2024/07/17 のログ
ご案内:「第三教室棟 深夜の教室」に竜胆 襲さんが現れました。
■竜胆 襲 >
コチ、コチ…と時計の秒針が時を刻む。
時刻にして、丑三つ時。
当然、用もないのに校内に残っている生徒は基本的にいない時刻だ。
宿直の先生には夜間活動の許可を得て、第三教室棟と屋上への出入り許可を占星術部の名前でもらっている。
星を詠む…。占星術は夜間に活動する言い訳にもってこいなのだ。
誰もいない、無音の教室。
廊下と違って月の光もそれほどは差し込まない暗闇に"それ"はいた。
『蝟ー繧峨≧谿コ縺吝・ェ縺?官縺咏官縺咏官縺吮?ヲ』
……およそ言語ともつかない言葉を漏らす。真っ黒な、人影……。
■竜胆 襲 >
この活動をはじめてしばらく、
SNS上での小さな噂を皮切りで現れ始めた夜間の校内での黒い影の怪異。
既にいくらかは刈りとっているも、噂は後を絶たない。
明確な事件を起こしていない故に、まだ祭祀局も動かない、しかし。
『迥ッ縺咏官縺呎ュサ縺ャ縺セ縺ァ迥ッ縺吶Ζ繧峨○繧ッ繧ス螂ウ』
「……──、気色悪い」
この"人型の影"に関して言えば、見かけたその全てが、こちらへの明確な"悪意"を見せる。
…既に生徒が襲われ、部員の一人が負傷もした。
「刈り取る」
黒い該当を翻し、その掌に出現した刃鎌を手に、黒い人影へと襲いかかる。
■竜胆 襲 >
───呆気ないくらいに、一瞬。
黄金の軌跡を描いたそれが、黒い影の首を思しき部分を斬り捨て、返す刃でその胴を分断する。
獣の様な唸り声とともに人型の影は崩れ、‥後に黒い煤のみを残す。
その散りざまもいつも通りだ。
影自体の動作は緩慢で、刈り取ること自体は苦にならない。
先手をとれば、ほぼ一撃…多くても二撃で事足りる。しかし…。
「……いくらなんでも校内だけで発生しすぎてる」
小さく呟き、屈み込み…。その場に残った黒い煤を、ポケットから取り出した小さな小瓶へと集めてゆく。
「……少し手を進めるためにも、色々やってみないと」
■竜胆 襲 >
煤を拾い終えると立ち上がり、それをいれた小瓶に蓋をする。
手に握られていた漆黒の刃鎌はいつの間にか消え失せている───。
「(……今の人影は悪意は見せた…けど明確な攻撃の意思を見せなかった)」
…学園の深夜に現れる黒い影の怪異の形は様々だ。
犬、猫、兎、熊、カラス、蛇、犬、そして…人。
獰猛な動物であれば獰猛に振る舞う。
しかしこれまで出会った中で圧倒的に悪意や害意が強いのが…人の形をしたものだった。
校内だけで発生しているのにも、なんらかの理由がある筈。
「…この煤が何かのヒントになるといいけど」
わずかに差し込む月明かり。
それを鈍く反射する小瓶を眺め、呟く。
「………こういうの分析できる人、部にいましたかね……」
うーん、と少々唸りながら外套を翻し、その日の夜はそれで校舎を後にした──
ご案内:「第三教室棟 深夜の教室」から竜胆 襲さんが去りました。