2024/11/26 のログ
ご案内:「《常世学園おさんぽ同好会》の部室」にDr.イーリスさんが現れました。
ご案内:「《常世学園おさんぽ同好会》の部室」にエルピス・シズメさんが現れました。
■Dr.イーリス > 授業が終わって放課後。部室棟のずっと使われていなかった隅っこにあるお部屋。
エルピスさんとイーリスで新しく設立した《常世学園おさんぽ同好会》の部室となる。
五人未満でなんとか認可を得た、部費も一切出ないとても小さな小さな同好会。
バタン!
扉を勢いよく開ける。
「ここが、私達《常世学園おさんぽ同好会》の部室ですね! ごほっ……ごほっ……!」
部室は凄く狭くて埃まみれ、所々蜘蛛の巣がある。
扉を開けた勢いで埃が舞ってしまった。
「誇りまみれです……!」
部室にあるのは壊れかけの机の椅子がふたつずつ、壊れかけの本棚。
カーテンも穴だらけ……。
「お、お掃除がとても大変そうですね。掃除道具を借りてきますね……!」
イーリスは机の埃を軽く掃って学生鞄を置き、掃除道具を取りに行くために一旦部室を後にした。
■エルピス・シズメ >
(部室の鍵を渡してくれた先生、やけに微笑ましそうに僕たちを見ていた気がする……)
部室棟の隅っこの小さな部屋。
立地と広さから中々使われることがなかった為、
清掃と引き換え《常世学園おさんぽ同好会》の部室としてあてがわれた場所。
「けほっ……大分使われてなかったみたいだね。」
《常世学園おさんぽ同好会》は、エルピスとイーリスが二人で設立した同好会。
部活の規定を満たさない5人未満であるため、部室以外の補助は無い。
部室にしても、清掃を行ってていねいに扱うことが前提だ。
「給湯も特別な設備も無いし、本当にただの部屋みたい。
ん……それじゃあ僕は換気と準備をしておくね。」
埃を避けながらカーテンを寄せ、部室の窓を開ける。
澱んだ空気が屋外に解き放たれ、心地良い秋風が部室へと勢いよく流れ込む。
「……うん、絶交の掃除日和の良い天気。」
■Dr.イーリス > ただの古びた小さなお部屋。
これまでずっと放置されていた。
部室を出て、掃除道具入れにある箒や雑巾、バケツ、チリトリなどを借り、ゴミ袋を教員にいただいた。
隅っこにある部室から掃除道具入れまで、遠かった……。誰にも見向きもされなかった立地の悪さが響く……。
バケツにお水を入れる。
「うぐ……水道から部室まで遠いですね……」
隅っこにある部活。水道までもが遠い……。
ここでも立地の悪さが凄く響く……。
外見通りに非力なイーリスは、箒や水がいっぱい入ったバケツなどを持って部室に戻るのも一苦労。
時々床にバケツを置いてちょっとだけ休憩したりもしつつ、歩く。
「お、重いです……」
常世学園にいる何かと戦闘が強い人達は、水いっぱいのバケツも軽々持ち運べるのだろうと想像しつつも、イーリスにはそのような力はない。
やがて、部室に戻る。
「お、お待たせしました……。水道や掃除道具入れまで遠かったです……」
まずバケツを扉のすぐ手前に置いて、箒を机に立て掛けて、椅子の埃を軽く掃ってぐったり座り込んだ。
■エルピス・シズメ >
「おかえり。僕もついていけばよかったかも……。」
掃除用具満載で戻ってきたイーリスを見て、笑って誤魔化す。
やる気いっぱいで飛び出た彼女が楽しそうで、そのまま見送ってしまった。
「とりあえず、ゆっくり掃除を始めよっか。
……何だか昔の事務所を掃除してる気分。懐かしいね。」
使われてない部屋を掃除して再稼働する。
今ではすっかり我が家となった『数ある事務所』を再稼働させた時のことを思い出す。
「《常世学園おさんぽ同好会⦆、始動だね。」
当時と違うのは、危機もなく平穏の中で二人で掃除が出来ること。
後ろ向きではなく前向きな気持ちで、掃除に取り掛かれる。
■Dr.イーリス > 「改めて立地の悪さを痛感しました……」
ちょっと遠い目。
エルピスさんとふたりの部活動。
とても楽しみで、素敵な想い出をいっぱいつくれたらいいなと思って、とてもやる気いっぱいだった。
同好会設立の申請をする時も生徒会に頭を下げたりしていた。
部室を眺めて、エルピスさんの言葉で事務所を再稼働した時の事を思い出し、懐かし気に目を細める。
「そうですね、懐かしいです。事務所始動の時は、お掃除もえるぴすさんに任せっきりになってしまいましたね……」
因縁の敵との戦いに敗れ、『数ある事務所』でエルピスさんによりイーリスが保護された時のこと。
あの時のイーリスは屍骸の“王”による強烈な呪いに蝕まれ、体内コンピューターの熱暴走で苦しめられたりで、死にかけていた。
イーリスは体が動かせず寝込んでいたので、そんな状態でさすがにお掃除を手伝えるはずもなく、あの頃は色んな事をエルピスさんに頼りっきりになっていた。
エルピスさんは、イーリスをすごく必死に助けてくれた。
いっぱい感謝……。
事務所の始動はイーリスが死にかけの状態から始まったけど、おさんぽ部はエルピスさんと一緒にお掃除から始められる。
「ふふ、えるぴすさんとの部活動、きっとすごく楽しいものになります。ご一緒に、楽しい部活にしていきましょう。て、わわっ!!」
イーリスがぐったりと座った椅子、壊れかけていた……。
バランスを崩して、なんとか持ち直す。
「この部室にある備品も修理しないといけませんね」
壊れかけている机や椅子、本棚……。カーテンも穴だらけ……。
椅子から立ち上がって、エルピスさんに箒の一本を手渡して、イーリスはお掃除しやすいよう机を端っこに寄せていく。
■エルピス・シズメ >
「掃除が一息付いたらジュースとプリンでも買いに行こっか。」
掃除の後に食べるおやつは美味しい。
少し気が早いかもと思いながら、掃除を始めようとした矢先──。
「いーりす、大丈夫? 備品の状態も悪いみたいだね。」
イーリスが座ってた椅子が揺らぐ。
備品の状態も宜しくないらしい。直せるものは直したいけれど……。
「うん。直せるものは直して、捨てなきゃいけないものは廃棄申請しちゃおう。」
どこから手を付けようか。
とりあえず備品はひとまとめにして、後で検分しよう。
機械技術を学ぶ過程で、物品の分解や修理も得意になってきた。
イーリスから一本箒を受け取れば、まずは簡単に掃除……
……し始めた所で、机を動かし始めたイーリスを見て口を開く。
「イーリス、備品とか重たいものは僕が一旦纏めちゃう。
埃落としと清掃の方、任せてもいいかな。」
今度こそ力仕事を受け持とう。
壊れかけた机や椅子を纏めたり、カーテンを外して巻いたりと解体や運搬を進んで取り組む。
■Dr.イーリス > エルピスさんの提案に、笑みを浮かべて頷いた。
「いいですね、お掃除頑張ったあとは、甘くておいしいものです。お掃除、頑張る気になれます」
お掃除大変そうだけど、エルピスさんとふたりの部室なのでピカピカにしたい。
「な、なんとか倒れずに済みました……。危なかったです……」
備品をじーっと眺める。
「椅子と机、本棚は修理すればどうにかなりそうですね。カーテンはさすがに捨てた方がいいですね。今度、新しいカーテンを買いにいきましょう」
でも部費はでない。
「分かりました、備品の移動はお願いしますね」
机などを纏めるのはエルピスさんに任せて、イーリスは雑巾を手に取り、バケツの水をつけて絞る。
「つ、冷たいです……。寒くもありますし、暖房つけましょうか」
一旦バケツの縁に雑巾をかけて、学生鞄からカンテラを取り出す。
「カンテラ型暖房です! あったかくなります!」
『数ある事務所』にも置いてあるカンテラ型暖房。一見照明器具だけど、暖房になる優れた発明!
部室の端っこに置いて、スイッチをつける。
カンテラ型暖房が部室をあたためてくれる。
「あったかいです。この部室に置くために持ってきたのです」
寒い部室は中々に辛い。おさんぽ同好会の部室用にと、イーリスは新しく暖房を造っていた。
雑巾を手に取って、窓や窓枠の埃を取り始める。
■エルピス・シズメ >
「そうだね。買いそろえるものは多いから、今度二人で選ぼう。
商店街でも百貨店でも、おさんぽに行くついでにね。」
部費はない。
けれど自分たちのお財布から出すのも楽しみのひとつかな、と、さして気にしては居ない様子。
「うん。任せて。」
今は旧来の機械腕ではなく、生体腕と機械腕の良い所取りの開発中の複合義手。
少しずつ開発を進めている腕でも十分にパワーは出るので、重たい荷物も簡単に運べる。
取り急ぎで埃を除いた一角に備品を纏めた辺りで暖かいものを感じる。
「暖房用のカンテラ、持ってきたんだね。……うん。ちゃんと暖かい。」
カンテラに近寄り、暖を取る。
暖かさが心地よくて、思わず作業の手が止まってうとうとし始める。
忙しくも無ければ疲労も無いが、それでも心地よい暖かさに気を緩め、眠気に誘われている。
■Dr.イーリス > 「そうしましょう。修理するにしても、用意しなければいけないものありますし、部室に色んなものを置きたいです」
狭い部室なので、そう多くのものは持ち込めないけど、エルピスさんとふたりで必要なものを買いそろえながらおさんぽするのはきっとすごく楽しい。
部費がでないからこそ、ふたりでお財布事情も色々かんがえて用意していく楽しさもあった。
重たい備品をエルピスさんが運んでくれる。
エルピスさんの複合義手、まだ開発中ながらそのパワーは凄く発揮できていた。
「複合義手の開発も、とても順調です。えるぴすさんはとても呑み込みが早いですから、どんどん私の技術を吸収していきますね」
嬉しそうに微笑んだ。
エルピスさんは順調にイーリスの技術を学んで、こうして複合義手の開発を進められている。
「私達の部室ですから、やはり暖かい方がいいですからね。カンテラ型暖房は、暖かくなるわりにあまり大きくないので場所も取らないので、この狭い部室にぴったりです」
うとうととしているエルピスさんを横目で見て、ふふ、と声をあげて笑みを浮かべる。
窓拭きを終えて、イーリスは箒を持って床を掃き始める。
狭い部室なので、お掃除するスペースもまた狭い。
床のごみを集めて、チリトリに回収していく。
途中、箒で履くために、暖を取っているエルピスさんにちょっと寄っていただいたりもしたかもしれない。
「カーテンも取らないといけないですね。とは言え、さすがにあの椅子や机に乗るのは危険です……」
壊れかけの机や椅子……。乗って壊れて倒れたら大怪我で痛い……。
「えるぴすさん、肩車お願いしてもよろしいでしょうか?」
カンテラでうとうとしているエルピスさんに小首をかしげる。
■エルピス・シズメ > 最近の『数ある事務所』は《フェイルド・スチューデント組》指定保護区域内の協力組織としての事務作業や雑務が多く、
落第街らしい仕事は少なくなった為、収入そのものは以前よりも大分減っている。
「ちょっと出費が多くなりそう。
年末に向けて、お仕事した方が良いかな……。」
そんなこんなエルピスの懐事情は人並みだ。
幸いにして、イーリスや自身のメカニックとしての腕前もあり、
廃材や機材の補修には困らずにいる為生活水準そのものは高水準。
危ない仕事は避けたいけど……と、考え始めたところで暖かい睡魔に誘われ、うとうとし始めた。
(そう言えば、暑い時もイーリスが冷房を作ってくれたっけ……)
夢うつつで過去の事を思い返しながら、声が掛かるまでぼんやりしている。
それでも自分へ向けた柔らかい声が届けば視線を向けて眼を覚ます。
「あ、ごめん。ぼーっとしてた……姿勢を作るから、ちょっと待ってね。」
小首を傾げたイーリスに頷いてみせ、改めて安定姿勢で屈む。
いつでも肩車が出来るように、と、準備万端だ。
「……10年ぶり?」
自分にとっては数か月前の話だが、イーリスの危機を救う為に過去に遡ることになった際、
道に迷っていた幼きイーリスを背中に乗っけたような記憶がある。
あの頃は無我夢中だったけど、なんとかなった。
今が幸せであることを改めてかみしめる。