2024/09/10 のログ
ご案内:「第三教室棟 ロビー」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
今日は委員会活動非番の日。
優秀な風紀委員達のおかげで、ギフト騒乱まわりも多少人の供給が追いついてきた。
学業をおざなりにするわけにもいかないので、今日は授業に集中する日だ。

とはいえ合間の時間があくアイミングもあり、
そういう時は図書館で予習やおさらいをしたり、こうしてロビーで一休み。
自販機で買ったアイスティーを手に、ふうと一息…。

伊都波 凛霞 >  
ロビーの椅子にかけ、ゆったりしていると一人の男子生徒がこちらへやってくる。

『こんにちわ、伊都波さん、だよね!』

さらりとした髪質の、長身の男の子。
顔も整っていて清潔感ものある、いかにもモテそう。
…えっと、確か───。

「えっと、あ、本庁の西川くん!で合ってる?」

そうだ、確か正義観が強くって成績も優秀な風紀委員と聞いている。

『名前覚えててくれたんだ!嬉しいな。
 実はずっと話してみたいと思ってて、よかったら今度食事でもどうかな!』

女好きが玉に瑕。
そこまでの情報は、さすがにない。
余程彼と距離の近い友人であるとか、風紀委員の情報に精通している人物でない限り。

伊都波 凛霞 >  
「お食事? うん、いいよ♪」

同僚との親交なんていくらあっても良い。
にこやかに応える様子に、男子生徒…西川光は内心ガッツポーズ。
しかし。

『本当かい!? 実は最近できたレストランがあって、凄く評判がいいんだ!
 それじゃあ早速お店を予約して───』

「あっ、待って!そのお店ってあそこのことだよね?
 私の友達も行きたがってたんだ~、せっかくだし誘ってあげてもいいかな?」

『え?』

屈託のない柔和な笑みで応える少女、伊都波凛霞。
思惑と違ったルートに入り、たじろぐ男子生徒。
後方で様子を見ていた一般生徒から、小さな笑いが溢れている。

『ええと、できればその、二人で──』

「? どうして?」

詰みである。

ご案内:「第三教室棟 ロビー」に田中 浩平さんが現れました。
田中 浩平 >  
「ほヴァッ」

奇声がカッ飛んだ。
出したのは当然、俺だ。
だってあんまりにもナチュラルにデートのお誘いが潰れたんだもの。

笑いを堪らえようとしたら変な声が出ちゃうの!! いいじゃん別に!!

ロビーの全員から俺に視線が集まる。
うわ視聴率が上がっちゃったじゃん。

「すいません、どうぞ続きを」

可能な限り神妙な顔つきでロビーのみんなと、
握撃でデートプラン潰れた2.5枚目と
なんか天然いい人なのが伝わってきたゴイスー美人にそう言った。

ふぅ、勉強中に奇声出す実績を解除しちまったぜ。
第二外国語の辞書(中国語/凶器サイズ)でも読んで落ち着こう。

伊都波 凛霞 >  
とうとう吹き出してしまう生徒まで現れ、居たたまれなくなったのか、
西川くんは結局風紀委員のグループランチという話に落ち着かせ、
思惑が完全に外れた彼は妙に寂しそうな背中でその場を逃げるようにして後にしたのだった。

「楽しみだなー♪」

一方で皆で食事とかそういったイベントが大好きな少女。
玉砕させたことすら気づかず楽しげに爪のお手入れを始めていた…。

何着ていこっかな~、なんて浮ついた言葉まで聞こえる始末だ。

世の中は残酷に出来ている。

田中 浩平 >  
視聴率が低下したのを見計らって美人さんに声をかける。

「すいません、一般人です。少し時間いいでしょうか」

一般人と名乗る一般人は一般人じゃなさそうだな。
まぁいいや。

「藪からスティックですが今の男の人、昔からの知り合いだったりします?」

ゴイスー美人に確かめてみる。
これで彼氏だったら多少のフォローを入れる必要がある。
男という生き物はどこまでいっても男なのだ。


違ったら死ぬほどどうでもいいな。

伊都波 凛霞 >  
「? こんにちわ?」

きょとん、とした顔で挨拶をしつつ。
見知らぬ男子生徒の顔をじっと見る鈍色の大きな瞳。
なんだろう?と思っていると…。

「ううん、直接話をしたのも初めて。
 同じ風紀委員で名前と顔は知ってたけど──」

「でもランチのお約束ができたから、
 これから仲良くできるといいよね」

とても、にこやか。
コナをかけられたという意識すらもないようである。

「えっと……あなたは?」

田中 浩平 >  
「はぎッ」

ツボった。あんまりだ。こんなのあんまりだよ。
また変な声が出たし、彼は下心を認識すらされてなかった。

でもフォロー入れる必要はなさそうだしいいか(どうでも)。

「あ、俺は二年の田中浩平って言います」
「なんか話が盛り上がっててつい興味を……」

「彼もその……………………仲良くできるといいですよね」

愛は真ん中に心の文字があるから真心。
恋は下側に心の文字があるから下心。

残念ながら中国語で書く愛に心の部分はない。
ウォーアイニーくらいはわかるけど。

「お手入れの邪魔でしたね、サーセン」

伊都波 凛霞 >  
「…?」

妙なうめき声をあげる彼。
思わずちょっと不思議そうな顔。

「田中浩平くんね。私は伊都波、伊都波凛霞」

よろしくね、と笑顔。
そこでふと、首を傾げる…。
田中浩平……何処かで聞いたような。
でも、よくある名前かもしれないし…と、一旦仕舞っておこう。

「そうだね。風紀委員同士信頼関係も築いておきたいし、
 みんなで仲良くできるにこしたことないもの」

にこにこ。
仲良く出来るといいな、と。
本心から思っている笑顔だ。

「んーん、全然いいよ。お手入れなんていつでも出来るしね♪」

お手入れのセットをぱた、と仕舞って。
むしろこうやって誰かとお話する時間のほうが少女にとっては重要案件。

田中 浩平 >  
「失礼、突発性奇声癖なんです」

ただの奇声癖じゃねーか。

「伊都波凛霞さんですか、風紀委員の」

腕章に視線が向く。
そうか、さっきの人も風紀委員。

いつも街の平和を守っている人々だ。
感謝こそすれ笑いものにしていいはずがない。

反省しろ浩平……っ!

「そうですね、連携とかありますし……」
「同じ委員の人とは仲良くしたほうがいいですよね」

「自分も生活委員会の末端なのでゴミとか見つけたら極力拾うようにしてます」

あら。意外とこっちの話を聞いてくれる姿勢だ。

そして伊都波さんはすごく綺麗なんだよな……
下ろしたてのオートクチュールドレスを思わせる長い髪。
突拍子もない会話でも笑って聞いてくれる輝かしき瞳。

確かに彼はワンチャン狙ったが、それを誰が笑えるだろうか。
俺だわ。俺が笑ったわ。ごめん西川くん。

「俺も砂糖が本当に甘い確率で追試の第二外国語の勉強より人と話すほうが好きですよ」

伊都波 凛霞 >  
突発性寄声癖。

「っふふ、なにそれ」

思わず小さく吹き出してしまった。
くすくすと笑って、改めて。

「生活委員さんなんだ、大変でしょう?」

いつもお世話になっております、と小さく頭を下げる。
風紀委員とも、切っても切れぬ彼らとの関係。
連携活動などの今後も含めて、日頃からの感謝を示そう。

「それ、100%じゃないの? 面白いなあ、田中くん」

あはは、と声を上げて笑う様は気取らなさも感じさせる。

田中 浩平 >  
「それはもう突然奇声が漏れてしまう悲劇的な悪癖がですね…」

笑いを堪えきれない俺には笑いが絶えない店を作る夢があるのだった。
もちろん後付だ。完全にゲラなだけ。

「とはいってもゴミ拾いして島中駆け回ったり、蜂の巣を駆除したりしてるわけじゃなくて」
「生活委員会のお膝元でラーメン屋出してるだけなんです」

「異邦人街の麺処たな香っていう店で商売させてもらってます」

──させてもらってます。
そう、この前の『空き巣が店の前で鍵穴ガチャガチャしててビビって寸胴倒して大きな音を立てたら逃げてった事件』で
風紀委員の方には大変お世話になった。
この事件、空き巣が店の前で鍵穴ガチャガチャしててビビって寸胴倒して大きな音を立てたら逃げてっただけだが
なんだかんだで防犯を見直す必要が出たり大きな転機だった。

この島に生きていれば、どこかしら風紀委員との関わりはできるのです。

「そりゃあ100%ですが……0点で追試と29点で追試じゃあ天と地ほどの差が」
「……ないですね」

「そうそう甘い話はないというオチ」

伊都波 凛霞 >  
「うーんそれは悲劇的だぁ…この島の医療の発展に期待しなきゃね?」

ネタにもずいずい乗ってくる。

「ふんふん、生活委員さんの仕事は幅広いもんねえ…。
 って…あっ、そうか!ラーメン屋さんの!」

どうだ、この間友人…緋月さんとラーメン店に行く約束をした折、
どんなお店があるんだろうと調べた時に出てきた名前。
或る意味素朴なその名前が、店主の名前と共に記憶に残っていたんだ。

「すごいね、お店のオーナーなんだもん。今度食べに行くからサービスして欲しいな~♡」

冗談交じりにそんな愛嬌。
もちろん行ってみたくなった気持ちも強くなった。

「うーん…。
 その問題の証明はなかなか難しいかもしれないねえ」

ぴ、と人差し指を立てて見せて、声色だけは深刻そうに。
すぐにくすくす、と小さく笑いを浮かべてしまうけれど。

田中 浩平 >  
「昔から『つける薬はない』と断じられる分野の気もしますが」

恋の病じゃないほう。

「お、知っててくれたんですか。嬉しいなあ!」

ポケットから5枚つづりのクーポン券を取り出して。
差し出した。

「もちろんですともオフコース!」

このクーポン券というやつがまた曲物だ。
どこで切っても店の名前が入るように工夫されたデザイン。
誰かに分けても、自分で使っても店の名前が頭に入るようになっている。

ラーメン屋のクーポン券は忍者の手裏剣なのだ。
よって誰にでもシュビッと放つことができるように準備されている。

「150円引きから味玉無料まで色々あるんで、使ってみてください」

伊都波さんの笑顔はまた綺麗だった。
なんかこう、笑顔が似合うタイプの女性だ。

「第二外国語で証明問題まで出てきたらたまりませんよ」

“喋れれば単位が取れる”のは一般教養(パンキョー)と第二外国語だけだ。
残念ながら後者は英語以外の言語であいさつ程度はできる必要がある。