2024/07/01 のログ
ご案内:「第二教室棟 屋上」に蘇芳 那由他さんが現れました。
■蘇芳 那由他 > ある日の放課後の屋上。今日は”仕事”も祭祀局のお手伝いも無いフリーな時間。
既に下校時刻になっているのだが、何となく屋上に立ち寄ってぼんやりしている少年。
「…うん、怪我もほぼ治ったかなぁ。」
己の体を見下ろす。体中に巻かれていた包帯はほぼ外されて、残るのは両腕の包帯のみ。
だが、一番酷い酸の火傷を負った両腕は矢張り痕が残る…らしい。
(…まぁ、自戒の意味でも傷跡は残しておくべきだろうし。)
二度とあんな死ぬか生きるかの戦闘をしないで済むように。
幸い、筋肉や神経の方は治療が間に合ったので、腕の機能が何かしら不全になる事も無い。
――と、そんな事を考えていたらメールの通知音が小さく木霊する。
…ちなみに、保護者に勝手に変更された通知音は既に元に戻してある。
「えーと…あ、ミアさんからだ。」
この前、カフェテラスで相席になった金髪碧眼の少女だ。
何だかんだ意気投合したというか、仲良くなれたと思う。有難い事である。
■蘇芳 那由他 > 「――って、何でミアさんまで入院してるの…。しかも多分同じ怪異のせいだよねこれ。」
えぇ…と、口をややへの字にしつつも内容を読む。
何か赤いゾンビとやりあったらしい。僕の場合は鮫だったけども。
ただ、大した怪我じゃないらしいのが幸いか…良かった。
無意識に、ほっと安堵の吐息を漏らす。容体が酷かったらお見舞いも考えていたけど…。
「…風紀委員からのロングインタビューは疲れそうだなぁ。…僕も聴取されたけど。」
一応被害者なので、尋問とかそういう感じでは全然無いけど、何か居心地が悪かった記憶がある。
ともあれ、何か返信はきちんとしておこう。
(…近づくつもりは毛頭無いんだけど、僕の方向音痴がなぁ。)
ナビが無いと確実に迷い込む。ナビがあっても何故か偶に迷い込む。…どうすればいいんだ。
■蘇芳 那由他 > この前なんて、気が付いたら転移荒野に何故か居たのだ。
瞬間移動も疑ったが、【槍】にそんな力は多分無い筈だし、僕が異能に目覚めた訳でもない。
…念の為、検査とかして貰ったが、清々しいほど無能力者のままでした。
…いや、今はそれは置いておこう。僕の方向音痴に関しては現状、根本的な解決策が無い。
「返信は……えーと…当たり障りなく…だと他人行儀で壁を作ってるみたいだし…。
いやぁ、でも馴れ馴れしいのもそれはそれでどうかなって感じだし…難しい。」
最近、友人が出来てやっとメッセージを活用するようになったレベルだ。
こういう時、気の利いた文章の一つも浮かばないのが悲しい。
…でも、返信をしないのは不義理なので、ここは何かもう深く考えずに打ち込んでおこう。
と、いう訳でぽちぽちと返信を開始する。
■蘇芳 那由他 > 「――よし、こんなもんかな…と。」
送信ボタンをぽちっと。送信が無事に済んだのを確認してから端末をポケットに仕舞い込んで。
「…とはいえ、僕の事だからまた何時あっちに迷い込んだりヤバそうな怪物と遭遇するか分からないし。」
やっぱり地道に体を鍛えるべきかなぁ。と。この検討をするのはもう何度目になるだろう?
それに並行して、【槍】をもうちょっと使いこなせるようにならないといけない気がする。
一応、雇用主の幼女さんには内緒にしている【槍】の切り札な運用法を一つだけ思い付いたが。
それを仮にやった場合、少年にどんな影響があるのか未知数過ぎるので、もはや博打だ。
(…【紅き屍骸】…だっけ。ああいう怪異と遭遇したらもう”それ”を切るしかない気もするけど。)
■蘇芳 那由他 > 少年には”恐怖心”が無い。だから、やると決めたら迷いは無いし、死ぬ時は死ぬと割り切ってもいる。
別に死にたくなんてないし、出来るならさっさと尻尾を巻いて全力で逃げたい。
「――【預け物】もあるし、再会して返して貰うまでは流石に死ねないよね…って。」
そう、約束だってある。けど、人間死ぬ時は死ぬ。誰だって。
僕だって凡人なりに足りない頭を使うし体も動かすし足掻くけれど。
【槍】が無ければあの紅い鮫にとっくに殺されていた。僕自身は本当に雑魚だ。
だけど、ちゃんと悔しいって思えた。リベンジもしたかった。
そうとも、僕は死神の祭器の付属物なんかでは無いんだ!!
「…と、自分を鼓舞していかないと色々凹みそう。」
無理やりテンションを上げるのは僕には向いてないらしい。
思わずがっくり項垂れる。