2025/01/18 のログ
ご案内:「委員会街 生活委員会庁舎」に角鹿建悟さんが現れました。
角鹿建悟 > 生活委員会庁舎――一般的なビルディングの様式であるその建物の一階ロビーにて。
幾つかある待合用のソファーの一つに座り込みながら、手元の報告書等に目を通す仏頂面の男。
黒く頑丈そうな生地を用いた無骨で飾り気皆無の作業着にワークブーツ、という作業員の格好。
左腕に付けた【生活委員会】の腕章が、彼をかろうじて生活委員会の一員であると示している。

「……汚染区域ゲート前の仕事が結構残ってるか…。」

この前は三徹、その後に五徹――少し前にまた三徹をしかけたが、周囲から止められた。
どうも根を詰め過ぎと思われているようだが、男からするとその辺りの意識は薄い。

(…ただ、任された作業工程(タスク)をこなしているだけ…の、つもりなんだがな…。)

と、彼自身は思っているものの、周囲から見たら普通に仕事中毒者(ワーカーホリック)でしかない。

角鹿建悟 > これでも、”挫折”する前に比べたらかなりマシになった方である。
本人なりに色々抑えてはいるし、多少は考えて休息や食事もきちんと摂るようにしている。
…しているのだが、矢張り一般学生などと比べたら偏りがまだまだ酷い。

「……今から戻ろうとしても却下されそうだな…。」

現地の生活委員の同僚達に追い返される未来が透けて見える。
幾ら男の能力が非常に利便性が高いとはいえ、人一人で出来る事は限界がある。
――その限界を見誤った…否、見失っていたのが以前の己の姿だ。今は反省している。

…反省はしているのだが、こうして報告書に目を通しているだけというのも歯痒い。
勿論、一般的な生活委員の仕事も男はきちんとやっている。その後に数日ぶっ続けて修理修繕だ。
相変わらず、時間調整やら息抜きに関してはまだまだド不器用なのは変わらない。

「……修繕が必要な物に関しては…優先順位をピックアップして送っておくか…。」

何やら、汚染源が遂に発見されたらしいのだが男は詳細は全く聞いていない。
ただ、あちこちからそういう話を聞くのでそこは事実ではあるのだろう。

角鹿建悟 > 男には戦う力は殆ど無い。だが、それならそれで別の戦い方というものがある。
直す事は、以前は呪いのような強迫観念もあったが、今は男なりに誇りを持って臨んでいる。
…きっと、創るという本来の願いを自覚して少しずつ形にしようとしているのが功を奏しているのだろう。

「…そういえば、【師匠】が教職員としてこっちに戻っていると聞いたが…。」

去年の夏頃小耳に挟んだ気がするので今更だが…確か養護教論だったか?
また護身術の手解きをして貰うのもアリかもしれない。戦いは勘弁だが最低限の自衛手段は欲しい。

「…工具箱もそろそろ新しいのが欲しいな…。」

偶に『手伝い』で足を運んでいる鉄道委員会の開発部門に個人注文してみようか?と、思う。
これもコネというものだ…最近そういうのをやっと学んできた。人脈は侮れない。

角鹿建悟 > 報告書を読み終えれば、ふと視線を上げて周囲を眺める。
生活委員会は、その業務上一般生徒を始めとして、保護された異邦人などの姿も割と多い。
時々、仕事で出向いた先の生徒やら住人の顔見知りと目線が合えば、無言で小さく会釈はする。

「……まぁ、ここが賑わうのは何時もの事か…。」

いわゆる市役所的な所もここは担っていた気がするので、そういう方面の手続きをする者の姿も多い。
老若男女、種族問わず行き来する人たちをロビーのソファーに座りながら茫洋と眺めて。

(…この島に来て…もう8年経つか…。)

今更、実家に戻る気も無い。ここが己にとっての新たな故郷とも言える。
家族とは絶縁しているし、お互い連絡をする事も勿論無い。その方が色々と気が楽だ。
…きっと、今後も少なくともこちらから連絡を取る事はありえないだろうな、と。

角鹿建悟 > 手持無沙汰に、懐から取り出したのは――知恵の輪である。
以前、入院した時に知り合いがやっていた物だ。
中々難易度が高いタイプのものだが、無表情のまま淡々と手元だけをカチャカチャ動かし始める。

「……。」

別に男はこの手のものが得意という訳ではないが、集中力だけはかなりある。
多少なり悪戦苦闘したものの、30分も掛からずに知恵の輪を外す事に成功する。

「…思ったより早く外せたな…。」

仕事柄、手先はかなり器用な部類なのも多少なり助けとなったのかもしれない。
しかし、こうして時間を持て余すというのは昔からどうにも落ち着かない。
そういう所も、やっぱり何処か仕事中毒の気があるのやもしれず。