2024/09/09 のログ
ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
「ギフト騒乱周りの検挙リストと報告書はこっちにファイルしてー……、
で…こっちは封鎖区域の……」
夏季休暇後からの諸々、夏季休暇前からの事案。
今日も風紀委員・刑事課のオフィスには様々な報告書が寄せられる。
それだけ風紀委員が必死に、精力的に活動してくれている…ということ。
当然、自分も負けてはいられない。
自分に出来ることを最大限、こなしてゆく。
■伊都波 凛霞 >
「このレポートはうちの班の担当じゃないからチェックだけつけて…と」
刑事課にも大勢の風紀委員がいる。
対策本部を設置するほどでない事件などの捜査は犯ごとに別れて行うのが普通だ。
もちろん、情報共有は必要。
そのためしっかり目を通し、その証を記す。
そのレポートは、数日の間に他の班をまわり、凛霞のデスクにたどりついたものだ。
「えーと……───」
内容に目を通す。
落第街周辺の偵察ドローンの故障報告。
それに紐づけられて、ある事件との関連性の考察が他の風紀委員によってつけられている。
刑事課では異能による捜査も行われている。
例えば、自分の異能の力もそう。
本来何も証拠が残らないような事件でも、超常の観点から捜査が行われることも珍しくない。
紐づけられたのは、とある連続殺人事件。その対策本部。
元・風紀委員による犯行という点、そしてその連続性から、本格的な捜査が行われている。
眉を潜め、眼を細める。
自分は、その捜査には関わっていない。
否、関わらせてもらえなかった。
ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁」に橘壱さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
──事の発端は、一般生徒が射殺された事件だった。
犯行の容疑者は当時風紀委員、刑事課の女子生徒。
その容疑を皮切りに、過去の連続した殺人事件が浮上する。
そして彼女は、行方を眩ませた。
自身の異能による捜査は、確実にこの手の案件には強く働く。
しかしそれを強く訴えても、捜査に加わることを許してもらえなかった。
『容疑者の彼女と、自分が親しすぎた』
理由は、納得できるものだった。
双炎舞踏…そう呼ばれた彼女とは、凄くウマがあった。
風紀委員、そして刑事課配属当時からの仲だ。
──事件が解決するまでは、なるべく考えないようにしていたけど。
深く溜息を零し、チェックの印を押し…ファイリングする。
■橘壱 >
「相変わらず精が出ますね。」
不意に彼女の背後から声が聞こえる。
同職風紀委員、橘壱。片手には重厚なトランク。
もう片方にはミセス・ドーナツの横長の箱。
甘くて美味しいカロリーたっぷりの人気店のものだ。
「書類、結構溜まってそうですね。
手伝いますよ、先輩。どうぞ。」
差し入れです、と彼女のテーブルのドーナツの箱を起き、隣へと座った。
■伊都波 凛霞 >
びくり、急にかけられた声に思わず肩が跳ねる。
常に背後にも気を配り隙のない彼女にしては珍しい反応、そう彼女を知る人物ならば思うかもしれない。
「あ…お、お疲れ様、橘くん。
わ、もしかして差し入れ? 気が効く~♡」
一瞬こわばった表情を見せたものの、すぐにいつもの朗らかな笑顔を見せる。
ありがとう、と付け加えて、深呼吸を一つ。
「んーん、書類分けはもう終わるところだから、ブレークにはちょうど良いタイミングだったよ♪」
ぱちっとウインク。
ファイリングしたばかりの書類は、他の書類の下へと自然な動作で滑り込ませていた。
■橘壱 >
「っと、驚かせてすみません。そんなに集中して、ました?」
思ったよりも驚かれて釣られてコッチもびっくりした。
結構そういうの丁寧に対応するタイプだと思っていた。
よっぽど集中していたのだろうか。
一応軽く会釈はしておいた。
「はい。悠薇先輩に甘いものが好きだと聞いたので。
僕も甘いものが好きだからお口に会えば、と。」
妹とは違う甘いもの好き。
特に此処のドーナツはカロリーも甘さも味もバッチシだ。
疲れた脳にはよく聞くから、時分もよく食べる。
カチャリと眼鏡を挙げつつ、その動きは見逃さない。
「タイミングが良いなら良かった。
……所でその書類はなんですか?」
■伊都波 凛霞 >
「あはは、気にしないでちょっと集中しすぎてただけだから」
軽く流して、オフィスのコーヒーポットへ。
アイスだけど飲む?と聞いてみて、飲むという返答があったなら2人分。
カップにいれて氷を一つ浮かべ、戻って来る。
「あれ、悠薇と結構会ってるんだ?
…もしかして私の妹のこと狙ってる~?」
くすくす。ちょっと誂うような言葉感。
続く言葉にはやや閉口。
ぎ、と椅子を期しませ腰掛けて。
「別に隠す必要もなかったかな」
苦笑し、はいと手渡す。
数日前のレポートと関連考察だ。もしかしたら初見ではないかもしれないが。
■橘壱 >
コーヒーには頂きますの二つ返事。
渡されたカップには備え付けのミルクを一つ、二つ。
……一体幾つ入れるんだってくらい淹れた。甘党。
「まぁ、それなりに。結構お世話にはなってます。
……急に何を言ってるんですか、アンタは。
そりゃあ、魅力的な女性だとは思いますけど……。」
思わずじとりと横目で見やった。
まぁ健全な男子なので、ほしくないといえば嘘になる。
とは言え、まだ"気になる"程度で恋愛感情とは言えない。
そういう感情なら、複数名いるくらいだ。
というか実の姉の前というか、当人が話題振ってきた。
ちょっと気まずいだろ、と内心ぼやきコーヒーを流し込む。
こうして出されたレポートを手にし、目を通す。
少年はまだこの島に来たばかりだ。
恐らく、例のギフター関係者だとは思うが……。
神妙な顔持ちで、カップをテーブルに置いた。
「元風紀委員による連続殺人事件……余り良い話題じゃないですね。
……これに思うところがある、ということですか?」
此方に注意力が言っていなかったのも、此れが原因なんじゃないか、と。
■伊都波 凛霞 >
「だって二人きりでお食事いったりもしてるんでしょ?」
この姉、妹が出かけた日には相当根掘り葉掘り聞いているに違いない。
妹を溺愛してはいるが、害虫排除!とならないだけマシかもしれないが。
「だよね~魅力的ってわかってくれる人がちゃんといるの嬉しいな~。
もう、どれだけ女の子を見る目がないってわけ?って思うくらいなんだけど。
私が男で同じ学校にあんな子いたらもう翌日にはアタックかけちゃうと思うんだけどなぁ~。
それがこのシマときたらあんな可愛い悠薇に浮ついた話なんてぜんっぜんなくって、
最近になってようやくちらほら、君みたいな子が現れてくれたくらいなんだよねえ。
もう、異能とかそういうのとか置いといて単純に周りの男の子に見る目がないとしか思えないんですけど。
でも仲良くしてくれてるんだね。それは凄く嬉しい。
今後も仲良くしてあげてね♪」
にっこり。
さて、言いたいことは言ったので切り替えよう。
アイスコーヒーを口に含む。
冷たくて心地良い苦み、リセットするには良い味だ。
「そりゃあ思うところもあるよ。
仲良くしてた、同僚の起こした事件なんだから」
口調はあくまでも平坦に。淡々と。
感情的になるのを抑えているようにも見える。
彼女をよく知る人物であれば、伊都波凛霞という女子生徒がその実に感情的な人物であることを知っている。
あくまでも努めて、冷静に振る舞っている。
■橘壱 >
「この前の一回きりですよ。まぁ、また今度行く約束もしましたが……。」
飽くまでそれは友人としてだ。
まだ、そういうのになるには速いだろうし、悠薇自身の意思を尊重すべきだ。
ぐび、と軽くコーヒーを流しながら惚気話めいた魅力がたりにはちゃんと耳を傾けていた。
「……まぁ、気になってはいます。
もっと彼女のことを知れて、受け入れてくれるなら或いは……。」
「それは勿論、僕で良ければ仲良くして頂きたいとは思ってますよ。」
彼女に悪意はない。
実際お互い大事にし合っている。
恐らくこれは、名残だ。天秤、光と影。
有能なものに親しきものは、その実態を近づくまで気付けない。
今は機能していないのだろうが、恐らく注目の目は大体彼女が持っていっている。
姉妹もけっこう大変なんだな。水を差すことはしない。
だから、表情にも言葉にも出さず、当たり障りなく返事をする。
「…………。」
同僚。
成る程、だからか。
此れは関わった中での所感だ。
此の伊都波凛霞という女性は、優しさが過ぎる。
同僚という言葉で片付けてはいるが、恐らく親交はそれなり以上にあったのではないだろうか。
故に、注意力散漫を招いた。
「……弟切 夏輝容疑者と、ですか。
僕が言うようなことじゃないですけど、思う所があるならいいと思います。」
「今、僕らしかいないんで。
今資料に集中しているから、聞き流してしまう事はあるかも知れません。」
今何が起きた所で、二人きりだ。
我慢していたものを吐き出しても、ドーナツの甘味のみがそれを知るのみ。
■伊都波 凛霞 >
ひとしきり妹についての良さを語った。
彼と妹の関係は、良き友人…といった感じなのだろうか。
さすがに妹本人にそこまで踏み込む勇気は姉にはないため、上っ面を掠める程度の問いかけしか出来ていない。
まぁ…友達が増えた、それだけでも喜ぶべきこと。
過去の妹を、過去の出来事を思えば、余計に。
───……
彼女の名前と、容疑者。
その言葉を続けて口にされれば、僅かにその笑顔にも陰りが見える。
それは、ただの現実に他ならないのだけど。
「橘くんはまだ日が浅いから、夏輝のことあんまり知らないよね」
「この島内で前線に出て十分に活躍できるぐらいの実力者で、周りからもすごく信頼されてた。
すらっとしててかっこよかったから、後輩からの人気もあったよ」
言葉はあくまで淡々紡がれてゆく。
「──、だから、どうして、こんなことになったのか……」
彼女と親しかった自分が捜査に加わることが出来ないのは、当然だろう。
それには納得する、それでも…なぜ彼女が。考え始めてしまえばキリがない。
気にしないよう努めても、抜けないトゲのように心の奥底にじくじくと痛み続けている。
それは、現実を突きつけられて尚、彼女への信頼が崩れていないことの示唆でもあるが──。
「…あれ、もしかして気、使ってる? 後輩のくせに~」
ドーナツ食べちゃお、とせっかく差し入れてもらった箱から丸いドーナツをチョイスして、ぱくり。
■橘壱 >
「まだ一年と経ってないですからね。
企業の推薦で入学して、それっきり。
一応過去の事件には一通り目を通したつもりではいますけど……。」
まだまだ此の島に来て浅いどころか
漸く社会と関わり始めたような引きこもりだ。
特に知らないことは多いし、知っていても紙の上での出来事。
伊都波凛霞、彼女も優等生とは聞いたしその活躍を実際目にしたわけではない。
特に今の作戦は単独行動で行っている。彼女以外にも名を挙げる生徒は少なくはない。
橘壱にとって、それらは全て映像と紙面の存在でしか無い。
だからこそ、実際目で見てみたい。
そう思うことはある。
蛍光灯の光を乱反射するレンズの奥は、黙々と資料に目を通す。
「使いますよ、そりゃ。」
凛とした声音が、オフィスに響く。
「最初に非礼を働いた僕が言える事じゃないですけど
少なくとも、"何故"、"どうして"と納得してなさそうなのはわかります。
それに、そこまで親しい人が理由もなく凶行に走り、目の前から消えた。」
「そういう人間がいなくて、操作には関われない。そりゃ、叫びたくもなりますよ。」
自らの手で真実を、願うなら対話くらいしたいはずだ。
今その優しすぎる心はどくどくと責め立てられているに違いない。
今自分の友人達が同じ立場だったら、きっと同じくらいに心が傷んでいたはずだ。
じ、と彼女の瞳を見やれば、一言。
「……後輩だからって、関係あります?
目の前でそういう人間がいたら、僕だって受け止める度量はあるつもりです。」
ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
大きく、深呼吸。
此処は仕事場。
学生とはいえ、それなりの権限を与えられる風紀委員の本町。
感情的になるのはNG。
…以前の、妹のことで取り乱しすぎた一件は自分の中では抹消したい過去である
「──………。
いいの、後輩はそんな気なんて使わなくったって」
笑顔を作り、言葉を返す。
うまく笑えている自信はある。
「叫んだところで事態が好転するでなし」
「私が捜査に加われば捜査の進みが早くなる自信はあるけど、
私が上の立場だったとしても多分、私のことは弾くと思うし…」
薄く、笑う。
「今自分が出来ること、自分の仕事を全力ですることには変わらないから。
君以外が見てなくたって、ここは風紀委員本庁、権威ある刑事課のオフィス、だからね」
最初見た時とは随分と印象が違う彼。
根っこはこんなに優しい人間だったんだ、と感じる。
最初に声をかけた時に、内に秘めるものがありそう‥くらいには思っていたけど。
一皮どころか、随分剥けちゃった印象である。
それでも後輩は後輩…気を使う、ではなく。気を配るのはこちらの仕事だ。