2024/11/11 のログ
ご案内:「第三教室棟 屋上」に武知一実さんが現れました。
武知一実 >  
秋の夕暮れは短い。というか、早い。
3時を過ぎた辺りで空は橙に染まり、5時近くもなれば藍や紺が濃くなる。
西の果てに日が沈めば、次第に段々と暗くなっていき、夕暮れ時は終いだ。
そんな秋の、日が沈みかけの放課後。 オレは特に目的も無く屋上に来て、ぼんやりとベンチに座っていた。
例によって夜バイトの時間までの暇潰し、だ。

「今日は腹も減らねえしな……あと1時間も無ェと思うんだが、暇だ……」

時間になれば暇だなんて言ってられなくもなるかもだが、だからと言って今から変に動き回って体力を無駄に消費したくない。
だからこうして、ベンチに座ってくだ巻いてるというわけ。

「はー……いっぺん帰っときゃ良かったかァ……?」

軽く寝る時間はあった。
あったが……何となく足が屋上へ向き、何となくベンチに座り、何となく……1時間くらいそのままになっている。
家に帰りたくない訳じゃ無かったんだが……うーん。

武知一実 >  
ま、こうしてボーっとしてんのも悪かねえ。
……ってここんとこずっと言ってる気がするな? 歳か?
最近一人じゃない時は何かと振り回されがちだから、心が安寧を求めてるんだろうか。ンなバカな。

「そんなに疲れてる感じはしねえのにな……」

振り回されはするが、嫌な感じはしていない。
むしろ、この島に来るまではついぞ経験することの無かった他者との関わり合いを楽しんでいる自分も居る。
……まあ、その楽しんでいるというのをどう表現すりゃ良いのか分からねえんだが。

「……ああ、そうか。 経験したことない事ばかりで、キャパちょっと一杯なのか」

要するに整理する時間が欲しい、と。 そういうことか?と自分に問うてみる。
勿論答えなんて分かる訳ねえ。が、何となくそんな感じがした。
今日は何となくばっかりだな。

武知一実 >  
そうこうしてる内に日も沈み、辺りが薄暗くなって来た。
そろそろ指定された業務開始時間だ。

「……さて、今日はどんなのが相手かね……っと」

すっかり馴染んでいたベンチから腰を上げ、右に左にと首を鳴らして気持ちを切り替える。
こっからは慣れ親しんだ喧嘩の時間だ。 まあ、そうでない可能性も大いにあるけども。

……出来れば楽しめる怪異だと良いな、と思いつつ。オレは夜の帳が下り始める校舎へと戻っていくのだった。

ご案内:「第三教室棟 屋上」から武知一実さんが去りました。