないな、と冷静に判断。

「――何か飲み物を買――…っ!」

案の定立ち眩み。ふらり、と立ち上がった瞬間に体が傾いでベンチに座り込んだ。

「……下手に動かない方がいいか…。」

角鹿建悟 > 暫く安静にしていたら少し楽になってきた…。あと、作業着の上着だけはいい加減脱いでおく。
ひんやり、とは行かないがかなり楽になった気がする。濡れタオルくらいは常備しとくべきだったか。

「……最低でも飲み物くらいは用意しとかないとな。」

どうも、物事に集中すると周囲や自分の些末な事が疎かになる傾向が強い。
いい加減、少々自覚も出てきたが直ぐに直せるかというと中々に難しい物だ。

居眠りをする前に浮かんでいたアイデアも霧散してしまったし、また何か考えるか…。

「……まぁ、直ぐに浮かぶわけもないんだが。」

或る時に、天啓のように閃いたり何か参考になりそうな物をじっくり観察している時。
アイデアが浮かぶ時は何時も唐突だ。そのアイデアを形にするのもまた難しいが。

角鹿建悟 > 取り敢えず、少し楽になってきたし動けそうなのでまずは水分補給…その後に部屋で小休止してから仕事だ。

ゆっくりとベンチから立ち上がる…今度は立ち眩みもしない。
そのまま、ゆっくりと青年は校舎の中へと戻っていく。


――まだまだ残暑は厳しい。明日も暑くなりそうだ。

ご案内:「第一教室棟 屋上」から角鹿建悟さんが去りました。