2024/09/19 のログ
ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁」にフィスティアさんが現れました。
フィスティア > 普段は委員会の業務でしか訪れない本庁ですが、今日は別の用事があります。
その目的の為に資料室の使用を申請し、資料室へ訪れています。
目的は、戦闘データの閲覧です。

「皆様の戦い方、拝見させていただきます」

以前桜さんと話した「芯を作る」という話。
時間が空いてしまいましたが、こちらにも着手しないといけません。
何を積み重ねるのか決める為にここに来ています。

(私が積み上げてきたものと言えば、剣術があります。
ですが、今のままでは弱いです…!)

たった4年ほどではありますが、剣術を鍛錬していた時期があります。
ですがそれは剣術というには足りない物があります。
それは――

「皆様はどのように攻めているのでしょうか」

攻めです。
資料室のコンピューターを操作して戦闘データへアクセスします。
この手の機械は中々使わないので操作が…

フィスティア > トミィならこういった機械にもすぐ慣れてしまいそうですが、私はどうにも苦手です。
数分かけてようやくアクセスしたデータは…

「お、多いですね…
どれから…見ましょうか」

余りにも膨大です。
よく考えれば当たり前です。
実戦、訓練施設、模擬戦などのデータが風紀委員会の歴史の長さだけあるのですから。
データの内容も様々です。数値のデータだけのものから詳細な分析のされたものまであるようですし、戦闘スタイルも多種多様です。
異能、魔術、銃器、棒術といったものから集団戦、奇襲、防衛…

「……」

頭がパンクしそうになって口を開いたままコンピューターを操作します。
分りそうなものは…参考になりそうなものは…

フィスティア > 「これとか…どうでしょうか」

フォルダ(だった筈です)を開いたり閉じたりしているうちに、よさそうなものを見つけました。
数年前の剣を使う風紀委員同士の模擬戦の動画…だと思います。
クリック…あれ、開きませんね。二回だったでしょうか?
カチカチ…開きましたね。

開いた動画は訓練場での模擬戦の動画です。名称通りの内容のようです。
女性と男性が抜剣して向かいあっています。
女性の方は双剣で男性の方は…大剣のようです。
2人とも私の細剣と戦い方は違うでしょうが…一度再生してみましょう。

「わぁ…凄いですね…」

女性の方は異能を駆使しているのでしょうか。
双剣で空中を蹴りながら舞って、男性を攻めています。
死角を狙ったり、急所を突いたり、反撃も華麗に躱しています。
男性の方も負けていません。
俊敏に動く女性の僅かな隙に正確に大剣の一撃をあてに行きます。
女性の攻撃を巨大な武器にも拘らず殆ど防いでいますし、両者互角…ですが、現状女性の方が手数で押しているように見えます。

なんて、呑気に動画に見入っていた時でした。

フィスティア > オモイカネが鳴りました。
私は連絡の内容毎に通知音を変えていますが…この音は…
風紀委員会の重要な連絡です。

「なんでしょうか」

重要な連絡と言っても様々です。
緊急性の高いものから、周知の必要性の高い物、些細であれど全体に影響するものなど様々です。
ですので、焦りはありませんでしたがすぐに端末を確認します。

「……!?
これは?!」

『宗教施設群で銃火器や爆発物を使用した襲撃が発生』

タイトルの下には詳細な指示が連なっています。
出撃を命じる範囲や正確な座標、そして通報者が撮影したと思われる写真…

「なんてことを…!していい事と悪い事があります…!」

あそこには、お墓や慰霊碑もあります。それだけではなく、様々な人の想いが集っています。
そこを攻撃するなど…!

「許せません…!」

到底、許される事ではありません。
私も許しません。激情が湧き上がって頭が熱くなります。

フィスティア > 「私にも…何か出来る事は…!」

先ほど目を通した限りでは、私は出動を指示されている範囲に含まれていないようでした。
騎士さん達の人数分だけでも手助けは出来る…筈です。
どうにか現場に行けないでしょうか…!

「ダメ…そうですね」

三度程読み直しましたがダメそうです。
資料室の外が騒がしくなっています。
それはそうです。一大事ですから。
動かせる人員はすぐにでも出動するでしょう。

一先ずコンピューターの電源を落として一度落ち着きます。
緊急事態程焦ってはいけません。

フィスティア > 少しでも落ち着こうと深呼吸を繰り返します。
吸って、吐いて…吸って…吐いて…

「…私では足手まといですね」

最初から分かっていた事ではありました。
騎士さんは銃相手では弱い事は分かっています。
下手すれば敵に与する事になりかねません。

ですが…

「私の仕事ではそれだけではない筈です」

襲撃犯の鎮圧だけが風紀委員会の仕事ではありません。
私にも出来る仕事はいずれ発生するでしょう。
となれば、やはりここにいるべきではありません。

先ほど電源を落としたコンピューターを片付けて資料室を出ます。
戦闘データの閲覧はまた今度です。

ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁」からフィスティアさんが去りました。