学園を運営する重要な組織である「委員会」の本部などが立ち並ぶ一画。国家における官庁街に相当する。
基本的に各種委員会の事務などが行われる場所のため、歓楽的なことを求めるには向いていない場所である。
とはいえ、委員向けの飲食系部活もいくつか存在している。
ごく最近、委員会総合庁舎が竣工し、委員会の出張オフィスや窓口が置かれ、委員会間の連携や交流の促進が測られている。
※委員会本部庁舎の会議室などの個別の部屋を表現したいといった場合は、ロールプレイの中でわかるように表現する、あるいは自由記入を使うなど各自ご対応ください。
参加者(0):ROM(3)
Time:01:36:25 更新
ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁 小型オフィス」から大神 璃士さんが去りました。
■大神 璃士 >
「………。」
大きく息を吐き、書類仕事へと戻る。
とりあえずの仕事は、多数積もった雑務の解消。
これも大事な、風紀委員の仕事である。
雑務を淡々と処理し続けながら、それでも走狗は静かに牙を研ぎ続ける。
静かに、誰にも悟られぬように。
然るべき時が来るまで、ただ、無言で。
■大神 璃士 >
「……浜野、宗一郎。」
ため息と共に、調査結果書を取り上げ、しまい込む。
表に出ない南海巴への接触者は逆に目立つ。
お陰で…というべきか。
直ぐに数が上がって来た。その中に、「疑わしい」存在。
「……南海の家の人間には、まだ伏せて置くか。
逆上してつけ込まれる隙を見せるのは好ましくない。」
付加されていた書類に、暗号で犯行を行ったであろうと思わしき相手は伏せて置くよう、記して置く。
――殺された者達には気の毒だが、恐らく、最も邪魔な相手のひとつを潰した事で、相手は油断が生まれている筈。
潜伏する「蟲」について、黒いジャケットの委員も警戒ばかりで手を拱いていた訳ではない。
一人ずつ、一人ずつ。
怪しくならないように、しかし確実に。
「蟲」との接触があった、あるいは買収されていると思しい委員を、
監査部を通じて公安委員会へと突き飛ばしていった。
所詮は金で釣られた者。そして締め上げられれば直ぐに怯える小心者。
身が危なくなれば、真っ先に繋がる者を売り飛ばす。
「標的」が表で騒いで良い気でいる間に、少しずつ、だが確実に、
「こちら側」の綱を寸断し、代わりに網を張っていく。
知らない間に、「都合の良い情報収集先」は――「蟲を追い詰める檻」へと変化しているのだ。
それを知らずに、次に迂闊に此処で動いた時が――――
(――――貴様の「此処」での最期だ。)
■大神 璃士 >
「…………。」
無言で書類に目を通し、必要ならばサインや押印を行い、処理を進めて行く。
自身の権限でも何とかなる雑務作業。
記述ミスや誤字などがない事を確認してもいるので、少しばかり時間はかかるが、概ねスムーズに進んでいく。
――その手が、一時止まる。
視線の先にあったのは、一枚の書類。
風紀委員・南海巴。
先日、突然の襲撃に遭い、落命した委員だ。
自身も優れた委員であったらしいが、それと同時に親が風紀委員会のスポンサーの内の一つでもあった。
そんな人物が、狙撃を受け、殺害された。
しかも、防弾処理の施された車に乗っていた上で。
詳しい現場検証はまだ少し掛かるが、恐らく凶器は対物ライフルクラス。
「…………。」
だが、普段であれば、表に出ない人物である事も知られている。
それが、先日に限って何故か表に出て、狙撃を受けて殺された。
あまりにも「タイミングが良すぎる」。
急報が入った時点で、男は密やかに動き、事を調べ始めた。
――そうして、ひとつ。
引っ掛かる情報が見つかった。
『先日、南海巴に対して接触・面会を図った委員がいる』。
その調査の結果が、こっそりと書類に紛れて上がって来た。
其処に記された名前を見て――小さく息を吐く。
同時に、黒いジャケットの風紀委員の目が鋭い輝きを見せる。
■大神 璃士 >
風紀委員会本庁の一角、小型のオフィス。
主に雑務を行う人員が詰めたりなどの用途で使われる部屋。
その一室で、無言で書類仕事に向かっている委員が一人。
風紀委員の制服の上から黒いレザージャケットを羽織った男性委員である。
気温が上がって来たここ暫くの季節、暑苦しく思われそうな服であるが、本人は特に意に介する事も無し。
向かい合っているのは様々な部署の様々な書類。
平たく言えば、雑務である。
他に人もいない中、静かに書類仕事に集中できる、色々と都合の良い環境である。
似た部屋はいくつかあるが、此処は立地の都合か使われる事が少ない。
静かに打ち込んだり、考え事を行うにはとても良い部屋だった。
ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁 小型オフィス」に大神 璃士さんが現れました。
ご案内:「風紀委員会本庁 青霧在の執務室」から青霧在さんが去りました。
■青霧在 > 「頑張れよ」
最初から最後まで予測通りに事が進んだ。
別の新宮に連れられて新宮は部屋を出て行った。
律儀に閉められた扉を見つめて、小さく息を吐く。
「存在しない街か」
解釈は人それぞれ。
機関がどう取り繕おうと、実態が覆る訳が無い。
それを覆ったとして扱うか、そう見せかけるか、それとも実態のままに扱うか。
そういった判断は各々に委ねられ、統一されることは無い。
しかし……
「人を人とすら認められないか」
大きな溜息が零れた。
「獣を狩りたいなら風紀委員会である必要などない」
「人を人とすら思えないのであれば、鉄火の支配者とは似ても似つかない虐殺者……」
「特別攻撃課以前に、風紀委員にすら向いていないな」
甚だ呆れた様子で言い放ち、少し間を置く。
数秒の後、再び同僚の愚痴を聞きながらPCと向かい直した。
先ほどまでの様子はどこへやら、訪問者など無かったかのように落ち着きを取り戻していた。
■新宮翔太 > 「……まあ呼んでるよな」
嫌々と言った様子でソファから立ち上がる。
すると、すぐに開けっ放しの扉から別の委員が入って来た。
『翔太さん、戻りますよ』
丸縁メガネ、長身の青年が淡々と言葉を紡ぐ。
隙を与えぬ間に新宮の腕を掴み、ぐいと引っ張る。
「自分で歩くから引っ張るなって!逃げたのは悪かったから!」
ここに来た時点で一時の逃避しか求めていないのだろう。
腕を引かれるままに、部屋の外へと連れられていく。
「邪魔してすまなかったー在ー」
「今度なんか奢るわー」
そんな言葉を残して部屋から出て行った。
■青霧在 > 「それは俺がそうしたいってだけだ」
「逆に俺のやり方が気に入らないのだっていると思うが」
新宮にとって自分のやり方が都合のいいというだけだ。
彼の委員のやり方に都合が良いとする者もいるのだろう。
だからこういった事態が起こる。
それ自体は組織として自然な出来事ではあるだろう。
だがしかし、青霧にとって今回の事態は到底快く思えなかった。
「……」
彼の委員のやり方と相反するやり方を好むのには当然理由がある。
故に、彼の委員がある一画を焼き払った事と、それらを”人”としなかったという噂には心の底で怒りにも似た熱が滾っていた。
「……そろそろ来る頃だろう」
しかし、それを発散する権利も、理由も、大儀もない。
そんな事よりも、そろそろお迎えが来る頃だろう。
■新宮翔太 > 「何のために着けてるのアレ」
「こういうことをふせぐためじゃないの」
「誰だよあの子にあんな指示と許可だしたの……あの子もあの子で変とか思わないのかなぁ……」
彼の委員は一騎当千万夫不当とも呼べる力を持つ。
その代償とでも言うのか、その周囲には誰も寄せ付けない。いや、物理的に近寄れない。
とはいえ、遠方から監視する役割を付ける事は可能だろうし、あの力に対して相対可能な異能や魔術持ちだっている。
「なんで一人で行かせるんだろうね」
「足手まといにならないようにする方法なんて幾らでもあるのにさ」
「あれじゃもうそうさせたいとしか思えないよ」
「ああいう派手なパフォーマンスはもっと…なんていうんだろうね」
「大儀とか、そういうのが無いと…」
音声記録に残された数多の悲鳴。
後から確認された現地の惨状。それらの報告を見聞きした新宮にとって、彼の委員の行動は主義と反するものだったらしい。
「お前はいつも最低限で助かるよ…」
項垂れていた頭部を前に戻し、青霧に疲れ気味に視線を向けた。
■青霧在 > 「……」
黙って話を聞く。
実態を正しく把握していない身が好き勝手言うのは避けたいという理由で感想すら口にしない。
とはいえ、新宮が苦しんでいるのはよく理解出来た。
新宮は、多方面との取引故に、何かと責任の一端を負わされる。
そんな彼にとって、先ほど起きた事態は非常に厄介事なのだろう。
一つ一つは大したことではないように感じるが、重なり合う事で重大な責任問題となったのだろ。
聞く限りでは、恐らくそうだ。
■新宮翔太 > 「知ってるなら話が早い」
「確かに落第街もスラムも存在しない街っていうのが俺たちの見解ではある」
「あるけども…あるけどもなぁ…」
右手を額に押し当て、ぐっと後方へ押す。
ソファの背もたれより後に倒れ込みながら、かすれた声で続ける。
「だからって、アレは駄目だって…」
「ほらさ…人権にうるさい人とかいるでしょ」
「そうじゃなくても…歓楽街の一部ってなってる以上、そっちからの図々しい主張もある訳だよ…」
かすれた声は止まらない。
「それに…ほら、あの子アレ付けてるのにそれも…ね?」
右手の人差し指を首元を指さして続ける。
「別にいいけど…いいけどさ」
「あの子は良くてもこっちが困るからさ…」
右手をだらんと垂らして呻き声を漏らした。
■青霧在 > 「丁度別口からも聞いてたところだ」
特に驚くでもなく、こちらも小さく息を吐く。
同僚の愚痴というのが、正に同じ出来事に言及していた。
後輩の特攻課が、端的に言えば『やってくれた』と。
決して悪事を働いた訳ではないにしろ、同じ所属の委員として、決して快くは思えない出来事が引き起こされたと。
何かが変わる訳ではないかもしれないが気が悪いと、そんな愚痴を聞いているところだった。
「刑事課、いや、お前も大変だな」
随分と厭そうな新宮の様子に同情の視線を向ける。
同じ出来事に言及していても、その愚痴の内容は全く別だろう。
何せ、新宮にとって彼の委員の暴走ともとれる行動は、一端とはいえ責任を持たされる事態であるからだ。
要するに、後始末に巻き込まれたのだろう。
ここまでは完全に予測通り。
■新宮翔太 > 「結構関係あるとも」
「何しろ問題の発生源は在の所属と同じとこの子だからね」
こちらに視線を向けない青霧の様子には慣れっこらしい。
訪問者用のソファに身を投げ出すように腰掛け、続ける。
「流石に誰かは言わないけど―――」
「《戦火のン”ン”ン”》は分かるだろ?」
伏字のつもりか、喉が詰まったような呻きのような音を出して誤魔化す。
ふざけている訳ではないようで、表情はいたって真面目だ。
「やってくれたよ」
小さく溜息を零した。