2024/12/22 のログ
■竜胆 襲 >
「眼に特殊な力を宿す方はちらりほらりと散見します。
己を介して世界を見る窓のようなもの…だからかもしれませんが」
何を隠そう部長自身も、燐光眼という特殊な眼を持っている。
先天的なもの、後天的なもの、血や系列によるものと由来は様々。
「この部もその特徴から、そういった人が集まりがちですね」
口の中が甘くなってきた頃合い。
少し暖かいほうじ茶のペットボトルから、新しいコップにお茶を注ぎつつ。
■栖鳳院 飛鳥 > 「いえ、ご明察ですわ。
私の眼は『虹輝の魔眼』と呼ばれる魔眼ですの。
その特性は『視界に収めた全ての光を収集、内部で乱反射させて増幅し、属性を抽出する』というものですわ。
――そして恥ずかしながら、私はこの眼を、ほぼ制御出来ておりませんの」
そもそも、宝石魔術もこの魔眼の限定運用に過ぎない。
眼を閉ざし、宝石を触媒にすることで実用レベルに抑え込んでいるだけで、ひとたび眼を開けば魔眼は暴走し、目に映る光を、それこそ無作為に収集してしまう。
故に、盲目の振りをしてまで、抑止せねばならないのだ。
「いざと言う時は、使用を躊躇うつもりは御座いませんわ。
ですが、普段はこのようにすることで、皆様にご迷惑をお掛けする事……どうか、ご容赦くださいまし」
申し訳なさそうな表情にわずかに混じる、口惜しさ。
制御出来ていれば。きちんとこの力の手綱を握ることが出来ていれば。
迷惑を掛けることも無ければ、同じ景色を楽しむことも出来るのに、と。
■八坂 命 >
「制御出来んもんはしゃーないしゃーない。
ボクかって腕こんなんやし?」
制御と言うなら自分だって自分の異能を制御出来ていない。
困った時はお互い様だ、とチキンをムシャムシャしながら。
■緋月 >
「そういう事情が…。」
お嬢様から語られた事情は、中々シリアスなものだった。
とはいえ、理解できる部分もある。
「――分かります。制御出来ない力程、怖い物はありませんから。
私も、この常世島で「異能」と呼ばれるであろう力を持っている事が分かった時は…ええ、
真っ先にその制御を覚えるよう、身体にも精神にも叩き込まれましたから。」
既に夜の活動で、此処の面々には知れているであろう、己の異能。
スナック菓子の袋をひとつ取り上げ、集中と共に指を当ててなぞれば、ぱっくりと
刃物で切られたように袋が開かれる。
「烏滸がましいかもですけど、飛鳥さんの事情も理解は出来ます。
ですから、あまり気に病まないで下さい。」
その為の、占星術部の仲間達だろうから、と、軽く笑顔。
■竜胆 襲 >
「ある意味、この部の切り札的な存在でもありますね、飛鳥さんは」
制御しきれないほどの力、として見た点で、
その対怪異戦での戦力と考えると一つ図抜けている。
「私なんかは手練手管、諸々を併用しなければいけませんから、少し羨ましいです」
そういう意味では、この中では新しい顔ぶれでもある緋月さんも、と視線を向ける。
彼女の力もまた、自分からすればとても強大なものだ。
■八坂 命 >
「襲ちゃんはまだ前衛タイプやからマシよ。
ボクは支援タイプやから、一人で怪異と出会ったら普通にピンチやし」
一人で学校で怪異と戦って脚を大怪我したことは記憶に新しい。
いまだ傷跡はガッツリ残っていたりする。
「ところでボクのカミングアウトさらっと流されたな????」
■竜胆 襲 >
「前衛も出来るというだけで得手というわけではないですし、
緋月さんや倫太郎くんがいたならお任せしたほうがきっといいです。
……あれカミングアウトでした?もうみんな知ってることかと……」
むずかしいかお。
「だから、ミコちゃんは怪異と一人で出会ったら逃げてくださいと…。
今学園に発生しているものも、基本的な脅威度は低くてもたまに凶暴性の強い個体もいるんですから」
■栖鳳院 飛鳥 > 「皆様、有難う御座いますわ。お言葉に甘えて、頼らせていただきます」
そう言って深く頭を下げる。込めれるだけの感謝を込めて。
「とはいえ、あくまで属性魔術依存のものですので、体術はまた別なのが悩みですわ。
神門流杖術も学んではおりますが、あくまで一通り修めたというだけのものですし……もっと精進せねば、ですわね」
切り札として機能する前に、ぱたりと倒されてしまっては無意味。
そういう意味でも頑張らねば、と少し気合を入れつつ。
「私は、そんな八坂さんでも大切なお友達と思うのに変わりありませんわよ?」
にっこり。純粋な親愛の笑み。
そういう人もいるのだな、と言うざっくりした感想のみである、このお嬢様。
■緋月 >
「私は…何と言えば良いのかな。
郷で学んだ事だけでなく、もっと「手札」を増やしていけたら、と思うようにはなりました。
それで、無手の戦闘術の訓練も始めましたし。」
ぐ、と手を開いて閉じて。
怪異に無手技が通じるかはさて置き、刀が使えない状況下でも戦えるように、と
少女なりに工夫はしているらしい。
「…朔がああして出て来るのも、実は別口の訓練の試行錯誤の一環なんです。
「先輩」…といっても、死神の神器の持ち主としての、ですけど、その人から
「二人同時に頭を使う」というヒントを貰ったので。」
所謂意識の同期・並列思考の類である。
「そんな訳で…まだまだ学ぶことが多い身ですけど、改めてよろしくお願いします!」
一礼。
■八坂 命 >
「アッハイ」
カミングアウトするまでもなくやっぱり知られてた。
知ってた。
「いやでもだってボクも少しぐらいは戦えるし、あんときは逃げ遅れて襲われてた子ぉがいたから……」
罰が悪そうにチキンをむしゃむしゃもぐもぐ。
「こちらこそー」
そして一礼する彼女にはこちらも一礼を返す。
■竜胆 襲 >
ちらり、と時計を見る。
気がつけば夜が更けていた。
楽しい時間というのはあっという間だ。
もっとも部長はこのまま何時も通りにこの部屋で寝泊まりする気満々だが。
「それでも、です。
ミコちゃんには今後も多くの人を怪異の被害から守れる可能性があります。
足し算引き算ではないですが、ミコちゃんを結果失うことになっては喪失が大きすぎます」
淡とした物言い。
感情を配した正当な論ではあるが、優しさが足りない。
今日は倫太郎というクッション役がいなかった。
「折角このような話にもなりましたし、あらためて注意喚起の程…。
今学園に蔓延っている黒い影の怪異は危険性は殆どありません、が。
ミコちゃんが怪我をしたような個体も稀に現れています。
怪我も、物理的な損傷だけでなく呪詛や魔術的なもの、様々ありますから、夜活動は万全を期しましょう」
そして、一息をつけば───。
「…その怪異の発生源もおそらく学園の生徒だろうという見当もつきました。
祭祀局が動くような大きな被害が出る前に、なんとかしましょう」
一応の進展を、口にする。
■八坂 命 >
「はぁーい……」
しぶしぶながら、と言った感じの返答。
でも多分、また同じようなことがあっても逃げないんだろうなぁ、とうっすら考えて。
「――えっ生徒」
何らかの力の暴走のようなものならいいが――いや良くはないが。
もし自分の意志でそういうことをしているのなら。
「えっこわい」
■栖鳳院 飛鳥 > 「何より、八坂さんも大切な一つの命なのですから。
軽率に扱うことは、努々ありませんようお願い致しますわ」
言いつつ、じーっと、見れないけど見ている。顔がそちらを向いている。じぃっ。
「……生徒、ですか。動機や手段に見当は、ついておられるのですか?」
物憂げに息を吐いて、確認を。
■緋月 >
「……学園の生徒が、ですか。」
思わず目が鋭くなってしまう。
何しろつい先日、怪異絡みでこそなかったものの、事件を起こした生徒に面会に行ったばかりだ。
「無意識の異能の暴走か…明確に悪意を持っての行いか。
あるいは、ほんの遊びのつもりだった「何事か」が、本当に怪異を呼んでしまったのか…。」
いずれにしろ…放置して、占星術部外の知己や友人への被害が及ぶ事は避けたい。
少女にとって真っ先に来るのは其処だ。
知人・友人に危害が及ぶのは看過できない。
言ってみればエゴという、分かりやすい活動の動機。
■竜胆 襲 >
「テスト期間には怪異の発生数が減り、夏季休暇中には殆ど発生していませんでした。……無論凡百の怪異はいますが。
件の黒い影のような怪異についてはほぼ姿を現しませんでしたから」
原因となるものが学園から遠ざかっている時期、学園で過ごす時間が短い時期にその影響が見られていた。
で、あれば学園関係者。比率から考えても生徒である可能性が高いだろうと。
「無害な怪異も多いことから、無自覚かあるいは愉快犯だろうと思っています。
被害を大きくすることが目的であれば、危険な怪異がもっと多い筈ですので」
無害といいつつ、全て見敵必殺してはいる部長ではあるけれど。
「大きな被害が出れば祭祀局が動くでしょうけれど、お伝えした通り殆どが無害な動物霊のような怪異です。
むしろ、大きな被害が出たのはミコちゃんが怪我をした一件くらいでしょう」
片端から潰しているというのもありますが、と言葉を続ける。
■八坂 命 >
「ウッ」
自分が唯一の被害と言われると流石に罪悪感で胸が苦しい。
■栖鳳院 飛鳥 > 「なるほど…と言うことは、夏季休暇中に帰省している生徒や、何かしら表の活動が忙しい生徒の可能性が高いような気が致しますわね」
夏季休暇中、と言うのは、生徒としては自由時間が増える期間だ。
故に、悪企みをするならば適切な頃合いと言える。
だが、寧ろほとんど発生していない、と言う。
つまり、その時期に逆に多忙か、学園にいない可能性がある。
無論、単に休みの時は休みを謳歌しているだけ、の可能性もあるのだが。
■緋月 >
「成程…。」
部長の推理力に、納得と感心の声が思わず漏れる。
この手の推理に頭を動かすのが得意ではないので猶更。
「……しかし、無自覚にしろ愉快犯にしろ、危うい所はありますね。
その内に、手に負えない怪異に自分の手を噛まれる…だけで済めばいいのですが。」
最悪、手ではなく身体を噛み千切られて一巻の終わり、というのもあり得る。
同情する訳ではないが、その結末はあまり気持ちのいいものではない。
「…そうなる前に下手人を突き止めて…どうすればいいものか。
生憎、私はあまり器用な事が出来ないですからね…。」
脅しつけて二度とやらない、と誓わせて、それを守れる相手ならいいのだが。
■竜胆 襲 >
「──それでも攻撃性の強い黒い影…主に人型ですが……は、確かに存在します。
私が緋月さんと出会った夜にも、遭遇しましたから。
……あれに一般生徒が襲われたら、軽い怪我では済まないと思います」
被害も、知る限りの範囲での話。
眼の届かない範囲での被害はあってもおかしくない。
「人のカタチに近づくほどに攻撃性が高くなるように感じました。
何らかの異能や特殊な力の発露や残滓…。
意図的、であれば…なんらかの実験などでしょうか」
口元に手をあてつつ、簡単な考察を共有する。
飛鳥の言葉を聞きつつ視線を向け……。
「そうですね。ですので夏季休暇中も活発な部活や委員会の所属の生徒がまず除外できます。
教諭も同等に…でしょうか。……それでも数は多いのですが」
やはり決定的な遭遇がなければ大元を断つのは難しい。
意図的なものでなかった場合は、更に難しくなる問題だ。
「夜活動のメンバーが一斉に集まることも珍しいといえば珍しいので、そんな感じの情報共有です。
みなさんが楽しい聖夜を過ごせる様、ヘンなコトが起こらないようにしましょう」
特に、夜遅くまで学園に残る生徒もいそうなイベントですし。
■八坂 命 >
「怪異と戦うのは怖くない――わけではないけど。
人に武器向けるって事考えると、ちょっと怖いなぁ」
怪異と戦うのとは違う怖さがある。
小さくなってコーラをくぴりと飲む。
■緋月 >
「対人、となってしまえば、私の出番ですか。
幸い無手の技の加減や制御も実感できるようになりましたし、
踏み込めれば気絶させるなり何なり。」
ぐ、と手を握る。ぽき、と軽い音。
こちらも山葵ジンジャーエールを一口。
■竜胆 襲 >
「犯人を特定できた場合は祭祀局に通報、で宜しいかと。
忙しい部署ではありますが、一応調べてはくれでうしょう」
…勿論、向こうが悪意あう人物で襲いかかってきたならば話は別になってしまうが。
■八坂 命 >
「あぁそっか、通報でええんか」
つい戦う方向で考えてしまった。
そう言われればそうだ。
■栖鳳院 飛鳥 > 「ただ、一つプラス……と言えなくもないことがありますわ。
人型であれば、武術の理合いが通用しますもの」
徒手空拳の体術にせよ、杖術にせよ、剣術にせよ……武術の発端は対人技術だ。
基本的に対怪異に発展したものであっても、対人の方がやりやすい事の方が多い。そもそも、人体であれば構造はある程度直感的にわかりやすい。
その構造をまるまま適応できるかと言えば話は別だが……。
「人そのものであれば、私の杖術も使えるかもしれませんわね。
殺傷力は低い武器ですから、杖は」
■竜胆 襲 >
「頼もしいですね」
ぐっと手を握る緋月と武術の心得のある飛鳥を見てにこり。
部長自身も対人となると、少し困ってしまうタイプだ。
「──さて、とても良い時間になりましたよ。
私はこのまま夜ふかしでも構いませんが、ご心配などされる方はちゃんと帰宅いたしましょう」
ぽん、と胸の前で手を打って。
このまま夜ふかし、なんてどんな話題が展開されることやら…ではあるけど。
それもそれで、楽しい時間にはきっと変わらないだろう。
■緋月 >
「私は一人暮らしですし――他の約束は、また別の日ですから。」
こちら、一人暮らしをいい事に夜更かし参加組である。
「折角のシュークリームやケーキもまだですからね。」
お好み焼き型のケーキとたこ焼きそっくりのシュークリームであるが。
■栖鳳院 飛鳥 > 「ふふ、こちらにいる分には、夜更かししても怒られませんから」
茶目っ気たっぷりに笑みを浮かべて見せる。
そもそも同室が全員この場にいるので、心配も何も、と言う状態である。
■八坂 命 >
「ケーキとかは封印しとけば賞味期限とか考えんでええから。
欲しいもんあったら持って帰ってなー」
持って帰る人がいるならば、それを詰めるタッパーを棚から取り出して。
余ったものは片っ端から封印して行ってしまおう。
こういう時は便利な異能である。
「襲ちゃん、夜更かしもええけどそろそろ一回部屋帰って来てな。
洗濯した服とか溜まっとるし、部室の着替えもそろそろなくなるやろ?」
いつも部室に入り浸っている部長。
同室なので、洗濯は殆ど自分の仕事だったりする。
■竜胆 襲 >
「……そういえば随分帰っていないかも。じゃあ…年末には帰ります」
こういうところが結構ずぼらな部長であった。
「全員居残りです? ふふ、では気兼ねなく…存分に夜ふかし致しましょうか」
ぱっと花咲く笑みを浮かべて。
たまたま女子会となった占星術部クリスマス会はその後も続き、
深夜に至るまでうら若い女子の会話が続いたのだった。
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