2025/05/30 のログ
ご案内:「委員会街 鉄道委員会庁舎」にネームレスさんが現れました。
■ネームレス > 昼過ぎ。
朝方の学生や部活であれば、昼休憩を終えておっかなびっくり午後の日常を始める頃。
鉄道委員会の庁舎は忙しない空気に満ちている。
委員会――この島の学生自治における公的機関ともなればどこでも同じなのかもしれない。
学生の身分でありながら公務員としての働きと自覚が求められ、島外に飛び立つにおいても委員会従事は経歴として頼れる武器になると専らの話だ。
それでもその廊下を颯爽と往く姿は無駄に目を引く。
通気性とお洒落を重視して夏用に改造された緋色の衣は、魔術師として高い位階を示す証だ。
綺羅びやかな装いに負けぬばかりか、なお際立つ美貌は見る者の感性によれば不気味ですらあろう。
白磁の彫像のような顔貌。血のような頭髪は護符も兼ねた金装飾で結い上げられ、歩調の速さによって尾のようにたなびいている。
良くも悪くも有名人であるということもあり――かと言って首から正規の入館許可証を下げた来客をいちいち呼び止める不真面目な者もいまこの場にはいなかった。
「おなか減ったぁー……長引いちゃったなあ、まったく――」
会議室の集まるフロアからエレベーターを目指し、返す波のなかで、魔道衣ごしに腹を撫でる。
午後、夕刻からの予定に差し迫るほどの延長ではないものの、予定していた昼食の時間を大きく割った。
「此処で食べてこっかな……ねえ、食堂って来客も使えるカンジ?
――そっかぁ~、ありがと! 忙しいトコ悪いね!こんど一緒に食べよう!」
すれ違った職員に声をかけて確認ののち、食堂フロアをパネルで参照する。
どうやらこのエレベーターから行けるらしい――既に自分以外に何人か、同じ方向に行くエレベーターに乗るようだ。
列が出来ている。だいぶ広いエレベーターだったはずだから、すし詰めになることはないだろうが。
意匠に凝った階数表示。ちょうどこのフロアに停まった函の入口が、到着を報せる古風なベル音とともに開く――
ご案内:「委員会街 鉄道委員会庁舎」に鶴博 波都さんが現れました。
■鶴博 波都 >
「……あれ?」
エレベーターが目的階の途中で止まる。
それそのものは他に乗り入るものが居るのだから当然のこと。
問題は……。
「あ、ええと……。」
予想だにしない貌が乗り入ってくること。
邂逅は数度だけだが、忘れ難い貌。
自分が逮捕を手がけたものの貌。
「こんにちは……?」
エレベーターの角に身を寄せながら、おずおずとあいさつを掛ける。
警戒と当惑の混じった声。
■ネームレス >
声をあげることはなかった。
それでも、その顔を見て目を丸くしていた。
あ、と声をあげた者がいたかもしれない。
その二者に纏わる曰くは、委員であれば知っている者も多かろう。
緊張感が満たす匣のなかで、
それが停止していたのは一瞬だった。
挨拶を返すこともないまま目を伏せると、そのままエレベーターの中に。
ほんの一瞬停止していた時間が動き出したように、利用者の入退場が行われた。
あぶれる者はいなかったらしい。
「………」
そして、それは隅によったあなたの隣に。
壁に背を預けて、顔を見ないまま。
僅かな振動。近代式の静音エレベーターの駆動が始まると。
「制服」
顔を見ないまま――ほんの小さなつぶやきなのに、異常によく通る声。
それが口にしたのは、以前の深緑色とは装いを変えている、半年の間の変遷。
■鶴博 波都 >
「あ、はい。鉄道公安局に配置が変わったんです。」
こちらを見ていないと気付いたのは示す様に袖を上げて揺らしてから。
駆動音だけが響く気まずい静寂を味わってから、誤魔化すように口を開く。
「そちらは色々変わった……みたい、ですね。」
テレビで見た魔術学会と同系統の装い。
一目でそれと分かる実用と礼服を兼ねたような魔道衣。
少しばかり似つかわしくないように思えて、言い淀んでしまう。
「これからどちらに?」
■ネームレス >
「そうなんだ」
穏やか、でもなければ、剣呑でもない。
淡々とした受け答え。一番心に影響があるのは聞いている周囲かもしれないような。
「………、」
何かを言おうとしていたが、自分の出で立ちに言及されてその行き先をなくし、
唇を噤んで、ようやく振り向く。問われる言葉がつづくと、唇がようやく笑みを浮かべる。
「ランチを楽しもうかと。鉄道の庁舎なんて、そうそう来ないからな。
おすすめがあったら、おしえてくれない?」
存外にフレンドリーな受け答え。
彼我の因縁を知るならばこそ、場違いなほどに。
「キミも食事なら、いっしょに食べよう」
そんな誘い文句が続く。
そして間もなく食堂フロアに到着し――扉が開いた。
■鶴博 波都 >
「あっ、それなら一緒します。ここの食事も他の庁舎にも負けず劣らず美味しいですから。」
誘われて嫌な気はしない。
彼のことは嫌っている訳ではない。少なくとも今はそうだ。
既に尋ね人ではないし、その罪も司法に於いて禊がれている。
彼のいでたちはその様に示している。
「輸送の関係で農業区から色々入ってきますからね。メニューも豊富です。」
"当たりはずれはちょっとありますけれど。"
そんな軽口を叩ける程度には、場の空気を緩んだだろうか。
■ネームレス >
「そりゃあイイ。期待しちゃうな。比較対象が留置場のご飯になっちゃうケド。
驚くことに美味しかったんだ。シャワーを自由に浴びれないのがネックだった」
肩を竦めてブラックジョーク。
一緒に庫内から出る。周囲の反応は――何処吹く風だ。
のちに波都のほうが、何か周りに訊かれるかもしれぬけれども、それも気にしない。
「わぉ。デカいモールのフードコートみたい。選び放題じゃん。
……それに、綺麗だよね。風紀の本庁とかでも思うんだケド。
お役所って、もっと、こう――――」
学園が設置されて十年程。どの施設も竣工からそう時間が立っていないのもあり、
維持にもずいぶんな額が投じられているのもあり、見栄えもあった。
急発展の歪さも感じさせない装いを、きょろりと興味深そうに見渡して。
「こんだけ選び放題なら、毎日の登庁も楽しいのかも。
――てゆか、いまは本庁に詰めてるの、キミ?」
転属。栄転、とは少し違う趣だ。彼女が鉄道公安志望とは聞いていなかった。
駅と車内を職場にしていた彼女の現状を、おすすめの店とともに聞いてみた。
■鶴博 波都 >
「大量に作って、無駄を減らすには安定させないといけませんからね。
このご時世で不味く作るのは、わざと外さないとそうなりません。
シャワーも……みんなに浴びて貰わないといけませんから、しょうがないですね。」
留置場の料理は栄養を維持するためものだし、。
シャワーだって清潔を保つためのもの。
「……エレベーター、着きましたね。」
料理だって食べて貰わないといけないし。
シャワーだって浴びて貰わないといけないもの。
良くも悪くも、そこに遊びはない。
そんなことを考え詰めながら、開くドアを見る。
「もっと──……?」
お役所。そう聞いて首を傾げる。
彼が何を浮かべているものとは、少し違う気がした。
「いえ、色んな所に行きますよ。
内勤になった訳ではないので、その辺りは前と変わりませんね。」
登記の上ではともかく、今も現場勤めであることは変わらない。
大抵、最寄りの駅や庁舎からの出勤だ。
「食べたいものが見つかったら教えてください。
私はあんまり考えずに適当に選んでますけれど……運だめし?みたいな感じで……。」
■ネームレス >
「じゃァ今日は偶々本庁にってコトか。
毎日通ってても、在学中にメニュー制覇できるか怪しいくらいだよね。
……学会員としてのご用、正直いまもピンと来てないケド。
このためって考えたら、来て良かった。ツイてる。キミに逢えた」
普段と違う――自分の着たいものを選んでいるような身が、
あえて所属を示す格好をしているというのは、そういうことだった。
袖口を詰めていたりするのは、そのなかでも自己主張であるのかも。
「んー……」
わざとらしく、顎に手をあてて考える仕草。
練り歩いてきょろきょろと選んでいるなかで、
「考えずに?」
ふと耳に入った言葉に、愉快そうに笑う。
「じゃあコレ」
示したのは、ロングサイズのパンのサンドイッチのカウンター。
新鮮な野菜と肉類は農業区から。常世港から届いた新鮮な魚介類のメニューもある。
「――の、コレでー」
白い長い指が示したのは、海老の身がマヨネーズソースで和えられたものを軸に、
たっぷりの野菜でサンドされているメニュー。くるりと振り向いた。
「フルサイズ頼んで、真ん中でカットしてもらってさ。
シェアしない?ボクが二種類食べられるしー。
キミはどれにする?今日の運勢、占ってみてよ」
肩を抱き寄せ、ほらほら、とメニューを示すのだ。
パンの種類から選び放題。陸海空の制覇も可能だ。
■鶴博 波都 >
「料理も創作だって言う人もいますから──私?」
きょとん、と目を丸くする。
意図に気付く様子もなく、ただただ不思議そうに首を傾げた。
「はい。これだけあると覚えきれないし、季節や人によっても味が変わります。
だから手当たり次第とか、思い付きでいいかなー……って。」
無造作に択ぶことは気が楽だ。
「良いですよ。ここのサンドイッチ屋さんは新鮮な野菜を仕入れてくれるから美味しい印象です。
良く食べる子はおーるへびー?とか言うので野菜を通常の5割増しに出来るみたいです。」
健康志向に見えて、意外と食べざかり向けのサンドイッチ屋。
「その間に飲み物、取ってきますね。何にしますか?」
■ネームレス >
「パンも――味がついてるのがあるんだね。蜂蜜入りのやつにしよう。
これならたっぷりにした野菜にも負けない。選んでるだけでもっとおなか減ってきちゃった。
背中とくっつくまえに、じゃあ、席は――……ん?」
増量指定はなんと無料らしい。さすがの福利厚生である。
それだけの業務を課されているということもあろうけども。
「それじゃあ」
微笑む。穏やかに。
人を試す時の顔だ。
「アップルかオレンジのジュースがいいな。
どっちかは、キミが選んで?」
二択問題。
そう言うと、それじゃあ、と手を振って分かれる。
対面席ではない。壁一面が窓に面した長いテーブル席に、隣同士。
眺望がいい。路線の運行状況も眺められるかもしれない。
■鶴博 波都 >
「もう、いじわるな……。」
試されていると分かれば、むぅ、と、頬を膨らませる。
んー、と唸りながら考える素振りを見せれば、
「それじゃあ、アップルふたつです。髪の色と同じですから。」
考えた末に出した答えは安直なもの。
試された手前一応、理由を付けたかったのもしれない。
「多分私の方が早く着きますから、席も確保しておきますね。」
■ネームレス >
「中身は案外真っ白かもな」
視線を横、自分の頭髪。
そしてまっすぐ、彼女の髪。
僅かに色合いは違えど、林檎色ではあるのかも。
「――決めろと迫られると即決だなあ。
案外土壇場で悩んじゃってたりするかと思ってた」
鼻歌交じりに、遅れてやってくる。
それは耳慣れぬ旋律であったろう。どこか切ない、淋しげな曲。
少なくともこの存在が発表している歌ではないようだった。
あらためて隣同士に座ると、はい、と自分のそれの半分を彼女に。
「キミはなにを選んだの?」
お揃いのアップルジュースも分け合いながら、サンドの中身を問うてみよう。
■鶴博 波都 >
(あっ、となりに座る事もあるんだ。)
旋律よりも座席選びに気が向いた様子。
対面でない事を意外に思いながらもトレイを並べ、包みを開く。
ジュースも並べて、食事の準備も万全。
「手堅くこれにしました。」
いわゆる、ベーコンレタスサンド。
定番中の定番、王道中の王道。ちゃんと半分にカットして貰っている。
「半分食べ終えたら交換、みたいな感じにしますか?」
■ネームレス >
「分厚い!」
感嘆符も出ようというもの。ベーコン分厚い。学生向きだ。
よく燻製されたそいつがこんがりと焼けている。
「レタスとトマトは、もう外せないよなこういうの。
トマトなんてそろそろ旬だし……みずみずしいったらない。
そーだね。それじゃあ、ああー、"いただきます"、かな」
胸前に手を合わせた。誰の影響だろう。
そして早速かぶりつくのだ。自分のぶん。ぷりぷりの海老が主役のサンド。
「――んー♪世界で二番目かも。
……そういえばさ、ずいぶん前のことになるケド。
贈り物は、ちゃんと届いた?」
ぎ、と椅子の背もたれに体重を預けつつ、だ。
窓の外の眺望でなく、彼女のほうに視線を向けた。まだ寒い時期の話。
■鶴博 波都 >
「あー、えーと……その……実は届いてますけど、まだ食べてなくて……。」
多分、あれのことだろう。
バレンタイン、ポストに届いた無記名のメッセージ付きクッキー。
こうして再開するまで、顛末を推測できなかった彼女にとっては不審物。
風紀委員に届け出た後、『ひとまず毒はない』判断されたそれを食べられずに居た。
風習にも慣れておらず、ましてや貰う側になるとも、勝手が分からなかったのだ。
「その内、食べてお礼を返しますね。
あんまり勝手は分からないんですけど……。」
困った様に眉を下げ、BLTを口に運んだ。
■ネームレス >
「えっ」
はじめて、戸惑いの表情が見えた。
食べてないこと、ではない。
「――――――だ、大丈夫かな……?
豆はともかく、クッキーは……危ないんじゃない……?
処分しちゃってだいじょうぶだよ。悩ませちゃってゴメンね……?」
保存されていたことに対してだ。
いちおう、贈るにあたって防腐剤とかの心尽くしはしたが、
手製のそれが今なお無事とは思わない。箱詰めされた市販品とは勝手が違う。
流石に三ヶ月以上も保存されているとは思わなかったらしい。
食べない理由としては、それはもう、当然のことではあるのだけれども。
「ああ、イイのイイの。そっちはおまけ。
本題はメッセージのほう。あっちが届いたならそれでイイんだ。
お礼のお礼なんて、キリがないだろ?」
伝えたかったのは感謝の気持ち。それで終わった話なのだった。
……さっさと消化した気でいたので、まだその物品が残っている、
ということに、若干の驚きがあった。形に残るものを渡したくなかったのがよくなかったらしい。
「それでもお礼してくれるっていうなら、ほしいものをおねだりしちゃうケド」
だから、こちらから礼は重ねなかった。
■鶴博 波都 >
「えっ」
反射的な戸惑いの声に彼女も驚く。
なにかしてしまったのだろうか?
「もしかして……手作りのクッキーって消費期限あるんですか……?」
市販品だと思っていたらしい。
冷房が効いている筈なのに汗が垂れる。
アップルジュースを飲んで気を取り直す。
「とりあえず、空けて匂いを嗅いでみて……いや、どうしようかな……
えっと、しっかり届いています。お礼を言われる……
……と言うのも、実感がわきませんけれど……。」
こうして再会してみて、意図や感情は分かる。
けれどどうしても、自分の中で礼を言われるような評価を下せていない。
せめてコーヒーの方だけでも試してみようか。
そう言えば、焙煎が好きなイタチの獣人の同期がいたような。
「あんまり意地悪しない範囲なら、おねだりも聞きますけれど……」
すこし困り顔。
波都が"安普請しない"しないのは、大分珍しい。
■ネームレス >
「ケーキとかパンも、お店で買うとはやめに食べてねって言われないか……?
そう考えるとああいう工業品ってスゴいよな。下手したら年単位で保つ……
――い、イイよ!捨てて捨てて!もう開けずに処分して!
キミの中の思い出が綺麗なままで逝かせてほしいの!」
思わず声をあげてしまった。どうなっているのか想像もつかなかった。
……正直ちょっと興味もあって、開封式を提案しようとも考えたけども。
シュレディンガーのクッキーを理想のクッキーのまま葬ってやるべきである。
焚き火の時期ではないので、結局は生活委員会のインフラが受け持つのだろうけど。
「ボクがいま未来に歩めているのはキミのおかげでもあるから。
そりゃ、手続き踏むだけなら誰でも良かったってのも事実だケド。
ボクはキミがいいって言って、キミもそうすることを選んでくれたから。
ハッキリ言って得のないコトだったとも思うし?」
手柄に餓えているタイプでもなければ。
それによって、彼女がかつて言った、人々の役に立つ――ということへの、直接的な充足もないだろう。
決断を迫った。そのうえで下した。
「あれから、こっちから逢いにいくつもりもなかった。
状況が変わらなければ――……だから、ツイてたかな。
あるいは、ツイてなかったのかも」
市井にいるのに。
公共交通機関に在籍する、主要路線に明るい鉄道公安局員と、一切顔を合わせていない。
偶然といえばそうかもしれないが――乗っていれば気づくだろう、そういう人間と。
一切のニアミスすら起こらなかったことは、それはそれで、不自然だろう。
「……――そいえば。
今日ココにいるの、あの公園であったときに、
キミが噛んでた事件の絡みなんだぜ。巡り巡って」
おねだりの内容を考えていた時、不意に話題が戻った。
すぐに思いつかなかったのは、けっこう本気で考えていたらしい。
もくもくと食事の合間合間、そんな会話が挟まれる。
「すごいなコレ。ジュースも搾ったヤツじゃない……?」
果肉入りだ。
■鶴博 波都 >
「は、はい……。」
せめて丁寧に廃棄しよう。
案外、異能が作用して損なわれていないかもしれないけれど、
それはそれで思い出を穢してしまう気がする。
「それは……社会が円滑に進むことも、誰かの望みが叶うことも得ですから。
はい、BLTのシェアです。こっちも美味しいですよ。」
であるならば、それでいいと思う。
間接的でも、人々の役にことであるのだから。
内心でいつもの様に考えれば、口寂しさにジュースを飲み干す。
BLTも何時の間にか食べ干してしまった。
「私が噛んでた事件の絡み……?」
■ネームレス >
「キミにとって、そんな"誰か"であるコトが、すこし不満」
ありがとう、と告げて、こちらのシュリンプサンドも交換。
その際にはそう告げた。"不満"――……満たされない。
「キミは満たされるのかな。
自分の行動で、誰かの役に立つコトで」
満たされる。満ちる。
その根源には何があろう。といえば。
かつて口にした、餓える、というワード。
「――んー、美味しい。
もう来れないのが悔やまれるな……たまにキミにテイクアウトしてもらおうかな」
空腹が、食事の悦びを喚ぶように。
「汚染物質の流出で、転移荒野の一角が大変なコトになってたろ?
あのすこーしあとに、ボクが個人的に雇った護衛と調査に行ったんだよ。
そのときちょっと鉄道委員会が敷いた結界に干渉しちゃって……
最初はいろいろ訊かれたんだケド、今回は学会員として、会議にお呼ばれ。
まあ、結界術の専門家である先達のオマケだケドな、ボクは」
その御方は今も残って個別に話を詰めていらっしゃるようだ。
――。 奇妙なのは、そっちではなくて。
調査に参加した動機が不透明。
報酬が約束された危険任務だが、金銭に餓えている身ではないが。