2024/11/30 のログ
ご案内:「第一教室棟 教室」に橘壱さんが現れました。
ご案内:「第一教室棟 教室」に黒羽 瑠音さんが現れました。
■橘壱 >
常世学園某日。壱がとある作戦に参加する前の出来事。
『────以上で講義を終了させて頂きます。お疲れ様でした』
教師の一言を合図に、今日の講義が終わった。
講義項目は異能学。異能や魔術、神秘が台頭した世界では、
普遍的になり始めた学問だ。
異能、つまり人の持ち得る能力の一つは多岐に渡る。
それらの知識、発現条件、或いは病状と認定するものまで多岐に渡る。
「……さて、と。こんな所かな」
今日の講義項目をタブレット端末に纏めて、ふぅ、と一息。
無能力者の橘壱がこの項目を修めているのは、将来的理由だ。
何よりも今や病原の一つにも成り得る存在でもある。
医療系の道を修めるのは、この先の企業には必須な事だ。
「今日の予定は、何だったっけな……」
指先一つで予定表を確認する。そんなある日のことだった。
■黒羽 瑠音 >
「ふぇ~~」
息をついてべたり、と机の上で脱力する。
講義… って形の授業にも、この半年くらい受けてきたわけだけど。
之まで教室で同じ年の子たちと並んで授業を受ける、って言うのが普通だった私である。
こんな年齢も様々な人たちが大きな講堂で話を聞く、みたいなスタイルはまだ慣れなかったりする。
「でも、やっぱり面白いなぁ… 異能学」
授業の字面のキャッチーさもそうだけど、実際に世の中にある色んな異能を説明して貰えるのはやっぱり勉強になる。
魔術みたいな他の技術と自分の異能を組み合わせている人。
自身の異能を活かした仕事についている人。
異能を悪用した犯罪と、それへの対処について… 。
「こっちに来るまでは遠い世界の話だったよねぇ」
最も、今の私にとってもある意味遠い話ではあるんだけど。
取りあえず今日の授業を書いたノートをぱちん、と閉じて立ち上がろうとして。
あ、と頭を掠めるように記憶が過る、そ、そうだ… 忘れる所だった。
「異能といえば、私もちょっと協力してもらう人を探さないといけないんだっけ…
うーん、先生と… 友達に…後、誰か…」
きょろり、と周囲を見回す、教室に残ってる人、誰かいないかな… ?
■橘壱 >
風紀の任務は……今日は非番だ。
働きっぱなしというわけでもない。
つまり、今日は珍しく特に予定も何も無い。
「環菜ちゃんのメッセージは……そういえば返してなかったな。
あ、そういえば買い物当番今日僕だっけ。イヴに食べたいもの聞かないとな……」
何も無いならプライベートで落第街に繰り出そうと思ったが、
ルームメイトの事を考えると今日はやめておこう。
あのライバルにも会いたい所だが、あんまり好き勝手してるとルームメイトが愛想を尽かしかねない。
とりあえずメッセ、メッセージだ。タブレット端末を操作している最中……。
「……ん」
目が合ったのは、本当に偶然だった。
碧の双眸が見知らぬ少女と目が合った
同じ講義を受けていた生徒だろうか。
「どうも、こんにちは」
もののついでで、一応ご挨拶。
はにかみ笑顔を浮かべるのは何時も通り。
だが、その顔は知っている人は知っている。
かつて、現役時代は一度も玉座を譲ることはしなかった世界王者なのだから。
■黒羽 瑠音 >
うーん、家に帰って友達に連絡するか、それとも先生に連絡してみようか。
ロ研に顔を出してみるのもいいかもしれない、あ、そういえば買い物も… 。
思えば結構やれることはあるけど、どれにするかというと中々悩ましい。
こういうのも贅沢な望みなのかも、と思いながら見回すと、一人の男の人と目が合って。
「あ、こんにちは!」
ぺこん、と頭を下げて笑顔を返 …。
「…」
目をこしこし。
ぱちくり、うん、この顔… え、もしかして。
「あ、あのー… く、黒羽瑠音です!」
落ち着け瑠音、びーくーる、びーくーる、此処は自然に名乗るのだっ。
ちょっとそわり、としながらそんな感じに挨拶しながら近づいてみる。
近くに行けば間違いない、私、この顔は何度見たか分からないもん!
似ているシステムのゲームの最高難易度の事が一時期『ワン・タチバナ』になったのもしってるもん!
サイン色紙の応募キャンペーンに父さんと母さんや友達に頭を下げて回ったのに手に入れなくって泣いたもん!
「も、もしかして… 橘壱、さん、ですか?」
■橘壱 >
「……?」
何だか妙な挙動をしてる。
え、なんか信じられないものを見たような顔してる。
なんだ、そんなにおかしいか今の自分。
端末のインカメラで確認。特におかしい感じはない。
もしかして、オタクの分際で目が合ったのが拙かったか。
「えっと……」
なんて声をかけよう。
そう思った矢先に聞かれる名前。
そんなに常世学園じゃ有名人になったっけ?
「ん、そうだよ。壱。橘壱。
僕のことを知っているんだね。キミは?」
ともかく落ち着いて、何時も通り会話を試みる。
よもや、こんな可愛い女子中学生位の子が、
メタラグプレイヤーだとは微塵も思っていない。
■黒羽 瑠音 >
「やっぱり… !
橘壱さん、ユナイテッド・ナンバーワンの、ナンバーワンプレイヤー… !」
「メタリックラグナロクの世界を流星の如く駆け抜けた生きた伝説!
別名は数知れず、『ナンバーワン』『ワンサイドプレイヤー』『アルティメットタチバナ』
あらゆる称号を揶揄も含めてつけられた天才プレイヤー… !」
其処まで言って、興奮しすぎている私に気づく。
あっあっ、これ絶対引かれた奴!?お、おちつけ瑠音、完全にミーハーだよっ。
いやまぁ、私もメタラグ歴的には滅茶苦茶長い訳じゃないから、ミーハーであってるかもだけど。
こほん、ともあれ…
「… ご、ごめんなさい、つい興奮して…
私、メタラグが大好きなんです、この島でも友達と遊んでて…」
えへへぇ、と頭をかきながら顔を真っ赤にしてしまう。
憧れの人に会う、ってこんな気分なんだなぁ… 後でサインとか貰えないかなぁ… 。
■橘壱 >
「……驚いたな。メタラグで僕のことを知ってるんだ」
思わず目を丸くしてしまった。
結構グローバルなゲームな事は自覚していたけど、
こんな中学生くらいの子まで自分を知っているのか。
確かにあの界隈では有名な自負はあったけど、何とも言えない気恥ずかしさがある。
「落ち着いて。確かにそう呼ばれる事もあったけど、
僕はただゲームを純粋に楽しんでただけさ。メタラグ、楽しいでしょ?」
その楽しさを追求し続けた。自由な世界を目指し続けた。
そうしたら、気づけばそのトップに君臨していただけに過ぎない。
誰かが言っていた。強いやつは、その分野を楽しんでる奴だって。
懐かしいファンの仕草に思わずクスリとはにかんでしまう。
「けど、嬉しいな。知っていてくれたんだ。
見た所僕よりも若いっぽいし、嬉しくてね」
現役にいたのも数年前の話だ。
若い世代にも語り継がれていると、感慨深いものがある。
「キミも異能学の講義を受けていたのかい?
今日は異能に病症判定についての講義だったから、中々聞き応えがあったよ」
「キミの名前も聞いていい?」
■黒羽 瑠音 >
か、かっこいぃ~~~~~。
はにかむ仕草に、きらりと光る歯、そして優し気な目。
眼鏡も知的なイメージを醸し出してて、最後に見た時より大人っぽくなった、って言えばいいのかな?
私より3歳年上の筈だから 今17歳だよね、私、3年後にこんな感じに慣れるのかなぁ、自信無いや。
こんな人もいたなんて、また一つ、この島に来て『良かった』が増えた。
「はい、楽しいです!えへへ、といっても完全なフルダイブ型は此処で初めて触れたんですけど…
橘さんは此処ではメタラグはもうやってないんですか?」
確か今はプロゲーマーは引退して、コズミック… 何とかって会社で働いてるんだよね。
詳しい内容はちょっと分からないけれど、此処に居るのもその一環だったりするのかな。
「えへへ、14歳ですっ、名前は黒羽瑠音、今年の夏に転入してきました!」
改めて自己紹介しながら、ぺこんと頭を下げる。
「はい、私、自分の異能についての研究とか、制御の為にこの学園に入学したので…
こういった授業でも、何かヒントとか、分かる事があるんじゃないかって思って
それに、単純にいろんな話を聞くのも楽しいですし!」
■橘壱 >
「……まぁ、ちょっとね。今は色々やることがあるからさ。
勿論、メタラグに完全に未練がないワケじゃないし、やりたい気持ちはある」
リアルが忙しい、というよりかはより楽しい事を見つけてしまった。
よりリアルで、悦楽に浸れるような高揚感。
AFを動かすために戦地に赴く瞬間だ。
とは言え、決して捨てたわけじゃない。ちょっと複雑。
だから何とも言えない表情で答えはするもの……。
「けど、一番を捨てたわけじゃない。
今でも僕は、メタラグじゃ誰にも負けることはないよ」
物怖じもせず言ってのける自信。
それを裏付ける実力、そしてメタラグへの愛。
決して彼が王者であること止めたわけではない。
その証拠に薄っすらと口元に浮かべる笑みは好戦的。
大会映像でよく見るような、何よりも楽しんでいるものの笑みだ。
「瑠音ちゃん、か。14っていうと中学生位?
若いなぁ……成人してない僕が言うのも何だけどね。
異能の制御の為に入学して頑張ってるんでしょ?キミだって立派なモンさ」
入学理由してはありふれたものだ。
そういう目的の側面のある学園。となると、色々気になってくる。
「僕も一応、将来のために医学の分野で勉強しててね。
異能を結局制御出来なかったり、心身に影響を来たす場合、
それは病状として認定されることも有り得る。キミは……」
「一体どんな異能で此処に来たんだい?」
じ、と碧の双眸が彼女を見やる。
■黒羽 瑠音 >
「おぉ… 成程、今はやることがあるんですね… !」
何処か静かな、それでいて何かを秘めた表情… 。
やっぱり大人だ… !
メタラグが好き、というのもきっと間違いないんだろうけれど。
きっと今のチャンプはもっと自分の羽ばたける場所を見つけたんだろうなぁ。
「流石ワールドチャンプ… !最強である以上に、最も自由に楽しめるゲームに拘っていたって…
はわわ… あ、も、もしよかったら後でサイン貰えませんか?メ、メタラグのプレイヤーカード持ってるので!」
口元に浮かぶ笑み、きっと今の生活が楽しいんだろうな… ちょっとだけ寂しいかもしれないけど。
それでも、チャンプが楽しんでいてくれるなら、それに惹かれたファンとしては十分… かも、多分。
「えへへ、実際中学校に通ってたんですけど、転入する事になったので色々覚えるの大変でした
こういう『講義』って、私の知っているのだと大学とかでやるような事ですし… 」
何て言いながらスマホを取り出してぽちぽちと。
そのまま自分の学生登録ページを映し出して橘さんに差し出す。
「はい、えっと、登録名は『下位互換』っていうんですけど…」
私の異能は、基本的にオープンで研究内容を含めた概要が開示されてる。
少しでも情報を多く集めるため、って事らしい、私としても特に隠すものでも無いしね。
「簡単に言うと、私が触れているものを、より『私にとって都合の悪い』ものに変える感じの能力、ですかね?」
軽く自分でも説明しながら、私の異能の解説用の文を橘さんに見てもらう。
おぉ、憧れのチャンプと並んでる、並んでるぞ過去の私よ、どうだ羨ましいだろ~~!