2024/06/01 のログ
ご案内:「第二教室棟 第四保健室」に焔城鳴火さんが現れました。
焔城鳴火 >
放課後の保健室は、多くの学生が訪れる。
例えば、部活動で怪我をしたり、学園生活の不安があったり、異能や魔術に関わる悩みを聞いたり、など、理由は様々だ。
「――まったく、面倒で仕方ないわ」
白衣の教員、鳴火の前には部活動で膝を捻った男子学生。
いわば患者である男子学生の目の前で、堂々と面倒だと口にする教員に、男子は苦笑いを浮かべるしかなかった。
彼女の表情が、口調と比べて不機嫌ではなかったからだ。
「はい、これでいいわ。
しばらくは運動禁止よ。
松葉杖でも車椅子でも、好きな方を持っていきなさい」
そう、器具の置いてある片隅を鳴火が指さすと、男子はひょこひょこと歩いて、松葉杖を手に取る。
丁寧に礼と挨拶を伝えた男子学生に、鳴火は片手をひらひらと振って一瞥を向けるだけ。
「いいからさっさと出ていきなさい。
私からプライベートの時間を奪いたいの?」
冷ややかな文字列とは裏腹に、どこか気遣いのある声が響くと、保健室はすぐに静かな教室へと戻った。