2024/06/23 のログ
ご案内:「風紀本庁-特別演習場」にレイチェルさんが現れました。
■レイチェル >
特別演習場。
今日もここで、演習が行われている。
オレは、昨晩の戦いで最後の足止めを務めた彼らの
訓練を見守っていた。
テンタクロウと対峙したあの人物――緋月の活躍により、
彼らに大した怪我もないようだった。
――ま、色々話は聞くことになるだろうが、一旦は感謝だな。
逮捕に成功したことで、テンタクロウ事件は終結しつつあるが、
そこで気を抜くような者は風紀委員会には居ない。
寧ろ、風紀委員会にとって重要なのは、この後だ。
犯人を捕まえて、拘束して放置、それで事件終了なら
どれほど楽だろうか。
テンタクロウ事件はまだ、解決していない。
■レイチェル >
まず第一に、藤井 輝自身の問題がある。
風紀委員会は、元風紀委員会、藤井 輝という個人、
そしてその在り方と向き合い続けていく必要がある。
相手を無力化すれば終わりでは決してない。
無力化してからが、大切だ。
相応の罰を与えるだけでなく、
彼が更生する為の機会も与えねばならない。
「ここからだぜ、本番は……」
誰にも聞こえない音が、ふっと漏れる。
委員会内で負傷を受けた者達への精神的ケアの強化については、
既に資料をまとめて、上へ相談をしておいた。
これは、風紀委員会全体とは別に捜査を行っていた者達――
凛霞や、黒條を中心とした委員達からの打診と訴えもあり、行ったことだ。
そもそもオレ自身も昔から、そういったことについては訴えてきた方だし、
資料のたたき台もあったから話はスムーズに進んだ。
■レイチェル >
第二に、今回の件を受けたことで起き得る事件への対処
テンタクロウは、あらゆる意味で強大な存在だった。
武力も、そしてその元々居た立ち位置も。
重く受け止めざるを得ない存在だった。
しかし、だ。
島には無数の脅威があって、
テンタクロウ事件はあくまでその一つ、たった一つに過ぎない。
彼がどれだけ被害者を出したとしても、だ。
彼へのケアと並行して、
日々この学園では風紀委員が動かねばならない事件が
数多く存在している。
――とはいえ、あれだけ表で暴れられちゃな。
問題は、そこだ。
予想通り、既に一件、模倣犯が出ている。
暫くの間は、闇を溜め込んでいた連中が、
まるで引き金を弾かれたように飛び出して来る危険性がある。
こうした模倣犯を出さないように警邏等を強化することは必須だろう。
オモイカネを開き、後輩達からの事件解決報告に目を通しながら、
淡々と処理を行っていく。
■レイチェル >
多くの者達が、この事件解決までに動いてきていたし、
これからも動いていくことだろう。
学園はまだまだ、多くの闇が潜んでいる。
それでも、オレ達はやっていくしかない。
――希望はある。
汗を流しながら、次の事件へ向けて特訓を続けるDチームに目をやる。
こいつらだけじゃない。
裏で動いてくれていた、他の風紀の奴らも。オレ達への協力者も。
目立つ闇が蔓延る所には、必ず光がある。だから、大丈夫だ。
この件も、これから起きる件も何とか向き合っていける筈だ。
――さて、時間だな。
「おいお前ら。昨日は交戦と逮捕後の護送、ご苦労だったな。
他のチームの奴らも呼んで、飯にしようぜ」
オモイカネは、丁度正午の時刻を表示していた。
「――今日はオレらからの奢りだ」
そう言ってやるだけで、彼らの表情は一気に表情が明るくなった。
『やった……お腹ぺこぺこだったんですよ~!」
『あざっす~』
『先輩、特上ステーキ400g頼んで良いですか?』
『佐渡、流石に自重しなさいよ』
口々に騒ぎ出すDチームを見て、微笑みが漏れた。
――この表情を、オレ達で守っていかねぇとな。
これ以上風紀から、藤井 輝のような存在を、出さない為にも。
出来る努力を、少しずつ積み重ねていかなくちゃならねぇ。
なぁ、そうだろ?
ご案内:「風紀本庁-特別演習場」からレイチェルさんが去りました。