2024/11/10 のログ
■蘇芳 那由他 > 「…仮面というのは、本来の自分を”隠したり”別人と”切り替える”為のものでもあるらしいですしね…。」
道理がどうのというより、今、実際目の前に居る朔さんの姿が全てだろう。
なら、それで納得するし何かを疑う事も無い。そういう所は切り替え…割り切りがかなり早い。
「…あー…成程。埋葬の仮面――朔さんにとっては、今の姿が自然体に近いものなんですね。」
成程、と生真面目に頷いて。しかし尻尾がゆらゆら…気になる…触りたいが流石に失礼なのでそこは我慢。
「…半分寝ていたとはとても思えない程しっかりしてる気がするんですが…。…あー…。」
朔さんの質問に、即答は出来ずに僅かに悩むように。
…手っ取り早いのは後者…【槍】の意志を屈服させて自分を所有者と認めさせる事だろう。
だが、少年の意志と実力でそれを成し得るには…少なくとも、現時点では色々と”足りない”。
時間を掛ければ、いずれは可能かもしれないが――それも確実とは言えない。
ならば前者はどうだろうか?それはそれで、【槍】と辛抱強く対話をして、意志の疎通を今より更に密にする必要があるだろう。
こちらもこちらで難易度は高い。そもそも、多少は認められたとはいえ…。
(…現時点で僕はまだこの【槍】に”舐められてる”…そこを見返さないと、か。)
二択のどちらを選ぶにしても、前提としてまず【槍】の舐めた態度を少しマシにしないとお話にならない。
力を多少貸してくれるようにはなったが、まだこちらを未熟な所有者とギリギリ見ているかどうか。
「――そのどちらかしかないといならば、僕は心を通わす方を選びます。ですが――…。」
「…まず、その前提というか。僕はどうもまだこの【槍】に甘く見られてるようなので。
信頼関係を築くにしても、僕自身を認めさせないといけないでしょうね。」
方針としては――前者。緋月さん、朔さんと同じような道を目指したい。
だが、朔さんの忠告も勿論きちんと聞いている…心を通わせるにも限度が必要なのだろう。
屈服、ではなく共に在る事を目指す。だが、まず前提条件として【槍】に蘇芳那由他という使い手を認めさせないといけない。
少年にとって、むしろこの前提条件の方が方針よりも難解に感じた。
■緋月 >
「そういう事になる。
これは元々の我の姿も関係しているからな。」
自然体、という例えに意を得たり、といった態度で軽く腕を解き、何かを手にするように右手を持ち上げる。
直後、青白い炎と同時にその手に現れるのは――狼を象ったと分かる形状の、黒い仮面。
「これが「神器」としての我が姿。
この在り様も、神器としての姿の影響が大きいと言っていいだろう。」
つまり、元の形が狼を象ったものだから狼の特徴が出現するのだ、と。
納得したか、といった様子で、胸に仮面を押し当てると、まるで溶け込むように体の中に沈む。
そうして、少年の話を聞けば少し眉間に皺を寄せた表情。
不快…という訳でもないのだろう。単純に面倒なものを見る目だ。
その視線も、少年自身…ではなく、その内側に向いている風な。
「――成程、早い話が「侮られている」という訳だな。
それでも「槍」がお前を見放さない、という事は……ふむ、大方、
「こいつには自分がついていないとダメだ」という所か?」
最後はまるで少年の内側に問うように。
少しばかり底意地の悪い雰囲気が見えた、ような気もする。
「そうだな――我の場合、我が盟友が「継承者」に相応しいか否か、「試し」を与えた際に、
我が見せた「誘惑」に、盟友は見事耐え、我が誘いを退けてみせた。
それがあったからこそ、我は盟友を認め、力を貸し、共に在る事に抵抗はなかった。」
迷わず我を選んだというのもあるがな、と少し自慢げに語る。
「然るに――「槍」の主よ、お前はそういった「心の強さ」を彼奴に示して見せる事が出来たか?
敢えて言葉を選ばず言えば…お前からは今一つ、「自信」というものが欠けているように思える。」
す、と厳しめの視線。まるで、少年の内面を見定めようとするような。
「謙遜は美徳だ。だが行き過ぎれば、それは「卑下」になる。
そのような有様では侮られるのも是非も無き事。
やり方を広げる事を模索するのも大事だが…要は、「己の芯」だ。
それを確と持つ事が、今のお前には大事だと我は思うが。」
飽くまで我の見立てだがな、と締め括る。
■蘇芳 那由他 > どうやら自分の認識は概ね正しかったらしい。
朔さんが右手を持ち上げれば、そこに青白い炎と共に出現する――黒い…狼を象ったものだと一目で分かる形をした仮面。
残骸の姿しか記憶に無かったのもあり、ちゃんとした本来の形状の仮面を見るのはこれが初めてだ。
「…元々が狼の仮面の形をした神器だから、その姿に近しくなるほどより自然体…と。」
納得しました、と素直に頷く。狼面はそのまま、朔さんが胸に押し当てて溶け込むように仮面を埋没させていった。
そして、朔さんの表情変化に僅かに不思議そうに…いや、直ぐにソレが【槍】に向けられたものだと気付いたが。
「…前に、椎苗さんに少し神器の扱い方を教授して頂いた時に、”説教”をされたんですけどね…。
それ以降、多少力は貸してくれるようにはなったんですが…。」
溜息交じりにそう口にするが、朔さんの推測に思わず半眼になった。ダメ人間を見る保護者みたいなものか?
気のせいか、【槍】が反応したように思えるので朔さんの推測も案外的を射ているのかも。
「…迷わず選んだとか、何というか最初から筋が通っているというか真っすぐというか…。
…緋月さんらしいなぁ、と思いますけど…僕はどちらかといえば”呼ばれた”というか。偶然ここに足を運んだ時に”声”が聞こえた、という出会いでしたから。」
その時は、鋏も杖もあり――そちらの”声”も聞こえていた。
なので、神器の所有者としての適性はむしろ非常に高いのだろう。
問題があるとすれば、それは――…
「……『自信』……ですか…?」
一瞬、何を言われたのか分からない、とばかりに目を丸くするが。
直ぐに得心がいったのか、僅かに苦笑じみたものを浮かべる。心当たりはあるらしい。
「…成程。つまり僕に欠けているものは――確固たる意志の強さ。【槍】に認めさせるくらいの自信と気概…といった所でしょうか?」
常日頃から…今この瞬間ですら、少年は己を『凡人』と位置付けている。
凡人だから弱い。故に努力もしているし、自分なりに譲れないものもある。
だが――同時に、【槍】に頼らなければ自分自身すらろくに守れない。
自分自身を凡人としてしまっているのと、悲しい事にそれに見合う程度の強さしかない。
だからこそ、己に自信を持てない…少年の大きな欠点の一つだろう。
(…朔さんが言う『己の芯』…それが今の僕に一番足りなくて必要なもの…なのかな…。)
心の中でそう呟けば、ゆっくりと目を一度閉じて息を吐き出す。そうしてから、改めて死んだ瞳ではあるが朔さんに顔を向けて。
「…ありがとうございます。自分に今、何がまず必要なのか…それが分かっただけでも大変助かります。」
確固たる芯が今の自分に一番足りないモノだと、ハッキリ示されただけでも僥倖だ。
いわば、ソレが少年にとっての『試練』のようなものだから。
■緋月 >
「実際の所、我が盟友であれば此処に在る他の神器であっても選ばれる余地はあっただろう。
他の神器の声も届いていた筈だからな。
最も強く届いたのが我の声だった。そして神器の力を求める事態となった際、盟友は迷わず我を選んだ。」
過去を振り返るように、そう語る。
それが最大の誇りであるかのように。
少年の問い掛けには頷き一つ。理解が早いのは少しばかり好感を持ったようだ。
「理解が早いのは良い事だ。
――「槍」の主よ、お前は恐らく「槍」からの「試し」を受けてはいないだろう?
だとするならば、今まさにお前は「試されている」。
「槍」がその力を預けるに足る器か、それに見合う「強さ」を持つか。
総ては其処から始まる。
足元を疎かにしては、思わぬ所で躓くかも知れぬぞ。
「槍」が信ずるに値する「己の強さ」を、確と築く事を忘れぬ事だ。」
其処までを語ると、ふぅ、と大きく息を吐く。
「――少しばかり、喋り過ぎたか。
我はそろそろ、この身体を盟友に返す。今後に期待しているぞ、「槍」の主よ。」
ではな、という言葉と共に目を閉じると、す、と狼の耳と尾が消え、同時に髪の色も元のグレーへと変化する。
■緋月 >
そうして目を開けば、その瞳の色は元通りの赤い色に。
は、と気が付けば、少し慌てた雰囲気。
「あ、お話、終わりましたか?
……その、朔…あの子の呼び名ですけど、何か失礼な事とか言いませんでした?」
完全に意識は途切れていた模様。
知らない間に無礼なことを言っていなかったか、凄く心配そうであった。
■蘇芳 那由他 > 「―——えぇ、緋月さんは何というか…多分、朔さん含めてどの神器でも資格はあったなぁ、とは思います。」
勿論、神器との相性や適性、そして『死』に対する信仰…そこは個々人によって違うけれど。
少なくとも、神器を扱う者としては己なんかより彼女の方が全然遥か上だ。
…と、そこまで考えてから内心で溜息。いけない、こういう所が自分の悪癖というか欠点なのだ。
…誰かと比べるのではなく、自分自身を磨いて『自信』を身に付けなければ。
「…あぁ、何というかそんな気が薄々してましたけど…えぇ、これが僕にとっての『試練』なんでしょうね。
…やっぱり朔さんにお会いできて正解でした。自分でも自覚はしていた部分ではあったんですけど…。」
何処かで目を逸らしていたのかもしれない。だからこそ、ハッキリ指摘されて目を向けざるを得なくなった。
そして、自覚があったからこそ、突きつけられた以上は目を背ける事は出来ない。
【破邪の戦槍】――その現所有者として。己に誇れる自信…『強さ』を身に付ける。
少年にとっては、まさに一番痛い所を突かれたような内容だが…だからこその『試練』なのだろう。
(道のりは長そうだけど…だからこそ、頑張らないと…なぁ。)
記憶も無く、強さも無く、神器に選ばれた”だけ”の凡人でしかないが。
そのままでは、何時まで経っても【槍】に真に認められないままだ。
だったら――やれるだけやってみよう。何処まで出来るかは分からないけれど。
「…あ、了解です。…ありがとうございました朔さん。お陰で今後の方針も固まりました。」
そろそろ緋月さんに肉体を返す頃合らしいので、改めて一度深々と一礼。
どうやら、朔さんにも少し期待されているようなので…うん、頑張ろう。
元の姿に戻っていく緋月さんを見守りつつ…改めてそう決意を固めて。
「あ、お帰りなさい。お陰様で自分の【課題】とかもわかったので…むしろ為になりましたよ。
朔さん、少し冷たい雰囲気と喋り方ですけど結構面倒見が良い方ですよね。」
と、心配そうに尋ねて来る緋月さんに対して、小さく笑みを浮かべてそう答える。
少なくとも、少年が得るモノはしっかりとあったと彼女にも伝わるだろうか。
■緋月 >
「そ、そうですか…よかったぁ……あの子、割と口に容赦がないというか…
耳に痛い事をずばっと言いますから…。」
書生服姿の少女にとって、割と悩みの種。
何かの事情で自分の意識を落とさないといけない時、代わりに動いてくれるのは助かるが、
他に対して遠慮と言うものがないのが困ったところである。
後で何言ったのか確かめないと、と思わず独り言。
「あははは…今は割と丸くなってますけど、前は結構性格が悪かったんですよ…。
私が最初に触れた時なんか、明らかに自分を手に取れみたいな誘いを幻惑込みで仕掛けて来ましたし……。」
なんてことをつい暴露。
仮面の意志は語らなかったが、それが仮面が少女に与えた「試し」だったのだろう。
それを受け容れてしまっていたら――恐らく今の一人と一個の関係は、存在しなかったに違いない。
「兎に角、少しでも助けになったなら幸いです。
元あった力がなくなっても、違う形で何かの助けになったなら、私も…多分だけど、朔も、ちょっと安心ですから。」
■蘇芳 那由他 > 「…僕としては、むしろズバズバ指摘して頂いた方がいいかもしれません。
…あと、ここだけの話…椎苗さんも割とズバズバ遠慮なく言ってくるので、慣れているといいますか…。」
耳に痛いというか、目を背けていた自分の駄目な部分を再認識させられはしたが。
それが己にとってのおそらく『試練』なので明確に指針が見えただけでも感謝しかない。
あと、緋月さんの独り言に「まぁあまり問い詰めないでやってくださいね…」と、苦笑気味に。
「……朔さん、中々狡猾というか地味にエゲつない事をしてますね…。」
先ほどはそういう話は一切出なかったので、呆れ半分と感心半分の声を漏らして。
緋月さんはその試しを乗り越えたのだから、この人はやっぱり凄いなぁ、と思う。
「…僕が言うのもアレですけど…むしろ、今の【埋葬の仮面】…朔さんの在り方の方が良いのかなと思います。
確かに、神器としての力はほぼ失ってしまったとしても…代わりに得たモノはきっと大きい筈です。」
自分が目指す道も、彼女たちの在り方に近いが…おそらくそこまでは届かないだろう。
だけど、だからこそ…だ。危うい所があれど神器を友として歩むのは、困難も多いがきっと助けになる。
「――だから、僕は貴女”達”の在り方を尊敬します。」
生真面目にそう口にして、深々と一礼を緋月さんと彼女の中の朔さんへ。
いきなり何でと思うかもしれないが、少年はそうしたかったのだ。
「…あ、そういえば緋月さんはどうしてここに?もしかして考え事か何かでしょうか?」
と、今更ながら彼女がここに足を運んだ理由が気になったので何となく尋ねてみたり。
■緋月 >
「ああ……。」
「先輩」の話になると、書生服姿の少女も納得の表情。
口でもだけど、「実際」にズバズバやられた身としてはすごくわかる。
「ええ、あれは本当に手が込んでました…。
もし…「大事なひと」から貰った教えがなかったら、多分あそこで呑まれてたと思います。」
えげつない真似については遠くを見るような目。
本当に、ギリギリの所だった。「あの言葉」が、大きな助けだった。
「――そんな風に言って貰えると、何と言いますか、助かります。
朔には…私の我儘で、色々大変な事の片棒を担がせてしまいましたから…。」
少しだけ罪悪感と、それ以上に安堵のある表情。
恐らくそれは「やってはいけない」事をやった事について、なのだろう。
深く語ろうとはしないが、大きな問題ではあったようだ。
そして、此処に足を運んだ理由を問われれば、あ、と思い出したように。
「ああ、そういえば忘れてました…。
最近、ちょっと激し目の稽古をしてて、その少ない休憩で心を落ち着かせる為と…
それと、朔にたまには此処の神器達に顔出し位はさせようかな、って。
神器としての資格はなくなっても、長い間一緒ではあった訳ですから。」
最も、会話がどうこう、という訳ではないですけど、と付け加え。
つまり自身は休憩に、自身の友には同胞に顔出し位は偶にはいいだろうという配慮だったらしい。
■蘇芳 那由他 > 何処か納得したかのような表情を浮かべる緋月さんを見て、「あぁ、椎苗さんやっぱり誰に対しても遠慮ない感じなんだなぁ…」と悟りつつ。
「大事な人…成程、その人の教えや言葉が支えになって緋月さんは吞まれる事が無かったんですね…。」
勿論、大事な人が誰なのか?とかどういう人なのか?なんて根掘り葉掘り尋ねるほど野暮でもない。
少なくとも――彼女には、ちゃんと支えになる人が出来たのだと心の何処かで安心した。
初対面の後から、ずっと気に掛けていたものが楽になった気分…なんて、こっちの勝手な思いだが。
「――さっき初対面ではありましたけど、朔さんは緋月さんの友である事を誇りに思ってるようでしたよ?
…だから…えーと…何というか、緋月さんが気にするのは分かりますけどあまり気に病み過ぎては駄目です。」
”やってはいけない事”が何なのかは分からない。だけど、分からないからこそ敢えてそう口にする。
罪悪感を引き摺っても良い事なんて何一つないと思うから。
…勿論、少女と神器と…おそらく、椎苗さんも大いに関係していると思しきその事柄が何なのか聞いたりはしない。
…気にはなるけど、それを語らせてしまうのは申し訳ないし、自分も自分で乗り越えるべき試練があるから。
「あー…何だろう、里帰り?みたいな感じですかね…。
そういえば、僕も神器の所有者になって以来なんですよね、ここに足を運んだの…。」
なので、ここで彼女と遭遇したのは偶然のタイミングだ。お陰で色々と助かったけれど。
「…けど、僕の持ってる【槍】はずっとだんまりなんですよね…まぁ、会話なんて今更無いのかもしれませんが。」
朔さんに反応はしていたので、ちゃんと認識も意識もしているのだろうけど。
神器同士、やっぱり相性とか反りが合わないとかもあるのかなぁ、とぼんやり思いつつ。
「…と、じゃあ折角のご休憩なので邪魔したら申し訳ないですし、僕はお先に失礼します。
…あ、朔さんには那由他が感謝していてたと後で伝えて頂けると助かります。」
彼女と雑談に興じるのも良いのだが、稽古の合間の休憩ならばゆっくりして貰いたい。
なので、少年なりの気遣いで先に辞そうと頭を軽く下げつつ歩き出し…始めたが、一度足を止めて。
「あ、そうそう……氷柱割りの時は言えなかったんですけど…。」
と、そちらに振り返って小さく笑顔を向けて。
「…色々あったみたいですけどお元気そうで安心しました。また、お会いしましょう。」
改めて、元気そうで良かった、としっかり伝えながら会釈を改めてしてからゆっくり歩きだして。
■緋月 >
「はい。今でも困難に遭遇したりした時には思い出されます。
あるいは…戒め、といってもいいのかも知れませんが。」
その戒めが、今の少女を作って、此処に存在させている。
敢えて口にはしなかったが、相応に重くて、大事な戒めらしい。
「……ありがとう、ございます。そう言って貰えると、心が楽になります。
後悔はしていませんが…どうにも、引っ掛かり続けていて。
だめですね、早い所この引っ掛かりも抜いてしまって、「もう過ぎた事」と納得させたいのに。」
あはは、と苦笑い。中々抜けない棘のように、引っ掛かり続ける事ではあったらしい。
「里帰り、ですか…確かに、そう言えるのかも。
私個人は、まあ色々ありましたけど…何だかんだで、此処に居ると落ち着けますから。」
そんな事を言いながら、言葉がないという事には最後の軽いアドバイス。
「うーん…此処でお話をする事がない、だけならいいんですけど…。
もしあんまりにも会話というか…意志みたいなもののやり取りがないようなら…私のやり方であって、
当てになるか自身はないですけど、瞑想…とかでしょうか。
自分の内側に意識を向けて、内に在る御神器の意志に触れる事が出来る位、深く潜る…。
私は、最初はそこから始めましたから。」
精神修養を行っているなら兎も角、普通の方に「最初」に勧めるには少し厳しくはないだろうか。
やっぱり何処かズレている所がある。
そうして、去り際に声を掛けられれば、
「――はい、色々ありましたが、今はこうして元気です。
ご縁があれば、またお会いしましょう。
……朔も、聞こえてるみたいです。」
軽く微笑み、小さく手を振って歩き行く少年を見送る。
その姿が見えなくなってから、自身は手近な椅子に腰を下ろし、暫しを休息と神器達の
声を聞くために過ごすのであった。
ご案内:「常世博物館-中央館-古代エジプト文化展示」から緋月さんが去りました。
ご案内:「常世博物館-中央館-古代エジプト文化展示」から蘇芳 那由他さんが去りました。