2024/06/09 のログ
ご案内:「第二教室棟 ロビー」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 >  
「ふぅ」

とこコレの推薦を終えて一息。

お祭りが近いこともあってか、最近はより放課後は賑わっているように感じる。

(仲良し、いたら、そうなんだろうなぁ)

そして、自分はと言うとそんなに、はしゃぐ予定もなく、スマホを取り出す。

そこに、もうないストラップを見て苦笑した。

もうないのに、癖、みたいなものだ。

「今日は、どう、しよ」

ロビーの席に腰を下ろし、ゆったりとしながら。

自販機で買った炭酸飲料をひとくち、喉を鳴らして、飲んだ。

ご案内:「第二教室棟 ロビー」に橘壱さんが現れました。
橘壱 >  
風紀の腕章を付けて今日は教室棟を歩く少年。
事件は外で起きているわけではない。学園内にも何が起こるかはわからない。
地味で退屈な作業だが、警備というのはそういうものだと思ってる。

「……はぁ。」

溜息。だが、真面目にやろうと思えば思うほど退屈だ。
流石にもう歩きタブレットをすることはないけれど、どうするか。
いっそ適当に切り上げるか。そう思ってロビーを横切ろうとした時、とある女子生徒が目につき足を止める。

「……伊都波(いとわ)先輩……じゃ、ないか。」

かつて風紀委員本庁で出会った先輩。
その女子生徒と似ていたせいで、思わず口に出てしまった。
訝しげな表情をしている少年は失礼、と軽く咳払い。

「悪い、知り合いと似ていたものでついね。
 アンタは此処で何をしているんだ?休憩?」

まぁもののついでだ。所謂職質程度の気持ちで声をかけよう。

伊都波 悠薇 >  
「びゃ!?」

もうひとくち、と缶を傾けたときにかけられた声。

口に含む前でよかったと安堵をするひまもなく、びくぅと、宙に浮いてしまう。

「え、と、私、ですか?」

いとわ、と言われると自分の名字。
でも、認識はない、ということは、自分ではない、姉のことだろうか、というところまでは考えが及ぶ。

「え、と、きゅう、けい、です。はい」

前髪をささっと、整えて目線を隠した。

(だだだ、だんし!? が、なんで!?)

胸中で狼狽えながら

橘壱 >  
思ったより驚かれてしまった。
急に声をかけられたら驚くか。少しは理解できる。
何故なら自分もどちらかと言えばインドア、陰より。
内輪でゲームをやるおかげで、人と話すのは苦ではないがわかる。
かちゃり、軽く眼鏡をお仕上げて一息。

「そう、アンタ。一休みしてる時に悪かった。部活帰りとかか?」

オタクであるが故に過敏な所が苦なのは理解しているつもり。
一応、一定以上の距離(パーソナルスペース)を図っているのでその場で腕を組み相手を見ていた。
人の心を当然見透かす異能は無いので何を考えているかまではわからない。

「僕も丁度退屈でね。時間潰ししたい所だったが、邪魔ならば帰るよ。」

無理強いはしない。一人の時間が良いときもある。
特にそういう気質の人間は理解しているつもりだ。

伊都波 悠薇 >  
「あ、え、いや、ぶかつ、は、ない、です。あと、これ」

いちおう、自分も腕章を鞄から取り出して見せることとする。
今日はオフ、だからつけていないのだと。
風紀委員の腕章だ。

「じ、じかんつぶし……」

というと。

「ななな、なにを、するんです?」

例えば、と聞いてみることがまずは大事。
それにノるか、どうかを考えればいいと。

橘壱 >  
そういうことかと小さく頷いた。

「なんだ、お仲間か。アンタも巡回の途中か?
 どっちでもいいが、どうにも僕はこういうのが苦手みたいだ。退屈で仕方ない。」

戦いの気配もなく、AFを使うこともない。
ただ惰性で生きてるような一日の時間を嫌に長く感じさせるだけだ。
何も無いのに時間ばかりが在るという苦痛、嫌になる。
それこそ少年は退屈そうに、再度深い溜め息を吐いた。

「……何って……。」

不思議そうに小首をかしげる。

「話……?」

それ以外にあるのか。いや、あるのか。わからん。
そう、めっちゃ喋るけど少年の根っこは陰。会話デッキの枚数は限られる。
言っておいて何だけど普通の人は会話をしないのか。わからん。
なんだか拙いこと言ったのか、とちょっと内心不安になった。

伊都波 悠薇 >  
「話…………」

話、と言われるとなかなか難しい。
あんまり話したことのない初対面の男子と話。

(お、おてんき、とか?)

今日もいい天気ですね、は今使えるのだろうか、と真面目に考え。

「退屈、なほうが、良くないですか。事件がないって、ことですし」

苦手、という姿に首を傾げ。

「それとも、なにか、やりたいことがあって風紀委員に?」

橘壱 >  
「……今日もいい天気……でも、ないな。」

考えることは同じらしく、会話の切り口に早速使った。
窓の外は生憎のくもり空。天気予報では、夜は雨が降ると言っていたっけ。
言っておいて何だが、やはり少年もまぁまぁコミュニケーションは下手くそ。
こういう話ではないか、とちょっと内心反省中。

「…………。」

但し、続く問いかけには少し黙った。
金属製のトランクを軽く揺らし、窓の方を見やった。
どんよりとした曇り空だが、少年にはもっと"別のもの"が見えている。
窓を見る碧の視線は、遠くを見ているようにも見える。

「……"平和なこと"自体は良いんじゃないか。
 別に僕自身は退廃を望んでいるわけじゃないし。」

彼女の言うことはご尤もだ。平和が一番というのには同意が出来る。
誰かの死や、それこそ破滅を臨むような極端な思考はしていない。
ただ、望むものはそれとは全く真逆のものだ
ふ、とちょっと気が抜けたように笑みをこぼし、視線を彼女に戻した。

「悪い。言うほど僕も会話は得意じゃなくてね。
 ある先輩にも言われたけど、会話も言葉遣いも"終わってる"らしい。
 ま、僕自身はそんなことはどうでもいいんだが、矯正すべきだと言われてしまった。」

「……やりたいことはある。だから常世学園(ココ)にやってきた。
 隣、いいか?僕は(いち)橘壱(たちばないち)。風紀委員の一年生だ、宜しく。」

伊都波 悠薇 >  
「ど、どうぞ」

すすっと、隣を大きく空ける。

座りやすいようにという気遣いだ。

「まぁ、その、勘違い、する人は、いそう、です」

終わってる、という話しに少しだけ同意する。
これで威圧的にこられたら直ぐに逃げてしまいそうだ。

「それで、やりたいことって?」

会話デッキ、として残っているもので繋いでいこうと、試みた。

橘壱 >  
「どうも。」

一礼。隣に腰を下ろした。なるべく隅っこ。
相手のパーソナルスペースを侵食してはいけないという気遣いだ。
足元に置かれるトランクはごと、と重そうな音を立てた。

「そうか。まぁ、他人にどう思われるかは興味はないんだが。
 当たり障りない事を言うのも、取り繕う事をして何の意味があるのやら……。」

初対面の人間から見てもそうらしい。
自分なりに矯正こそ考えてやってはいるが、余りピンと来ていない。
何よりも他人との関わりに何かを見出したわけでもない。
わざわざ自分に嘘を吐いてまでやるべきことなのか、疑問だ。
続く問いかけにはまた、少し黙り込んでしまう。

「……言いたくないわけじゃないが、"平和好き"のアンタには共感しづらい内容かもな。」

少なくとも少し前なら遠慮なく、それこそ得意気に語っていただろう。
こうして相手を見て会話の取捨選択をしている辺り、自分なりに頑張っているのが少し見える。
彼女が口下手なら会話下手。喋れるだけのコミュ障少年。
なんともしがたい硬い表情で、自身の顎を撫でて、彼女を一瞥。

「アンタは、そうだな。ゲームとか、スポーツ。なんでも良い。人と競い合うのは好きか?」

伊都波 悠薇 >  
「それはスゴいことでも、ありそう、ですが時にマイナスにもなりそうですね」

落ち着いてきた。
多少、時間があれば慣れはくるもの。
これも一年の月日がもたらしたもの、だと思う。

(重そう)

音をたてたトランクに、あれで殴られたら大変そう、なんて、昨日読んだ小説の影響を受けた感想を抱いた。

「私が、平和好き?」

そんなこと言われたのは初めてだったから、そうなのだろうかと自分に問いかける前に、質問が飛んできたから。

「追いかけるのは、癖になってます」

好き、とも、嫌い、とも応えなかった。

何故ならそういうのは、そも、その「土俵」にたたないと成立しないものだから。

橘壱 >  
「他人にどう思われてもどうでもいい。どうでもいいんだが……まぁ……。」

こほん。

「実際、関わり方がわからない。自慢じゃないが、17年間ろくに外に出てなかった。
 ネットの海でなら幾らでも饒舌にはなれるんだけどね。」

そこは事実でもあるが、正直に言えばそこに行き着くのも事実だ。
だからといって、関わるのが怖いという軟弱な思想ではない。
そうでなければ、彼女に声をかけることすらしなかったから。

「僕の所感だよ。事件がない方がいいんだろ?」

それだけで決めつけるのも良くないかも知れないが、自分基準という話。

「……目標がある。それを追いかけ続けてる。
目標(ソイツ)がどんなに早くても、地べたを這うことになっても食らいつく。」

「────最後に追いついて満足するか、それとも追い抜いて尚満足せず進み続けるのか。」

「そういう話なら気持ちはわかるな。
 僕は断然後者でね。"負けず嫌い"なんだ。興味のあることでは、何にでも頂点に立ちたい。
 そういう意味では人と競い合う、それに準ずるものが好き……いや、"生き甲斐"かもね。」

追いかけるための努力。
凡人が、その先にいる天才(ジーニアス)特別(スペシャル)に追いすがるために重ねる唯一の手段。
少年の場合は、そういった手合であっても、一度"成る"と決めたら前にいるのが我慢ならない。
遠回りが近道なら、ひたむきにただ追いかける。追い続ける。言い換えれば"執念"だ。
そして、仮に追い抜いても誰にも追いつかれる事なく、独走する。
そういう意味で追いかける、と言われると勝手ながら、親近感を覚えずにはいられなかった。

「アンタも何か、追いかける背中(もくひょう)があるのか?」

そう問いかける少年の顔は、穏やかだった。

伊都波 悠薇 >  
「そうなんですね」

背景を聞くと、近しい感じもする。

「私も、友達がいなかったので。あんまりお話しは得意ではない、です」

苦笑して、やりたいことを聞くと素直にスゴいと思う。
だから。

「“いいえ”」

首を横に振った。

「憧れることはやめたので」

それに。

「追いかけるのも難しい人なんです。スゴい人ですから。でも、別の方向でがんばることに、してますから」

人によっては諦めたとか、そうとらえる人もいるだろう。

だが、声音は優しく、負けている人の声には聞こえなかった。
それをどう受け止めるかは少年次第だけれど。

「でも、隣にはいようとおもってますから」

ここは、譲れないと付け足した。

橘壱 >  
「……ちょっと思ってたけど、似た者同士かもね。ナンパっぽい言い方だけど。」

なんて、ちょっと戯けるように肩を竦めた。
ただ、彼女は何処までは走る方(ハングリー)ではないらしい。
追いかけることを辞めてしまった。難しいから、と彼女は言う。
一種の妥協めいた物言いではあるが、決してそれは諦めからではない。
声はそうじゃない。もっと別の何かだ。恐らく、少年はまだ知り得ない。
ただ、その"強い感情"はきっと、悪いものじゃないとだけはわかった。だから。

「"いいんじゃないかな"。」

笑みを浮かべて、肯定する。

「僕はそう考えたことはないけど、一緒に走るだけでも大変だろうしな。
 その追いかける目標(ヒト)は、大変なんだろう?それに、自分で決めたことにケチをつけるほど、僕は馬鹿じゃない。」

何よりも少年自身が、如何なる相手であれ勝つための努力をするからだ。
血反吐を吐き、泥水を啜ってでも最後には勝つ。量や姿勢の問題じゃない。
"言い訳"ではなく、"努力"として口に出すことは間違いではないと思うからだ。

「僕に言われるまでもないが、そう言うからにはめげるなよ。」

但し、途中でやめたらもうそれはただの"嘘"だ。
敢えて言うことでもないだろうが、他人に言われれば少しは発破にはなると思ったからだ。

伊都波 悠薇 >  
似た者同士と言われれば、そうかも、なんて頬をかいた。

「はい。憧れは、理解とは最も離れていると思ったので。私は、そうじゃなく、ちゃんと側にいたいから」

めげるな、といわれると、くすりと笑った。

「目標、置き去りにできると、いいですね?」

橘壱 >  
「……仲が良いんだな。何処の誰かは知らないけど
 僕はそういう相手に巡り合わなかった。ほんの少し、羨ましいかもね。」

隣に並びしものはいない。比肩しうる存在は必要ない。
常に長年に立つのは一人。孤高であり、絶対。
そして、何よりも自由に青空を羽ばたける(ツバサ)を持っている。
走る(どりょく)することは同じでも、その思想(ほうこう)はまるで違う。
天井を仰ぐように背もたれにもたれかかった。姿勢の崩し方が行儀が悪い。育ちの悪さが出ている。

「…………。」

そう笑う彼女とは違い、何処か好戦的な笑みを浮かべる。

「生憎と、僕の走る先はもっと遠いんだ。
 目の前には多くの背中があるし、でも何時かその先頭に立てる自信がある。
 あんまり僕のことを話したら、アンタのことを怖がらせちゃうかもな。」

根拠こそないが、終わりなき闘争の先。
何時か空を自由に飛べると思っている。
彼女と違ってぼかした言い方をし、敢えてからかうように言った。
こういう風に直球に言わないことも重要…なのかもしれない。

「……アンタ、名前は?」

伊都波 悠薇 >  
「大事な家族ですから」

それも当然だと口にする。

「なにを、言ってるんですか。これからですよ。まだまだたくさんの出会い、きっとありますから。そんな年寄りみたいなこといっちゃだめです」

ほぅと息を吐いて、炭酸飲料を口にした。
いらない、と思っていることなんて少女には分からないから。

「いとわ はるかです。2年です」

橘壱 >  
成る程。なんとなくその名前から色々察した。

「いとわ、いとわ……その家族っていうのは、凛霞先輩の事?」

同性なら人違いで終わりの話だ。
なんとなく面影があった勘違いのきっかけなんだし、もしかしてそうなんじゃないかと問いかける。

「…………。」

くっ、と思わず吹き出すように失笑した。

「出会い、ね。その出会う連中……っていうのは、何時か踏み躙って、足がかりにするような連中でも?

伊都波 悠薇 >  
「姉さんのこと、知ってたんですね」

まぁ、知っているかと思う。
自分と違って有名人だ。

「えっと?」

今までの会話とは違う雰囲気に、戸惑いの声をあげた。