2024/09/11 のログ
ご案内:「委員会総合庁舎 各種窓口」にイクトミスさんが現れました。
イクトミス > どんな驚きも感動も、この時間の流れの前ではかすんでいってしまう。
さっきから何を話したのか、何のためにしているのか分からない内容の話をずっと、ずっと続けている。こんなに時間の流れに苦痛を感じたのは初めての事かもしれない。



呼ばれては前に出て色々と聞かれたりする。
かれこれ数刻程はそうしている。

人と話すのは好きだ、しかしこんなに苦痛な会話があるとは思わなかった。その話す内容というのも自分にはチンプンカンプンであり楽しめる会話とは思えない。


昨日、カズミンさんに助けられてから街に連れてきて貰った。街というにはかなり大きくて夜でも輝いていたのにはびっくりした。皆そういう反応をする、とその夜に一晩をお世話してくれた人も言っていたが…。



昼間に改めて街を見上げた時
それは夜に見た時よりも更に大きかった


不思議な馬車に乗せられて、今回ここで今後の相談をするのが良いとやってきたのは良いがすごくすごく不安なのだ。建物は高くて細長くて、そんな建築物が異様なまでに整って並んでいる。街の中には広くて長い平らな道があちこちに繋がっている。そこを引く馬もないまま人を乗せて走っている。

その近くに居ると独特の匂いがした。

大勢の人が丁寧に前を見て歩いていて、ギヤマンの壁が立ち並ぶその奥には色んな人とモノがぎっしりとこれまた丁寧に並んでいる。それがお店である、という事を知ったのは少し前の事。



まるで遠い未来に来たみたいな感覚になった。
自分は転移したのではなく、時間を未来に走って来たような感覚に襲われた。この世界のどこにも無駄な場所はなくて、地面に埋まった金属の板は下水に繋がるんだとか。

そして筒が並んだ大きな壁の様な箱にはお金を入れると選んだ飲み物が非常に薄い金属で出来たコップにフタが閉まった状態で入っていてしかもすごく冷たいのだという。


今ここにいる間も白い壁、白い時計。
白い椅子に白い机。

あちこちには非常に精細な絵があっさりと貼り付けられている。


入口の近くの四角い柱には動く絵が四方に収まっていた。そこには文字が浮かぶし人が映るし、でもそれを誰もそれほど目に留める事はない。


そういうのがこの世界の人達の当然なのだろう。
当たり前の様に紙があって、鏡なんかも備わっていて。
それが自由に使っていいのだ。


大人も子供も、普通に街中で過ごしながら歩いている。



見飽きる景色はなくて、ここに着くまでもずっと馬車の中から街の景色と人を眺めていた。



今は、渡された紙に乗った番号が呼び出されるまではこの均一に並んだ背もたれの無い椅子で待つのみ。さっきからこの繰り返しである。


呼ばれてはお話をして、しゃべると迷惑になるのでなるべく落ち着いて小さめの声で、ね?みたいに言われてしまった。不思議な静けさになんだか心がざわついてしまう。




他の人達も同じよう~~~に腰かけてしっかりと待っているのだがワタシはどうにも落ち着かない。時計の針が動くのを見ていたけども、上手くはいえないのだがこの待っている間というのがヤケに息苦しく感じるのだ。


ギルドもこういう場所だったのかもしれないけれど、ここまでこう・・・なんかこう、…なんか、違うんだよぉ!!!


待っている間余りにも暇なので


立ち上がる。そして自販機コーナー、と何故だか近くにそう書いてある板の文字が読める事を不思議に感じながら。そのジハンキとやらを見に行く。



ジハンキが4つ、横に並んでいる。
このレバーは?この横長の溝は…?いや、穴…?

すぐ近くには透明な板があり、その奥には光る横に長い…なんだ、これは…。色々ある。

一番したにはそれに似たフタのついたところがあり。
そこから他の人は飲み物を取っていた。

コップは持ち帰ってもいいらしい。
けど今は喉が渇いている。

すごく、乾いている。


しかしお金が無い。
いや、厳密にはあるんだけど、これに使えるお金がないのだ。別の世界から来たワタシの持っているお金はこの世界にとってはお金でもなんでもなくて、形も価値も違うのだから当然といえば当然だが。


急に自覚する無一文。
切ない!!!!!!



「・・・・ぐ、ぎぎぃ…」



どんなに眺めてもジハンキは何もガコンッ!と飲み物をくれたりはしない。やはりお金だ、お金が無ければジハンキにも相手にされないのだ。

NPC > 『あの、ちょっとそこ前すみません』


じっと自販機をやけに凝視し続けているイクトミスを見遣る男性は、一言声を掛けると買う気配が無さそうにしているところを呼びかければ財布を取り出すとそのまま小銭を出す事もなくそれを自販機の正面へと押し当てる。

するとピッ!と音がしてボタンを一つ押しただけでガコンッと飲み物が落ちてくる。

イクトミス > 「おぅっ、ふ!」


大袈裟に身を引いてスミマセンスミマセンと早口で言うと、前を譲る。また飲み物を買う人を眺めながら。


「・・・・、」

「・・・・・   ・・・・・!?」


違う!この人は違う…?!
この人…この人…!今!!




「ちょっと、あなたは…!今…?!」


何てことだ。
こんなところで大胆不敵に、まさかの無銭飲食を行おうとしている…!!人助けを生業としている稼業のおひざ元でなんたる悪事。その善意を踏みにじって踏みにじって煮込むが如きアクの所業!!!確かに彼らの話(トーク)は面白いとは思えない人が多い、だがしかしこんなワタシにも住む場所や生活の世話をしてくれている方々の領域の中でこんなフテブテシイ事をしでかすとはなんたる腐れ外道なのでしょう!!!


ゾゾゾとしすぎて背筋から頭に怒りが猛る!!



 「そこのあなたさん!!!
  ちょ…っと! お待ち下さってください!!」



唐突な大声で男を呼び止めたイクトミス。
ギュッとその男の飲み物を取った腕を抑えるとキッと睨みつけながらイクトミスは何かをやらかす事になるだろう。


「今、あなたは…飲み物を盗みましたね…ッッ!!!」


確かに見ました。
お金を入れずに、何か妙な術やからくりを駆使してタダで飲み物をあのジハンキから出させた所を…。