2025/01/12 のログ
ご案内:「第三教室棟 屋上」に霜月 霈さんが現れました。
霜月 霈 >  
「(やっぱ謝りにいったか)」

屋上の手摺に腰掛けて、部室棟を見下ろす少女が一人。
肩に長大な太刀を掛け、その視線を部室棟…その奥まった場所に鎮座する道場へと注ぐ。

「先輩のお喋りめ…お説教なんて御免だししばらく寮には帰んないようにしよ」

やれやれ、と鼻から抜けるような息を衝く。

姉は尊敬に値する剣士だが、融通が聞かず頭が堅い。
礼節がどうのこうの、強さには全く無関係なことに口煩い。

ぎゃあぎゃあとお小言をもらうのが厭で気配から距離を取り続けていたら案の定。
自分の代わりに神技堂へ謝罪に向かったようだ。

霜月 霈 >  
不安定な手摺の上に気だるげに腰掛けるにもかかわらず、全く危うげなく感じさせる姿。
そんな少女は一つ欠伸をすれば、道場からは視線を外す。

別に悪いことをしたつもりもないし、姉が詰められることもないだろう。
そんなことより今晩どうするかを考えよう。
別に部室…というか道場に寝泊まりしても構いはしないが、時期的に寒そうだ。

「……ん」

そんな取り留めもないことを考えていると、ピリ…と肌に感じるものがある。

「…珍しいな。謝りにいった、と思ったら次いでに剣も交えるのか」

手摺の上に座り直し、改めて部室…道場のほうへと視線を落とす。

霜月 霈 >  
──にしては、薄布を被せたような妙な感覚。

なんだ、真剣じゃないのか。
となれば少しだけ興味を失ったように、再び姿勢を崩す。

「武練塾なら雫姉の相手がマトモに出来るヤツもちらほらいるだろうに」

どうせなら真剣でやったほうが身になる。
あえてそれを選ばなかった、ということは部外者が相手なのかもしれない。

まぁ、客員も多い部活動だ。
正式に在籍していなくとも、『最強』を目指すものなら誰でも殴り込んで良い。
心技体を鍛えるという名目上、礼節も重視はされているが、結局のところそれが強さに繋がるという理念からのものだ。
己が己の最強に不要だと思うのなら、不要で良い。

そういうところが通じて、己も身を置いているのだから。

霜月 霈 >  
「…手合わせはじめたってことはしばらく神技堂から動かないな」

今のうちに寮に戻って私物持って来るか。
──手合わせの内容も気になるところだが、姉の小言からエスケープするほうが重要である。

「善は急げ、と…」

ひょい、とまるで塀から飛び降りるようにして、手摺から降り──。

そのまま、学園校舎の絶妙な凹凸を足場に蹴りつけながら、校門へとそそくさ移動していくのだった

ご案内:「第三教室棟 屋上」から霜月 霈さんが去りました。