2024/11/05 のログ
ご案内:「第二教室棟 教室」にDr.イーリスさんが現れました。
ご案内:「第二教室棟 教室」からDr.イーリスさんが去りました。
ご案内:「エルピスとイーリスが放課後を迎えるだけ」にDr.イーリスさんが現れました。
ご案内:「エルピスとイーリスが放課後を迎えるだけ」にエルピス・シズメさんが現れました。
■Dr.イーリス >
夕暮れの教室。
エルピスさんとイーリスの放課後の一時。
イーリスは学園の授業があまり好いていなかったけど、ちょっと前に正規入学して真面目に授業を受ける日々だ。
授業にはちゃんとついていけている。
何より、エルピスさんとの学園生活がとても楽しい。エルピスさんとこうして学園での生活を送れるのがとても幸せ……。
机に脚を組んで座るイーリスは、エルピスさんと楽しく会話していた。
「授業もついてきていますし、予習復習も頑張ってます。次の試験は、良い点数が取れそうです。《フェイルド・スチューデント組》の皆さんは、ちょっと授業についていくのに苦労しているみたいですけどね」
もう少ししたら、購買に向かった一部の《フェイルド・スチューデント組》メンバーもこの教室に戻ってくるだろう。
「それでも少し分からないところもやはりありますね……うぐ」
■エルピス・シズメ >
秋の放課後。イーリスと同じ講義を受けた後のこと。
すっかり日が沈む時間も早くなった秋の夕暮れが校舎を仄かに照らす。
「ん、好かった。やる気さえ出しちゃえば、イーリスは賢いからね。」
デジタル化された黒板の液晶を軽く拭き終え、イーリスの方へと向き直る。
順調そうに学園生活を送っているイーリスの言葉、喜ばしそうに眼を細めた。
「大丈夫。イーリスならきっとすぐに出来るよ。
大体が分かるなら、後は見落としとかロジックの理解だと思うから。」
自習と講義は、少し勝手が違う。
エルピスの視点から見れば十二分だと思いながらも、少しに悩むのは科学者肌のイーリスらしいなと内心で想う。
■Dr.イーリス > 「お褒めいただきありがとうございます。がんばらなければ、単位を落として落第ですからね……。本当の本当に、落第生になります……」
落第がかなり嫌なようで、ちょっと青ざめて、ちょっとがたがた震えていた。
だがすぐに元の笑みに戻った。
「私、ちゃんとえるぴすさんと一緒に進学して、えるぴすさんと一緒に学園で過ごして、えるぴすさんと一緒に卒業したいですからね」
真面目に授業を受けて予習復習を頑張っているので順調。でも落第の心配は杞憂……とも言い切れなくはある……。イーリスが真面目に授業を頑張り始めたのは9月だから、単位習得凄く頑張らないといけない。
授業だけではなくて委員会と、あとボランティアもいっぱいがんばろう……!
「7月の試験は……私は仇敵の“王”にやられて、その後えるぴすさんに助けていただいたりしましたからね。あの時は、えるぴすさんの試験もだいぶ邪魔をしてしまっていたと思います……。えるぴすさんの方は、単位は大丈夫でしょうか……?」
申し訳なさを感じつつ、小首を傾げた。
7月初等。イーリスが“王”にやられたのはまさしく試験期間だった。
そんな試験期間中に、エルピスさんはイーリスを助けにきてくれた。エルピスさんのお陰で、イーリスはこうして生きていられている。
エルピスさんとイーリスが『数ある事務所』で済み始めたきっかけで、エルピスさんが『故エルピス』さんと向き合うきっかけで、長く険しい戦いの幕開けだった出来事……。
それとは別に、エルピスさんの単位には響いているのだろうと……イーリスは想像していた。
■エルピス・シズメ >
「単位を落としても落第……はしないと思うけど、確か……。
ええと……『一年ごとに規定された単位数をクリアできなかった場合は留年となる。』
……うん。留年にはなるみたいだから、落第じゃなくても一緒じゃなくなっちゃうね。」
オモイカネ-8を操作して一般例としての学則を確認する。
当然例外はあるだろうけど、基本的には落第はないと認識しながら青ざめるにイーリスに苦笑い。
「そうだね。ちゃんと一緒に学園を送って……卒業式も一緒に迎えたいね。」
少し先の未来に思いを馳せる。
卒業したらどうしようかな、なんてことも考える。
エルピス自身の単位取得は概ね順調。
単位が取れるかどうかよりも、成績加重平均値を気にする段階。
好みの分野に関しては、どれだけ満足行く学習が出来たかどうか。
「紅き屍骸の〝王〟にはしてやられたけど……ちゃんとどうにかできて、幕を引けた。
こうやってイーリスと一緒に学校に通って、勉強に出来るようになった。
多少の補講で済んだから、全然問題ないよ。」
想い出を振り返る。
イーリスを救出し、彼女に与えられた呪いや確執と戦った月。
語ると長くなるけれど、いろいろあった。
落第街にある『数ある事務所』を再稼働させてからは非日常の日々だった。
大分無茶をしながら非日常で戦い続けた月だけど、良縁も多く出来た。
そんなこんなである程度の支障こそは出たものの、補講などでどうにか単位を補えている。
厳密に言えば将来のGPAにほんの少しだけ響くかもしれないが、
エルピス自身が勉強漬けの日々を送り、エリートの道を歩むつもりがないので問題がない。
■Dr.イーリス > 「えるぴすさんと一緒ではなくなるのはなんとしても阻止しないといけません。純粋に私の将来を考えても、やはり順調に進級していきたくもありますね」
学業だけではなくて委員会やボランティア活動も頑張っているので、今のまま頑張ればエルピスさんと一緒に卒業できるだろう。
進路相談の先生も、今のまま頑張ればそこまで心配しすぎる事でもないとは仰ってくれていた。
「卒業式を迎えて、その後の進路も考えないといけないですよね。進路希望、まだ提出してなかったですね。もしもエルピスさんが大学に進学なされるなら、私、エルピスさんと同じ大学を頑張って受けようと思ってます」
大学に進学するとなると常世学園を卒業した後、島外に行く事になってしまうだろうか。お金も溜めないといけない。
エルピスさんが島に残るなら、もちろんイーリスも島に残る。『数ある事務所』はとても住み心地が良い。
「悪夢の日々は終わりましたからね。夏の成績の件はほんとに申し訳ないです……。これからの長い人生、えるぴすさんと一緒に歩んでいきたいと思ってます。卒業の後の進路も、えるぴすさんとこれからふたりで悩んでいきたいですね」
いろいろあった悪夢は終わりを遂げている。そうして、エルピスさんとイーリスはこうして学園に通って、平和な日々を送っていた。
ここ一ヵ月は非日常と言える出来事と鉢合わせる事もなくなっている。委員会のお仕事が大変ではあったけど……。
イーリスはふと、スマホを眺めている。
先週の楽しかったハロウィンの画像。赤ずきんちゃんの仮装をしたエルピスさんとおおかみさんの仮装をしたイーリスのツーショット。
イーリスは、幸せそうに目を細めて微笑んだ。
■エメラルド田村 > そんな時に、数名の《フェイルド・スチューデント組》の面々が購買から戻ってくる。
エメラルド田村、ルビー山本もその中にいた。
ルビー山本は《ネオ・フェイルド・スチューデント》を立ち上げ、一度はフェイルド・スチューデントを裏切った。今は《フェイルド・スチューデント組》主導の更生プログラムを受けている最中だった。正式に《フェイルド・スチューデント組》に復帰しているわけではないけど、ちゃんとこうしてフェイルド・スチューデントの仲に入っている状態。
「待たせたな、エルピスイーリス!」
エメラルド田村は、イーリスが座っている机のイスにふんぞり返って座る。
組員A「そういえば、エルピスの兄貴とイーリスの姐さんがハロウィンで大胆な事をしでかしたようっすね。動画がSNSで拡散されてるっすよ」
組員のひとりがにやにやとしながらスマホを取り出して、この場にいる面々に見せる。
ハロウィンの日。往来が激しい常世渋谷で赤ずきんちゃんエルピスさんとおおかみさんイーリスが抱きしめ合っていたり、おおかみさんイーリスが赤ずきんちゃんエルピスさんを壁際に追いやり口づけを交わしている光景だった。
組員B「お熱いっすね……!」
組員C「らぶらぶっすね! こんなにも見られながら愛し合いなんて、大胆すぎるっすよ!」
どこか茶化したような言い方だった。
「てめぇ等、すげぇな。つーかエルピス、赤ずきんの仮装似合いすぎだろ」
■エルピス・シズメ >
「将来……。ううん、僕はどうしようかな……。」
進路のはなし。
少し考えてみたけど、これと言ったものが浮かばない。
イーリスの傍に居れればいい、と言うものが一番大きいけれど……
……無事に進路を決められるか、ちょっとだけ不安になった。
不安で目を閉じると、色んなかたちの将来が脳裏に浮かんだ。
「……うん、イーリスと一緒に考えていきたいな。」
そんな不安も、一緒に考えてくれると言ってくれたイーリスのことばで掻き消える。
卒業までまだまだ先は長いから、あんまり思い悩むこともない。
「おかえり、田村さん。」
将来に想いを馳せた辺りで、《フェイルド・スチューデント組》の面々が戻ってくる。
《ネオ・フェイルド・スチューデント》の一派も無事に補導され、更生プログラムを受けているらしい。
こっちの一派に関してはエルピスはあまり関与していない。
傘下に組み込まれながら更生プログラムを受けていて、手を焼いてそうな状況だけ認識している。
「だいたん?……あ。」
組員と動画を覗き込んで、思わず顔を赤らめる。
出掛ける度に抱きしめたり仲良くしたりと、“いちゃいちゃ”することはとても多い。
そんな調子なので、動画を見終わってからようやく拡散されている理由と恥じらいを自覚した。
エフェクトや光も含めて、相当目立っている。撮り手の腕も良さそうだ。
「あ、あの……つい……
……仮装は本気出したけど、その……えっと、いーりす……」
照れと恥じらいでしどろもどろ。
混乱しながら、イーリスに視線を向けて話を振る。