2025/04/17 のログ
ご案内:「神技武練塾-神技堂-」に霜月 雫さんが現れました。
霜月 雫 > 「…………」

精神統一。
横に大太刀と打刀を置いた状態で正座をし、ひたすら静かに黙想をしている一人の少女。
周囲に人が寄りがたくすらあるくらいの、静謐な雰囲気を醸し出している。

ご案内:「神技武練塾-神技堂-」に八坂 命さんが現れました。
八坂 命 >
カミワザなんたらとか言う部活があるらしい。
武道なんかロクにやったこともないけれど、なんだかカッコ良さそうな名前に引かれてやってきた。
屈強な筋肉ムキムキマッチョマンがひしめき合っていたらどうしよう、と入り口から恐る恐る覗いてみれば。

「――あれっ」

一人しかいなかった。
しかもなんか正座してる。
入り口に背を向けているっぽいので顔は見えない。
邪魔しないようにそろーり入室し、そろーりそろーり歩いて、

「――グワーッ!!」

壁の角にしこたま小指をぶつけた。
爆発四散しそうな叫びを上げて転げまわる。

霜月 雫 > 「……!?」

流石にびっくり。
思わず打刀を抜刀しそちらを見やって、切先を向ける……も。

「え、ええと……大丈夫……?」

直ぐに切先を降ろし、心配そうに声を掛ける。
なんせ、明らかに痛そうにゴロゴロ転げ回っているのだ。流石に警戒心も薄れようものである。

八坂 命 >  
なんたるウカツ!
彼女に気を取られていた上に、慣れない部屋。
己の右足の軌道上にトラップめいて設置されていたウォールコーナーにしこたま小指がダイレクトエントリー!
アワレひしゃげた右足の小指は、けたたましい警報めいて脳内IRCに痛覚シグナルを送信し続ける!
キャバァーン!!

「アイエエ、アイエエエ……」

右足を抑えて転げまわる。
こちらに向けられた切っ先に気を回す余裕もない。
その胸は豊満であった。
しにそう。

「じゃ、じゃまして、ごめ……アイエエ……」

辛うじてそれだけ言えた。

霜月 雫 > 「あ、いやえっと…別にいいんだけどその…大丈夫?小指折れたりしてない?」

実は、小指の骨折は「どっかにぶつけた」が非常に多いのである。
ヘタしたら折れているかもしれないと思わせる姿に駆け寄り、様子をうかがう。

八坂 命 >  
「ゆび、ゆび、もげ……あっ、ついてる」

あまりの痛さに指がもげたのではないだろうかと思うほど。
恐る恐る足を確認してみれば、別にもげてなかった。
折れてもいなさそうである。
とは言え痛いものは痛い。
ひとしきりうんうん唸っているうちに痛みが治まってきた。

「――あー、死ぬかと思た……」

霜月 雫 > 「まあ、本当に痛いからね、小指ぶつけるの……」

昔やったことがある。死ぬほど痛かった。
それはともかく。

「それで……何か御用?」

首を傾げて。
見たところ…ぱっと見の感想ではあるが、武術を嗜んでいる感じはしない。
武術に特化した活動をしている武錬塾に用事があるようには見えないが…?

八坂 命 >  
「んぇ、あぁ、見学……?」

地べたにぺたんと座ったまま首を傾げる。
別にこれと言って用事があるわけではない。
名前に釣られて覗きに来ただけなのだ。

「なんかかっこええ名前の部活あるなーって思て。
 カミワザ……なんとか?やったっけ?」

霜月 雫 > 「神技武錬塾、ね。
なるほど、見学かあ…何か武術の心得とかある?もしくは習いたいのとか」

取りあえず聞いてみる。
と言うかここはそういう部活動なので、そういう話しか出来ないのではあるが。
特になければ、とりあえず自分の稽古を見学していってもらおうかな…くらいに考えている。

八坂 命 >  
「ココロエ……」

何もないのである。
前髪の奥でつつーと視線を横に向けて。

「や、やー、実は名前に釣られて来ただけで、武術とかそう言うのは全然……。
 ボク、こんなやし」

どちらかと言わなくても後衛タイプ。
両腕をこんこんと打ち合わせれば、硬い音。
義手で振り回したり打ちあったりは割と無謀だし。

霜月 雫 > 「あー……なるほどね」

なんだか違和感はややあったが、なるほど義手かと納得。
となると、繊細な手の動きが求められがちな武術と言うジャンルは難しいものがあるだろう、と納得してから、まあそれじゃあ、と立ち上がって。

「じゃあ、稽古…と言うか、演武でも見ていく?」

そう言って、打刀を腰に差す。

八坂 命 >  
「わー、見てく見てく」

ぱちぱちと手を叩いて。
隅っこに移動し、正座して座り直そう。

「――あ、はい。
 ボク八坂命。
 おねーさんは?」

しゅぴ、と手を挙げて自己紹介。

霜月 雫 > 「八坂命、ね。
私はシズク、霜月雫だよ」

にこ、と笑って答えてから、少し距離を取って正座。
そして、数瞬してから。

「それじゃあ、居合型『八方の祓』から」

そう言って、即座に抜刀。
正面を斬りつけたと思いきや、踏み込んで更に斬。
即座に振り返って斬、一歩進んで突き。
と言う風に、斬って前進、更に振り返って別方向を斬って前進…を八回繰り返して。

「ふっ!」

正面を薙ぐように血振るい。
そして、鞘に納めて正座。礼。

「……と、まずはこんな感じかな?」

霜月流『八方の祓』。
周囲を包囲されている想定であり、周囲から同時に襲ってくるのは八人が限度。
そして、一歩進んで突破を仕掛けることにより一対八ではなく、一対一を八回、に分けてしまう他、常に前進を挟むことでその場に居付かず、狙いをつけられ辛くする動きの型である。
とは言え、普通に型を演武しただけで、剣舞的でもないしどうだっただろうか?とちょっと不安になりつつ。

八坂 命 >  
「おー……」

素人目にもわかる、なんかこう、すごい動き。
すごく、なんて言うか、すごい。

「すごかった!!
 こう、ぶん、って、すごい!」

すごい。
武術素人なのでなにがどうすごいかはわからないけれど、とにかくすごい。

霜月 雫 > 「ふふ、ありがと。こういう型演武ってのは結構色んな所でやってたりするから、面白かったら調べて見に行ってみるのもいいかもね」

神社の奉納演武とかも結構あったりする。幼いころは父と一緒に見に行き、勉強をしたものだ…と懐かしみつつ。

「じゃあ、もっとわかりやすい感じの奴やってみようか」

そう言って、巫術で氷の玉をいくつか作り出して、ころころと命の方に転がして渡す。
そして、抜刀した状態からだらんと腕を下げ、自然体になってから。

「それ、適当なタイミングで投げつけてみて。難しいなら、蹴り飛ばしてくるとかでも。
私はこの状態で、それを斬り落とすからさ」

構え、とは思えないであろう自然体。
そこから、ランダムに飛んでくるものを切って落とすという稽古なのだが、これが結構、見学に来た人とかからは受けが良かったのを思い出して。
実際にものを斬って見せると、やっぱり湧くのである。

八坂 命 >  
「あ、実家に居た時そう言うの見たことある。
 なんかこう、半分踊りみたいなやつ」

対魔系の家系なのでそう言うのは見たことがある気がする。
舞と言うか、それに近いような。

「お、さては派手なヤツ。
 ほな遠慮なく――」

刀を持っていて、ボールが出て来たと言うことは。
にんまりとした笑顔を向けて、拾った氷の玉をぽーんと放る。
直後、今度はちょっと早めにもう一個。
山なりの緩い軌道と、直線的な鋭い軌道。

霜月 雫 > 「踊りみたいなのでも、結構色々あるからね。
本当に踊りメインになってる流派とか、舞うような動きの中に真髄が隠れてる流派とか、舞の中に極意を織り交ぜて隠してる流派とか」

本当に色々だ。時代の流れで、派手な魅せ技ばかりになってしまった流派などもあったりする。所謂華法と言うやつだが、あまりここで言っても仕方ないと思い口にはせず。

「どんどん来てもいいよ?」

等と言いつつ、まず速度と軌道の差で早めに来た直線的軌道のボールを、軽く身を躱しつつ一突き。
その流れでくるっと身を切り、ボールの軌道の側面に入ってもう一つのボールを斬り落とす。
逐一足さばきも入っているのは、実際には敵が襲ってきている、と言う想定でやっているからである。念のための回避動作だったりなんだったり、だ。

八坂 命 >  
「舞はボクもちょっとやってるけど、なんか武道のそれって違うね。
 鋭いって言うか、しゅぴ、って感じするわ」

真っ二つに両断されるボール。
ぱちぱちぱち、と拍手。

「おー、すごーい。
 じゃーこんなんとか」

もう一つ氷のボールを持って、今度はちょっとおまじないを掛ける。
そうして再度山なりに放る。
放物線の頂点ぐらいまでは普通に飛んでいくのだが、そこから不自然に曲がる。
変化球のカーブのような軌道を描き、大きく落ちながら曲がっていくボール。

霜月 雫 > 「やっぱり、言っちゃえばのんびりしてたら殺されちゃう世界の技術だからね。
要所で速度を入れる、ってのはどこも同じかな」

特に体捌きなどにそう言うものは現れる。のんびり避けていたら普通に当てられるからだ。
そして、今回も山なりのボールに対して上段からの打ち下ろしをイメージして捌こうとする、のだが。

「(おっと?)」

軌道が予想から大きくズレる。
と言うか、変化している。不自然に曲がっている。

「ふっ!」

これを受け、軽く後ろにバックステップ。
上段からの斬り落としから、しゃがみ込みながらの側面斬りに変化し、見事両断して見せる。

「回転をかけたようには見えなかったけど、魔術か何かかな?」

そもそも、特段凹凸の無い球形に作ったため、回転をかけてもあまり変化はしない。
それが大きく変化したのだから、物理法則以外の何かが働いているのだろう、と言うのは予測がついた。

八坂 命 >  
「あー、確かに」

それはそうだ。
思えば占星術部の部長や緋月も、普段の動きからして出来る人、と言う感じがする、気がする。
しゅぴっとしていると言うか、メリハリがあると言うか。

「おー、さっすがぁ」

大きく落ちる変化球も見事に捉えてみせた。
ぱちぱちぱち。

「うん、陰陽術。
 ボクんちそう言う家やから、こう言うの得意なんよ」

拾った氷のボールに、別のおまじないを掛けて。
ボールに回転を掛けながら真上に投げれば、頂点に至ったところで速度が落ちる。
そのままゆっくりと手元に降りて来て、止まる。
腕を動かせば、ボールはそれに着いて来て。

霜月 雫 > 「ある程度以上に遣える人となってくると、歩き方とかにもそういう癖がついてたりするね。後は咄嗟の時の反応とか」

例えば靴のすり減り方の違いとかで分かったりもする。靴の減り方が地面と平行になっている人は、重心が安定している歩き方をしている…つまり心得のある人である可能性が高いのだ。

「へぇ、陰陽術かあ。私の家も陰陽五行を取り言えた術式体形があるよ。巫術って言うんだけどさ」

その氷を作ったのもそれ、と言いつつ指先から小さな炎を出して見せる。

「逆に、自然そのものに希うことを基盤とした術式体形だから、五行から外れすぎた現象は起こせないとかもあるんだけどね」