2024/06/28 のログ
ご案内:「常世博物館」に先生 手紙さんが現れました。
先生 手紙 >  
中央ロビー。そのド真ん中に、吹き抜けの天井まで届きそうな、よくわからない巨大オブジェクトが、噴水を侍らせながら立っている。

その外周。バウムクーヘンを切り取ったような弧型のベンチに、男は座っていた。

客足はまばら。尤も、特集が組まれて混みだすのは七月に入ってからだ。――興行的にどうなのかは知らないが。夏休みにキャンペーンを組むのは普通のことだろう。

そんなこんなでパンフ片手に一休み。……客の少ない水族館の観光めいて、贅沢な思いをしているなァ――なんて。

水族館が恋しくなったりもするのです。水棲の異形とか怪異とかじゃなくて、もっとこうフツーの。ペンギンとかイルカとかナポレオンフィッシュとか。

先生 手紙 >  
「おお……?」
 
 
水面下に仕込まれたLEDが噴水を彩色する。ああ、夜になるとこんなしかけもあるのか。

知的なカップルのデートスポットにおススメできそうだ。今のところソレを勧める男女に心当たりまったくねえあたり、先生手紙の周りの連中は枯れてるっつーか華がないっつーか。

自分のコトは棚上げである。

「は」

それこそ棚に上げて、忘れるくらいでちょうどいい。青臭い春は、それを享受できる人間に、齎されるべきだろう。

「――――まァ、でも」

お一人様に慣れ過ぎて、こういった場所でこうも違和感なく出来てしまってる自分もどうかと思う。誰かといれば楽しいくせに、独りが楽でしょうがない。

逆ナン待ちでもあるまいし。と、頭に散らかり始めた雑多で胡乱な思考をまとめて止める。

――日の落ちた、人気のなくなった美術館は、それそのものが広大な秘め事のようだ。何気ない会話さえ、秘密の約束に聞こえてしまいそう。

ご案内:「常世博物館」に能守重高さんが現れました。
能守重高 > 日の落ちた水族館の中央ロビーにふらりと現れた少女が異質だった。
動きやすい和装であるものの少女から香る香りが硝煙と火薬。
実に物騒であるものの重火器を持っている風はない、手にはパンフ一枚。

客足がまだ7月や8月とは違い6月の月末、キャンペーンとかはないに等しく
この季節に水族館に来る客足は前からきているか、人混みが苦手な変わったソロか、
熱心なカップルがいちゃつきたいから来ているのかさてどれでありましょう。

少女は今まで常世博物館の水族館に訪れたことはなかった。
ないのだ、普段がついこないだまで風紀委員に属し狙撃を主に任務にしてきたので、
こう学生らしい活動をしたことが皆無に近く、最近は色々と巡って交流をしだしたが、
少女は顔の表情筋が絶賛お亡くなりであった。笑うというのが本当に稀であった。

と、そんなことは取り置き、少女はパンフをじっくりと眺めどこから巡ろうかとじっくりとパンフを見始めた。

「Nereden başlayalım?」(どこからめぐろう)

口から出た言語は常世で使われる言語とは違っていた。
1人でいるからついつい使ってしまう言葉であった。

まだ 先生手紙には気づいていない。

先生 手紙 >  
一方この男。まばらに聞こえる人の声をいちいち検分している業の深さだった。センジョーに聞き耳クセはなくても、立場上ね。

「……?」

だから、聞こえたソレは顔を上げるのに十分な異質だった。

日本語ではない。――いや、この言語体系は……ドコ?。先ず、音として認識した。声というにはあまりにも言語がかけ離れてしまっている。

視線の先には少女が居る。服装に目立ったところは――目立ってるなァ。和服だ。それと、火薬の匂い。途端に『物騒』というワードが脳にスコンと入る。が。


「……えーっと、お嬢さん?何か困ってるのかな。そうでなかったら、質の悪いナンパだと思ってフッてくれていいンだけど」

それにしては所在なさげな振る舞いが、立ち上がって声をかけるに至らせた。

能守重高 > 学園にいる時は日本語を使うのだがソロで尚且つ誰もいないと感じるとほぼ日本語を使おうとしない。
異世界出身者ならではの言語問題が出てしまっていた。見た目は古い日本人風なのに口に出している言語が異質。
無駄に流暢なのが不審者足らしめんことを醸し出してしまう。

「Sıradan, standart ton balığından mı?」(在り来たりな定番、マグロから?)

「Yoksa?…エ?」(それとも?)

大変容の前では様々な言語が使われていたと聞く。
日本語とは言語体系があまりに違う言語を難なく使い独り言を呟いていたが、
急に声をかけられて独り言が途切れ 顔を不思議そうに男性へと向けた。

「あーえー 困ってますね、水族館の巡り方を迷っていました」

少し困っていた風にし 案内をして下さるので?と視線で伺おうとする。
視線がパンフと男性(先生手紙)と泳ぐ泳ぐ。

先生 手紙 >  
「あ、良かった。通じた」

ワリと見た目と口から飛び出る言語のギャップでバグりそうだったのでほっとした。

「……ふむ。巡り方、か」

好きなとこ行けばいいじゃん、で会話は終わる。そしたらなんか不思議な子に出会ったンだーという怪談めいた後日談で終わるのだろうが、困っている、とこちらの言葉で聞いたので。

「――おれで良ければご一緒するよ?」

どっからどう見てもナンパの手口そのままの日本語がまろび出てしまったが他意は無い。なお鯛の収容された水槽は割と近くにある。

能守重高 > 見た目詐欺を地で行く少女 
それがこの硝煙の香りする不審扱いされたと気づいていない少女。
パンフを片手に男性にナンパされたん?とは思っていない。
立場が違ったらそれはそれは不審者扱いしてしまうだろうと。

「日本語が主流でしたね 失礼致しました」

(日本語スイッチ ON)

「それは大変助かります、宜しくお願い致します」

素直に案内してくださることに感謝を含めた言葉を口にし
礼儀正しく背筋伸ばして会釈をする角度もとても綺麗であった。
パンフを持ちやすいように折りたたみ始めたくらいで男性と連立って歩き始めましょう。

先生 手紙 >  
「いきなりで不躾なンだけど日本語が主流じゃないとこから来たのかな」

その成りで!

まァ……逆の場合の方がダメージ少ない、と知れたことは僥倖としておこう。たとえば見た目ニンゲンじゃないのが日本語ペラペラだったりしても「そういう手合いか」で済むあたり。

「……あー、でもどっかで見た気もするなァ」

記憶を漁るついでに出た言葉はやっぱりナンパの常套句だった。くそっ真面目に働け、おれの語彙。

「こほん。じゃあ行こうか。入り口はこっちね」

一歩。絨毯とまではいかないが敷かれたマットが足音を消す。続く先は灯りの乏しい、一見すると洞窟の入り口のようだった。

「まずは上をご覧ください」

()の前に。ドーナツを半分にしたような、アーチ状の水槽が出迎える。海水魚が多く雑多にいる、規模だけでいうのならこの水族館で三番目くらいのサイズだった。

能守重高 > 「どう説明をしたらよいものかと? 異世界出身ですよ」

はて。異世界を渡り歩きました、何度か渡り歩いて古い日本も知っているとは言えない。
どう説明をしたらよいのか、迷う少女は言葉を選んで口に出している風なのが見え見えであった。
なお少女は学園に出した書類に種族『人間?』と出した身です。

「つい一昨日位まで風紀委員にいたのでそれもあるかもしれません」

風紀委員の一般委員をする前はあの風紀委員会特務広報部にいたのだが、
風紀委員からすっぱり離れて今は何故か祭祀局にいる、目立たないように動くのがモットーだけど。

「わあ、暗いですね ぞくぞくします」

入口から中に案内してくださる男性についていく形で歩いていく。
そして言われるがままに見上げる、アーチ状の水槽が見え海水魚が思い思いに泳ぐのを眺める。
とても美しく そして 楽しめそうな気がして

「非常漂亮」(とても美しい)

男性を見た顔は仄かに笑っているように見えたかも。

先生 手紙 >  
「――あ。庁舎で手続きしてた子か」

説明を大幅に省いて納得だけした。管轄は風紀……自分のところではない。コッチで行った手続きもいくつかあったか、と頷いた。

「じゃあ、地球は初めて?……ゴメン。なんかすげえ胡乱なコト言ってる自覚あるわ。でもマジでこの質問なンだよな」

ひじょー、まで聞き取れた。もしかしたら非常に良い、みたいな感想だろうか。

ここ(アーチ)の見どころはマンタとウミガメとかかな。タイも……ああ、あの赤いやつ」

――聞き取れなかったが。マグロは回遊魚の中でも飼育が面倒なタイプのお魚さんだ。ゆったりと泳ぐ生き物が大半の、この入り口にはいない。

止まる足に、自分も止まる。

能守重高 > 「庁舎でお見掛けしていましたか」

納得叶ったらしい。常世学園に編入した際も公安委員にするか風紀委員にするかで悩んだ。
その時も狙撃手だったから当時派手にやっていいと解釈できた特務広報部に臨時で入ったのもあり
風紀に入ったのだがそれを辞めた。委員には現在属していないが祭祀局はどちらにも顔を出せる。

さて。

「初めてでもないですね。異世界の扉を2,3回潜ってしまってて。」

中国語をこぼしてしまった、意味は『とても美しい。』
意味が分からない言語で聞かれたらそう答えましょう。

「マンタはエイ、ウミガメ。タイは食べるとおいしいそうです」

(全部食用ですね、とても美味しそう)
そんな感想を心の中で思う食い意地のはった少女がいた。

先生 手紙 >  
「ま、学園内なら気づかなかったかなー。流石にパッと見がニンゲンで、制服着てたらね」

多様性は認めるところではあるが。それはそれとして未知との遭遇は何度でもある。たとえば、

「……この水族館が『門』になってどっか行っちゃうとか、そういうアレは、ないよね……?」

二度も三度も『界』を渡っているとなるともう、そっち方面の心配しかない。向こう側に『ウチの子迷い込んでないっすかー?』などというフザけたホットラインはできてねえのだ。

――できてねえよな財団?

「はは。食べられるかどうかで見ちゃうの、わかるよ」

そうしてまた一歩。館内の照明は殆どが水槽から発されるだけで、足元は転ばない程度に仄かな明かりが設置されていた。


「こっちはアジの群れだね。……あ、逆走してるヤツがいる」

どこにだって流れに逆らう奴は居るもんだなー。

能守重高 > 「学園内でも和装貫いていますが?気配が薄いとは言われるので
 濃くして存在感を出そうとはした時期があります。」

今も気配が薄いがそれを上回って火薬と硝煙の香りが気配の薄さを濃くしてくれている。
多様性も手伝ってか制服に袖を通したことはない悪い子です。

「さあ。どこにでも『門』はありそうなのでうっかり潜ってしまって、はありそうですね」

そんなことがありました、角を曲がったらそこが『門』とか。
油断も出来ないそれが『門』の恐ろしさ。

「深海魚も食べていそうな日本人なので水族館に修められている魚は殆ど食用では?」

間接照明というやつですね、照明の暗さはもろともせず
ゆっくりとした足取りで歩く様は一般女子ではありえない程滑らかなもの。

「アジも新鮮なうちは刺身に可能ですが、大抵は開きにしたりフライにしたり?」

実に美味しそうですね、と地味に飯テロをしている。

先生 手紙 >  
「なるほど?じゃあ巡り合わせか学科が――あぁ、基本的なコト忘れてたわ」

棘皮動物がのそのそとしている水槽の前で振り返った。

「センジョーテガミ。おれの名前ね。漢字は『先生お手紙』って書く。常世の三年を三回やってる劣等生です」

とまあ情けないプロフィールを含めた自己紹介をするのであった。

「ちなみに好きな寿司のネタはアジと赤貝だよ」

能守重高 > 「普段は部活が帰宅部、他は鍛錬しかしていないので
 学科は進学科でもないですし。」

それは時期によっては美味しいと聞くウニでは。
棘皮動物にキャベツとかレタスとか食べさせると味が濃くなるそうです。
論文が確か出されていたようですがその詳細は詳しくない。

男性の名を耳にし どう感じで描くのか想像が若干疎かった。
説明をそのあと聞いても首を傾げてしまう、漢字にはちょっと疎いのです。
携帯端末はあっても所持品に筆記用具がない。何より間接照明では描く事がとても苦労する。

「はあ。漢字はまだ難読漢字とか常用外とかはまだでして。
 私の名は 能守重高(たかもり しげたか)。3年になりました。
 寿司のネタは…リュウグウノツカイは美味です」

プロフと同じような自己紹介をお返ししますが寿司のネタはなかった。
深海魚ネタによる食べる事叶えばレアなネタを口にした。

先生 手紙 >  
「でしょでしょ。おれも見ての通り不良だから真面目に授業出てないと、同学年でも接点ねえよなー」

わはは。

知ってる?ウニの身って実際全部内臓なんだぜ。精巣か卵巣。

「……ン、ン。センジョーでもテガミでも好きに呼んでよ。どっちの名前を呼ぶかは、この島だと親密さよりも文化かなーって。よろしく、能守サン。日本でいうなら古風な名前だね」

ブケッポイナー。と謎の感想をぽつりと零し……

「えっなに、アレって食えンの?」

今日イチで驚いたわ。まず生きてる姿をナマで拝んだことが無い。たしか――この館内に、着色された骨格標本が展示されていたか。

能守重高 > 「悪い子ですか、私も人のことは言えませんので何も言えません」

ウニは解剖したらほぼ内臓では?と思ったことがあります。
ミソは精巣か卵巣で覆われている時期があるとかなんとか。
色々と世界を巡っているので中途半端に経験がある。

「諸外国では名前でしょうか。日本だと苗字の呼び捨てが多いとか。
 テガミさんは英語読みだとレターでは?レターさん。
 こちらこそよろしく願いますね、拾われた時の苗字をそのまま使ってます今も」

(ふふ、武家っぽいですか…クスリと笑ったような)

「海面に漂流したてて急いで引き上げてすぐに捌いて食べるのが叶えば食べられます」

生きている姿は一度だけ。食べたことも一度だけ。
あの魚捌いたことも一度だけだが、骨格で分かるのですが
相当無理のある構造していましたといいたい。危険が迫れば自切する魚でしたわ て。

先生 手紙 >  
「お互い有名人じゃなくて良かったよ。寿司のネタで盛り上がるのは結構だけど、新聞部とかにスッパ抜かれるようなネタはないからさ」

まァ――

「期末試験迫ってンのにこんな時間にこんなことしてるあたりほんとお互い様ですよ。ははは」

『単位』という言葉が軽く圧し掛かっている。男にとっては別の意味で。

――おや。笑うンだ。相応の可愛らしさがある……と、歯の浮きそうなセリフは飲み込んだ。

「今の環境で釣れるもンなのかなー。ねえ、ほんとに美味いの?」

存外と話は弾み、夜の水族館を進んでいく。冷光を自らぼんやり放つ、クラゲがふわふわ漂っていた。

能守重高 > 「ネームドになるのは極力避けなければ。
 新聞部は厄介な動きをするので油断は出来ません。
 そもそもそう妙な事はしておりませんので大丈夫でしょう」

ああ。現実逃避していたのに思い出してしまう。

「忘れたい けれど赤点さえとらなければいいのでは?」

ぎりぎりを狙う女です そう赤点さえとらなければ女は満足だ。
すんとなった。すぐに顔の表情筋はお亡くなりになりました、すぐに死ぬご臨終。

「不定期に浮かんでくるので予測も出来ません。
 ものすごく美味しかったですよ、見た目ピンクで透明感のある肉質でした。」

一度しか食べたことがないんですってば。
夜の水族館で飯テロをする男女。会話内容がほぼ食材。
そういうような会話をしながら 出口に至るまで少女はレターさんと一緒にいたとかなんとか。

先生 手紙 >  
「風紀に知り合い多いけど、別の目で見られるのは勘弁だな……お互い、ギリギリを狙っていこうぜ……カレイかヒラメみたいな」

底面でいいのだ。最底辺でなければ。なんと低い志であろうか。

「……そんなに言うなら一度くらい食べてみたいなァ……あ、いや待てよ……異邦人街でなら食えそうだな……?」

イヤな経験が蘇る。

「……はは。レターさんか。いいね。今ンとこ君しかそう呼んでない」

――夜の水族館は密閉されていない異界のよう。

それは、出た時に現実を思い出すから。

ご案内:「常世博物館」から能守重高さんが去りました。
ご案内:「常世博物館」から先生 手紙さんが去りました。