2024/06/26 のログ
ご案内:「委員会総合庁舎 各種窓口」に橘壱さんが現れました。
ご案内:「委員会総合庁舎 各種窓口」にクロメさんが現れました。
橘壱 >  
某月。委員会総合庁舎、昼間。
相変わらず此処は人種問わず色んな生徒やら島民が行き交っている。
やれ免許更新だの、学生申請やら生活相談。
ありとあらゆる悩みやらなにやらでごった返している。島の外で謂えば役場みたいな物だし、そんなものだろう。

「……全てオンライン化出来ないのは今の時代も変わらないな……。」

何処まで機械が、通信が進化しようと、どれだけ魔術や奇跡が横行しようが、この現代感(クラシック)は続くらしい。
今日は正式に病院から許可を取り一時外出。
連れているのは点滴と…。

「…しかし、意外と素直じゃないか。探すのには苦労したが、ちゃんと付いてきてくれるなんてな。」

隣りにいる少女に話しかける。

クロメ >  
「……」

なにやら手続きをする、と傍らの男に言われて渋々とやってきたのが、此処。
想像以上に色々なものがいて、実に吐き気をもよおしそうである。
まったくもって度し難い空間だ。
こんなところにつれてきた存在の気がしれない。

「では、断れと?」

ちゃんと付いてきてくれるなんて、と言ったか。
そうか、断る選択肢があったとは不覚だったな。
どうせ、断れば面倒なことになる、といった手合の話だろうに。
手続き、などというのは得てしてそのようなものだろう。

自然さえも自らの律の下に入れようなどという傲慢。
まったく人間とは度し難い。

「今からでもいいが?」

橘壱 >  
「……人混みが嫌いなのは僕も同じだが、我慢しろ。」

実際用事が無ければ誰がこんな所来るものか。
インドア派オタクには中々厳しい人混みだ。
はぁー、溜息混じりに苦虫を噛み潰した表情だ。
昼頃だと言うのに、まだまだ人はいっぱいだ。
企業の推薦とはいえ、ここまで面倒見なきゃいけないとはな。ため息だって出るさ。

「ダメだ、何処か行くな。断るな。後から面倒くさいだろうが。…その手があったか、みたいにするな。」

そもそも選択肢になかったらしい。意外とアホなのか?
そんな無礼を思いつつ眼鏡をくぃっと上げる。
医学が進んだとはいえ非異能者の少年だ。受けた傷は未だに深いし、治りも早いわけじゃない。
自己回復力の高い連中が羨ましい。

「とりあえず、だ。今日はお前に住居先を用意する。後は色々、細かい手続きとか……質問はあるか?クロメ。」

クロメ >  
「……」

度し難い生き物と、度し難い状況。
こんな状態で、我慢しろとはつくづく傲慢なことだ。
といって、ここで暴れるほどの分別なしでもない

「選択を縛っているのはそちらだ」

概ね、人のやることなどしれている。
いうことに従え、従わなければ狩ってやる
その手の手合をどれだけみたことか。

そのくせ……いや、いい
無論、戦いを挑んでくるなら返り討ちにするだけだが
はっきりいってそれこそ面倒くさい

「住居の必要性」

そもそも寝ることもない。仮に寝たとしても別に部屋など不要だ。
住居など用意するだけ無駄だ。
いらないだろう。

橘壱 >  
「自分が生徒になって縛ってるってな…"郷に入れば郷に従え"って言葉知らないのか?
 なんであれ、生徒になる事を選んだのはアンタだろ。僕に言うなよ。」

そこにどんな経緯があったかは知らないが、最終的に選んだのは彼女だ。
それこそ、彼女の性格、未知数な力を鑑みても断る事も出来た筈。
社会に入れば当然ルールはあり、従わ無ければいけない。
反骨精神は理解するが、そう言われる理由はない。
少年も流石に顔を顰め、首を振った。

「…断る選択肢も無くはないがな、面倒になるのはアンタだぞ?」

それこそ生徒としての伝達やら何やら、色々生徒としても不都合が生じる。
少なくともこの協調性の無さは何処から来るのか。
何もかもを拒絶する冷たい壁。ある意味の自由。無頼者。
客観的に見ると、妙に冷静になってしまう。

「此処は学校だが、それ以前に社会だ。住所がない生徒なんて聞いたことがない。それこそ問題になって面倒が起きるぞ?」

クロメ >  
「面倒になる、となればな」

無論、反抗も撃退もできる自信はある。
ただ、それこそ面倒なだけだ。
どうせ一匹潰せば二匹目三匹目と出てくるのは目に見えている。
わかっているのだ、そういう生き物だ

「ほらみろ」

面倒になる、面倒なことになる
だいたい同じようなことを言う
それでいて、従わなければ苦情を言うというのも度し難い

その度し難さに付き合う羽目になるのも度し難いのだが

「……不毛だな」

といって、ここで言い合っても不毛なのも確かである。
どうせ使わないのなら、用意だけさせてしまってもいいか
どうせ使わないのだ

橘壱 >  
「……コイツ……。」

何がほらみろ、なんだ。何を何をわかった気でいるんだ。
何も言わず自分勝手に立ち振る舞って付き合ってやってます、というわけか。
制御不能怪異としてやはり突き出すべきじゃないのか。
…と、かっとなりはしたが冷静になった。
この余裕、ふてぶてしいさ、身勝手さ。ある意味は"自分の理想"だ。
何者にも縛られる事のない圧倒的余裕。

「成る程な、付き合わされる方はこんな感じか…。」

客観的に見るほど人は冷静になる。
自分がそうであるように、ある意味では似た者同士だ。
…他人に興味を持つなんて、本当に面倒だ…。

「今すぐお前をほっぽりだしてもいいが……」

それは違う。
企業の推薦であれ、選んだのは自分だ。
なら、向き合わなければいけない
如何に面倒だとしても、そう決めたら何処までもだ。
軋む体をしゃがませ、痛みに奥歯を噛みしめながら視線をあわせた。

「僕にも意地ってのがあるらしい。クロメ、不毛とは言わせない。…で、必要性を感じないのは使い方がわからないのか…それとも使う気がないのか?」

クロメ >  
「……」

なにが成る程な、か。
文句を言ったかと思えば、勝手に理解し納得する。
全く以て意味がわからない。

人類というのはいつまで経っても理解しがたい
……本当に、理解しがたい

「意地か」

一部の人間が好んで使う言葉だ。
……この手の人種には少々珍しい気もする
ほっぽりだすかと想ったが……

「使う必要がない」

使う気がない、とそのまま返してもよかったが似たやり取りも面倒くさい
住居とは概ね、そこに留まり、寝る、といったことが主だった目的だ
それなら、どちらも必要がなければ不要だろう

人間であれば、必要なのだろうが

橘壱 >  
「…………。」

ただ黙って彼女をみつめる。
冷たい鉄仮面を除けば愛らしい少女だ。正直ストライクゾーンに入る。
だが、これは所謂怪異に分類されるらしい。要は怪物。
人に恐れられる物の怪…らしい。彼女の事を、思えば何も知らない。

「…お前、寝たり生活したり飯食べたり…なんというか、プライベート空間とかいらないのか?」

一体普段どんな生活をしているのやら。
怪異である以上、普通の人間とは違うのはわかるが…風呂とか入らないのか。
意外と野生的なんだろうか。邪推を頭に並べつつ訝しげな顔で眼鏡をあげる。くぃっ。

「使わないならわかるが…住所、まぁそこにいますって証がないと困ってな。学園連絡や物資の郵送とか、"生徒なら"使わざるを得ない要素がある。お前が使わなくても、必要性はわかってくれると思う。まぁ、なんだ。」

「その方が"面倒がない"。これならわかるな?」

クロメ >  
「……」

ほんの間、互いに無言の時間が過ぎる。
少女のような怪異は冷徹な眼で、何にも関心を示さないように。
風紀委員の男は探るような眼で、怪異を解そうと。

結局、沈黙を破ったのは男の方だった。

「不要だ」

それは全て、人のすることだろう
自分は、ただそこに在るだけで十分だ
存在の強度が違う

「……」

といっても、人は人ならざるものを理解しようとしない
人ならざるものを、自分の物差しで測ろうとする
そもそも、違うものなど測りようもないというのに

だから、ほんの少しだけ。
右手を上げる

「……」

袖に包まれた腕がブレるように、紅い靄になり……戻る
そして、小さな蝙蝠が一匹。袖から浮き出るように現れ……消える

ほんの僅かの出来事で。
瞬きもすれば眼の前の男ですら見逃したかもしれない。
そんな一瞬の変化

「……なるほど」

面倒がない
また、同じ言葉であるが――若干、違うようにも感じる

「やむなし、か」

だから、というわけでもないが。
厄介事を増やしても仕方ないのだから、諦めて受け入れることにする
別に、不要というだけで嫌だというわけでもない
嫌ったとすれば、無駄の方だ

橘壱 >  
不要と来た。まぁそうだな、人間じゃないし。
今となっては異邦人だっているわけだし、そういうのがいらないのは理解できる。

「羨ましいな、ほんの少し。」

それがないだけでどれだけ戦いに身を投じられるだろうか。
異能だらけの世界において、非異能者である少年院にはその存在の力強さは魅力的に見えた。
フレーム単位を見切るゲームの世界で生きてきた少年には、それを見逃さなかった。
紅い霧、コウモリ。一瞬であったがその不可思議さは目の前が確かに"怪異"であることを示すには十分だった。

「……確かに色々出来そうだな。そこまで偉そうになる理由もわかる気がするな。」

「ま、わかってくれたようなら行くぞ。」

とりあえず納得してくれたようだ。
ふぅ、と安堵の吐息に胸を撫で下ろせば向かう先は生活委員会の窓口。

「風紀委員会、橘壱。彼女の為の寮手配を頼む。そう、話は通ってるはずだ。」

受付の生徒に話を通せば手際良く出てくる幾つかの書類。
この時代でも紙には無駄に書く欄がいっぱいだ。

「…因みに此れは代筆は出来ないからお前が書くんだ。ここに名前…地球の字はわかるか?ペンの使い方は?」

クロメ >  
「……下らん」

羨ましい
その一言に――ぼそり、と言葉が溢れる
それは、ほんの僅か。ほんの一瞬。
そして、誰もが聞き取れないような小さな声で。

「偉そう……?」

それはお互い様、というか
そちらのほうが大概だろう、と想う
想うだけで言う気もないが

「……」

紙を軽く眺める
形式だけは整えようとする人間らしい紙切れだ
度し難い……

「……」

ほんの少しだけ、眉が歪んだ
わずかに何かを考える

「見ればわかる」

当世のペンは昔のペンとだいぶ趣が違うようだが、見れば用法くらいはわかる。
構造も至ってシンプル。文化の中になかったら知らないが、普通にわかることだろう。

ペンをじっとみる……それが、ほんの一瞬浮く
が、結局手にとって――

「……」

流麗な字で、名前を記入する。おそらく、西洋圏の表記だろうか。

「大した契約だ」

一通り書類をみたときに、想ったよりは真っ当な内容だった。
よくもまあ、正気でこんなものを渡してくることだ

橘壱 >  
…何かを言った気がしたが、聞き取れない。まぁいいか。

「大分偉そうだろ、お前。気づいてないのか?
 まぁ、見下す態度ならそんな風になるか。」

力を持つやつは須らくそれが"当たり前"だと思っている。
少年の偏見ではあるが、善意悪意無意識含めて皆そうだ。
持ちえしものには、持たざるものの気持ちはわかるまい。
心底のヘドロを拭うように鼻を鳴らし、彼女の動向を見守る。

「…………。」

一瞬ペンが浮いたが、持つことにしたようだ。
バランスが取れないのか?わからないが、此の島の共通言語や丁寧、いやなんだか綺麗な文字だ。
所謂気品を感じさせる雰囲気にへぇ、と感嘆の声を漏らす。

「しっかりしてるんだ、こういうのは。…じゃあ、これで…。」

書類に風紀委員、責任者として判子を押して終わりだ。
後は受付生徒に渡して処理を待つだけ。これがまあまあ耳管がかかる。

「所で、さっきのアレ…コウモリみたいなの。あれはなんだ?」