2024/10/16 のログ
ご案内:「大時計塔」に武知一実さんが現れました。
■武知一実 >
学園の象徴とも言える時計塔、生徒の立ち入りが制限されている塔の上も中々居心地が良い空間だが、
今日のオレは麓に備えられたベンチに座って秋風を楽しんでいる。
ぶっちゃければ単に上まで階段上るのが面倒だっただけだ。
「気付けば何だか甘い匂いも漂ってんな……これ、何の匂いだ?」
風に乗って漂ってくる、甘い花の匂い。
生憎と植物に関してはあんまり詳しくはない。花屋でバイトした時も、大抵配達で接客はしなかったし。
まあ、匂いの下が分からなくとも、何だか少し心地良くなる類の匂いだとは思う。少なくとも不快にはならねえな。
「……ふ、わぁぁあぁぁ……
今日は真面目に授業出てたからか……ちと眠ぃ…」
心地良い風に吹かれていた所為か、眠気が込み上げてくる。
帰る前にひと眠りしてくのも、悪くねえ気がするが……今寝たら暗くなるまで起きれ無さそうな気もする。
後は単に通りがかりの奴に寝てるとこ見られるんのはちょっと癪だ。
■武知一実 >
近頃気にしていた事の一つが良い方に進展した所為か、少しばかり気が緩んでいるのを感じる。
まあ、転入してから色々とあって落ち着く期間が無かったから、丁度良いのかもしれねえ。
……この機を逃せば次に安息の時が訪れるのがいつになるか分かったもんじゃねえしな。
「こういう時、音楽とか聞けたら良いんだろうけどな」
ふとした拍子に異能でプレーヤーをお釈迦にしちまいかねない、という理由から電子機器はスマホしか持っていない。
休み時間とかにクラスメイトがイヤホン挿して最近の流行りの曲がどうのとか言ってるのを見ると、やっぱりああいうのが普通なんだろうなと思わなくもない。
……まあ、出来ねえもんは出来ねえから仕方ねえけど。
もう少し貯蓄が増えたら、壊れるの前提で……いや、やめよう。
「貯蓄……貯蓄なあ」
バイトの時間は減らしてないはずなのに、何故か思う様に貯金が増えねえ。
……何故か、って言ったけど原因は解ってる。無駄遣い……減らさねえとな……。
もしくはバイトを増やしてみるのも手かもしれねえ。 釣り具買ったわけだし、釣果を売りに行くのも一つの手か。
そんな事をぼけーっと考えながら見上げる空は、青く澄んでいた。秋、なんだなあ。
■武知一実 >
「くぁ~……、ダメだ。眠ぃ。
さっさと帰って仮眠でもとるか」
穏やかな陽気に誘われる様に、欠伸が次から次へと込み上げてくる。
こういう時は一度寝てスッキリしちまえば万事解決だ。
家に帰って寝ることを決意したオレは、ベンチから腰を上げると、一度大きく背筋を伸ばす。
「あ、帰るついでに飯も買ってかねえと……」
食糧の貯えがすっかり減ってる事を思い出し、コンビニにでも寄ってくことを画策しながら。
オレはのんびりと時計塔を後にしたのだった。
ご案内:「大時計塔」から武知一実さんが去りました。