2025/05/18 のログ
青霧在 > 喧嘩の話とは思えない。
いや、むしろ喧嘩だからこその信条なのかもしれない。

「喧嘩という名の対話ということか……?」

相手を抑えつけることや更生を促すのは二の次なのかもしれない。
そうは言わずとも、最たる目的は孤独な(暴力に依る)人々との対話なのだろう。

風紀委員会の自分としては、褒められた行為ではない。
だが、ただの青霧在としては……見逃してしまうどころか応援したくなるような、そんな信条。

「確かに委員会に所属しているだけで反抗的になる学生はいるな」
「そうじゃなくても、肩書はどうしても重荷になっているとは思う」

もしかずみんが風紀委員会の所属であれば、喧嘩は対話ではなく暴力になってしまうのではないか。
体制のサポートがあるとしても、そもそも更生に誘導することが困難になるのではないか。

「喧嘩と言うだけでは分からないこともあるのだな」
「これからも喧嘩は続けるつもりなのか?」

同じ暴力に属する行為でも、ここまで意味合いが変わってくるのだと。
面白い話を聞かせてもらった。

武知一実 >  
「まあ、対話手段の一つってとこじゃねえかな」

ほかに手段があるなら、それを使う事に異論は無いが。
それで片が付くなら苦労は無ェって事だろう。
オレ自身よく分かって無い部分があって、上手く言葉に出来ねえのがもどかしい。

とは言え、誇れる事でも褒められた事でも無い自覚はあるから、せめて無暗に喧嘩する事だけはしねえようにしてるんだが。

「……ま、委員会はそんな理屈で無所属で居るんだけどよ。
 部活くれえは入っといた方が良いんじゃねえかとも思ってんもの事実なんだよな……ただ、丸一年何処にも属さねえで居たから、もはや惰性で無所属なんだろって言われても否定出来ねえや」

部活に関しては完全に機を逃したというのが本当のところだ。
その分バイトやらで日銭を稼いだりはしてるが……学生としてこれで良いのか、という気持ちは無くもない。

「ああ?そりゃあ、必要とされてんなら止める気はねえさ。
 ま、極力遺恨やら面倒は残さねえ様に気を付けて……な」

風紀の近くでは避けたい。そもそも大っぴらにするもんでもねえ。
それに、繰り返しになるが、対人間の喧嘩は頻度が落ちてんだ。
出来る事ならこのまま風紀に目ェ付けられる機会が減ってくれるのは、オレとしても望むところだしな。

青霧在 > 「本当は俺がこんなことを言ってはいけないが……」
「風紀委員会が救えなくても、かずみんの対話でなら救えるやつもいると思う」
「だから、応援している」

応援、というのも少し妙だが。
周囲を見渡してから「今のは聞かなかったことにしておいてくれ」と付け加える。
流石に風紀委員が秩序と逸れた暴力を肯定するのは宜しくない。

「突然変なことを聞いてすまなかった」
「付き合ってくれてありがとう」

知人への理解を深めるという目的は未達だが、構わない。

「何かお礼をさせてくれないか」

「今からは少し厳しいけどな……」と眉を顰めて。

武知一実 >
「ああ、オレもそうあって欲しいと思って喧嘩してっからな。
 まあ面と向かって応援される筋合いのもんじゃねえってのも理解っちゃいるから、聞かなかったことにすっけどよ」

咎められたことはあっても、応援される事なんて無かったからどんな顔すりゃ良いのかも分からねえ。
だから青霧の言う通り、聞かなかったことにするってのに乗っからせて貰った。
どうせならもっと真っ当な事で応援を受けたいもんだが……生憎と真っ当な事に縁が無いからしょうがない。

「良いってこった、別に話し辛い事でも無かったし。
 オレの中でも再認識出来た部分もあっから、礼を言うならオレの方もだな」

今後、更に突き詰めて考える機会もあるだろうか。あるとしたら、今日の事は足場として十分に意味がある。

「あァ?礼だ? 要らねえってそんなの、繰り返しになるがお互い様だ、御相子だ。それでトントンで良いじゃねェか」

今からは厳しいってんなら、そりゃオレの方もだ。
だから今回は互いに得るものがあった、それを礼代わりととするのが丸く収まんだろ。

青霧在 > 「そうか。すまないな」

正直、自分がかずみんに返せる礼を特に思いつかなかった。
だから何も要らないと言ってもらえたのは助かる。

「そろそろ俺は行く」
「……そうだ、夜の校舎には気を付けた方がいい」

話している間に待ち合わせの時間が迫っている。
立ち上がり、思い出したことを伝える。

「都市伝説と実体の怪異(アマルガム)が出るからな」
「特に今夜は風紀が討伐に来ている。現場は封鎖するが、なるべく近寄らない方がいい」

ポケットから取り出したオモイカネの電源を点けると幾つかの通知。
認証を解除せずにそのままポケットに再度仕舞う。

武知一実 >
「謝られるような事でもねえって」

それこそ筋違いだろう、思わず払う様に手を振る。
堅苦しいのは嫌いって程じゃないが……どうにも息苦しく思えちまう。
青霧からすりゃそんな事は無いんだろうが、そういう部分もまた、オレが委員会に属さない理由でもある……のだろう。多分。

「おぅ、縁があったらまた―――?
 ……夜の校舎に? そいつァまたどうして……」

忠告じみた言葉に怪訝そうな表情を浮かべるオレ。
まあ、今の時期はテストも近くないから居残りで自主勉するヤツもそんなに多くはないだろうが……

「……へえ、なるほど。
 そいつは痛くもねえ腹探られる前に帰った方が良いかもな」

風紀が怪異の討伐に、ねえ。
オレのバイトとはまた別件……だとは思うが、一応ブッキングは確認しておいた方が良さそうだ。
後は……まあ、見つからねえ様に上手くやる方法も考えとかねえとな。

「忠告どうも、青霧。
 ……んじゃオレもさっさと校舎に入っとくか」

焼きそばパンの残りを口に放り込むと、さっさとベンチから腰を上げる。
そのまま青霧と共に校舎へと戻り、校舎内で別れる事としよう。

青霧在 > 「……今日はまた出くわさないといいな」

当たって欲しくない憶測だ。
だがもし当たってしまったら……その時は知らないフリをしよう。

「かずみんも、気を付けて」

校舎内で別れる際、そう声をかける。
お互い、怪我も余計な遭遇もなく、無事帰路につくことを願って。

待ち合わせ場所である委員会室へと向かった。

ご案内:「第三教室棟 屋上」から武知一実さんが去りました。
ご案内:「第三教室棟 屋上」から青霧在さんが去りました。