2025/04/20 のログ
ご案内:「第一教室棟 ロビー」に東雲アリスさんが現れました。
東雲アリス >  
教室棟、ロビーの長椅子。
休日の夕方と言う時間は人通りも少ない。
それをいいことに長椅子を横に使い、猫の様にコートにくるまってスマホ(オモイカネ8)をぽちぽちしている。

「暑くなったり寒くなったり、勘弁してほしいんだけど」

ぶすっとした表情で独り言。
今日の昼間までは夏かと思うほど暑かったのに、日が落ちてきたら急に寒くなってきた。
暑いのは平気なのでともかく、寒いのはやめてほしい。
そうしていたら手元で震える携帯端末。
メッセージアプリを開いて確認すれば、

「――は?
 ちょっと勘弁してよもー」

メッセージの送り主は友人。
教室棟での用事が終わったらご飯に行こう、と約束していたのに、思いのほか長引きそうで今日は無理そうと言うメッセージ。
長椅子の上で四肢を投げ出し、ぐったり。
さむいのですぐまた丸まった。

ご案内:「第一教室棟 ロビー」に武知一実さんが現れました。
武知一実 >  
バイトが暇だと言う事で愚痴っていたら、それなら新入生や転入生に向けた、校内ポスターの張り出しを押し付け――任された、そんな休日。
無駄に広い学内を、これまた無駄に多い掲示板を探して彷徨い歩き、どうにか任された分を終えて、さて戻ろうかとロビーに差し掛かったところで。

「……おい、ンなとこで丸くなってどうした、腹でも壊したか?」

長椅子の上でオブジェクトと化している人影を見つけて声を掛ける。
時期も時期だから、体調を崩す奴が出ても可笑しかねえし、学園に来て日が浅ければ保健室まで辿り着けない奴が居ても可笑しくねえ。
どうせ暇だし、頼まれごとも一通り終わったし、別に制限時間を設けられてる訳でもねえので、人ひとり保健室に担ぎ込むくらい問題は無ェだろう。

こんな風に考えたのも、貼り出してたポスターの中に保健委員の委員募集とか、春の健康促進運動なんてのがあった所為だ。
お陰で各保健室の場所も覚えちまった。何かの役に立てなきゃやってらんねェ。

東雲アリス >  
「うん?」

声を掛けられた。
そちらを見れば、目つきの悪い男の子。
うわぁ、不良だ。

「別にどこも悪くないけど。
 寒いだけ」

不良っぽい見た目に怯むことなく、首を傾げてみせる。
狭い長椅子の上で丸くなるのも疲れたので、猫みたいに手足をぐぐーと伸ばして見せる。
ミニスカートの下は見えそうで見えない。

武知一実 >  
「ンだよ、寒いだけか。
 こんなとこで丸まってても何の解決にもなりゃしねェだろ、とりあえず血糖上げとけ」

確かに日が暮れると急に気温が下がるからな。
何事も無ェんならそれに越したこたァねえ。
制服のポケットを探り、チョコバーを一本取り出すと長椅子の上の女子へと差し出す。
カロリー取っとけば少しはマシになんだろ。

「あとはさっさと帰って風呂にでも入るこったな。
 ンな脚出してりゃ冷える時は一瞬だろ、風邪ひくぞ。
 それとも人待ちでもしてんのか?」

待つにしたってもう少しマシな場所があったろうにとも思う。
……思うが、元々そんなに長く居る気は無かったんじゃねえかな。

東雲アリス >  
「え、くれるの。
 ありがと」

素直に受け取る。
くれるものは貰っておこう。
包みを剥がして齧る。

「友達待ってたんだけど、友達の都合が悪くなって」

伸ばした脚を縮めて長椅子を半分開ける。
長椅子の隅っこに小さくなって座り、オモイカネ8をぽちぽち。
彼が座るところを空けているつもりらしい。

武知一実 >  
「おう、別に返礼とか要らねえからな。
 オレが食うつもりで持ってたもんでもねえし」

じゃあどういうつもりで持ってたのかと問われると複雑だけどよ。
チョコバーを齧る女子をただ見てるのも何だな、と辺りを見回す。
コイツのツレらしき人影はない、か―――

「ああ、そういう事か。
 休みだってのに学校で待ち惚け食らうなんざツイてねえなアンタ」

慣れた手つきでオモイカネを扱う辺り在校生か。
長椅子の隅に移動したとこを見るに、オレに場所を空けてくれた……のか?
なら遠慮なく座らせて貰おう。校内を歩き回ったお陰でそれなりに足が棒だ。
ついでに手元に残ったポスターの確認もしとこう。部活や委員会の勧誘ポスターが多め。掲示板の数に合わせて刷っとけてンだよ……。

東雲アリス >  
「じゃあなんで持ってたの???」

女の子を餌付けするために持ってたと言うことになるが。
それはそれとして咥えたまま器用に食べ進めていく。

「そういうこと。
 一緒にご飯行くはずだったんだけどさ」

お流れになってしまった。
一人で行くのもなんかアレだし、かと言って帰るのもなぁ、と言う感じでダラダラしていたと言う感じ。
彼が隣に座ったら、ナチュラルに彼の足の上に自分の足を乗せよう。
ブーツは最初から脱いでいるので土足ではない。

武知一実 >  
「……ダチによく腹ペコで行き倒れるヤツが居ンだよ」

それ以外でも何故か腹空かしたヤツと出くわす可能性が高いので護身用……とは違うか、そんな感じなんだが。
本土には子供を見たら二言目には飴を与える文化を持つ地域もあると聞いたし、そういうもんだと思ってくれねェかな。

「飯か……他に声掛けたら来そうなヤツとか居ねェのか?
 って、男女じゃやっぱその辺違って来るもんなんかな、色々と準備とか要るって聞いたしな」

ポスター確認してたら何か足乗せられたンだが。
え?は?いや別にそれならオレの座るスペース空けんでも良かったんでは?
まあ、これでこの女子が新入生とか転入生って訳じゃないのは確定させても良さそうだ。
仮に新入生がこの行動に出れるとしたら、大器過ぎてドカ盛りチャレンジの飯をよそうのに使えそうなレベル。
……いや、別にその辺関係なく初対面の相手に足乗せるって胆の据わりっぷり凄ェな。

東雲アリス >  
「あー。
 カロリー使い過ぎると動けなくなるんだよね。
 わかる」

自分もたまにやらかす時がある。
自分の場合は腹ペコで行き倒れるわけじゃなくて、能力の使い過ぎでハンガーノックを起こすのだけれど。
あれ辛いよね、とうんうん頷いて。

「いや他の人とって気分じゃないんだよね。
 その子と行きたかったって言うか、今から他の子に声掛けるの面倒って言うか」

多分声を掛ければ来る友達はいるかもしれない。
いるかもしれないけどなんか面倒だった。
人によって空気とか気分とかも変わるし。
彼の脚の上で脚を組んで完全リラックス。
ふと彼が持つポスターが目に入って。

「なにそれ、ポスター?
 部活と委員会入り過ぎじゃない?」

様々な部活や委員会の勧誘ポスター。
掛け持ちにもほどがあるのではないだろうか。

武知一実 >  
「アンタもそういう性質なのか。
 まあ、オレのダチの場合、燃費がアホみたいに悪いってだけらしいんだけどな」

というか、そもそも必要としている燃料が違う、らしい。
まあ色んな奴が居るよな、と頷く女子を見て思う。
オレは今ンとこ、ガス欠で二進も三進も行かねえって事態には遭ってないから幸運だ。

「ほーん、そういうもんか。
 ならしゃーねェわな、ワンチャンこのままダラダラ待っててみんのもアリじゃねーの?」

そういや誰かと予定合わせて飯に行く、って事をしたことはねェな。
人が飯食ってるとこ見てんのは嫌いじゃねえし、半ば無理やり飯屋に連れてかれたりってのはあったが……なんでだろ。
そんな事を考えながら視線はポスターへ戻し、あまりの枚数をチェックし終えたところで横から声が掛かる。

「あァ? 別にオレが入ってるとこのポスターじゃねえよ。
 暇してたら貼るのやらされたんだよ、オレはどこの部活も委員も属しちゃいねえよ」

流石にこの学園に来て一年経ったわけだし、どっかしら属してても良いんだろうが。
何やかんやしてる内に、どこに属する気も無くなっちまった。もういいやこのままで。

東雲アリス >  
「私のは能力の都合だけどね」

自分のカロリーを消費してエネルギーを生み出す能力。
使い過ぎると動けなくなる。
流石に最近は減ったけど、入学当初は良くやらかした。

「ワンチャンも何ももうそういう気分じゃなくなったし」

少なくとも今は友達とご飯と言う気分ではない。
このままここでダラダラしていたい気分。
そのうち帰らなきゃだけど。

「あ、そーなの?
 所属してもない部活と委員会のポスター貼って回るって、もしかして暇?」

スゴイシツレイな物言い。
とは言えせっかくの休みにそんな雑用を押し付けられて素直に従っているんだから、ヒマと言われても仕方ないだろうとは思う。

武知一実 >  
「能力か。どんな能力か知らねえが、大変だな」

出力の調整とか使いどころの見極めとかで改善されるのかもしれねえが、如何せん子細を知らんので何とも言い辛い。
ただ一度や二度動けなくなった、って口ぶりでも無ェから苦労は推して知れるってもんだ。

「そーかよ。ま、好きにすりゃ良いんじゃねェか」

別にコイツがどうしようとオレが口出し出来る立場じゃねえし。
でもオレが動けなくなってんのは口出しても良い気がするんだが。
……まあ、急ぎの用も無えから、暫くはこのままで良いけど。

「暇だ暇。バイトも今の時期新人が多いからそいつらに譲ってたら入れるとこ残ってねえし。
 でなきゃ休みをほぼ丸一日ポスター貼りで使ったりしねえって」

ゴールデンウィーク空ける頃には、新人も委員会や部活に入ってそっちに時間取られてバイトも空きが出てくンだろう。
それまでは束の間の暇な日々を謳歌しても良いのかもしれねえ……とでも思ってなきゃやってらんねっつの。

東雲アリス >  
内燃機関(スターリングエンジン)って言って、持ってるものとかにエネルギー与える力。
 今私がこの状態で君に使えば、君は第二宇宙速度を超える速度で宇宙への旅が始まって、私は餓死する」

多分自分が餓死するぐらいに力を使えば、人ひとりを地球の重力から解き放つぐらいは出来るだろう。
しないけど。

「言質取ったー。
 じゃあ焼肉奢――いや焼肉は昨日食べたからお寿司が良いなお寿司。
 お寿司奢って、回らないやつ」

好き放題に言う。
視線はスマホに落としたままだし、言葉に感情もあんまり乗ってない。
適当なことをブッこいているだけである。

「ふーん。
 そんなに暇なら部活かやればいいのに。
 青春だよ、部活」

しらんけど。

武知一実 >  
「スターリングエンジン……エネルギーを与える力、か。
 ああ、その与えるエネルギーってのがアンタのカロリーって事か」

なら確かに急な空腹でへばるだろうし、最悪餓死まで行く事だろう。
転換レートがどんなもんかにもよるが、別に知ったところでどうなるって訳でも無いから、そこは別にいい。
……だからこんなちまっこいのか。

「好きにすりゃ良いの範疇にオレまで巻き込むんじゃねえよ。
 寿司なんて食いに行くより自分で握った方が安上がりじゃねえか」

いや安上がりだけど手間がかかるから、その手間分に金を出すわけなんだけどな。それは分かってる。
どうせ本気で言ってるわけじゃねえだろう事は明白だし、本気で言ってたとしてもお断りだが。
せめて回ってるのくらいならまあ、財布と相談するけども。

「それなら最初から部活なり委員なり入ってるっつの。
 あんまり人の居るとこで運動とかしねえようにしてんだよ、それこそ――能力の都合ってやつ」

ついでに青春したいとも思ってねえし。
そもそも何だ青春って。

東雲アリス >  
「そういうこと」

直接カロリーを相手に与えているわけではないが、どっちにしろカロリーを消費してエネルギーを与えていることには変わりがない。
なんだかちょっと失礼なことを考えられたような気がする。
ぎろっと睨んでおく。

「だって好きにしろって言ったじゃん。
 それともなに、私のことは遊びだったって言うの?
 やることやったらすぐ帰れってこと?」

言いながら彼の身体に運動エネルギーを与える。
数ミリ左右に振動するように、左右に細かくベクトルを反転させた運動エネルギーを秒間60回の周期で。

「ふーん。
 それもまた青春ってことかぁ」

青春って二百種類あんねん。
しらんけど。

武知一実 >  
「なる。把握」

本当に色んな能力の奴が居るな、と一年経っても思う。
起こせる事象も様々だし、対価も様々だ。
これでもオレが知ってるのなんて序の口にすら満たないんだろうな。
……何か睨まれてる気がするけど、感慨に浸ってスルーしたろ。

「アンタ一人の範疇で好きにしろって言ったんだよ!
 オレまで好きにしろとは言ってねえよ!言うわけねえだろ!
 やる事も何も、なーんもやってねえだろが。チョコバー食っただけだろ……つーか止めろ、酔うからコレ!」

左右に身体が勝手に揺れて、三半規管に地味にダメージが来る。
これがコイツの能力だという事は分かったけど、こういう使い方でカロリー消費すんじゃねえよと思う。
つーか何? オレがやったチョコバーでオレ揺さぶられてる訳かコレ。

「まあ、暇なときは暇だけど、退屈しねえ事も多いしな。
 そういうアンタはどうなんだ、何か部活とかしてんのか?」

人に言うからにはよっぽど青春してるんだろうな。
いやまあ、ダチと飯食いに行こうとしてたって辺りで既に何か負けてる気はすンだけどよ。

東雲アリス >  
「あっははは、おもしろー」

ブブブブブ、と乗ってるだけで痩せる的な効果があるのかないのかイマイチよくわからないダイエット器具に乗っている時みたいな振動を繰り返す彼。
声もいい感じにビブラートがかかっていて、ケタケタ笑ってしまう。
面白いけどお腹も減るしやめておこう。

「はーおもしろ。
 じゃあワリカンで良いし回るやつでいいからお寿司食べにいこうよ」

奢り部分は譲歩した提案。
寿司部分は譲れない。
もう完全に寿司の口だから。

「んー?
 私は風紀の仕事が忙しいから」

特別攻撃課なんてものに入っているから部活なんてしている暇がない。
人を撃つのは、まぁ抵抗がないわけではないけど、それと書類仕事以外は割と青春している。

武知一実 >  
「面白がるんじゃねえよ……!」

いやオレも他人事だったら絶対面白いと思うが。
当事者になってみれば視界が小刻みに揺れて大変気持ち悪い。
てかコイツの足掴んだら振動コイツにも行かねえかな……!

「……はぁ、まだ視界が揺れてる気分だ。
 アンタ、今散々人揺さぶっておいて割勘で通用すると思ってんのか?……まあ、良いけどよ」

どうせこの後も暇なんだろうから、適当に時間潰せるなら構いやしねえ。
どうせ週末になりゃバイト代も入るし、別に金に困ってる訳でもねえし、たまにはオレも回る寿司食いてえ。

「風紀ぃ? ンだよ、アンタも風紀委員か。
 到底忙しそうにしてる様には見えねえけどな、今日はオフか何かか」

生徒数が多いんだからそりゃ多いとは思うが、風紀委員と出くわす率高ェなオイ。
まあ最近は喧嘩も前ほどはしてねえし、難癖付けられる謂れも無ェから普通にしてりゃ良いだけなんだが、妙に身構えちまうな……。

東雲アリス >  
「男の子でしょ?
 女の子にお寿司奢るぐらいしてくれてもいいところをワリカンで済ませてあげようって言うんだから、むしろ感謝して欲しいぐらい」

トンデモ理論をブチかましてくる。
スマホをたぷたぷして近くの回転寿司屋を探しながら。

「風紀委員特別攻撃課所属。
 昨日任務だったから今日は休み」

基本的には凶悪犯罪の対処が多いから、大抵その次の日は休みになることが多い。
とは言っても二日三日続けてそう言うのが発生する時もあるが、今回は違うようだ。
熱心な人は任務の次の日も通常業務にあたっていたりするが、自分は休める時は休む派である。

武知一実 >  
「あァ?
 別に男も女も関係ねえだろうがよ」

元々知り合いならともかく、今日が初対面の筈だ。
どっかで会った事あったか、と一瞬考えちまったが、初対面だ。初対面の筈だ。

「特別攻撃課……ンな部署があんのか。
 はぁ、まあそりゃご苦労なこった」

大仰そうな部署名からして、喧嘩騒ぎ程度じゃ出張ってくる事もなさそうだから鉢合わせすることも無いだろうってのが救いか。
とは言え事がデカくなれば呼ばれることもあるかもしれねえから、喧嘩する時はちょっと考えといた方が良いかもしれねえな。
……まあ、そんな事そうそうある訳がねえか。

「そういや……アンタ名前は?
 これから飯行くってのに、名前も知らねえ相手とじゃ変だろ」

まあ行く前に余ったポスター返しに行かなきゃならねえけど。

東雲アリス >  
「そんなんじゃモテないぞー」

今時男は女に奢るもの、と言うのも古いだろう。
そんなんどうでもいいのだ。
からかって遊んでいるだけなのだから。
楽しそうな声からそんな思考が透けて見えるだろう。

「あれ、知らないの。
 警察機動隊とか軍の特殊部隊とかみたいなやつ」

圧倒的な武力を持って叩き潰す部署なので、基本的な立ち位置としてはそんな感じだと思っている。
名前はそれなりに知られていると思っていたけど、意外と知らない人も多いみたいだ。

「東雲アリス。
 よろしく、――えーと、名前なんだっけ?」

スマホから視線を彼に向けて首を傾げてみせる。
なんだっけもなにもまだ名前を聞いていない。