2024/05/27 のログ
ご案内:「第二教室棟 教室」に桜 緋彩さんが現れました。
桜 緋彩 >
放課後の教室。
殆どの生徒は帰っているが、数人の生徒ぐらいは残っている。
今日中に提出する課題をやっていたり、友達同士で他愛もない会話をしていたり。
「ぐぬぬ……」
今日の授業の復習に四苦八苦しているのもそのうちの一人。
数学の教科書とノートを広げ、今日教わった内容を復習しているのだが。
「日本語で書いていただきたい……」
そもそも書かれている内容がちんぷんかんぷんで一切頭に入ってこない。
正確に言うと専門用語が多すぎて、それを調べる度に思考がリセットされてしまう。
一歩進んで五歩下がり、また五歩戻って来たいが四歩しか戻れない、みたいなことを繰り返しているため、全然一切全くこれっぽっちもはかどっていない。
ご案内:「第二教室棟 教室」に久能 やえさんが現れました。
久能 やえ > 「~~♪」
放課後の廊下をご機嫌なリズムで歩きながら口にドーナツ(ポン・キ・ホーテ。150円)を運んでいる。
1日数回の幸せタイムを満喫しながら帰りの工程を歩んでいれば
「んむん?」
3歩戻って教室を覗く。
なんだか困ったオーラ120%の人を見つけじーっと教室外から見ている。
桜 緋彩 >
「む?」
視線を感じる。
教室の外を見れば、何やらこちらを見つめる女子生徒がいた。
「……?」
なんだかよくわからないが、とりあえず笑顔でひらりと手を振ってみた。
久能 やえ > どうやらこっちの視線がばれてしまったようだ。
ひらりと振られた手に、大きく手を振って答え
「こんにちは~、お困りな感じです?」
ドアを開けて早速の質問をぶつける。
桜 緋彩 >
「いやぁ、今日の授業の復習をしているのですが」
教室に入ってくる彼女。
一旦ノートから意識を切り離す。
そこそこ長い時間やっていたし、休憩にはいいタイミングだろう。
「なかなかどうして難しいものでして。次のテストで上位の成績を取りたいのですが」
お手上げ、と言うようにペンをノートの上に転がす。
理論そのものが理解できないのではなく、そもそも書いてあることの理解が出来なくてなかなか先に進めない。
久能 やえ > 「おぉ~……」
もっきゅりと最後の一口でドーナツを食べ終えノートを覗き見る。
当然というべきか、自分には理解できないもので。
「ん~……三人寄ればうんとこしょというけど一人足りないし……。
……とりあえず、頭休めにお菓子いります?」
そういって、手に袋入りのドーナツを呼び出して差し出してみる。
桜 緋彩 >
「よろしいのですか? ではおひとつ」
ドーナツのおすそ分けはありがたく受け取ろう。
袋から一つ頂き、もしゃる。
あまぁい。
「以前から思っていたのですが、数学の用語と言うのはどうしてこうもわかりにくいのでしょうね」
展開と因数分解とか、微分積分とか、文字から意味がさっぱり読み取れない。
なんと言うかこう、直感的ではなくてわかりにくい。
久能 やえ > 「わかる~!わかります~!
数学って国語の能力も必要ですよね!
もー私ほんとにそういうので詰まっちゃって。
用語もだし問題文も意味わかんないし~」
前の席の椅子を出して勢いよく座りこむ。
白い髪がばさぁと床に広がるがそれは気にすることなく。
「計算にも能力がいるし!
もしかしたら科目の中で数学が一番難しいかもって感じする……」
桜 緋彩 >
「用語を覚えようにも単語と意味が結びつかなくて覚えられないのですよね」
覚えさえすればもう少しどうにかなるのにと思う。
計算自体は割と好きな方ではあるからそちらはどうにかならなくもないとは思うのだが。
「ところで私は桜 緋彩と申します。あなた様のお名前もお伺いしても?」
自身の胸に手を当てて自己紹介、その後彼女の方へ手を向けて名を尋ねる。
彼女のような目立つ容姿は一度見ればそうそう忘れることはないはずだ。
そう言う異能を持っているなら別だが、そうじゃないなら少なくとも会話したことはないだろう、と。
久能 やえ > そういえば、と自己紹介もしていないことに気づく。
さくら、という苗字も特に聞いたことがないので初対面だろう。
「ごめんなさい、自己紹介してなかったですね。
1年生の久能やえ、
好きなものは美味しいもの、嫌いなことは断食です!」
元気よく自己紹介。
桜 緋彩 >
「やえどのですね、よろしくお願いいたします」
ぴしりと姿勢を正し、頭を下げる。
背筋がビシッと伸びた綺麗なお辞儀。
「一年生、と言うことは今年入学したばかりでしょうか? 学園生活は慣れました?」
二年前に初めてここに来たことを思い出す。
ここはあまりに巨大な学園都市で、一月ではその大きさに慣れることで精いっぱいだった気がする。
久能 やえ > 「あ、どうもどうも、こちらこそこちらこそっ……」
すごく丁寧なお辞儀に慌てて同じくお辞儀。
あ、すごい丁寧な人だ。
「はい、今年入学しました!
学園生活にはまだ慣れてないですけどとりあえずバイトも決まったし暮らしていけると思います!
で、そういうことを聞くということは…桜さんは先輩でしたか…?」
桜 緋彩 >
「そうですね、今年で三年目になります。あ、でもあまり気にしなくて大丈夫でございますよ」
学年とか歳とかの違いによる態度とかは特に気にしない方。
敬意を払うのは年数の違いではなくその個人に対してなのだから。
「なるほど、それは良かった。私は風紀委員に所属しておりますので、何か困ったことがございましたら気軽に声をかけてくださいね。あ、連絡先交換しておきます?」
スマホを取り出してそう尋ねる。
風紀委員を頼ることが無ければそれが一番いいのだけれど、いざと言う時に相談する先があるのは安心だろう、と。
久能 やえ > 先輩だ!
しかも三年!
そりゃあ私が役に立たないわけだ!
同年代でも役に立たないけど!
そんな言い訳はしつつ
「わ~!風紀の先輩!
ぜひぜひ連絡先交換させてください!
えっと私の連絡先は~……」
勿論頼ることはなかなかない……と思いたいが。
それをおいても、先輩の連絡先があるのはとてもありがたい。
連絡先を表示し、先輩に提示。
桜 緋彩 >
「では早速――」
端末を操作して連絡先を交換、ヨシ!
確認して、スマホをしまう。
「――ところでこの後何か用事があったりしたのではないですか? こんなところで引き留めてしまって、ご迷惑でなければいいのですが」
放課後だし、どこか遊びに行くところだったのではないか、と。
こちらとしてはちょうどいい息抜きだったのでよかったけれど、それで彼女の時間を奪ってしまっているならとても申し訳なく思う。
久能 やえ > 連絡先ヨシ!
わーい、とウッキウッキしながらスマホをしまおうとして
「――わぁお」
その言葉と、時間を確認して冷や汗をかく。
出勤まで残り時間――。
「す、すみすみませ、先輩お先失礼します!
バイトの時間でした!」
あわあわとイスを直したりしてバタバタ。
桜 緋彩 >
「っ、それは、大変申し訳ないことを!」
ガタンと立ち上がり、深々と頭を下げる。
九十度しっかり頭を下げて、すぐ上げる。
これ以上時間を浪費させるわけにはいかない。
「すぐに行って下さい! ただ事故や怪我などなさらないように!!」
教室の入り口まで走り、扉を開け放つ。
急いで!とさも緊急事態の様に――自分と彼女にとっては十分緊急事態だ――腕をぶんぶん回しながら。
久能 やえ > 「はーい、ありがとうございます先輩!
もしバイト先に来たらおまけしますねぇぇぇ~!」
ぶんぶんと手を振りながら、後ろ駆け足で遠ざかっていきつつ。
バイト先の名前は告げないのだった。
ご案内:「第二教室棟 教室」から久能 やえさんが去りました。
桜 緋彩 >
「くれぐれも事故や怪我など、お気をつけて!」
最後にもう一度念押しをして彼女を見送る。
あぁ、後ろ向いて走るなんて、とハラハラしながら見送ったが、少なくとも廊下で転ぶことはなかったようだ。
「――バイト先、どちらだったんでしょうか」
連絡先も交換したし、それで聞けばいいか、なんて考えて自席に戻る。
さて、もう少し頑張りますか、と気合を入れて数学の復習を再開。
結局あんまり捗りはしなかったのだけれど。
ご案内:「第二教室棟 教室」から桜 緋彩さんが去りました。