2024/06/12 のログ
ご案内:「委員会街」に武知 一実さんが現れました。
武知 一実 >  
「だァっから、ただの喧嘩だっての! あっちが大袈裟に言ってんだよ!」

委員会街、風紀委員本庁前。
『もう今月は来るなよ』と風紀委員様からのありがたいお言葉と共に、オレは通りへと吐き出される様に放り出された。
『このクソ忙しい時に…』とかいう呟き声だけ残して扉が閉められ、反論と共に振り上げた拳の行き場を失くして舌打ちをする。

これで風紀委員会にしょっ引かれたのは4月に入学してから今回で6度目。
隔週で、何かしらの要件で風紀のお世話になっている計算になる、ってご丁寧にさっき風紀委員が教えてくれた。
いちいち数えんなよ、と毒づいてみたけれど、『それが仕事だ』とにべもなく返された。ぐうの音も出ないくらいの正論だった。
ちなみに、しょっ引かれた理由は私闘が5回、器物破損が1回。

「喧嘩吹っ掛けてきたのあいつらだもん……オレ悪くねえもん……」

あんまりここでぐだぐだ言っても何にもならないのは分かってるけど、どうにも納得いかない。
そもそもカツアゲしてた奴らが、間に割って入ったオレに因縁吹っ掛けて来たから買っただけなのに。ひどい。

武知 一実 >  
「全治2ヶ月とか大袈裟なんだよ……ったくよー」

でもまあ、確かに? ちょっとだけやり過ぎたかなーって気持ちも無くもないケド?
けど、さすがに骨折ったりとかはしなかったし? まあ喧嘩してる最中にテンアゲしてピリピリっと漏れたかもしんないけど?

……、……。


「んべぇ~~~~だッ!!」

全く全然オレにも非があったなんて思ってねえし。
そんな気持ちを込めて風紀委員本庁へと舌を出してから背を向けて歩き出す。
あっかんべーしたら少しスッキリした気がしたし、あんまりぐだってるとまたお説教されそうだったし。

武知 一実 >  
「風紀委員って可愛い子多いけど、口煩いのがそれ以上に多過ぎなんだよなあ…」

歩みを進める程に遠ざかる本庁舎を肩越しに見つつ。
いやホント所属する女子のレベルは高いと思う、高いと思うけども。 毎月怒られる身にもなって欲しい。
え?怒られる様な事すんのが悪い? うっせぇ。

「さァてと、ドコ行こっかね……せっかくだから他の委員会の建物見て回ろっかな」

どうせなら風紀以外で可愛い子の多いとこが良い。
生活委員とか、保健委員とか? よく考えてみりゃあオレまだそんなに委員会について知らんわ。
ま、人通りもそれなりにあるし、素敵な出会いのひとつやふたつあるっしょ! ……あるよね?

ご案内:「委員会街」に黒羽 瑠音さんが現れました。
黒羽 瑠音 >   
「此処が… 委員会街!」

さて、委員会街とは

所謂官庁街に相当する。
「生徒会」の本部もここに置かれている。基本的に各種委員会の事務などが行われる場所のため、歓楽的なことを求めるには向いていない場所である。(常世島パンフレットより)

だそうです、そんな所に何故私がいるというと……

「やっぱりどこかに所属してみたいよね、委員会」

冷やかし、もとい各委員会がどのような事をしているのかを見学しにきたのであるっ

「でも、何処から行くのがいいんだろう、風紀委員……はちょっと私には難しそうだし」
「図書委員……こっちも何だか危険な業務もあるらしいし、いや、それが難しい人を仕事させはしないだろうけど」

「うーん、何処に行こう……?」

と何とかぶつぶつと独り言を話していると、丁度同じようにしながら歩いてくる男の人に出くわした

「こんにちは~」

多分年上であろう男の人にぺこりと頭を下げる、この人もどこかの委員会に参加しているんだろうか
あ、折角だから何処かに所属してるなら紹介してみるのもワンチャンありかも
そんな現金な発想を頭の隅に置いておきつつ

「もしかしてお仕事中とかですか?」

そんな当たり障りの無さそうな話題を振ってみるのである

武知 一実 >  
そもそも委員会って幾つあったっけ。
風紀、生活、保健、公安、図書に鉄道委員なんてのもあるらしい。 確かに島内電車走ってるもんな。
式典委員てのもあるらしいけど、式典って入学式とかか。 え?あるの?入学式。
そんな事を考えながらだらだらと道を歩いていたら、突然声を掛けられた。

「お? ああ、こんにちは。
 あー……悪いけどオレ、委員会で仕事してる人じゃねえんだわ。 むしろお仕事してる人らのお仕事増やしてる側の人。」

3回目に風紀委員にしょっ引かれた時にそう言われた。
別に増やしたくて増やしてるわけじゃないやい。 オレが喧嘩したらその後始末を勝手に仕事にしてるだけじゃんか。
なんか思い出したらムカついてきたぞ。

……まあそんな事より。
掛けられた声に答えながら声のした方を見れば、女の子が一人歩いてるところだった。
多分年下だけど、同学年かな。廊下で見掛けた事がある様な……ない様な……。

「なに? 何かのアンケートとか?それなら答えれるよ、オレ暇だし」

お仕事中の委員会所属生徒にインタビューとか、そんなんだろうか。

黒羽 瑠音 >   
「増やしてる側の人」

思わずオウム返し、つまり、迷惑をかけている人って事だけど
特に怖い雰囲気は感じられない、なんて私が即座に判断できるわけも無し

「あ、えっと、私も特に委員会とかには入ってなくて」
「だけど、何処かには所属してみたいって思ってたんです、折角『此処』に来たからなって」
「それで此処まで来たんですけど……あはは、実はノープランで」
「まずは何処に行こうと迷ってたらお見掛けして、つい」

声をかけちゃったんです、と改めて説明すると大分恥ずかしいかもしれない、これ
思わず紅潮しそうな頬を抑えつつ、こほん、と咳払い

「それじゃ完全にお邪魔しちゃいましたかね……?」

何て見上げながら頭をかく、というか、パーカーに制服の上着を羽織っている姿って、何というか
……すごいこう、漫画で見たヤンキー、みたいな感じだ、怖いとは思わないけど、うん、思ってないですって

武知 一実 >  
「増やしてる側の人」

イエス、I am 増やしてる側の人。いや認めたわけじゃねえけど。
オウム返しに更にオウムを重ねるという増やしてる側の人ラリーが発生したけれど何だこれ。
窺うような眼差しがちょっと痛い。 別に(主観で)悪い事はしてないんだって。

「いや?邪魔なんて全然。 暇になったばっかだったし。
 へえ……、ッつーことは君も1年生?
 オレも一年なんだけど、名前は? あ、オレは武知。武知一実。かずみんって呼んで良いよ。
 ああ、どうせノープランで委員会街来たんなら、一緒に他の委員会の庁舎でも見てく?
 この辺りなら何度も連れて来られてるから、他の一年よりは詳しいと思うよ、オレ。」

何だか窺う様な眼差しに若干脅えが入った気がする。気のせいだろう。
特に予定の無い一年同士、学校見学の延長でこの辺りを見て回るのも悪くないかもしれない。

黒羽 瑠音 >   
「私は黒羽瑠音、最近転入してきたんです――ううん、転入してきたの」
「あ、それならもしよければ、お願いしてもいいかな?」

怖い人にはまず関わらないのが第一だけど、関わってみないと怖いかどうかなんて判断できないよね
それに同じ一年生らしいし、親睦を深めてみよう!頑張れ私!
よしっ、と小さく拳を握って気合を一つ
敢えて口調を普段に戻して畏まってびびった気持ちを奮い立たせるのだ

「なら……あ、式典委員会、とか?最近話題になってるとこトレ!とかちょっと気になってて」
「参加するのはちょっと……だけど、そういうイベントを盛り上げたりする仕事って素敵かもって思うし」

とはいえ何も指標が無いのも迷惑だろうと、咄嗟に思いついた委員会の名前を挙げる
なお良くチラシを見たわけじゃないのでとこトレと式典委員会の関係は知らなかったりします、違ったらごめん

「正直、一人で来たのはいいけど思いっきり浮いちゃってたと思うし」
「一人じゃないだけで心強い、と思います、よろしくお願いします」

あぁ~~最後に結局畏まっちゃってるよ、くっ、之も此処に来て年上ばっかりと話してるから……!
思わず自分の意志の弱さに軽く頬を膨らませてしまう、いや、これ変な子に見られてないか……?

武知 一実 >  
「お。やっぱ一年だった。 授業の合間に廊下で見掛けた気がしたんだよな。
 ……てェことは、年もそんなに離れてないんじゃね? オレ15だけど黒羽は?
 あ、突っ立って話しててもナンだし、歩きながらにしよっか」

お願いされたからには全うするつもりで頷きを返してみる。
何だかビビられてる気がするけど、タッパの所為かな……それとも目つきの所為かな……

「式典委員か……とこトレ? ああ、なんか女子たちが盛り上がってるアレか。
 へえ式典委員ってそういうイベントにも関わってんだ? 学校行事だけじゃねえんだ……」

知らんかった……そもそもイベントごとにあんまり興味が無かった。
ミスコンとかも兼ねてるなら可愛い子いっぱい見れるかな、くらいにしか思っとらんかったわ……。 同じ一年なのに、黒羽の方が理解が深い。くっ。

「まあこの辺にゃ喧嘩吹っ掛けてくるような奴も居ないだろうけど、女子一人じゃ何かと危ないかもしれんし。
 いいよ、じゃあまず式典委員の庁舎見に行こうぜ」

確かこっちだった、と歩き出す。
とは言っても明確な場所が分かる訳じゃなく、知ってる他の委員の庁舎がある方面を消去法で潰しただけなんだけど。

黒羽 瑠音 >   
「じゅ、14だよ、此処に来て… まだ一月くらいかな」

思ったより年が近かった!うーん、同じクラスの男子よりある意味大人びた感じはあるなぁ

「えっと、ミスコン&ミスターコンテスト、更にファッションショーも兼ねてるらしいよ」
「というか性別そのものが不問って書いてある当たり、そういう人たちもやっぱりいるんだね、此処だと」

まぁ私も殆どチラシとかの知識だけなんだけど、といって笑う
うん、よし、落ち着いてきたぞ、びびってばかりじゃいられない!ていうか普通に失礼だし

「うん、よろしくね、えっと… 武知くん?」

一つ年上にくん付けは割とギリギリかもしれないが、此処では同じ一年生、此処で物怖じはしたら負けだよね!
道案内を申し出てくれた彼にそう答えると、並ぶために少し速足で歩きだす

「あ、そういえばお腹すいてる?プリッ〇くらいしかないけど」

そして此処ですかさずおやつの話題をシューッだ!
まぁ之しか引き出しが無いとも言いますけど、一度話術的なものを学ぶべきかもしれない
なんせここでは一から関係性を色々作っていくわけだし、何もしないのもつまらないもんね

武知 一実 >  
「14……誕生日まだ?まだなら同い年だけど へえ、転入して一ヶ月……オレは4月からだけど、入学式には間に合わんかったんだわ」

なるほど同い年か一つ下……この学園では学年に年齢の区別が無いとは聞いていたけれど、年下でも同級生って事もあり得るのか。

「そうみたいなァ、なんかクラスで話してんの聞いたわ。
 ま、性別なんて関係なく、興味あれば誰でも参加OKなノリなだけなんじゃねェの?
 黒羽も出たら良いじゃん、別に学校に何年居るかーとか条件に入ってないんっしょ?」

さっきの口ぶりだと参加には乗り気じゃなさそうだったけど、進行や裏方の仕事を知るならイベントに参加してみるのが一番手っ取り早いと思うんだが。
いつか自分がそっち側で働くとなれば、前に見た事ある、ってのは強みだと思うし。

「かずみんで良いって」

まだ委縮されてる気がする。 そんなに強面だろうか、オレ……
なら少しばかり冗談も交えて空気を和らげ……和らぐ?和らいでる?
あんま女子と話した事無いから……ってのは言い訳かねェ。

「……ん、ああうん。貰うー、確かに小腹も空いてるし。
 普段からお菓子とか持ち歩いてんの、黒羽は?」

なんつーか、女子っぽい。 いや、っぽいてのは黒羽に失礼か。女子らしい、か。
けど学校にお菓子の持ち込みって良かったっけ? まあ持ち物検査とかされた覚え無いから、よっぽどの物でもないと許されてるのかもしれんけども。

黒羽 瑠音 >   
「あ~そうなんだ、残念だったね」

私も正直、入学式に出れるなら出てみたかった、スタートダッシュには失敗済みである

「いやぁ、私何て特に特徴も無いし、見てる方がいいっていうか」
「そりゃ、実際見ても誰も何も言わないかもしれないけど、それで票数0とかだとそれも悲しくなりそうだし」
「少なくとも一人だとちょっときついかなぁ、あはは」

いや無理無理無理、こんな場所でのミスコン何てレベル高いに決まってるじゃん、なんなら
ファンタジーに出るようなイケメンや美少女のエルフみたいな子たちがバンバン出そうだし!

「かずみん……?」
「男子を綽名で呼んだ事ってあんまりないから……まぁ、かずみんがそれでいいなら」
「じゃあどうぞかずみん」

かずみんと三連で呼びながらプリッ〇を一袋そのまま差し出す、ちなみにトマトオリーブ味である

「うん、異能の練習のためにね」
「こういう持ち歩きやすくて一本単位でばらけられるお菓子が一番マシだから」

というか、もしかして結構私、気を使われているのではなかろうか
最初のビビりが伝わってたから?ううん、此処はいい感じに場を和ませたいんだけど……

「ちなみにかずみんは委員会に入ろうとかは考えてないの?」

お、思いつかない、取りあえず話題を続けるしかねぇ……

武知 一実 >  
「まあ、あの頃はオレもまだだいぶヤンチャしてたしな……」

転入当初は我ながら荒んでたと思う。
今となっては昔は俺も若かったからなあ、なんて言えるけど…… え?2ヶ月も経ってねえの?
まあどのみち入学式に興味があったかと問われれば、無いって答えるけど。

「まあ、確かにな……一人じゃきついなら、クラスメイトとか誘ってペアで参加とかで良いんじゃね?
 別に入賞狙えって言ってる訳じゃねーんだ、そういうのはあと2~3年は掛かんだろ」

黒羽の言う通り、比べ物にならない様なレベルの出場者が多い事だろう。
けど記念参加みたいなもんだし、案外美男美女に食傷起こしてる奴だっているかもしれない。
まあ本気でランクイン狙いたいってんなら、さすがにあと2年努力しろとはオレも言っちゃうが。

「おう、かずみんで。
 たけち、ってなんか響きが可愛げあるじゃん?~っち、みたいな。
 だったら名前で可愛く呼んでもらう方が親しみも湧くかなァって……あ、サンキューな」

差し出されたプ〇ッツを受け取ってくわえる。 うん、仄かなしょっぱさと香ばしさが中々……。

「……異能の?
 黒羽の異能ってお菓子関係なん?」

どういうこっちゃ、とオレは首を傾げた。
まあ色んな異能があるらしいから、そういう異能もあるんだろうが……なあ。

「え?オレ? オレは別にいっかなーって……もし入るなら美人の先輩が居るとこがいーけど」

出来れば風紀以外で、と添えることも忘れない。

黒羽 瑠音 >   
「やんちゃしてた……」
「ってことは当時からお世話になってたの?」

ほぇーっと思わず口を軽くあけてしまう
うーん、芯が通ってるともいえるんだろうか

「そりゃあ、うーん、まぁ、そっかぁ… あはは」
「じゃあ、話の種、にでも?一緒に出てくれる人がいたらやる気もでるかもしれないし」

まぁうん、私以外の子が出たいというとも限らないし、かずみんの言っている事も一理ある
此処は一つ、今度話題にくらいは出してみようかな、そうでなくても見に行ってみたくはあったし

「……  ぷふっ」
「あ、ごめんごめん、うん、確かに言ってることは分かるよ」

かずみんがいい理由に思わず笑ってしまう、いや、その嫌がる理由可愛すぎない?
そういいながらプリッ〇を食べる姿を見る、うん、味はお気に召したようだ

「あ~~そういう訳じゃないんだけど、ふむ、ならかずみんに私の異能を見せてあげよう」
「よいしょっと」

私はそう言って数歩前に出て両手に一本ずつプリッ〇を持つ

「ぬぬぬ……えいっ」

そして異能発動、なの別に唸る必要はありません、雰囲気です
そして両手に持ったプリッ〇は…

「おっと… きょうはこうなったね」

私の手の中でカリカリ梅と丸いガムに変わった

「さてかずみん、どっちか食べてみて?」
「あ、先に言っておくけれど味に文句は言わないでね」

私はそう言って、自身の異能の成果を目の前の彼に差し出すのだ

「にしても風紀以外かぁ、私も確かに風紀は考えてなかったけど……って、何その理由」

なお、彼の委員会に対するスタンスにはやっぱり笑ってしまう私であった

『メタ連絡:カリカリ梅は死ぬほどしょっぱく、ガムは口の中で死ぬほどぱちぱちします』

武知 一実 > 「いや、風紀にお世話になる前にめっちゃ強い先輩……なのかな? にノされた。
 それからはまあ、ちょっと考えを改めたっつーか……そんな感じ」

その結果風紀にお世話になる事になってるんだけど、世の中そう簡単に上手くいかないと思うことにしてる。
別に憂さ晴らしとかストレス発散で喧嘩したりしてるわけじゃないんだけど、どうも理解されないんだよな……

「まだまだ黒羽も伸び代はあるんじゃねえ? 知らんけど。
 それにほら、相方がトップランカー狙えるようなら、黒羽も引っ張って貰えるかもだし」

コバンザメ戦法と呼ぼう、と我ながらナイスアイディアだと思う。
問題は黒羽にそういうハイランクの知り合いが居るかどうか……いや人の交友関係って分からんもんだしな。案外居るかも。

「まあ、たけっちでも良いんだけどさ。 どうせなら名前の方が良いじゃん。
 あ、黒羽も苗字より名前で呼ばれる方が良かったりしねえ?」

だったら呼び方変えるんだけども。けどまあ、女子ってあんまり名前で呼ばれたがる感じしないよな……。
そんな事をポリポリと〇リッツ齧りながら考えるオレである。

「お?
 ……おお? おお~……!
 お菓子が変わった……やっぱりお菓子の異能なん? え?どっちか?……じゃあ、カリ梅……」

ガムはあとで捨てるのめんどいし、とカリ梅を選んだオレだけども、受け取ってからカリ梅もあとで種捨てなきゃじゃんと思い至る。
まあ、最悪噛み砕いて飲み込めば良いか……

「そりゃあどうせ何年もやるんならやる気出るとこにしたいじゃんか……ってうわ何だこのカリ梅!?」

カリってしたら口の中がぶわってしょっぱくなった。
キツイ、正直キツイがいきなり吐き出す訳にもいかない、女子の前で貰ったものを吐き出すのはあまりにもあんまりだろ。
そんな葛藤の中で俺の顔が中心にぐぐっと寄ってくのがわかる。

黒羽 瑠音 >   
「おぉ……そうなんだ」

所謂戦闘とか、制圧の風景を見た事はまだないんだけれど、やっぱり凄い人は凄いんだろうな
そんな当たり前の感想を抱きつつ一つ二つ頷いて

「知らんけどって何よ~~ まぁ、そういってくれるだけありがたいけど」
「いやそれ何だろう、あれ…… スイミー?違うか」

何かそれっぽい魚がいた気がするけれど咄嗟に思い浮かばなかった、スイミーは寧ろ合体技だよね

「ん、私はどっちでもいいかなぁ、かずみんが呼びやすい方でいいよ、あんま気にしないし」
「でも、そういう事を一々ちゃんと聞いてくれるのは嬉しいかもね」

何て言いながらお菓子を受け取るのを見てふぅ、と息を吐き

「まー確かに、やる気があるかどうかって大事だよね、無理は続かないし」
「私もまぁ、優しい先輩がいるところの方がいいって考えるとそれと同じ方向性の理由ではあるのか」

なーんて私なりに考えをまとめつつ、ガムの方を口に含む
バチバチバチバチッッと花火が口内で散った

「い”っ……だ、口の中が花火なんだけど……こうきたかぁ」

ガムの結果と、目の前のかずみんの反応を見ながらふひゅる、と唇から空気を抜いて
口の中がまだお祭り状態の中、何とか頬袋にガムを一度しまい持ち歩いているお水を一口

「ふぅ、ふふ、どうやら凄いしょっぱかったって所かな?まぁ梅だしね」
「私の異能は―― 『下位互換』」
「触れたものを同カテゴリの私が変わってほしくないものにランダムに変える能りょづづづっっ!!?」

敢えて胸を張って能力を教えrバチチチチッ
このガム、中央… 硬いッ!めっちゃバチバチするっ!

「ふふ、び、吃驚したでしょ……」

こんなことを言いながらだが、自分が涙目になっている事は容易に分かってしまっていた
自爆である、いやまぁいつもの事だけどね、うん

武知 一実 >  
「それなりに腕に覚えはある方なんだけど、手も足も出んかったな……そん時に『あ、ここってこういうとこなんだ』って思い知った感じ」

結局その先輩(?)は名前も言わんかったけど、まあ同じ島内に居る……んだろう、多分。

「だってほら、そこは黒羽の努力次第っつーか、遺伝次第っつーか……オレが関与出来ることねーし?
 スイミーではないだろ。 ま、ダメ元で行っときゃダメージも少なかろうよってこった」

もし黒羽が参加するなら応援はする。 応援はするが清き一票はそれとはまた別問題だ。
オレの票が欲しければ身長をあと10cm、あるいは胸囲を2ランクくらい上げて頂きたい。さすがに言わんけど。

「んーーーー……黒羽。瑠音。先に言った黒羽の方がもう口に馴染んでるしなあ。黒羽で。
 そりゃあ一応聞いとかないと。 女子からの顰蹙とかごめんこうむりたいし」

喧嘩なら買うけど、出来れば女子から売られる喧嘩は買いたくない。
勝っても負けても面倒臭そうだし。

「そういうこった。
 まあ、なんだろう……同じ、と思われるとちょっと申し訳なさが、しょーじきあるのは否めない……」

黒羽のそれは、下心と同列ではないと思うぞ、思うだけで言わんけど。
そんな事よりオレの顔大丈夫だろうか。平静を装っちゃ居るが、Ж(こんなん)になってる気がする。口だけじゃなく、顔全体が。

「か、下位互換……
 なるほどな、いや下位かどーか分かんねーけど、何となくわかった。
 ところで、このカリ梅飲み込まなきゃダメか?」

岩塩の塊口に放り込んでる気しかしない。
いや、きっと飲み込んでも体に影響は無いだろうけど……正直胃が受け付けない気配すらする。

「びっくりしたっちゃしたけど、もうちょっとこう、手心と言うか……」

お口に入れないもので披露して欲しかった。切に。