2024/06/27 のログ
■ラヴェータ > 「挑発?私がか?考えすぎだ、赤塚君」
鼻で笑われれば、適当にあしらうだろう。
こちらから手を出すなんてことはしない。手を出す理由もなければ権利もない。
正直残念に思えるが…攻撃され、当たる事があれば大問題だ。
それは、規則という範疇を超えた個人的な話…まあ、懸念する必要はないだろうが。
「なるほど。こやつらが怒号をあげるのも理解できるというものだ。
私は少々、過激派という言葉の意味を考え直さねばならんようだ」
室内の他の風紀に同情の視線を向ける。
こんな過激という言葉を濃縮して熟成させたような少年を相手に、イカれた改革案を説かれれば怒号の一つが飛んだとしても誰も責めやしない。
私も流石に揶揄う気すら引けてくる。
「先ほど甘いと言ったばかりではあるが、貴様以外の風紀が甘いと私は思わん。」
机に肘をつき、手の甲に顎を乗せながら少年を見つめる。
「それに、貴様のやり方ではむしろ凶悪犯罪は増えるだろう。
軽犯罪は減るかもしれんが、それは目的ではないだろう。」
ターゲットの重大犯罪は拷問程度では減らないだろう。
相応の目的と力を持った連中はその程度で怯みはしない。
「私としては研修の方が問題だな…
これでは戦力増強どころか減るだろうな。先日の魔人騒ぎでも新人が突撃してなすすべなく重傷を負ったばかりだと聞く。
その辺りはどう思っているんだ?赤塚君」
愉悦交じりであることは変わらないが…それなりに真面目な目つき。
現場を知る者の目だ。
■赤塚 良治 >
「……どちらにせよ、度が過ぎない場合は手を出す理由にはない。」
「ふむ、議論に持ち込むのであれば不得意ながらでもお相手しようか」
ふ、とまたしても鼻で笑う。
弁護士志願でもないのだから口が上手くないのは事実だしそれを隠す必要性すらない。
正直に話せばいい。
「俺は皆目分からないがね。厳しく取り締まることのどこが悪いというのか」
良治を見る風紀委員の目は怯えか反発。
どう考えても過激極まる良治には将を務める器にはないのは明らかだろう。
「凶悪犯…ならば軽犯罪が減った分その分を対処に回せばいい。」
「研修については短期間の観点でいえばそうだろうよ。だが、あえてそうすることで現状を打破できるだけの恐ろしい人材があるいは才能が開花するかもしれん。それに演習よりも実戦の方が手っ取り早い」
そこで死のうが関係ない。
赤坂の言う研修はもはや研修にあらず。選別ともいえるだろう。
■ラヴェータ > 「ふむふむ、そうかそうか…」
一通り少年の言い分を聞き終わるまで大人しくしているだろう。
とはいえ、やはりまともに聞いているような態度ではないが。
「そうだな。一先ず言える事は貴様が考えている程万事うまくいかないという事だ」
少年の語る程、現実は理想通りにいかないものだ。
「大前提として言っておきたい事は貴様のような考えは大衆に受け入れられないという事だ。
仮に貴様の理想通りに事が運んだとしよう。だが、それを快く思わない者は多いだろう。
人をリソースとして扱い、物事を数値としてしか見ていない組織運営を誰が快く思おうか。」
人間の命はリソースではない。仮にリソースとして扱う場合、それ相応の前提というものが必要だ。
洗脳、世論、政治、宗教。何れにしよ、常世という都市において振るうには向かないだろう。
「さて、この世界には貴様のように強力な武力を持つ者ばかりではない。
貴様の提案する研修…いや、選別では大勢死ぬだろう。
その時点で組織として落第だ。頭数というものは軽視してよいものではない。それに、武力が全てではない。
何より、戦意も意欲も上がらないだろうさ。」
風紀委員が武力のみで運営されていたならこれほどの組織にはならなかっただろう。
それを分っていないのだろうか。
「それに、凶悪犯罪というものを甘く見ているな?凶悪という言葉の意味を辞書で引きなおすといい。
かの魔人が同時に複数人発生すると考えてみろ。どうだ?対処出来ると思うか?」
■赤塚 良治 >
「…………」
沈黙。
まあ分かってたことだ。理想とは簡単に手に届くことはない。
だからといって…
「大衆に受け入れられない?そんなのは当然だろうな。畏怖されてこその風紀委員だろう。畏怖されるからこそ秩序は保たれるものだろう。そして人はリソース、そう考えなければ甘い作戦ばかり乱立するだろうな」
だが、良治は主張する。
確かに対立意見もあるだろう。
それでも畏怖と恐怖を持って従える。これが良治のやり方だ。今更優しいやり方などできない。
「個だ。圧倒的な個。…有象無象が雁首揃って揃いも揃って撃破されればそれこそ士気の低下にある。」
「と色々と反論してみたもののそちらの意見も分からんでもない。ふむ…すべてではないものの参考にする」
と確かに自分の意見は極限の個を生み出す環境には適しているかもしれないが数をそろえるのに苦労はするだろう。
そして同時多発的に事件が発生した時対処は?
出来ない。なるほどこれは課題であるだろう。
「反論はせんかといって鵜呑みにもできんがな…」
■ラヴェータ > 「そうか。私としても貴様の考え方は尊重したいところだ。
何せ、私の監査役が貴様と似た考えを持っているからな」
分ってはいるのだろう。理想でしかないと。
だが、理想を実現しようとする姿勢自体は評価できるものだろう。
ただただ理想を叫ぶだけの者と比べれば素晴らしい行動だ。
批判を恐れず己を貫く姿勢は嫌いではないし、見慣れたものだ。
「だがそうだな。私から一つ提案してやろう。
貴様は現在の風紀の在り方に満足していない。そうだろう?赤塚良治」
ニヤリと笑う。口角が鋭く上がった邪な笑みだ。
「わかっていると思うが、他者を変えるのは容易ではない。
同様に、貴様の極論を通すのも並大抵の行動では出来まい。」
椅子から立ち上がり、歩み寄る。
二人の距離が縮まり、すぐそこまで迫れば、屈み耳元で―
「だがな、人間は自分に脅威が迫れば容易に考えを変える。
仮に大きな脅威が迫るような事があれば…頭の固い連中もその考えを改めるだろう」
少年にだけ聞こえる声量で囁いた。
「貴様がどれほどの熱量を以て意見しているか私は知らん。
だが並大抵ではない事は理解出来る。大局を見据えてみる事だ。
並大抵では貴様の願望はかなわんだろうな。何か一つぐらい捨ててみてはどうだ?」
耳元から離れ、周囲にも聞こえる声量で続ける。
声色は真面目だが…その表情には隠し切れない愉悦が染み出す。白い耳がぴくぴくと動く。
見てみたいのだ。少年の考えが行き着く先を、何を選択するかを。
■赤塚 良治 >
「監査役……」
資料では神代理央が監査役だったか。
神代理央…名前だけはちらりと聞いたことはある。マークをしておこう。
そう、止まるわけにはいかない。
だから過激でも…否、あえて過激に振舞うこそが俺のやり方だ。
それが間違いであってもこのやり方でしかできない、愚直に進む。
「…いちいち俺の名前を呼ぶのは気に食わないが。まあいいだろう。」
「確かに今のやり方は生ぬるいと言わざる得ない。」
そしてラヴェータを見る。近寄られようが…テリトリーの侵入を許す。
耳元で囁く声は悪魔のそれかそれとも…
「それでは本末転倒だが…」
「………考える。そちらの意見は鵜呑みにはできないが一考の余地はあろう。」
眼を閉じる。考える。どうにも考えがまとまらない。
「ひとまず今回の会議は以上にしよう。考えることがあるしな」
相手の言葉を受け止める。
だがこれ以上の答えは出ない。
頭を冷やす。背を向ける。
「まあ、有意義ではあった。礼を言う。」
■ラヴェータ > 「そうか?それは良かったな」
礼を言われるとは思っていなかった。
それは兎も角、こちらの言いたい事は伝わったらしい。
それで満足だ。
「それでは私も去るとしよう。良い会議であった。」
会議も終わるようだし、これ以上滞在しても期待以上の娯楽にはならないだろう。
それに…面白い奴にも出会えた。
今後が楽しみだ。
「それでは、また会おうじゃないか」
そういえば、扉から普通に退出する。
…本当は影から去りたかったが…机の下の影に入るのは流石に格好がつかないだろう。
しかし、そんなことは気にならないぐらい愉快なひと時であった。
見てわかるほどに満足そうな笑顔を浮かべ、狐は去って行った。
ご案内:「風紀委員支部第一会議室」から赤塚 良治さんが去りました。
ご案内:「風紀委員支部第一会議室」からラヴェータさんが去りました。
ご案内:「風紀委員本部 事務室」に桜 緋彩さんが現れました。
■桜 緋彩 >
風紀委員本部、事務室。
多数の風紀委員たちが書類を作ったり資料を閲覧したり、それなりに忙しそうにしている。
そんな中で自身が見ているのは、先日行われたと言う会議の議事録。
パイプ椅子に背を預け、難しい顔をしてそれに並ぶ文字を追っている。
「――こんなものを議題に上げた人は何を考えているのか……」
はぁ、と深いため息。
議事録には「拷問取り扱いマニュアル」なるとんでもない文字列が並んでいる。
別にそれ自体が悪いとは思わない。
風紀委員にそう言う過激派が居ることは知っているし、それを議題に上げて議論したいと思うことは自由だろう。
ただ、それを公式に風紀委員としての会議に議題として取り上げてしまう、と言うのはどうなのだろうと個人的には思ってしまう。
それを提案した風紀委員ではなく、「それを議題として取り上げることを許可したものがいる」と言うことが、一介の風紀委員としては信じられない。
ご案内:「風紀委員本部 事務室」にラヴェータさんが現れました。
■ラヴェータ > 柳の木の下にいつもドジョウはいないなんてことわざがあるが、あれは嘘だ。
何か面白い事が起きる時はいつだって付随して何か起きるものだ。
だから、今日もこうして風紀の敷地を練り歩く。
また何か面白い事がないものかと、室内の風紀を後ろから覗き込んだり、ちょっかいをかけてみたり。
顔をしかめられたり、丁寧に追い払われたり、中には今は面白いことは無いなんて笑ってくれる奴もいる。
そんな感じに室内を練り歩いて面白い事を探す。
そして、丁度拷問マニュアルについての議事録に目を通している剣士の少女を覗き込んだ。
「ああ、昨日の話か。なかなかイカれた男だったぞ」
そして、その議事録に自分が関わった事に気づくや否やクククと笑いながら話しかけた。
■桜 緋彩 >
後ろから声を掛けられ、そちらを見る。
真っ白なケモミミ少女。
「――あぁ、ここにある監視対象者と言うのはあなたですか」
議事録の後半にある、会議に乱入して来た一級監視対象。
書類に名前が書かれているし、顔と名前も知っている。
「こんな議題を会議に上げようと言うのですからそうなのでしょう。
しかしそもそもこれを許可した者の方がよほどどうにかしていると思いますよ」
バサリ、と書類を机の上に投げ出す。
確かにここに名前が載っている風紀委員はまともではない、と言わざるを得ない。
しかしそれ以上に、これを許可したものがいる方がどうかしている。
これでは「風紀委員は逮捕者に対して拷問を行うことを是としている」と取られても仕方がない。
「最悪公安が動きますよ。
全く、何を考えているのか」
■ラヴェータ > 「ああそうだとも。その乱入者は私だ。桜緋彩」
覗き込む姿勢のまま、続ける。
「ああ、それは私も同感だ。こんなものが通るのは余程切羽詰まった時か、上が狂ってる時ぐらいの筈だ。
会議するだけ時間の無駄だろうさ」
少女の言う通りだ。会議するまでもなく却下されるべき内容が何故か認可され議題としてあがる。
控えめに言って狂っている。風紀に拷問ブームでも来ているのかもしれない。
「とはいえ、そうだな。切羽詰まった貴様らの状況を変えるには悪くない案かもしれんぞ?
提案した男も言っていた。悪い流れを断ち切りたい、とな」
現状を変える一手としては効果は抜群だろう。
冗談めかし笑いながら話すだろう。
■桜 緋彩 >
「悪い流れを断ち切る?
馬鹿なことを」
確かにここのところ血生臭い事件が頻発している。
テンタクロウ――藤井輝が起こしたそれもそうだし、紅き屍骸とか言う怪異もそう。
後者はともかく、前者のような人が起こす事件は、こういう過激な手段を採用すれば効果はあるかもしれない。
「我々の仕事は犯罪を摘発することが目的ではありません。
この街に暮らす学生や教員の生活を守ることが目的です。
犯罪の摘発はその手段でしかない」
だが、結局のところそれだけだ。
それは風紀委員に不信感を持つものからの反感を買うだろう。
場合によっては今以上に直接的な手段に出るものも現れるかもしれない。
そうなれば風紀委員もより過激な手段に訴えるかもしれない。
その結果起こるのは、最終的には戦争だ。
「こんなもので流れなどは断ち切れませんよ。
我々が取るべきなのは、真摯な対応と泥臭い努力だ」
■ラヴェータ > 「その通りだ。同意されていたら私といえどひっくり返っていただろうな」
小さく二度ほど頷く。
少女の言っている事は全く持ってその通り。
先日は少年の言い分と真っ向からぶつかったが、そもそも拷問という手段は風紀の目的にそぐわない。
治安を維持する風紀が治安を破壊するような行為をすれば、もうそれは風紀ではないだろう。
「とはいえ、そう思っていない奴がいるようだな。あやつが言うには今の風紀は甘いらしいぞ?
ほら、選別…いや、新人研修についての提案も見てみろ。」
机に置かれた議事録を指さしながら笑う。
今の風紀が甘い?確かに成熟した大人の織りなす軍隊や警察組織には劣るかもしれない。
だがそれは、甘いからでは決してないだろう。
■桜 緋彩 >
そもそも拷問など人権的に許されるわけがない。
独裁国家じゃあるまいし。
「――まぁ、甘い、と言うのはある意味同意はしますよ。
彼やこれを許可した誰かのような者でも風紀を名乗っていられるのですから」
彼女に示された箇所を見る。
随分とまぁ過激な研修が並んでいた。
流石に呆れた口調。
個々人の信条に関して口を出したくはないが、しかし風紀と言う組織の人間として最低限の意識と言うものはあるだろう。
そう言ったものを弾けていないのは、確かに甘いかもしれない。
「そう言うのは軍隊でやればいいんです。
我々は風紀委員、警察組織であって軍隊ではありません」
これ見よがしな溜息。
■ラヴェータ > 「ククク、厳しい事を言うじゃないか。」
彼を甘いと言ってのけた少女に対して、堪えきれない笑いを溢す。
確かに甘いかもしれない。統率を乱す意識を持つ者を許容している組織はそれほど多くないだろう。
彼が問題を起こしたという噂は時折耳にする。その噂にもかなり偏りがあり、その偏りが彼を風紀につなぎとめているとも言える…が。
「そうだな。奴はいずれ良い軍人になるだろうな。
…いや、もしかすると戦争には向かんかもしれんがな」
ため息を見せた少女に対し愉快そうな笑みを浮かべる狐。
彼の事を考えるように顎に手を当てて。
「奴の人柄についてはよく知らん。
だが、正義感の強い奴は戦争には向かん。
奴がもし正義漢だとすれば、軍人にも向かんだろうな」
なんて、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべた。
■桜 緋彩 >
「同僚を大事に出来ないものとは、あまり仲良く出来そうにありませんから」
彼が凶悪犯にだけ厳しいと言うのは知っている。
その正義感は悪いものではないとは思うが、だからと言ってそれを強要される同僚はたまったものではないだろう。
彼はそれを仲良しごっこ、と言うのかもしれないけれど。
「あなたは戦争に詳しいのですね。
まぁ、その恰好からそういう印象は受けますが……」
戦争や軍人について、わかっているようなことを言う。
確かに彼女の格好は軍人のそれである。
異世界人だったはずなので、こちらに来る前の世界で軍人でもしていたのだろうか。
■ラヴェータ > 「人とはそういうものだからな。まあその辺りはいずれ学ぶ機会が来るさ。
既に学んでいるとしたら…分らんがな」
学ぶ機会は万人に訪れるが、それをものに出来るかは人次第。
社会性を学ぶ機会は多いし、同僚を大事にする心を学ぶ機会は社会で生きていればいずれ学べるだろう。
学んだ上で拒絶しているのなら、その限りではないが。
「私は元々軍人だったからな。似合っているだろう?」
少女の予想通り、狐はもともと軍人だ。
そして、この軍服もその時から纏っているものだ。
「と言っても当時の私はどちらかと言うと奴寄りだったがな。
社会性なんぞ持ち合わせていなかった。」
今もないが。
かつての事はよく覚えている。恥とは思わないが、戻りたいとは思わない。
「だからこそ、という訳ではないが。奴の今後は気になってしまうな。
皆が皆という訳ではないが、道を踏み外すか早死にするか。このまま行ってもロクな道は歩まんだろう」
偏見とも言える物言いだが、経験則ともいう。
何が彼を動かしているか次第でもあるだろうが、その未来は案ずるべきだろう。
なんて考えている狐の表情は心配ではなく愉悦。ただの好奇心故の言葉だ。
■桜 緋彩 >
「とは言え私もまだまだ未熟な身です。
人のあれこれに気を取られていてはいけませんね」
自分にも至らぬところは山ほどある。
他人のそれに気を取られるあまり、自分の成長の機会を失わないようにしよう。
「ええ、お似合いかと思いますよ。
着慣れていると言うか、着られていると言う感じがありません」
コスプレ感と言うかなんと言うか。
軍服を着ていると言うより、軍服を使っていると言う感じを受ける。
「そうですね、それも心配ですし、孤立しないかも心配です。
往々にして、彼のような過激な人物は組織内で孤立しがちなことがありますから」
行き過ぎた正義感も、そこから来る過激さも、何より仲間意識が。
■ラヴェータ > 「良い心がけだな」
先駆者の言というよりは、見上げているような言葉。
悲観的という訳ではないが、どこか停滞した雰囲気が感じ取れるだろうか。
「言ってくれる。こいつとの付き合いは長いからな。慣れた物だ」
実際は服というより能力で出しているだけだが、実際付き合いは長い。
愛着は沸いているし、手放せないものだ。だからこそ、褒められれば嬉しそうに微笑むだろう。
「ああ。親しい理解者でも居ればよいな。そういう者がいるといないとでは随分と変わる」
社会的に孤立した状態は精神的に良くないという事はよく知っている。
既にいるかもしれないが、理解者が現れる事が望ましい。
私の監査人でも紹介してやろうか?
「まあそうだな。何かあれば声をかけてみるといい。
奴も悪い奴ではない。奴なりにこの島を良くしようとしている。意外と気が合うかもしれんぞ?」
何て言いながら直立姿勢をとる。
ずっと覗き込んでいるのも少しつらい。
■桜 緋彩 >
「理解者、なかなか難しそうではありますが……」
なにせあの行動と思想だ。
理解してもらうのは難しいかもしれない。
「そうですね。
話もせずにこうと言うのはよろしくない。
いずれその機会があれば声を掛けてみようかとは思います」
放った資料を集めて揃える。
そうして椅子を立ち上がり、彼女に向き直り。
「さて、そろそろ私は通院の時間なので、これで失礼します。
ラヴェータどのも怪我などにはお気をつけて」
ぴし、とまっすぐお辞儀をし、資料を既定の位置に片付ける。
そうしてもう一度彼女に会釈をし、その場を後にするだろう。
そろそろ包帯も取れるだろう、そうしたら現場に戻れそうだ――
■ラヴェータ > 「ああ、そうするといい」
出会って話してどう見るか。
それもまた気になるが、その話が聞けるのは先になりそうだ。
「貴様もな。大事にするんだぞ」
両腕に包帯…これは両腕だけではすんでいないだろうな。
まず自分を大切にするべきだろう、なんて思うが言わないでおこう。
風紀をしている以上、ただでは済まないのだ。
そして、少女が去って行けば、腕を組んで、
「次の娯楽を探すとするか」
つまみ出されるまで他の風紀にちょっかいをかけ続けるだろう。
はた迷惑な狐である。
ご案内:「風紀委員本部 事務室」から桜 緋彩さんが去りました。
ご案内:「風紀委員本部 事務室」からラヴェータさんが去りました。