2024/06/01 のログ
ご案内:「図書館 閲覧室」にジャスパーさんが現れました。
ジャスパー > 「―――――――――――――――――…」

放課後、図書館となれば
勉強に熱心な生徒や調べ物がしたい生徒が来るイメージだろう
けれど今、バカ男子のお目当ては…古の馬鹿が隠した本である
正直あるかどうかもわからず、昔のことであるからとっくにバレて処分されている可能性も高い

直接検索してもお宝が見つかる可能性は極小だ
一冊一冊丁寧に調べていくしかない
途方もない作業だが、元々一回の探索で終わるとも思っていない

「―――――――………、」

非常に真剣な表情で、本を見ていく姿は…一見すれば非常にまじめに勉学に励む青年だ

(くっ…どこにあるんだ古のお宝…!)

だがその頭の中は、ただの煩悩まみれなのだが
ジャンルに限らず、じっくり書架を巡っている…

ご案内:「図書館 閲覧室」に田中 浩平さんが現れました。
田中 浩平 >  
「違うな、間違っているぞジャス」

その声は凛と響く。

「一人で見つけられないものも……二人だったら必ず見つかる」
「人、それを絆と呼ぶ」

呼ばない。この場合は。

「何を探している、フレンド」

腕組みをして書架の影から姿を見せる。
そう───バカだ。

ジャスパー > 真剣にお宝を探している中、かかる声…
その声は、まさか

「ふ……、やはりお前も嗅ぎつけて来たか
抜け目のないフレンド(ネイティブ発音)だぜ……」

田中浩平。同じく馬鹿友達である
なにかと気が合っているので一緒にお宝を探したりなんやかんや

「――喫茶店のマスターから情報を仕入れてな…
この迷宮のどこかに、古の宝があるらしい。だがそれ以外に手掛かりは――ない……」

正に無限の荒野を行くが如しの情報

「絆がこれほどありがたいこともないぜブラザー。一緒に探してくれるかい?」

ふふ、と笑って…無限とも言えそうな書架を指す

田中 浩平 >  
「生憎と地獄が満杯でな……」

地獄と書いて補習室と書く。

「古の宝か……俺も聞いたことがある」
「この書海のどこかに存在する、というな」

書海。無限の荒野。なんでもあるがゆえに、何もない。
探究心を飲み込むディラックの海───常世学園図書館。

「いいぜ、ブラザー。お互い背中合わせで一列ずつ目視」
「上下段端から端までだ、集中力が切れたら必ず申告」

「誰一人ルールを破ってはならない……オペレーション・パウリの禁則」

誰一人っていうか、二人だ。

挑戦者たちは笑う。
困難に挑む前に、己が心を奮い立たせるのだ。

「開始だ」

ジャスパー > 「ふっ…、まだまだ俺たちは地獄にすら行かせてもらえず、現世で苦しめってことか…」

大体ノリで会話している。中身は無い

「情報通だな…。それでこそだ
おーけー司令塔。お前の指示に従おう…禁則を破った者は悪魔と踊っちまうからな…」

ふぁさぁ…と金髪を掻き揚げた
開始の合図と共に、仲間を得た心強さでバフがかかり、視力は十倍!観察力は百倍だ!

「こういう本が怪しいが…、くっ…これは呪いの書!!
巧妙な罠をしかけやがるぜ、この魔界は…」

手に取ったのは<超能力原論>
いかにもな学術書に隠してあるかと思ったが中身は全く理解できない文字の羅列だった
魔界でも何でもないただの図書館だが、一瞬で処理能力がパンクしたので次へ

ジャスパー > ジャスパー処理力 [1d100→72=72]
ジャスパー > 「ははっ、こっちはここまで見終わったぜ。そっちは?兄弟」

少ししてからどや顔で一つの書架…の半分を指さす
なにせこの図書館、でかすぎる。出目がでかくてもまだまだ無限にあるぞ

田中 浩平 >  
「救いがたきを救う者など彼岸には存在しない……」

長崎・茂木名物『一口香』より中身がない会話。
感じるんじゃない、感じろ。

「破るに能わず、ゆえに禁則……いくぞッ!」

一つ一つ調べていく。

「ダメだ、人間には読めない言語で書かれている…」
「禁書じゃないのかこれは」

ドイツ語で書かれた腹水症例の医学書だ。
いやジャンルレスにも程があるだろ。
隣、絵本だし。腹ペコ水虫だし。

「やるなブラザー、だが……!」

田中 浩平 > 田中処理力 [1d100→59=59]
田中 浩平 >  
「まだ三分の一だ、少し待っててくれ兄弟」

手に取った本は造園学概論だった。
この分野、概論とかあるの? あるんだろうな。

ジャスパー > 「焦るなよ兄弟。俺たちの時間は今集中力によって圧縮されている…
お宝を見逃す方が大変だからな…、待つのは性に合わねえ。少しでも進めておくぜ」

そんなわけはない。時間は誰にも平等である
そしてこちらが終わればそちらを手伝えるため既にしぱしぱし始めた目で探索再開

「くっそぅ…!なんだこのひらがなの成り立ちだけを詳しく紹介した本は…誰が読むんだよ…!
『る』が妙にエロく見えてきた…。中々ボンキュッボンじゃねえか…」

妙な本がたくさんある
電子に移ったかと思われた紙媒体だが、こういった方向で進化したのかもしれない。知らんけど

「次…!こ、これは……、落書きされている…!」

歴史書の偉人にカラフルなひげが生えていた。
後で図書委員に渡しておこう
不届きな輩もいるものだ

「はー…!はー……!駄目だ、も、文字が…文字がなんだか、エロく見えてくる…!
お、俺はもう悪魔に魅入られたのか…!?Bがめっちゃエロい…!」

デバフなのかバフなのか
手に取る本手に取る本が、各国の文字の成り立ちや異世界言語の解説なので
妙に文字が艶めかしく見えてくる

田中 浩平 >  
「ああ……」

時間は有限だ。だからこそ、無限に浪費するわけにはいかない。
いや──集中力も、意思も、矜持も。
全ては有限のリソースである。

「ルゥ西田流カニカマアレンジレシピ百選……?」
「カニカマで料理を100種類……だと!?」

しかも妙に内容が細かいな。
212ページ糸かがり製本だこれ。
気になるけど今は本棚に戻した。

「ええい、図書館の本に落書きするんじゃあない」

ジャスの見つけた本に憤りを感じながら本を探る。

「ルアーはこうして選べ……釣りのハウトゥー本」
「ルイン・オーバー・ザ・レインボウ……ロマンス小説」
「ルーレットの歴史……文化の解説本」

ダメだ、ル行の棚は魔境だ。
じゃあどこだったら魔境じゃないんだって言われたら…
この書海は正気を奪う何かが存在するのかも知れない。

「落ち着けジャス……!」

ジャスの正気が失われつつある……!
イチかバチか、呪文で回復を試みよう!!

「春海美冬ッ」

今、人気絶頂のグラビアアイドルの名前を相手に短く叫んだ。
吉と出るか凶と出るか……

ジャスパー > リソースを削って削って、お宝を追い求める
そのリソースで勉強するなり異能を鍛えれば将来が多少明るくなるのかもしれないが
知るか!それが"(バカ)"の生きざまだ

「一人暮らしには良さそうだなそれ…。
カニカマ…、ぷるぷる…胸…いや、しなやかな腰…!」

疲労は確実に溜まっている
現に呪いのせいでなにもかもがエロく感じられる
本を見るたびに発情する呪いとか嫌すぎる

一人であれば発狂してお縄についていたかもしれない
ただ、こんな時に頼れるのはやはり友
この無限の旅路に着いてきてくれる友からの言葉が、脳内に響く―――!

「春海美冬…!
去年末から彗星の如く現れたグラビアアイドル
年齢20歳、スリーサイズ公称は上から98,60,88、172cmの高身長、髪は金髪、多分10頭身くらいある
今や古臭いと思われていた女豹のポーズを積極的に取り入れた温故知新。

最早、大きな瞳で上目遣いの画角は現在、彼女の独壇場だ
インタビューにも明るく答えるその姿はギャルっぽい見た目と異なり非常に親しみやすさを感じる。絶対優しい
多分彼女の手を握ったら俺は絶頂する…ハッ!」

瞬時に脳内にあふれ出す情報が、俺を現世へ引き戻した
ちなみに全部口に出しているため、たまたま通りがかった女子がドン引きしてそそくさと逃げて行った

「――感謝するぜ、兄弟。俺を狂気の淵から救い出してくれてよ
危うく日常が送れなくなるところだった」

また馬鹿が広まったことなど眼中になく、次の本へ…

「―――――っ!おい、こーへー!、こ、これは………!グラビア本(求めるお宝)ではないが…!
こんなのが…合法なのかよ…!」

見つけたのは、ちょっと過激な少女漫画
繊細なタッチで描かれた、ティーン向けであるため少々えっちだ
ついつい、血走った目で時間を浪費してしまう

田中 浩平 >  
「気をしっかり保て、スーパーでカニカマ見るたびに脳裏に興奮が奔る体になるぞ!!」

ダメだ、このままでは。
だがこれ以上は危険か……!!
(バカは普段真面目な本を読まないので)

「そうだ、その通りだジャス」
「俺達がエレクト(発音がコネクト)するのは仮初ではない」
「ホンモノだけだ……!!」

いや本を探してるんだけどね。

「美冬ちゃんの左おっぱいの小さなホクロ良いよな……」

自分もしっかり回復呪文の恩恵に預かりながら。

「あ、うん」

二人分女子にドン引きされたね。

「おいおいおい、そんなことが許されていいのか…?」
「それはそれで借りていこうぜ、異文化理解だよ」

そして視線がある本に移る。

「ルートゼロ……?」

ル行の棚にある大型の本。それがどうしても気になった。

「数学にルートゼロなんて存在しない。アメリカの国道も同様だ」
「つまりこれは存在しない本……?」

開くと、その本の中に。確かに。
お宝は存在していたのだ。

本は空洞、その中にまた何かを隠すための小道具。

「見つけたぞジャス……」
「20年前に少数が出回ったという褐色巨乳グラビアアイドル空豆紗綾」

「そのラスト写真集だ」

フレンドにそれを見せる。

「ふ、ふふふ……はははは」

本を見ようとしていたから誰も見つけられなかったんだ。
全ては存在しないはずの虚数、ディラックの海の中に。

「それで……どうやってこの本持って帰るんだ…?」

その言葉はやがて俺の心を絶望として蝕んでいった。

ジャスパー > 友のお陰で正気を取り戻してただの馬鹿になった
これで元通りだ
危うく文字に発情する真面目眼鏡になるところだった

「ふっ、確かにな…。今まできらきらした表紙に気後れしていたが開拓は常に必要だ
ん?どうした兄弟………、な、なに…ぃ!!」

少女漫画を本を借りるための籠に入れておく
さて続きを、と思ったところで…やってくれたぜマイフレンド(ネイティブ)

「空豆紗綾…!あの清涼飲料水のCMに抜擢もされた…!
流石に世代は違うが…か、かわいい……!」

世代が違うのにどうして情報を持っているのか。馬鹿だからさ

「ははははは、勝ったなこーへー。今日は祝勝か、い……………」

帰りにポテチとコーラでも買って男子寮の部屋でわーきゃーしようと思っていたが
友の言葉が、重くのしかかる

「そ、そうだ…。図書館にはその本はルートゼロと登録されているか、もしくは全く登録が無い
今までお目こぼしをされていたのが不思議なくらいだ
…外側のまま持って行っても確認のため中を開かれたらおしまいだ…。つ、詰んでいる……」

これが本当のルートゼロ(持ち帰る術なし)ってことかよ…
二人の脳内にはきっと、こっそり持って帰るという思考は無い
馬鹿ではあるが、犯罪に近い行為はNGだ。ならば……


「…持ち帰れないなら、俺たちの記憶に留めるしかねーな…
残念だが、俺たちの妄想力は無限大だ。きっと記憶でも盛り上がれるさ…」


男には諦めも肝心
せめてばかりと、それを記憶に留めようと提案しよう…

田中 浩平 >  
彼は俺の言葉の意図を汲んでくれた。
だから。

「ああ……そうだなフレンド」

これが俺の言葉だ。

それから二人であれこれ話しながら物陰で写真集を読んで。
空を往く鳥が春を惜しむように宝とお別れをした。

ルートゼロの中に、今もそのお宝は在るのだ。

それだけを知っていれば、今はいい。

 
そして帰った後に俺とジャスは気付いたんだ。
『動画か写真で撮れば良かったんじゃないの』ってな。

ご案内:「図書館 閲覧室」からジャスパーさんが去りました。
ご案内:「図書館 閲覧室」から田中 浩平さんが去りました。