2025/09/14 のログ
ご案内:「第二教室棟 ロビー」に蒼空 奏さんが現れました。
蒼空 奏 >  
「ええと……次の講義は──」

第ニ教室棟のロビーにて。
大きな壁掛け時計を見上げる、空色の髪の少女。
夏季休暇を終えて、本格的に学科なども始まった頃。
タイムスケジュールを確認すると、次の講義まで少し時間があることが理解って。

どうしようかな。と、とりあえず近くのソファへと腰掛ける。
友達と一緒なら、合間の時間にお茶なりといったことにもなったりするけれど、生憎の一人。
脇においたスクールバッグから手のひらサイズの文庫本を取り出し、栞を挟んだページを開いて視線を落とす。

読書の秋、ともいう季節。
空調の効いたロビー、少しばかり読書に興じて時間を有効に使うのもまた良し、である。

蒼空 奏 >  
最近読み始めた小説。
少年と少女の淡い恋模様を描いたラブロマンス。
読み込んでいると、少し気恥ずかしさを感じたりもするけれど、ついつい引き込まれてしまう。

──異能なんかに目覚めず、普通の人として過ごせていたら、自分にもこういうことがあったのかな。

読み始めた頃は、そんな仄暗い感情がふつりと湧くこともあった。
けれど今は、異能の力なんて此処ではあるのが当たり前で、普通のこと。
そう割り切れるようになっていた。
そう、純粋に空想の物語を楽しめるように──。

そんな、空色の髪と瞳の少女が一人、読書に勤しむ姿はちょっとだけ、絵にもなるというもの。…たぶん。

蒼空 奏 >  
──やがてチャイムが鳴って、はっと顔をあげる。

うっかり、本の世界に集中してしまっていた。

「いけない、急がなきゃ…っ」

わたわた、慌てるように本に栞を挟み、バッグへ。
立ち上がって時計を確認すれば、小走りに少女はロビーを去るのだった。

ご案内:「第二教室棟 ロビー」から蒼空 奏さんが去りました。