2024/07/02 のログ
神樹椎苗 >  
「しいの『神』は、無欲が過ぎるだけってやつです。
 しい個人としては、片っ端から奪い返したいところですが。
 ――ああ、どれも少なからず意思があります。
 特にこのクソったれな本は、『自我』までありますからね。
 声が聞こえる相手には好き勝手話しかけるもんですから、うるさくてしかたねーんです」

 どうやら、神器ごとに性格があるようだった。

「以前、似たような感染性のある事件――事故が遭って、隔離した範囲を焼却する事になりましたが。
 その時は相手が植物でしたから有効な手段だった、というべきでしょう。
 今の正体不明な段階でやるにはリスキーですね。
 燃やした事で飛散すれば、被害が広がりかねねーですし」

 腕を組んで、指先をトントン、と落ち着かなそうに動かす。

「どうなんでしょうね。
 恐らく、感染させる事に、何らかの条件があるのかもしれません。
 しいは、その条件を満たさないのかもしれねーです。
 ――もし、対処に動くならそれなりの準備はした方がいいでしょーね。
 お前が感染した日には、笑えねー事態になりそうですし」

 と言って困った顔をしつつ。

「ところで、あいつ――『非凡人』は、馬鹿な事を言ったりはしてませんでしたか?
 リベンジだとか、なんだとか。
 正直、あいつに預けてる『神器』が、一番、効果的だとは思うのですが、いかんせん」

 本人の戦闘力が高い訳ではないのだ。
 

崛葺 茉璃 > 「神様は実におおらか、ということですね。 / 鷹揚だということか。
 それなら、ここから奪い返すのは……うーん、なかなか難しいですねえ / 危険であろう。

 まあまあ、それはそれは……是非お話してみたいところですね。
 確かに、何事か聞こえては来るので……修行が足りないのでしょうか? / 勉強がたりぬか?」

なんとはなしに、何事かの言葉のようなものは聞こえる。
これは回線があっていないのか、それとも何がしかのものがたりていないのか。

「そうですねえ……本当にウィルスのようなもの、であれば…… / 菌のようなものであるのならば
 医学の領域、かもしれませんけれど……
 
 いっそ、呪詛の類のものであれば話も早いのですけれど / 呪詛の類であればこちらの管轄なのだが
 まだまだ、見えるものが少ないですね、確かに」

くきり、と首を傾げる

「条件、ですか……それは確かにありそうです。
 知能がある、ということはそれを意識して動いている、ということでしょうね / それを元に行動しているということだろうな

 ああ。私、ですか? なんでも大丈夫、とは申しませんけれど / 無敵、などというにはおこがましいが。
 それなりに、対処できるつもりではおります。
 これでも、べてらん、なのです / これでも、巧者、ではある。」

そういって、にこにこ笑う。

「ああ、ナユラ様ですか? / ナユラ殿か?
 ん、りべんじ、というお話は伺いませんでしたが――
 ああ。祭祀局のお手伝いさんにはなっていただきました / 祭祀局の協力者、にはなったな。」

どちらかというと自分からの勧誘、ではあったが。
自分から推したわけでもない、のでなんとも難しい話である

神樹椎苗 >  
「しいの『神』は、優しすぎるだけです。
 よーするに、バカなんです、馬鹿」

 使える神に対して、ストレートに罵倒するのだから、この使徒と神との関係性が余程に気安い物なのだと伝わるだろう。

「なんとなく聞こえるのなら、十分素質あり、ってもんですよ。
 ふつうは全く聞こえねーですからね。
 もし、今後なにか情報が必要になったら『これ』に話しかけてみるといいです。
 運がよければ、『蔵書』を読めるかもしれねーですよ」

 と、こんこんとガラスケースを叩く。
 同時に、なにか喚くような喧騒が聞こえるだろう。
 どことなく喜んでいるような雰囲気が伝わったかもしれない。

「本格的な調査、が出来てなさそーですからね。
 とはいえ、感染に関しては、医学で対処出来てるみてーでうよ。
 病院の方で治療できるとは聞いています」

 というのもあり、椎苗は何らかの微生物だと想定しているのだが。
 怪異とそれらの境界が何かと言われると難しいところだ。
 昔は、感染性微生物も、呪いや祟りと言われていたのだから。

「でしょうね、余計なお世話でした。
 調べに行くなら、吉報を待ってますよ。
 対策は十分に――というのは釈迦に説法ですね」

 くすくすと相手に合わせて笑っていたが。

「――ちょっとまちやがれ。
 は?
 あの『非凡人』、また――」

 と、そこで少し悩むように腕を組み。

「――すまねーです、もしかしたらお前に迷惑かけるかもしれねーですね。
 しいの方でも、少しばかりアイツの事を鍛えてみる事にします。
 少なくとも、うっかり『怪異』とであっても身を守れるくらいにはしておかないと。
 万一にでも、死なれると後味が悪すぎます」

 そう、とても難しそうな顔で唸る。
 どうやら、件の少年の事を、随分気に入っているようだ。
 

崛葺 茉璃 > 「そうですか」

なるほど、仲が良さそうで何より、ということですね。
神様と喧嘩するのはよくないですし。

「蔵書……ですか。
 もし、そのときはよろしくおねがいしますね? / そのときは頼りにさせてもらうとしよう。」

蔵書、蔵書。なんて素敵な響きでしょう。
神器のもつ蔵書なら、さぞかし色々とあるのでしょうし。
きっと、重要なお話もいっぱいあることでしょう。
残念なのは、神器を持っていけないことでしょうか

「なるほど……怪異も生物的であれば、お医者さんでどうにかなる、わけですね。 / 医師でなんとかなるわけだ。
 うーん、それならその方向でどうにかできたり……すると良いんでしょうけれど。」

アンチウィルスなんとか、とか、そんな感じのなにかとかありませんか?
そう簡単にはいかないでしょうか。なかなか難しいですね。

「そうですね。問題があるとすれば。 / 問題があるならば。
 お相手様が、どの程度の知性と理性と正気をお持ちか / どれだけおかしなやつか、まっとうなやつか。
 それで、話が変わるかもしれない、ということでしょうか / ことだろうな」

あまりにひどいことにならないと良いのですけれど。
でも、対処しないわけにもいきません。困ったものですね。

「ああ、そういうことですか。
 いえいえ。謝らずとも。私も、半分お誘いしてしまったようなものですし / 勧誘したようなものだ。

 できるだけ、危険には巻き込まないようにするつもりではおります。
 正式な局員でもありませんし。」

民間協力者をひどい目に合わせるわけにもいかないので、気をつけますよ、とお伝え。
仲間なら当然の心配です。この方は良い方ですね。

「……ということは。
 シイ様、かなり腕前があるということでしょうか?」

くきり、と首を傾げた

神樹椎苗 >  
『縺セ縺九○繧阪≧縺。縺ョ縺槭≧縺励g縺ッ縺昴s縺倥g縺昴%繧峨↓縺ッ縺セ縺代↑縺?◇!!』

「――だからうるせえってんです」

 相当大音量ではしゃいだのだろう。
 頼られたせいか、嬉しそうな歓喜の響きが、めちゃくちゃな音で響く。
 それも博物館中に響きそうな音量だった。

「あー――まあこいつ、人格はクソヤローですが、貯蔵してる文献の数は相当ですからね。
 しかも元は異界の神の所有物ですから、異界の蔵書が四万、こっちで学園側から資料保管の名目で放り込まれたモノも含めると。
 ――まあ、軽く見積もって八万ほどでしょうか。
 本に限らず、『書物』であれば何でも保管、持ち出しが出来ますからね。
 しいも、たまにコイツを本棚の代わりにしてますし――ああ、蔵書だけなら持ち出しできますよ」

 説明の限りでは、素質さえあれば随分気軽に使えるらしい。
 とはいえ、椎苗がこうして辟易している通り、性格は中々のモノのようだ。

「この島の医術は最先端どころか、ガラパゴス化してますからね。
 何れは感染防止も出来そうですが。
 ――ええ、その知性が問題ですね。
 少なくとも対話が出来る相手ではなさそうですが、そればかりはお前自身が対面してみるに越したことはなさそーです。
 怪異対策の一番の方法は『体験する』ですからね」

 もちろん、生存、帰還出来る事が大前提となるが。

「ああ、あいつが決めた事なら文句はねーんです。
 ただ――少々、難儀な不運持ちですからね」

 なぜか、あっちに行けばトラブル、こっちに行けば事件にあたる。
 そんな少年――という印象なのだ。

「ん、しい自体は然程。
 ただ、『不死殺し』に関してだけ、専門ですね。
 それに付随して、『死の概念を持たないモノを殺す』事だけは得意です。
 あとはそう、これら神器の扱いならどれも一通り。
 なので、『非凡人』には神器の使い方を叩きこんでやろうかと」

 件の少年が持つ『破邪の戦槍』は、本来の力が発揮できれば、神器の中で最も高い戦力を持っている。
 徹底的に鍛えずとも、ある程度の使い方を教えるだけでも、それなりの効果は出てくるだろう、と。
 

崛葺 茉璃 > 「ふふふ、賑やかさんですね / 騒々しいことだ。
 でも、洗脳、というタイプではなさそうですね? / 支配してくるタイプではなさそうか?」

楽しそうに、嬉しそうにしているのがとても伝わってきます。
自我を持つと、どうしても悪さをする子もいますけれど、この子は違うのでしょうか。
それであれば、とても仲良くできそうな気もします。
ええ、なんとなく言っていることも判ってきたような気もしますし

蔵書、すごいんですね?

「あらあら、まあまあ。それでは、とても便利なのですね。 / ずいぶんと無法だな。
 では、こうして知ったのも良い縁ですので……是非、使わせていただければと」

そうしましょう、そうしましょう。
異界の本、なんてとても気になります。

「おっしゃるとおり、ですね。 / 言うとおりだな。
 実際に会ってみないと…… / 会わねばな
 それが、案外むずかしいのですよね / 面倒なのだ

 卦でも立ててみましょうかね」

適当に探すくらいなら、それもいいかな、と思う茉璃であった。
卦の方は本家ではないので信用が置けないかも識れないが……

「ああ、そういえば。ナユラ様にお会いしたときは、気づいたら転移荒野に居た、ということでしたね。
 これが不幸体質、というやつでしょうか」

くきり、と首を傾げる


「『死の概念を持たないモノを殺す』……そうですか / そう、か」
 ああ、だから鍛えれる、わけですね。/ だから教えられるわけか。
 機会があれば、一度見学したいものです。/ その様子、見てみたいものだ」

死の概念を扱う神器の利用。そして、そのやり方。
とても興味深い

 

神樹椎苗 >  
「ええまあ、これも縁でしょーしね。
 便利に使ってやってください」

 疲れたように肩を落として、ため息を吐く。
 どうやら、椎苗自身は、この『本』の人格とは相性が悪いらしい。

「遭うだけなら、落第街の路地裏でもうろつけば会えそうですけどね。
 ただあそこは別の面倒事を引くかもしれねーですし、なにかあるなら使ってみた方がいいでしょうね」

 確実に狙える方法は椎苗も知らない――というよりは、調査が進んでいないのだろう。
 何かしら掴んでいる誰かしらはいても、共有される段階までは行っていないのだろう。

「――転移荒野?」

 はあ~、と額に手を当てた。

「ちょっと本格的に面倒見ないと、その内にころっと死にそうですね、あいつは」

 頭を抱えたくもなる話だった。

「ふむ――もし機会があれば、共闘する事もあるでしょう。
 しいは時折、不法入島した不死者や、彷徨う死者を眠らせてますので。
 その時は存分に見学してくれていいですよ。
 まあ、自分の身は自分で守ってもらいますが」

 自分で話していて、よく考えれば祭祀局よりの仕事をしているな、と思うなど。
 知り合った以上、今後、そういう縁がないとは限らなだろう。
 

崛葺 茉璃 > 「卦も完全ではないのが難点ではありますね / 問題点ではあるな
 その辺りは、やむを得ませんね」

全てを見通せるなら、それは神様の所業です。
仕方がないのです、仕方がないのです。未来は無限に広がってこそですし

「はい、転移荒野でした / 転移荒野だったな。
 道に迷ったいらっしゃいましたので、お話と、道案内を / 街まで連れてきた。
 いつも、ああいった事が起きているなら、とても大変そうですねえ」

声も調子もぼんやりしているが、明らかにのんびりとした様子であった。

「そう、ですね。一緒になることもありましょう / ともに戦うこともあろうや
 ああ、それでは一応改めまして。
 私、崛葺茉璃、と申します。よしなに」

ぺこり、と頭を下げる。

「もし、何事かございましたら。どうぞお気軽にお声がけくださいませ」

神樹椎苗 >  
「使えるだけすげーですよ。
 しいは、あんまりその手の才能はねーですからね。
 知識だけは、その辺のデータセンターよりは持ってると思いますが」

 これでも、常世学園の予備の予備辺りのデータ保全に使われていたりするのである。
 とはいえ、最近はそのデータへのアクセスも強力な制限が掛かってしまったのだが。

「ええ、まあ、しいの知る限り、年中ですね。
 ナビゲーションアプリの使い方も教えたんですが、それでもダメそうですし、もうそうなったら本人を鍛えるしかねーです」

 再びため息。
 焦っては居ないものの、悩みのタネになってしまった。

「ん、仕事とお役目柄、祭祀局にはしいも世話になるでしょうしね。
 こちらこそ、神樹椎苗、好きに呼びやがってください」

 そう言いつつ、同じように頭を下げる。
 椎苗にしては珍しい行動だ。

「ええ、お前も気軽に――ああ折角です、連絡先でも共有しておきましょう。
 もしこの辺りの神器が入用になったら、しいに言ってください。
 お前なら一時的な借用くらいなら大丈夫でしょう」

 そう言いながら学生手帳の『オモイカネ8』を取り出した。
 ちなみに、裏筋での支給ではなく、まっとうな手段で手に入れていたりする。
 まあ、島内ネットワークを駆使して確実な確保を狙ったので、若干反則ではあったが。
 

崛葺 茉璃 > 「それは、まあ……大変ですね / 難儀だな
 霊符の一枚も差し上げるべきでしたでしょうか / 札のひとつもくれてやればよかったか」

なるほど、かのお方はだいぶ大変そうなんですね
今度お会いしたときには、何か差し上げたほうが良いでしょうか。
きっといいでしょうね

「はい、シイノ様」

それは、声と、言葉と同じく、どこかブレた名前の喚び方であった
しかし、本人はいたって真面目なようでもあった

「なるほど、それはとても有り難いことです / 珍しきことよ
 では、よろしくお願いします。/よろしく頼む
 
 ……これは、お友達では……いえ、違いますか」

どこかおぼつかない手つきで学生手帳を操作し、連絡先を交換する
使っているのは旧式だが、この手つきからして仮にオモイカネを手に入れてもうまく扱えなさそうであった

神樹椎苗 >  
「よくまあ、無事に生きてるもんだと思いますよ。
 もし、次に会う時があったら、なにか世話焼いてやってくれると助かります」

 そう言いつつ、丁寧に再び頭を下げる。
 これでも少年の雇用主なので、相応の態度は示すのだった。
 口は悪いが、礼節は大事にしたい椎苗である。

「ん、ん?
 んん、まあ、なんでもいーですが」

 わざとなのか、天然なのか。
 恐らく後者なのだろうとは思うが、別段気にする事でもなく。

「ああ、それの操作はですね――」

 そうやって登録の手伝いをしつつ。

「ん?
 友人でいいんじゃねーですか?」

 と、さらりというのである。
 

崛葺 茉璃 > 「ああ……それは、なんとも」

素敵なことです 素晴らしいことです
お友達が増えました
産まれてこの方、二人目、になるのでしょうか

「はい、はい。
 それでは、そのように。/その通りに。
 ナユラ様の方についても、はい。
 色々と、見させていただきますね / 世話を焼かせてもらおう」

お友達のお願いですから、それくらいしてもいいでしょう。
過干渉、なんてことはないですよね、みなさん?
ああ、なんて素敵な日なんでしょう

そうしてそうして

しばしのお話にふけるのでありました

ご案内:「常世博物館-中央館-古代エジプト文化展示」から神樹椎苗さんが去りました。
ご案内:「常世博物館-中央館-古代エジプト文化展示」から崛葺 茉璃さんが去りました。