学園地区の校舎群の一つ。様々な教室や研究室などがこの建物の中に設置されている。
外観としては現代的なビルのようなもの。
※それぞれの教室などの詳しい情景などはある程度自由にしてくださって構いません。
参加者(0):ROM(1)
Time:08:23:20 更新
ご案内:「【生活相談実施中】第三教室棟 教室」から都姫うずめさんが去りました。
■都姫うずめ > ギターをぺろぺろと鳴らしている最中に、割り込んできたチャイムに顔を上げる。
気がついたら、生活相談タイムは終わっていた。
概ね、用事がある人は早めに来るし、飛び込みで来る人もほとんどいないのである。
『あっ、そういえば生活相談したかったんだわ!』というケースはあんまりない。
ギターとスピーカーを片付けてエイヤと教室を出る。
看板を抱えて、そのまま風紀の倉庫へと歩いていくのでありました。
■都姫うずめ > 動画を思い出しながら指を動かす。
重厚でヘビーな音がでず、ぺろぺろにょいんとした音が出た。 目を細める。
自分が音を出そうと思っていて、それができることが嬉しい。
悪童王通りを訪れて演奏してみた際の評価は散々だった。
あまりに下手くそすぎて、見かねた観客がアドバイスをしてくれたぐらいである。
そのときの動画が、今のお手本だった。
基礎も基礎、基本も基本から、観客が教えてくれる様を撮影したのである。
何度も動画を真似て指を動かす。ぺろぺろみょいん。
『うまい下手じゃねえんだ。 発信するならせめて聞けるレベルにしろ。
誰にも届かない曲だ歌だなんて俺はいやだ。悲しすぎる。』
あの時に説教された言葉を思い出し、何度も指を動かす。
彼を学校で見たことはない。 もしかしたら違反生徒かもしれない。
でも、言っていることも、思いもちょっとだけわかった。
だからこそ、こうして暇があれば練習をしているのだ。
そこかしこでやるからうるさがられることもあるけど。
■都姫うずめ > 『生活相談実施中』…。簡素な看板が立てかけられた教室の中、
うずめは一人座っていた。
警察には、殺人犯を逮捕する人もいれば、近隣住民のお話を聞く人もいる。
自分がやっているのは後者であった。
例えば、落第街で不穏な動きがあるのを知った、不良生徒のたまり場がある、
あるいは異能の制御に失敗しているひとがいる、
違法ちゅるちゅる(ペット用おやつ)を製造している人がいる…。
そういったものを集め、委員会というふるいにかけるのだ。
そのはずなのだ。
視線を手元のメモに落とす。
『彼氏の髪型が気に入らない』
『学食のうどんが最近柔らかい。学食の人が調子悪いのではないか?』
『婚期を逃しそうで不安』
『常世島の外にロケットを飛ばす許可が降りない。
領空を超えて宇宙空間に出れば度の国も領空を主張できないので、
どうにか領空内から宇宙空間までロケットを飛ばす方法はないか』
『婚期を逃しそうで怖い』
『天津飯と天津麺を一緒に食べたら卵とりすぎですか?』
『にべもない の”にべ”ってなんですか?』
『年末に男子たちが行おうとしているお祭りってなんなんですか?』
『婚期を逃しそうで不安』
『小籠包と焼き小籠包があると思うんですけど、焼きは邪道だと思います』
メモを眺めてにんまりと笑った。これで良いのだ。
生活安全っていうのは、これくらいゆるくていい。
持ってきていたギターを抱えながら、うずめは一人考える。
風紀の人は荒事を求めすぎているのだ。
でも、本当なら治安維持する人たちが暇な方が良い。
みんなに迷惑をかけるのは良くないけれど、そうでないなら
お互いのんびりしていたらいいのに。
あくびを一つすると、持ってきていた携帯型スピーカーにギターをつなぐ。
赤いギターの弦に触れると、ギターはスピーカーを通して嬉しそうな咆哮を上げた。
ご案内:「【生活相談実施中】第三教室棟 教室」に都姫うずめさんが現れました。
ご案内:「第三教室棟 屋上」から橘壱さんが去りました。
■橘壱 >
「へんっ……!?!?」
予想外の大声に思わずぎょっとする。
調子に乗ったけどこれ誰かに見られたら拙くないか。
大分拙い。やっべって固まってるうちに逃げられてしまった。
「だ、誰も見てない、よな……!?」
いや、そんなことよりも周りだ。
周りをチェックだ。よし、誰もいない。
はぁ、と一息吐けば再度タブレット端末を取り出した。
「……冷静に考えるとコレ……」
口元が、引きつる。
「凛霞先輩にバレたらヤバいか……?」
いかん、マジで調子に乗ったかも知れない。
そんな気が気でない昼探しを過ごすのであった。
ご案内:「第三教室棟 屋上」から伊都波 悠薇さんが去りました。
■伊都波 悠薇 >
「へ?」
持っていると、マズイ?
これを?
ま。まぁ、バレたらマズイ。
それは確かに。
しかして。
それを公言するのもマズイ。
「……………………」
つまり、自分を守るか、姉を守るかの二択で。
まずいだんだんあたまがまわらなくなってきた。
「そそそ、そんなことないですもん!
橘さんのーー」
息を吸い込んで。思い付いたひとこと。
「へんたーーいっ!!!?」
大声で叫びながら。
かけあしで、屋上から逃げていくのだった。
■橘壱 >
「一応あんなこと言った手前だからね、一言位は謝らせて貰いたくて」
思い返すと恥ずかしいことばかりだ。
苦い笑みを浮かべながら、タブレット端末を閉じる。
「……成る程」
この感じ、当たっているな。
脳内で思い浮かべた環菜ちゃんの胸の感想だと言うのに、
それに近しい何かだと理解した。いや、ちょっと楽しくなってきたぞ。
というか此れ食欲じゃなくて別のものだろ、満ちてるの。
ちょっと意地悪したくなってきた。
「そんなものを持って、校内を歩くんですか?」
それこそ"知っている"かのように不敵な笑みを浮かべ、
逃さないと言わんばかりにするりと肩に手を回そうとする。
至近距離。問い詰めるには実に大胆な手口!
「悠薇先輩が持っているってバレたら、色々マズいんじゃないんですか?」
※カマかけです。
■伊都波 悠薇 >
「そうですか」
ふぅ、と一息。
おそらく、それを言いたくてベンチにと口にしたのだろうか、などと勘繰り。
ーー違うかもしれないけれど。
「……ーーサァ、土、どうでショー?」
気づいてる!?
気づいているのか、いや、気づいているならそれはそれでいろいろ……どう……いや、まぁ、彼ならそうなることも、ある、かぁ。
「いえ、大丈夫です。今は食欲はいっぱいなので」
別なもので満ちているゆえに。
「で、では、きょうのところはこれにて。橘さんはごゆっくりー」
このままだと気が気でない。
撤退の構え。
■橘壱 >
資料をスライドさせながらんー、と唸り声を上げる。
「とは、違うかな。もっと別の……そう。
ライバルっていうかそういうの。後、凛霞先輩だけじゃない」
「悠薇先輩も、他の皆のおかげっていうのもあるかな」
誰か一人という訳じゃない。
全ての道は関わった人達が作ったものと言って良い。
決してそれは、誰か一人に作ってもらったという訳じゃない。
「凄かったですよね、大きさ。
やっぱり自己申告よりおっきいなぁって」
※彼は内容を知りません。
そう、これは飽く迄カマかけなのだ。
「……それは、約束出来ないかもなぁ」
多分熱中したときはそれこそ我が身を省みない。
何処までも世界を羽ばたき続けている。
──────例えそれが、己が翼が焼かれることになったとしてもだ。
「あ、食べます?」
なんて差し出した菓子パン。
"辛美味いスパイシーソーセージパン"。
■伊都波 悠薇 >
そういえば。
彼は、無理といっていたような気がした。
「……姉と、戦って見えました?」
だとしたら、姉はやはりすごいと思う。
自分では、無理と口にしていたことが。
そうして、やれる気にさせたのだから。
「ナンノコトデショウ」
マモルンダ、アネノヤワハダ マモルンダ
ごーしちご。
内心汗だらだらで。
「無理はなさらずに」
こつこつと。積み上げるのはきっとキミの得意分野であるとは思うがゆえに。
がんばれ、ではなく。
羽を休めることも忘れずに。
そんな意味も込めて。そう付け足した。
■橘壱 >
自然と彼女の隣に座れば、タブレット端末を起動。
画面には異能学、医学の様々な資料がずらーっと並んでいた。
「その、前言ったしたいこととやりたいことっていうのかな。
あんな事言っちゃった後だけど、二つとも取れそうな気がしてさ。
うじうじ悩んでヘンな感じだったけど、今はどっちも取れる道を選んでる……つもり」
将来自体はぼんやりとしていても、
世界を自由に羽ばたくならそれくらいやってのけなきゃ意味がない。
そのためにはどんな努力をするのは橘壱の気質だ。
そう語る壱の顔は何処か清々しい。
「のーこめんと」
成る程、否定しないと言う事は当たり。
或いはそれに近しいものの可能性がある。
凄く気になる。気になってしまう。
ビニール袋を漁り、蒸しパンを取り出し横目で見やった。
「……凄かったですよね、中身」
"カマ"をかけてみることにした。
ごく自然とさも内容を知っているかのように話した。
齧るパンはいちご味。どろっと甘い。
■伊都波 悠薇 >
「将来」
そう言われると、なる程と頷く。
後輩である彼だが、企業の顔、でもあるらしい。
詳しくは知らないけれどやんわりと、ネットの情報で知っている。
自分はまだ、なにも考えていないから。
そう言う、彼が大人びても見えた。
「のーこめんと、とします」
立ち上がり、身動ぎせずに、ベンチへ。
内心。
(ななな、なんで、きにしないでっていったのに!!?)
と、慌てているが、今この場ではしない。
なにせ、姉を守るためである。
広報誌、見られてしまうのは仕方がないが見せるのは違うのだ。
守らねば、姉の柔肌。少しでも。
ごーしちご。