学園地区の校舎群の一つ。様々な教室や研究室などがこの建物の中に設置されている。
外観としては現代的なビルのようなもの。
※それぞれの教室などの詳しい情景などはある程度自由にしてくださって構いません。
参加者(0):ROM(1)
Time:08:16:39 更新
ご案内:「小講堂」からネームレスさんが去りました。
■ネームレス >
学校に通いたい、と思ったことはなかった。
青春したいとか、友達がほしいとか、考えたこともない。
自分が求めるものは幼い頃から明確で、ブレていなかった。
……しかし、通えるようになる必要はあると考えていた。
学位は称号であり、能力の証明だ。
歩もうとしている道においては、現代の社会においては、
個人の武力というものはあまりあてにできないカードであって、
世界に漕ぎ出すには、まだもう少し、手札を集める必要があった。
踵を返し、"次"へ向かう。
魔術における修士課程。保護観察中の年限で号の獲得を狙う。
魔術師として実証したいこともある。そのためのフィールドは用意される。
社会にとって如何なる存在であるか。
この島は、常にそんなことを問いかけてくる場所だと感じている。
■ネームレス >
廊下を歩く。年末、夜間ともなればひどく静かだ。
そんな調子の教室棟しか知らない新参者でもある。
とはいえ、基本は研究区をホームとするから、今後も頻繁によりつくことはなさそうだが――
それでも講堂や準備室の類に気配はするから、この島は眠らないまま。
「…………」
ふと立ち止まって、窓の外を眺めた。
よく磨かれている硝子の向こうに、校内の敷地が伺えた。
ひとつの都市として栄える学府。教育機関であり、研究機関。
「時代が違ったら……常世学園の先生を目指してた?」
ひとりごとだ。
その問いを向けたいひとは、ここにはいない。
もう、どこにもいない。
「どうして、教育者になろうとしてたの」
ひみつ、と返された気がする。
お洒落で、友達も多かったあなたが、あえてその道を選んだ理由。
生まれた土地でも花形だったから、順当な選択ではあったと思うけれど。
それでも推測ではなく、事実を知りたかった。
あなたの口から、教えて欲しかった。
少しずつ、少しずつ、手に入れていくたびに、浮き彫りになっていく欠落と空洞。
取り戻すことはできないという事実もまた、はっきりと像を結んでいく。
■ネームレス >
「……………」
肩越しに振り向いて……、
鼻を鳴らして、肩をすくめた。
ああ、気を遣ってくれているわけ。
「本業が最優先で、委員会もやらなきゃいけないみたいだから。
道楽をやるヒマは、いまのとこないかな。
真面目に受講してるヒトたちの邪魔もしたくないしね」
へらへら笑って、教員を残して講堂を辞する。
■ネームレス >
「それじゃァボクはこれで。
さっそく研究区のほうをみてくる――あそこも年がら年中休まず動いてんだろ。
しばらく世話になる場所だ。いままで以上に歩き慣れておいたほうがイイと思うし」
挨拶もそこそこに踵を返した背中に、
――十分な能力をもっていても、基礎課程を受講する生徒は珍しくない。
そんな言葉がかけられた。
■ネームレス >
――芸術を専攻するかと思っていた。
ふとそんな話題を向けられると、不思議そうに見返してから。
「合衆国にはさ、二百年の歴史のある音楽院があるんだ。
ちいさいころから、ずっと憧れてた。まだ残ってるハズだろ。
この島を出て、あらためて理論を学びたくなったらそこで学べると思うし」
独学で十二分ではあるけれど――と、補足はしつつも。
証書入れに視線を向けてから、それを取り上げてひらひらと。
「国によるって話だケド、合衆国の大学は、未だに点数だけじゃ入れないからね。
ボクには積み重ねてきた学歴も信用もないから。
数値と実績で色々と融通が効く常世学園でやれることをやりたい」
実際、この証書を手に入れるのに、本土では何年かかることやら。
世界に対する適応力の証明――存分にこの学園のシステムと方針を利用させてもらおう。
その分、こちらもまたある程度の利益を供与することが、社会との関わり方と考える。
■ネームレス >
「でもこんな簡単でイイの~?
ふつうは四年かかるモンだったろ。ボクのときの基準で、だケド」
――学力及び、魔術師としての能力は、逮捕後暫く受けていた"試験"によって実証済み。
いわゆる飛び級が認められたのは、長期の在島を望まないという姿勢もあってか、
あるいは、研究員を求める協会側の意向か――いずれにせよ。
高い社会性と諸々の適正によって、希望した課程への就学が認められた形になる。
……とはいえ、事前に論文まで用意していた周到ぶりである。
ある程度予期していたというのは言うまでもなかった。
「まァ、そもそも魔術を学府で研究する……
そういうコト自体が、ボクにとっちゃ冗談みたいな話だケドな。
地下でひっそりとやるのが、その界隈のマナーだった」
新世界基準――時代は変わったのだ。
思うところはあれど、やりたいこともある。この課程は、卒業までの単位も少なくて済む。
「なんにせよ、お休みの時期にどうもアリガトウ。
研究室も用意してもらえるってんだから、至れり尽くせりだね」
■ネームレス >
狭い講堂で一対一ともなると、それは『式典』の体裁を取っているとも言えなかった。
いざや授与されようとしている生徒も、片手をポケットに突っ込んで手を差し伸べている始末。
教壇を挟んで対面している教員は、わかりやすくため息をついてから、手渡した。
日がな『来島者』が絶えないこの島は、年の瀬であっても完全に眠りにつくことはないのだ。
「…………」
生徒――正規の学籍を取得したばかりのそれは、あらためて確かめる。
表に裏にためつしかめつ、その一枚の紙には、しかし重厚な証明が丁寧に刻印されている。
「これは未だに紙なんだな」
静寂を乱す声に、教員は静かに『デジタルの証明も同時に発行されている』と。
日本語で記されている実媒体と違い、多国向けの言語と様式を選択して表示できる。
希望すれば、希望された様式のものも新たに発行できるという。
「いまはこれでだいじょうぶ。"次"のほうが本命だしな」
同時に渡された証書入れにしまいこむ。
深い青色で、すべすべしていた。立派なものだ。
ご案内:「小講堂」にネームレスさんが現れました。
ご案内:「第二教室棟 教室」から八坂 命さんが去りました。
ご案内:「第二教室棟 教室」から出雲寺 洟弦さんが去りました。
■八坂 命 >
「あっはっは。
だいじょぶだいじょぶ、ボク馬鹿な男の子結構好きやし」
見事なバカっぷりに楽しそうに笑う。
自分も元々の目的である荷物を背負い、とりあえず手近にいた二人の腕に抱き付いた。
「よーしじゃあド〇キいこー!」
どうやらドンキまで付いてくるつもりらしい。
送っていけとは???
そうして寒い中コーヒー飲んだり焼きそば食べたり、安っぽいサンタのコスプレ衣装を買ったりして、ちゃっかり四馬鹿に馴染んで見せたとかなんとか。
■出雲寺 洟弦 > 「………………」
ほ、と一息。真っ暗になった外の風景に苦笑いしながら、
叩き起こされるクラスメイト男子共。
四馬鹿に思わぬたなぼたが降り注ぎ、『我が世の春がきた!!』だの、
『ワンチャン!?』だのなんだの。
もう一発殴ってやろうかなとか拳を見せつけようものならば全員そろって無言のエスコート姿勢に早変わったりもしつつ。
「……いいよ、どうせそいつらと帰りに〇ンキ寄るから、ついでになら。
――あと、そいつらが今信用ならねえから」
机の横の鞄を取って背負うと、おらおら解散するぞと足蹴り。
他の男子同士でケツを蹴っ飛ばし合って置き上がったりしてるシーン。
『本気で殴んなよイヅルー!お前がっつり武闘派なんだから!』
『八坂さん!!帰りにド〇キの屋上でコーヒー飲みませんか!!』
『抜け駆けを許すなッ!!俺とデュエルしろォーッッ!!』
『うわさっむ!ペの焼きそば買おうぜ!!焼きそば!!』
……なんて。
■八坂 命 >
「恐ろしく速い四連撃……ボクじゃ見逃しちゃうね」
つまり見えなかったと言うこと。
とりあえず服は元に戻そう。
殆ど羽織ってるだけみたいな着方だけど。
「ボクもお付き合いしたことないし、知らん事ばっかや。
そやからお話するんじゃない?
彼氏いたことないから知らんけど!!」
何故かどや顔。
口も猫の口みたいになっている。
「うわ、もう真っ暗。
女の子一人やと夜危ないから送ってってー、って思ったけど、彼女いるいずるんにさせるんも悪いし。
――ほら起きろ四馬鹿ー。
こんなか弱い女の子を、夜道一人で歩かせるつもりかー」
地面に倒れたりめり込んだりしているバカルテットの顔とか尻とか腕とかをぺちぺちと叩いていく。
■出雲寺 洟弦 > ――――目で追えない速度のとんでもない速さの4連撃。
床にぶっ倒れる、或いはめり込んでいる馬鹿ルテットの後頭部に、煙を上げるたんこぶが出来上がった。
「……こいつらはこいつらで、その……うん。
擁護出来ないくらいどうしようもないスケバカだけどな」
殴った張本人はそれ早く隠して、というジェスチャーをしながら顔だけ逸らしている。
「……俺のほうが、多分なんも知らねえんだよ。
――ほんと、何も知らないんだ、女子との付き合い方だとか、凛霞のこと、だとか」
溜息ひとつ。
カーテンを開けて外を見て、うげ、という顔。
「……ったく、馬鹿に付き合ってたらもうだいぶじゃねぇか。
帰りに食材買いに行くつもりだったのに……」