2024/07/19 のログ
■先生手紙 >
「……私は時々、アンタ様方が電脳装置のAIなンじゃないかと思いますよ。顧問のファレーマンセンセとかはもっと人間味あるし」
灰を灰皿に落とす。
「さっさと終わらせてただの不良生徒に戻りたいのが私の本音です。これでも根回しから潜入、接触、名前通りに大体のコトは済ませてるンで。っつーか別件の『特対生』の方が先で、ソレを私に丸投げしたのどちら様でしたっけ?」
やってらんねー、とふんぞり返っては椅子を戻す。
「公安が人手不足なのは百も承知ですよ。で、その割に出張る機会が少ないこともね。今回だってどっちかっつーとサイシ周りが適任でしょ」
いくら男に祭祀局とのパイプが――対怪の心得があるとしてもだ。
「一介の学生に持たせる案件としちゃ面倒くささがダンチですよ。あーそうだ。一応、まあそのつもりはないと前置きしときますが」
■モノリス > 『なんだね』
■先生手紙 >
「私が死んだ場合の処理と後任のリストアップを送っておきました。ついでに違反部活のスルーが一件。どちらも通してもらいますよ。
解決したいのなら呑んでくださいね」
コーヒーを口に付ける。あまり好みの味ではないな、と思った。
「私からは以上です。其方から他になければ業務に戻ろうと思いますが」
■モノリス > 『了承しよう』
『しかし君が命を懸ける程かね?』
『ないものに肩入れはするべきではないぞ』
『では査問を終了とする』
ばつん、ばつん、ばつん。
ブレーカーをひとつひとつ落とすように、モノリスから光が――そしてモノリスそのものもひとつひとつ消えていった。
■先生手紙 >
――そうして、男は本当に独りになった。
「ふーっ……まァ、現場と上の祖語はどの組織も似たり寄ったりだよなァ」
紫煙を吐く。査問が終わったのなら此処にはもう、用は無い。
紙のカップを持って、煙草を灰皿に入れる。
スコン、と音を立ててソレは虚空に落とされた。
マナー面かつ、証拠の隠滅というやつだ。気を遣わずに吸えることくらいが、この空間での解りやすい好感度の高い部分だった。
ごきり、と首を鳴らす。
――入る時にも幾重ものチェックが必要だが。出る時にも同じだけの面倒事が待っているのだった。
ご案内:「委員会街 公安委員会庁舎」から先生手紙さんが去りました。