2025/01/17 のログ
■小鳥遊日和 > 「だって、ルメルさんはご存知なかったんでしょう?
その…いきなり人間をこういう姿にしてはいけない、って。
今のルメルさんなら、『むやみに人を人魚にしてはいけない』とわかっているでしょう。
あとは…元に戻れる目星がついているのも大きいでしょう、迷惑にならないという意味では。
それに、わたしはこの姿にしてもらえて……。」
言い淀む。言い方によってはあらぬ誤解を生んでしまうかもしれない。
ぐりぐりと頭を相手に擦り寄せてから、思い切って顔を上げた。
「その、この姿にして頂いて、嬉しい…幸せ、です…。」
瞳を潤ませながら告げる。 なんだか告白みたいになってしまった。
とんでもなく恥ずかしい発言な気がする。
頭の中がぐるぐるしてきた。 今の発言は”誰”のものなんだろうか?
恥ずかしさのあまり、再度彼女に思いっきりハグしようとして…そっと車椅子に収められた。
少し距離が取れる…触れられなくなっただけで、頭の中を占めていた金色の快楽…安堵感が
すっと引き、人間としての理性がようやく目を覚ます。
「あ…そ、そうですね! いずれにせよ、わたし一人に行ったことでルメルさんが追及されることはないですよ。
大丈夫、わたしを信じてください!」
車椅子の上で元気よく答える。 ぶるりと身震いすると、ほのかに彼女の魔力…香りがする。
彼女に近づけた、その思いがとても嬉しかったけど、顔に出さないでおいた。
「さて…。では実際の案内といきたいところですが、さっきの話からすると食堂に行きますか?
ワインだけではなく、きっとルメルさんの興味をひくお酒も食べ物もたくさんありますよ。」
ゆっくり呼吸とテンションを整えながら、努めて明るく彼女に呼びかけた。
大丈夫、自分はまだ…まだ教師だ。自分に言い聞かせていられる間は、まだ。
■睦月ルメル >
やっぱりこのまま抱き抱え直して、連れ去ってしまおうか。
海の底で飾って愛でている間にほとぼりも冷めるだろう。
……それが実行に移されることはなく、小鳥遊の声で意識を戻す。
「海で会ってなくて、良かったわ!」
だが、自ら手がけたものに呑まれかけた。
その事実に得も言われぬ感覚を抱く。嫉妬だけではない、表現のし難い感覚。
(まさか、自分が惑わされるだなんて……でも。)
"とても満ち足りそう"。
未知の快楽と余韻を味わいながら、小鳥遊の後ろに付いて案内を求める。
「ええ、小鳥遊さんを信じるわ! そうね。食堂に行こうかしら。
変な食べ物と飲み物は貰っていたけれど……ちゃんとしたものが食べたいわ!」
その余韻も、空腹と食欲に揉まれて薄れる。
何があるのだろうと興味津々だ。
■小鳥遊日和 > 「…ルメルさん? ルメルさん? あっ、はっ…はい、ありがとうございます…?」
一瞬ルメルさんが動かなくなった。声を掛けるとはっと戻ってくれたので胸をなでおろした。
なんだかすごく感情の…思いのこもった一言に、思わず何度も頷いた。
荒野で話があったように、自分は海につれて行かれてしまうぐらいには、彼女に気に入られたのだ。
「はい、わかりました! 食堂はここから出て左にいったところです。
すごく大きなところですから、きっとびっくりすると思いますよ。
それに…料理というのは、さっき話していた『みんなで幸せになる』という考えの叡智だと思っています。
せっかくですから、着いたら入学記念パーティと洒落込みましょう。
あっ、せっかくですから車椅子を介助してくださるときの注意を共有しますね。」
後ろにぴったりとついてくれた彼女にお礼を述べてから、提案に応じるように教室の外…廊下の方を指さした。
可愛らしい声で相手に答えると振り向くようにしてOKを出す。
この教室に来たときは車椅子を邪魔に思っていたけれど、今はとても心地よい…心強い友だった。
■睦月ルメル >
「だって、きっと我慢できなかったもの。
嫉妬じゃ言い表せないぐらい……なんて言えばいいのかわからないわね。
人間さんはこれをなんて言葉にしてるのかしら。」
単純な感情や言葉はいつの間にか持ち合わせていた。
ただ、先ほど抱いたものを言い表す言葉は持ち合わせていない。
「パーティって、あのパーティよね!
すごく楽しいのよね!前々から気にはなっていたの!
人間さん、その言葉を使うときすごく楽しそうだったもの!」
断片的に見聞きした知識の一つなのだろう。
ルメルの持つ語彙や情報は、隔絶された所で生きてきたが故のちぐはくさが多い。
「車椅子はこうやって押して介助……動かしたりできるのね。
早速動かして、食堂までたかなしさんを運んでみてもいいかしら!」
だが、そのちぐはくさもすぐに均されるだろう。
今もこうして、順調かつ貪欲に知識を吸収し続けている。
■小鳥遊日和 > 「…嫉妬とかでもなく…なんかこう、こじれた感じの気持ちってことですか…?
ええ…なんだろう…。 あとで一緒に辞書を読んでみましょう。」
人間の言葉は難しい。ある程度まではわかっていても、ぴったりの言葉がでないこともあるはずだ。
少しだけ真面目なかおになるも、パーティに喜ぶ彼女を見て自分も満面の笑みを浮かべた。
「ええ、そのパーティです! 嬉しいことがあったときはパーティをするんですよ。
喜びをみんなで分かち合うんです。 食べ物じゃないから分け放題ですしね!」
嬉しい彼女の反応に、こちらまで心が踊る。 鰭をぱたぱたと動かしながら、ぐっと拳を握った。
研究はおとなしい環境でやりたいが、派手にやる時は派手にやるのが好きだ。
「はい、もちろんです。よろしくお願いします。
上に乗っている人が落ちないようにする必要があるので、
適度な速度と安定感が重要ですよ。では参りましょう!」
おー!と元気よく拳を突き上げた。 食堂についたらパーティの準備である。
彼女にはいろんなものを食べてもらいたいから、注文はバラエティ重視にして、
飲み物もワインを中心に果実酒メインにして…。色々考えるたびに、
自然と幸せな気持ちに満たされるのでありました。
ご案内:「第一教室棟 オリエンテーション」から睦月ルメルさんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 オリエンテーション」から小鳥遊日和さんが去りました。