2024/05/28 のログ
神樹椎苗 >  
「ふむ。
 ならまだしばらくは『非凡人』ですね。
 ビジネスじゃなく、信者になるなら神様からお役目を直接授かれますが」

 その時は歓迎するものの、一応は少年の自由意思を尊重したいと思っているのである。
 そのため、勧誘は冗談交じりだ。

「糖分は大事ですよ、血糖値上げて生きていきましょう。
 ――ふむ、むしろ喜ばない方が男として心配になりますが」

 『不能ですか?』なんておよそ女子らしくない単語が転がり出てきた。

「その出来る範囲、が大事なんですよ」

 無理をさせるつもりは毛頭なかった。
 それで、椎苗が想定していたよりずっと働いてくれているのだから、それには報いるべきだろうと思うのである。

「んん、方向音痴ですか?
 地図やナビとか使えばいいような気がしますが――空間認識ですか」

 能力的な不得意であれば仕方ないとも言えるが。
 それでは日常生活も苦労しそうだと、雇用主的には心配になるところもあった。
 

蘇芳 那由他 > 「…少なくとも今はその気は無いですよ僕は。
そもそも、何で槍に見初められたのかもサッパリなくらいですしね。」

と、いうか祭器の”声”を聴いても発狂も動揺も無く平然としていた時点で少々おかしいが。
そういう意味では確かに、彼女の呼び方の通り”非”凡人なのだろうな、と。

「…それで糖尿病とかになったら洒落になりませんが。あと、不能ではないと思いますよ多分。」

多分、というのはそういう事態になった事が無いからだ。
…訂正、男子の生理現象的なあれこれはあるのでやっぱり不能ではない、筈。
…と、いうか彼女の外見で【不能】という単語が出てくるのが地味に強烈な気がする。

「無理して死んだら意味ないですしね。僕は早死にしたい訳じゃないですし。」

それはそれとして、恐怖心や警戒心が欠落しているので無自覚に無茶をする危険性がある。
精神的な欠陥(イレギュラー)があったからこそ【槍】を所持出来ている節もあれど。
ともあれ、無理はしないというのはちゃんと念頭に置いているのは確か。
自分はちょっとおかしいかもしれないが、超人でも強者でもないのだから。

「地図の場所と実際の場所の位置関係の照合?みたいなものがいまいちなんですよね。
ナビ…あー確かに。そっちはサッパリでした。今度試してみます。」

機械音痴、ではないのだがそういうものを活用する事が抜け落ちていた様子。
ただ、ナビの通りに移動しても変な所に迷い込んでいそうなのがこの少年だ。

「一応、空間認識はなんか鍛えたりは出来るぽいので、色々試してみようかな、とは。
ただ、僕のは限定的というか。物体との位置関係や距離感は問題ないらしいので。」

あくまで”自分が居る位置”と”目標とする場所”の位置関係の認識が変という地味な難儀さ。

神樹椎苗 >  
「仕方ねえですね。
 まあ、神器は気まぐれなもんですし、しぃにもそれはわかりませんが」

 椎苗が持っている神器もまた、困ったことに気まぐれなのだ。
 機嫌を損ねるとまるで力を発揮してくれないのである。

「そういう心がけはいいですね。
 お前が働けなくなっては、しぃも困りま――から」

 ふぁぁ、と大きな欠伸をしながら言ってる間に、一瞬、かくんと頭が傾いた。
 相当に眠気がきているようで。

「ん、まぁ、もし困ったらしぃを頼るがいーです。
 雇用主として――はふ、しっかりサポートしてやります」

 そう言いながらまた欠伸が出て、ぐりぐりと、目を擦り始めた。
 

蘇芳 那由他 > 「…そんな気紛れに僕は振り回される訳ですか…。
いや、まぁ自衛手段にもなりますから助かりますけどね。」

と、いうよりピンチになると多分勝手に【槍】が出てくるだろう。
任意でも出し入れは出来るが、たまに不発というか【槍】の気分次第な所もある。
…神様の祭器というものは、本当にさっぱり分からないものだ。

「まぁ、ちょっと知り合いに”預け物”もあるので、それを返して貰うまでは死――…大丈夫ですか?」

少しばかりのカフェインでは眠気覚ましにはならなかったか。
ともあれ、眠気が来ている様子の少女の様子にそう声を掛けてみつつ。

「はい、僕はぶっちゃけ弱い自覚あるので頼れる所は素直に頼りますとも。
あと、せめてどこかで仮眠取った方がいいかと。」

一番近くにある保健室とかに送った方がいいだろうか?と、思いつつ。
流石に今にも寝落ちしそうな雇用主さんを放置するほど薄情ではない。

神樹椎苗 >  
「ん――ぞんぶんにたよればいーです。
 しぃは働き者のきたいはうらぎらねーです、から」

 ゆらゆらと、揺れる椎苗の頭。
 今にも閉じてしまいそうな目に、どことなく呂律も回っていない。

「んぅ。
 お前のゆーとーりですね。
 すこし、寝にいきますか――んっ」

 そう言いながら、少年に向けて両手を広げた。
 連れていけと言わんばかりだ。
 

蘇芳 那由他 > 「まぁ、お給料貰ってる身ですからね。」

アルバイト、というには特殊に過ぎるがビジネス契約なのでまぁ似たようなものか。
とはいえ、命大事に――命あっての何とやら、である。
流石に記憶は失っても命は失いたくない。

(あ、これ椎苗さん本格的に寝落ちしそうだな…やっぱり保健室とかに連れて行った方が――…)

と、考えつつも少し寝に行くという彼女の言葉にそうした方がいいですね、と相槌。

…で、何ですか?その両手を広げたポーズは?え?連れて行けと?マジですか?

(いや、連れて行くのは良いとして校内の生徒とかに見られてあらぬ誤解を生んだら流石に…)

「…はいはい、僕は雇用主さんのご意向にはきちんと従いますよ。」

内心のそれは表情には全く出さず、取り合えず少女を抱き上げる…やってから思うがこの構図大丈夫か?
とはいえ、それはそれ。近くの保健室まで距離はそんなに遠くない。
つまりササっとミッションを済ませれば変な目撃証言や誤解も無い。

「じゃあ、行きますよ椎苗さん。こういう運び方慣れてないのでそこは大目に見て下さいよ?」

と、そこはちゃんと念押ししつつも、雇用主さんを抱き上げて保健室まで送っていこうとするだろう。

神樹椎苗 >  
「んふー。
 いいこころがけです」

 抱き上げられれば、妙に軽く小さい体はすっぽりと腕の中におさまってしまうだろう。
 そして満足そうに身を任せるのだから、困ったモノで。

「ん、ならこれからなれることですね。
 こよーぬしは、わがままな、もん、で――」

 そして歩き始めれば、あっという間に寝息が聞こえるに違いない。
 保健室でベッドに転がしても、椎苗はまるで目を覚ますようすもなく。
 気持ちよさそうにぐっすりと眠るのだった。
 

ご案内:「第三教室棟 屋上」から神樹椎苗さんが去りました。
ご案内:「第三教室棟 屋上」から蘇芳 那由他さんが去りました。