2024/09/24 のログ
ご案内:「部室棟」に八坂 命さんが現れました。
ご案内:「部室棟」から八坂 命さんが去りました。
ご案内:「部室棟/占星術部部室」に八坂 命さんが現れました。
■八坂 命 >
占星術師の部室。
テーブルに広げた電子機器と、陰陽術のお札。
新入部員も増えたと言うことで、部員専用のデジタル陰陽通話デバイスをでっち上げているのだ。
「これがこーで、こうしてこう……」
お札の両端に電線を繋ぎ、トランシーバーのような何かに押し込めていく。
ぶっちゃけいちいち作らなくても、オモイカネ8を使えばことは足りるのだけれど、そこはロマンだ。
専用回線って、素敵やん?
「――おっしできたー。
うまく繋がるかなぁ、っと」
目の前に並ぶのは五つのトランシーバーのような機械。
見た目はトランシーバーだが、陰陽術のちょっとした応用で島の中ならどこに居ても繋がる。
短距離無線通信の例のあの規格でワイヤレスイヤホンとも繋がるので手は塞がらないし、トランシーバーのような一方向通信ではなく普通の通話と同じ双方向通信。
おまけにグループボイスチャットにも対応していて、念じれば好きな相手に繋げられる。
「まぁ大体オモイカネ8で全部出来るけども」
最後以外。
良いのだ、専用回線は浪漫なのである。
ご案内:「部室棟/占星術部部室」に緋月さんが現れました。
■緋月 >
コンコン、と、小さくノックの音。
少ししてから、小さく部室のドアが開く。
「あの~…し、失礼します。
えと、占星術部の部室は、こちらで間違いない、ですよね…?」
ひょい、と顔を覗かせたのは、暗い赤色の外套に書生服姿の少女。
どうやら部室棟に来る事が殆どないようで、
ちょっと自信なさげな雰囲気。
「えっと、その…入部届を、持ってきたのですが…。」
おずおずと、手にした一枚の書類を開いたドアから覗かせてくる。
■八坂 命 >
「んお。
はぁい、こちらでぇす」
部屋に響くノックの音。
陰陽通信デバイスから顔を上げれば、自分と同じような背の高さの女性。
にぱ、と笑ってひらりと手を振る。
「いらっしゃぁい。
聞いとるよ、新入部員の緋月ちゃんやねんな。
ボクは八坂命、よろしゅうね」
人懐っこい笑顔で彼女を迎え入れよう。
■緋月 >
「あ、はい、そうです、新入部員の緋月です。」
ちょっとほっとした様子。
どうやら、部長さんからお話が届いているようである。
少し気が楽になったのか、ドアを開けると「失礼します」と入室。
「八坂さん、ですね。よろしくお願いします。
えっと、これ。書いて、出す様にと言われた入部届です。」
持っていた紙を両手で差し出す。
腕が伸びているので外套が捲れ、その間から腰に差した刀袋が見えている。
先日の事も部長からお話は届いているだろうが…どうやら緊急時平時問わず
刀袋…と、その中身は常に持ち歩いているようだ。
そういった人間は、この学園でも珍しくはないのかも知れないが。
■八坂 命 >
「どーぞ座って座って」
立ち上がり、急須にお茶っ葉を放り込み、ポットからお湯を入れる。
蒸らしている間に棚からカステラを取り出し、皿に乗せて。
お茶を湯呑に注いで、彼女の前にカステラを出そう。
お茶もカステラも妙に高級品で、部活の備品としては明らかに格が違うものである。
「どうもご丁寧に。
言うて顧問のセンセも居らんし、好きに集まって好きにダラダラしとるゆるーい部活やけど」
入部届を受け取り、部長の机に置いておく。
文字通りいつも部室にいる部長だが、今日はいないらしい。
どこかに出かけているのか、たまにはと部屋に戻っているのか。
■緋月 >
「あ、では失礼しまして…。」
折角のお誘いである。
入部届を手渡すと、勧めに従って素直に手近な場所に腰を下ろし、
軽く待ちの姿勢。
お茶が出て来ると、小さくお礼と共に湯呑を手に取り、一口。
「――おいしい。」
ほぅ、と、リラックスした雰囲気の声と息が口から洩れてしまう。
「好きに集まってダラダラ…ですか。
何と言うか、ゆったりした雰囲気ですね。」
勿論、「表向きは」であるが。
「裏の事情」を先に知ってしまったので、実はちょっとだけ緊張してたりした少女。
おいしいお茶でリラックス出来て、ちょっと普段の様子が出て来た。
「まあ、その、アレです。
部長さんからお誘いは貰ったんですが……恥ずかしながら、
占星術というのにはまるで明るくなくて。
太陽や星の位置から、方角を知る位は何とか出来るんですが。」
それは占星術とはちょっと違う気がする。
と、視線が向いたのは、何やら機械のようなもの。
トランシーバーという単語とその意味するものは、書生服姿の少女の知識にはなかった。
「あ、もしかして、何か作業中でしたか?」
だったらちょっと間が悪かったかな、と。
■八坂 命 >
「うん、基本的には何もない時はみんな好き勝手動いとるよ。
ボクも大体機械弄りしとるし」
部屋の一角にはパソコンやら電子部品やらが乱雑に積まれたスペースがある。
底に置かれた机にはモニタが三つぐらい並んでいるし、マウスとキーボードもレインボーに光り輝いている。
勿論、机の上に置かれたパソコンもレインボーにビカビカと。
「占星術はねぇ、まぁ一言で言えば星占いかなぁ。
ボクが使ってるんは陰陽道の占星術やから、天門道言うた方が近いけど」
とは言え部長からスカウトされたのならば知らなくても問題は無いだろう。
本筋はそちらではなく、怪異払いの方なのだから。
「あ、これ?
ちょうどひと段落したとこやから大丈夫――せっかくやからちょっとテストして貰おかな」
そう言って機械とワイヤレスイヤホンを二組取り、それぞれをペアリング。
イヤホンを彼女に差し出し、
「ちょっとこれ耳に着けてみて。
んでボクが部室のあっちの方行ったら小声で話しかけてみて」
と伝え、自分もイヤホンを付けて部屋の隅の方に移動しよう。
■緋月 >
「はぇ~……何と言うか、自由なんですね…。」
夏休み明けと共に正式に学生として通学を開始して、部活動というものに
いくらか遭遇はしたし、活動の方も見た事はある少女。
主に体を動かす…所謂体育会系の部活だったので、「部活動とは真面目に体を動かすモノなのだな」と
いった認識が頭に入ってしまっていた。
(…認識が甘かったですね。
表向き、とはいっても、こういった緩い雰囲気の部活動もあるのですか。)
己の見識の狭さを反省しつつ、和服の少女の言葉に耳を傾ける。
「星占い…つまり、星を見て何かを占うと。
ああ、陰陽道の方のは、書物の知識だけですけど少し目にした事があります。」
そちらの方面は専門ではないので、本当にいくらか目にした程度だったが。
――と、何か小さなものを差し出される。
敢えて形容するなら耳栓。街を歩く時、時折ベンチに座って似たようなものを耳に
入れている人をいくらか見た覚えがある気がした。
「あ、はい、私でよければ。
ええと…これを耳に、ですか。」
よいしょ、と、耳に着けてみて、和服の少女が移動したことを確認。
念の為、軽く口に手を当てて。
「…もしも~し、これでいいのでしょうか~?」
小さな声でそう話しかける。
■八坂 命 >
部屋の隅に移動すれば、彼女は口元を手で隠して何事かを喋る。
これでいいのか、と言う言葉はイヤホンからしっかりと聞こえて来た。
「おっけーおっけー、ありがとー」
そんな緩い返事も、しっかり彼女の耳に装着されたイヤホンから聞こえてくるだろう。
軽い足取りでまた彼女の座るテーブルに戻って。
「と言うわけでこれは占星術部専用の直通ボイスチャットデバイスーーはちょっと長いか。
ヤゴコロシステムとでも呼ぼかな」
オモイカネ8とちょっと被っているのは内緒。
「電話やと掛ける手間あるし、出れん時もあるやん。
でもこれなら掛ける手間なく、通話をしたい時に通話をしたい人と喋れるんよ。
今はイヤホン使わなあかんけど、頭の中に直接語りかけられるように出来たらええなぁって」
今のままでは劣化携帯電話なので、戦闘中とか隠れてる最中とかに、音を出さずに連絡を取れるようになると便利だなと思ってはいる。
陰陽道と機械のハイブリッドで、理論は出来ているから、あとは実装するだけである。
■緋月 >
「ふぉっ…!?」
耳に嵌めた耳栓のようなものから、離れた所に居る筈の和服の少女の声が聞こえて来た。
思わずびっくりして変な声を上げてしまう。
「な、なるほど…つまり、電話を使わなくても…ええと、部員の方と
お話が出来るような機構と、そういう事ですか?」
長い横文字名前については頭に入り切らなかった。
ので、最低限認識できていればいいであろう事柄を絞って記憶しておく。
「これをお一人で、ですか…?
八坂さんは機械に手を加える知識と技術を心得ておいでなのですね…!
確かにこれがもっと便利になれば…色々すごいです!
――恥ずかしながら、私は今の所、敵対するものが現れたら斬る、位しかできないもので。」
後半の方は、何分裏の活動に関わるので小声で。
今の自分が自身が純然たる戦闘者である事を
認識せざるを得ない、書生服姿の少女であった。
■八坂 命 >
「そ。
まぁ今んとこ電話でええやろってものやし、みんなが使てくれるかどうかわからんけど」
なんせ「あったらいいな」で勝手に作っているものだ。
使ってくれるかどうかわからない。
それこそ「電話でええやろ」にならないとも限らない。
「いやぁ、機械弄りは好きやし、こんな手ぇなら尚更詳しくなった方が都合よかったし」
言って掌を開いたり閉じたり。
黒い手袋に包まれているが、手袋越しでも生身の腕ではないことはわかるだろう。
「それに、ボクは逆に殴ったり蹴ったりは苦手やから、そう言うのが出来る緋月ちゃんの方が羨ましいわ」
夏休み、一人で無茶をして脚に大怪我を負ったこともある。
タイツを脱げば、まだ傷跡は残っているだろう。
■緋月 >
「いえいえ…実は私、機械の類にあまり明るくないもので。
折角のオモイカネ8も、少々持て余し気味でして…
こういう、純粋に誰かに声を届ける、位だと寧ろあると助かるかな…って。」
何しろ多機能過ぎてまだ機能全部を把握し切れていない有様である。
書生服姿の少女の機械、特に多機能なそれに対する知識は中々残念であった。
「……腕、何かあったのですか。」
シンプルに、それだけを訊ねる。
話せる事情なら話して貰えるだろうし、あまり話したくないなら適当な返事でお茶を濁せるように。
「あははは…もう暫く前だったら、もう少し出来る事は多かったんですが。
死んだ人の霊を見つけたり、冥界を一時的に覗いたりしたり…。
今はちょっと、やってはいけない事をしてしまって怒られて、『先輩』に
その力を扱える御神器をお預けして反省中ですけど。」
ちょっとだけ、以前は使えた権能と、それを少しいけない事に使ってしまった為、
お叱りを受けてそれをお預けしてしまった事を苦笑しながら暴露。
何かの拍子にバレたりしたら気まずいので、先にお話して置く事にした書生服姿の少女だった。
■八坂 命 >
「ボクみたいなオタクでも使わん機能いっぱいあるのに、詳しなかったら尚更そうやんなぁ」
やれることが増えれば便利にはなるが、やれることが多すぎると言うのはそれはそれで不便である。
昔も今もそれは変わらない。
「んー、ボクの異能、封印やねんけど、どうも強すぎるらしくて。
ちっちゃい頃暴走して、ここまで封印されてしもたんよ。
一応力の起点が腕やったから腕だけで済んだ、って感じかなぁ」
「ここまで」とは、肩口から先。
真夏でも長袖のタートルネックを着ている理由でもある。
学園都市にやってきた理由でもある。
とは言え未だに何もわかっておらず、きっと一生このままだろうな、とは何となく思っていて。
代わりの腕が手に入ったので、特に不便はしていないのだが。
「ほなら、ボクと一緒やね」
腕を封印された自分と、力の一旦を封じられた彼女。
少し似ているような気がする。
ほんとか?
■緋月 >
「それは……何と言うか、その。
不謹慎かもですが、腕だけで済んだのは…ええ、本当に、不幸中の幸いかも、です。
もし其処から先に行っていたら……大事な臓器に、近いですから。」
封印の異能で腕が「封印」されて、なくなってしまった、という事、なのだろう。
少なくとも、書生服姿の少女はそう認識した。
腕がないというのは……大変な事だが、同時に「其処までで止まって良かった」というのもある。
もしそれ以上進んで、肺や心の臓にまで異能の影響が及んだらどうなるか。
(……異能も、本人に問題を及ぼす代物があるんですね。)
決して、ただ益になるだけの力ではないと、改めて認識する。
「あはは…確かに、一緒かも知れません。
――私の場合は、力を手放した云々よりは…そうですね、御神器…いえ、
相棒と別れた事が、寂しいですが。
二度と会えない訳ではないとはいえ…長くはない時間ですが、それこそ魂に同居していたので。」
力の源である神器を返上した事以上に、その神器と別れた事の方が寂しい。
泣き言、という訳ではないが、口にすると少し心に寒い風が吹くような感覚を覚える。
それを振り払うように、カステラを一口。
「――おいしいです。」
シンプルに、そう一言。
■八坂 命 >
「そうなんよ。
力の元が心臓とかやったら、今ここにはいないわけやし」
本当に腕だけで済んでよかったことだ。
生活が多少不便で済むのだから。
それにこれはこれで結構便利なのだ。
今は二対の腕を繋げて一本の腕の様にしているが、いざとなれば切り離せば伸びる腕が四本あるのと一緒だし、なんなら更に二対ある。
対魔ビームも撃てるし対魔バリアも貼れるので、多少は戦えるのだから。
「ふうん。
ようわからんけど、中学まで一緒やった双子の妹が、高校は違う学校になったみたいなもんかな」
それは確かにさみしいなと思う。
とは言え今生の別れと言うわけではないのなら、やがて再会する時もあるのだろう。
自分の腕よりは望みはある。
「せやろ。
飛鳥ちゃん言う部活の子――先輩なんやけど、その子がお金持ちなんよ。
せやから結構おいしいもん沢山あるの。
まだあるから欲しかったら言うてな」
■緋月 >
「…そう考えると、ぞっとしますね。
私も異能と言える力はありますけど…ええ、やろうと思えば文字通り
自分にも牙を向けられますから…。」
しばし前の事を思い出す。
そういえばあの時、結局「なかった事」になったが、自身が異能で「斬った」のも、
何の偶然か己の両の腕だった。
…聞いていて痛い話になるので、其処は伏せて置く。
「あはは…姉妹かどうかは、ちょっと分かりませんね。
やたら上から目線でしたし、最初は性格が良くなかったですけど……
…うん、ちょっと難のある性格なだけで…不器用、と言えばいいのかな…。」
今は遠き友へ思いを馳せ、そんな事を語ってみたり。
「ぉぉ…お金のある先輩が…!
うぅむ、私もいい加減、今の立場に甘えていないで働き口…アルバイト、でしたっけ?
そういったアテ位は見つけたい所です…!
あ、それでは恐縮ですが、お茶のおかわりを――」
と、そんなまったりとした会話に移行しながら。
初顔合わせの部員さんとのお話をゆったりと楽しむ書生服姿の少女であった。
■八坂 命 >
「ボクも今安定してるってだけで、力が強なって封印が進むってのもありえん訳やないからなぁ」
今のところ安定している、と言うだけなのだ。
異能が強まって、全身もろとも飲み込まれてしまう、と言うこともあり得ない話ではない。
逆に弱まって腕が戻ってくる可能性もないわけではないのだが。
「ツンデレいうやつかな。
また会えるとええね」
にこにことお茶をすすりつつそんな話をして。
お茶のお代わりを要求されれば、ハイヨロコンデーと手早く渡すだろう。
そんな新入部員との交流であった。
ご案内:「部室棟/占星術部部室」から緋月さんが去りました。
ご案内:「部室棟/占星術部部室」から八坂 命さんが去りました。