2025/01/16 のログ
ご案内:「第一教室棟 オリエンテーション」に睦月ルメルさんが現れました。
ご案内:「第一教室棟 オリエンテーション」に小鳥遊日和さんが現れました。
■睦月ルメル >
第一教室棟、空き教室。
ルメルが人学園に保護されてから数日。
人魚もどきにしてしまった名目上の保護人を抱えながら乗り込んだ時にはひと騒動あったものの、
一通りの検査、聴取が終われば良くも悪くも従来の異邦人・妖怪と同様に扱われ、
学生として監視下に置かれることとなる。
「人間の……常世学園の制服を手に入れたわ!」
時期が時期であるため正式な入学は四月だが、
入学に合わせるまでにあれやこれやと学ぶ必要がある。
そのような名目のもと、面会を兼ねたオリエンテーションが開かれる。
先んじて制服を貸与されたものの、その他に必要なものは今日渡されるとのことだ。
「担当の人、早くこないかしら。
確か今日は……生活に必要なものと、いろんな教室を案内してくれるのよね。」
そわそわ。そわそわ。
椅子の上で尾びれを動かしながら人を待つ。
■小鳥遊日和 > 人魚にされてから数日。
今のところ戻る見込みはすぐには立たず、今は丁寧な調査の真っ最中である。
授業自体に影響はないことから、体やショックを考慮して、少しの間別業務につくことになったのである。
今日の業務はオリエンテーション。 急な入学であるからして、自分が駆り出されることになったようだ。
「よし、頑張るぞ…!」
くさっても教師である。 生徒になるべき人間にきちんとした対応をしよう。
車椅子の車輪を手で回し、扉の前へ。
扉を開けてから、再び車輪に手をかけて教室内に入る。
「失礼します。 本日オリエンテーションを担当します、小鳥遊で――――」
鼻にかかるような、甘えた音色のソプラノが止まった。
「ルメルさん、ご無事だったんですね!よかった!
怒られたり返されたりしたのではないかと気が気ではなかったんです!」
大慌てで彼女に近づく。嬉しさ、そして体の奥から突き上げてくる渇望――――
”近くに侍りたい”という要求のせいだった。
■睦月ルメル >
「たかなしサン!
ほんの四日ぐらい検査されたり、ちょっと怒られたけど大丈夫だったわ!
機械ってすごいのね!」
車椅子を回す人魚──もどきの姿。
そのものが自ずから人魚もどきに変えた元人間であると気付けば、
仄かに嬉しそうに身体を浮かし、机を乗り越えて近寄る。
「あっ、でも先生なのよね!
小鳥遊先生の方がいいかしら?」
最低限の知識は蓄えてきたらしい。
身を寄せたい欲求のことなど露知らず、一度は近付いた距離を離そうとする。
■小鳥遊日和 > 「ええ、わたしも同じように検査を受けていました。
体には大きな影響がないとのことで、少し待ってきちんと直そうとすれば
なんとかなるそうです。 機械?そう…ですね。」
機械…車椅子のことなのだろう。
彼女に出会ったら『歩けなくても問題ない』ことをアピールしたかった。
それなのに、眼の前に彼女を見ている状態では、この車椅子が邪魔なものに思えてしまう。
「いいえ、たかなしさんで構いません。
愛称やちゃん付けで呼ばれる人もいて…あっ…!」
せっかく身を乗り出してくれた彼女が体を引っ込める。
今度はこちらが反射的に身を乗り出して手を伸ばす形だった。
ちょっとだけ姿勢を崩し、思わず声を上げた。
■睦月ルメル >
「そうなのねえ……本当に戻せそうなんて、人間さんってすごいわ。
そう機械!勝手に動いたり、ぐるぐる回ったりぴこぴこ光ったりするのが機械なのよね!
船は見たことあるけど……足の代わりを作るなんて面白いことを考える……。」
元に戻すことや、自分の性質や能力について考えたことはない。
それよりも自走出来る車椅子に興味津々。視線があっちに行ったりこっちに行ったりする。
「じゃあ、たかなしさんね! 今日はどこを案内してくれるの……あっ。」
目の前の人魚もどき崩れかけると反射で身体を回して抱き寄せた。
動いているものを捕まえるような反射的な動作。
「うっかりしちゃうと落っこちちゃうのね。小さな船みたい。
凄いと思ったけれど……落ちたら危なそうだわ。万能ではないのかしら?」
車椅子に視線を向けるのも程々に小鳥遊の瞳を覗き込む。
不安や困惑ではない、純粋に様子を伺う生き物の仕草。
■小鳥遊日和 > 「ああ、研究施設で検査を受けたんですものね。 人間はいろんなことを考えますからね。
足が使えない人には車椅子、目が悪い人にはメガネ…。満足に泳げない人には浮き輪や水泳具。
厳しい環境に赴くときにはそれ相応の服もあるくらいです。 ほら、この前見たピンクのやつとか。」
人間の作り出したものにものすごく興味津津な彼女に、にこにこと相好を崩しながら答えた。
「――――…っふーっ…。 ありがとうございます、ルメルさん。
これでお互いの貸し借りゼロってところですかね。」
バランスを崩し、彼女に抱き寄せられたその瞬間、全身に安堵感が走る。
ぴたりとパズルができあがるような、家具を寸分たがわずはめ込めたような恍惚と安堵。
それをごまかすように軽口を叩いてから、腕を伸ばして彼女にそっと抱きつき、体を擦り寄せた。
…本人が全く意図することなく。
「…ええ、万能ではないです。 うっかりしていたり、使い方を間違えてしまったりすると…
今みたいに誰かの助けが必要になります。 さて、オリエンテーションなんですけど…その…。」
ちょっとだけ口ごもる。 徐々に頬が赤く染まり、瞳が潤む。 小さく咳払いをしてから口を開いた。
「その、このまま…説明を続けても?」
抱き寄せられたまま説明をするだなんて、はしたないにも程があるが、すごくそうしたかった。
自分の中の渇望が…理性ではない部分が訴える。
今の自分にとっては彼女の―――人魚の腕の中が、最も安心できる環境だ。
■睦月ルメル >
「眼鏡と浮き輪は見たことあるわ! あのピンク色の服もそうなのね。
たかなしさんの付けているこれが車椅子なのかしら……」
ふんふん、と相槌を打ちながら話を聞く。
知らない機械の話はルメルにとって面白いものらしい。
「貸し借り?……そうね! これで貸し借りなしよ!」
一瞬、何のことだか分からなかったらしい。間の抜けたを顔を見せる。
少しの思案の後、小鳥遊を抱き抱えて転倒から守ったことと道案で帳尻が合ったのだろうと認識する。
釣り合いに関しては深く考えなかった。
目を細め、身を摺り寄せている人魚もどきの髪を無意識に撫でた。
「本当に綺麗な髪……。
ええ、このまま続けてくれて構わないわ。どんなことを教えてくれるの?」
説明を求めながら、すん、と、腕の中の人魚もどきの香を嗅ぐ。
ルメルが持つ人魚の尾や身体も特に生臭さなどの不快感はない。
着替えて清潔になったこともあるが──それよりも、ルメルの濃い魔力が甘いものとして鼻に付くかもしれない。
■小鳥遊日和 > 「ええ、いくつかご存知であれば話が早いですね。
あのピンクの服は防寒性能があり、かつ頑丈なんです。 山の環境は良くないですからね。
ええ、あれは車椅子です。 一人で移動する時に使うものですよ。」
いろいろなものに興味いっぱいナノはとっても嬉しい。 これなら、自分の知りたいことをたくさん吸収してくれるだろう。
本能に負けないように、教師としての理性を奮い立たせる。
貸し借りなしという言葉に満足していたところで、長い黒髪を細くしなやかな指が撫でる。
ぱっと目の前が金色に染まる。幸福感に抗うように息を呑み、声を必死に押し殺した。
小さく震えながら深呼吸。 大丈夫、まだ説明できる。 本能に飲み込まれていない。
「――――っ♡ ありがとう、ございます…。ええ、それ、ではっ、説明しますね…?
この学園は大きく分けて3つに分かれています。 教室、食堂、その他施設です…。」
説明をしている最中も、彼女はそっと自分の香りを確かめるように顔を近づける。
人魚の礼儀なのだろう。 自分も無意識のうちに、彼女の体に鼻先を寄せ
時折かすかにふれるかのように近づけた。
「っふー…。 図書館は利用制限がありますが、きちんとルールをま、守る限りは…。
ルメルさんのすばらしい味方になってくれます。 いい香り…。」
彼女に鼻先を擦り寄せながら話を続けていくうちに、徐々に思考が金色に…幸福感に染まっていく。
『この甘い香りをもっと纏いたい』『人魚にもっと触れてほしい』…自分でも気づかないうちに
本能により体が動く。脚を動かし、長く伸びた美しい鰭を相手の足にそっと絡めながら、
それでも頑張って説明を続けた。
■睦月ルメル >
「山って、あの大きいものよね。陸の上にある山の上も寒いのねえ……。
暑いのを防ぐ服とかもあるのかしら? とにかく、人間の作るものには意味があるのね!」
ぐいぐいと質問を続ける。保護され、検査の時からずっとこの調子なのだろう。
何かを尋ねる時のルメルは、無垢な児童の様な顔をする。
「――――ふふ♡」
抱き抱えながら説明を聞く。
この常世学園は、大別して三種類の施設に分けられるらしい。
「学ぶところの教室、たべるところの食堂、それ以外……。
……食堂に行ったら、ワインはあるのかしら?」
小刻みに震える人魚もどきの姿が愛らしく、
ついつい話の途中に鰭を絡めたり、声に魔力を載せて刺激を与える。
(楽しい……♪)
目の前の人魚もどきの一挙一動に好感や高揚を覚える。
今までに感じたことのない強い加虐心。
自分でもここまでもどきに執着を覚えるのは珍しい。
やみつきになって、ついつい弄ってしまう。
「♡――――ルールを守ることが常世学園だと大事なのね。
人間さんも面白いことを考えるのねえ……どうやって、この発想に行きついたのかしら?」
それはそれとして人間の作った"しくみ"にも興味が沸く。
無意識に身を寄せ絡める人魚もどきを受け容れつつ、自分から弄ることは止めて質問に戻る。
■小鳥遊日和 > 「はい、とっても寒いです。それに嵐なんかが来たら…。
熱いのを防ぐ方法なんかもある程度はありますよ。
人の作るものは…ええ、仰るとおりです。明確な意図があると思います。」
役に立つから。あるいは単純に面白いから。
どんな理由でも人は手を動かし、頭を動かしてものをつくるのだろう。
けれど、彼女がそこまで質問してくるということは…
海底での人魚たちはどのように暮らしているのだろうか?
そんな思いを抱きはするけれど、今はなにより…圧倒的な幸福感に押されていた。
ゆったりとした大きな鰭…泳ぐのに適さないそれをゆったりと動かしながら、
彼女の鰭に自分のそれを重ねる。 柔らかな膨らみを持つ女の子の体を密着させ、
鼻先を寄せる。 もっと彼女の魔力を纏いたい。 抗えない本能が、徐々に肉体を支配していく。
「――――っ♡ っふ、ぅ…ええ、食堂もあります。 問題ないとは思います。
人間の学生は飲めないと思いますが、ルメルさんは人間の年齢は当てはまらないでしょう。」
耳を甘く蕩けさせる声、そして触れ合う体と、全身を撫でる魔力。
それらに浸ってすっかり幸せな心地に至っている…染め上げられていることに気付けない。
「…ええ、ルールはすごく大事です。 そうしないと、お互い”なぜそうしたのか”でケンカをしちゃいますからね。
きっと、ものすごく長い時間をかけて、そういったケンカの解決法をまとめていったんだと思います。
だからこうして、わたしも…ルメルさんにお話できるんだと思いますよ。」
学校…すなわち、人に教えるというシステムの真っ只中に彼女は放り込まれている。
そういった質問が出るのも宜なるかなだ。
胸いっぱいに彼女の甘い香り…魔力を吸い込んでから、うっとりと目を細めた。
■睦月ルメル >
「本当、凄いわねぇ……。」
ルメルは人魚であり、純粋な人間ではなく人外にあたる。
そこまで意図を働かせて手を動かしたや頭を動かしたことはない。
気に入ったものを人魚もどきに変えて飾り集めることにも習性以上のものはない。
……海底のどこかには、飽きるまで遊ばれた人魚もどきがいるのだろう。
本能的に飽きられぬ様、身を尽くした人魚もどきも居るかもしれない。
「そう? 後で食堂にも行ってみたいわね!」
人間の学生はワインを飲めないらしいが、自身は問題ないらしい。
そこに何故を覚えることもなく、素直に声を弾ませながら話を聞く。
「なるほどねえ……私は私しかいないけれど、人間さんはたくさんいるものね。
確かに私が複数いたら、たかなしさんの取り合いで喧嘩しちゃいそうだもの!
ルールを決めて、ケンカをしない様に決めるのも納得だわ!」
独特な解釈だが、一応の納得をしたらしい。
恍惚の表情を浮かべる小鳥遊の素振りに気を配る素振りはなく、質問を続ける。
「私も人間さんのルールに従っているから、たかなしさんとお話できるのね。
……でも、人間さんはみんなルールに納得しているのかしら? 人間っていっぱいいるのでしょう?」
■小鳥遊日和 > 「それだけぶつかり合いがあって、それだけ蓄積されたものがあるということ、なのかとっ、思いまひゅ…♡
んふ、っふーっ…食堂…あとでご案内します、ね…?」
人の歴史について頑張って答えようとするけれど、その度に魔力を乗せた甘い声が耳から入り込み、
脳を、魂をかき混ぜて揺さぶる。 かすかに声が上ずり、とろけるような調子になりながらも必死に答えた。
「あっ、そ、そうですそうです! そういうことです! お互いにちょっと不満は残りますけど、
嫌にならない程度に不満を抑えて、お互いに幸せになりましょうということですね…。」
もし彼女がいっぱいいて、取り合いになってしまったら。 あるいは、みんなで自分を分配することになったら。
考えるだけで恐ろしくてぶるぶると体が小さく震えた。
「そうですね、例えばこれで、ルメルさんがすっごく迷惑なことをしたら…。お話はおろか、入学もできなかったはずです。
そう、ですね…みんな思うところはあるんでしょうけど、そこは…お互いが良く暮らすための合意なのでしょう。
だからこそ、強引にことを進めるのはよくない…とされるわけですね。」
するりと体を動かして、体を密着させる。 例えばこの好意だって、お互いが許せるからできることだ。
どちらかが拒否してしまえばそうはならないのだ。
相手の腕の中にすっぽりと収まり抱かれる心地よさ…幸せと安堵にすっかりと身を委ねながら、少しだけ考える。
最初の出会いこそ驚きだったが、今はふたりともとっても幸福なはずなのだ。
■睦月ルメル >
嗜虐心が刺激される。この人魚もどきをいじると楽しい。
気持ち良さそうなのを我慢しながら、色んなことを教えてくれる姿がたのしい。
ただ……。
「迷惑なことねえ……
……たかなしさんをこんなにしちゃったのは……
人間さんにとって迷惑じゃないのかしら?」
すっかり愛らしくなってしまった人魚もどき。
どんなことをしてもとても幸福そうに身を寄せる所作。
極上の出来栄え。ずっと自分のものにしてしまいたくなる。
けれども、彼女の言う『迷惑』にはならないのだろうか。
……今のところ、ルメルにとっては学園に入学することの方が上。
せっかく楽しそうな人間の学園に入学できたのに、追い出されるのはだいぶ嫌なのだ。
「追い出されない為にも、たかなしさんを元に戻さないといけないわね!
折角陸に上がって、人間の学園で遊べるんだもの!」
そう言って、小鳥遊の身体をそっと抱えて車椅子に戻す。