2025/04/19 のログ
ご案内:「委員会総合庁舎 各種委員会オフィス/風紀委員オフィス」に東雲アリスさんが現れました。
東雲アリス >  
風紀委員オフィスにて、机に頬杖を突いている風紀委員が一人。
ついさっき出動から帰って来たところで、今作っているのはその報告書。
特筆すべきことも特にない、落第街での捕り物だったのだが。

「――あーもー、面倒」

この少女、とにかく書類作成が大変嫌いだった。
出動からどう行動したか、どこでどんな弾を何発使ったか、とにかく一連の流れの詳細な記録を付けていかねばならない。
一応当時の無線のやり取りや作戦司令部の記録はあるのだが、自分の記憶とそれらを照合して文字に起こす作業と言うのがとても嫌いだ。
一緒に出撃した同僚たちはとっくに報告書を作り終え、既にこの場からいなくなっているのだが、自分ひとりだけまだ半分も終わっていない。

「もー、いいじゃん音声記録残ってんだからさぁ……」

何故改めて文字に起こさねばならないのか。
記録に残すにしても、いまどきAIでどうとでもなるじゃないか。
ぶー垂れながらうだうだしているせいで、報告書は全く進んでいない。

ご案内:「委員会総合庁舎 各種委員会オフィス/風紀委員オフィス」に青霧在さんが現れました。
青霧在 > つい先ほど、同僚数人と出会った。
見知った面々に挨拶を交わして帰路につこうというところでこんなことを言われた。

『青霧、お前書類周り得意じゃなかったか?今そこで東雲が書類とにらめっこしてるから助けてやれよ』

「…そうか」

この後の予定は無くはないが、急ぎでなければ重要でもない。
であれば、そう言われたからには手伝いにいくべきだろう。

促されるまま入ったオフィス。
机で頬杖をついていかにも億劫といった様子を醸し出す後輩(東雲)に歩み寄る。

「報告書は順調か?東雲」

2年生の後輩、東雲アリス。深い接点はないが、同じ所属の仲間として顔と名前ぐらいは覚えている。
隣の椅子を引き、机に肘を置きながら声をかけた。

東雲アリス >  
もう完全に報告書を進める気がなくなり、ぐでんと机に突っ伏した頃。
隣に誰かやってきた。

「――全然ダメです。
 もう今日は帰れなさそう」

そちらを見れば同じ課の先輩の姿。
突っ伏したまま腕に顔を乗せ、ほっぺをむにんと歪ませた状態で返事。
任務の報告書ぐらいで日付を跨ぐわけはないのだが、気分はもうそんな感じ。

青霧在 > 完全に諦めの姿勢の東雲の姿に、作成中であろう報告書へ視線を移す。

「…手伝おうか。ついさっき宍倉に手伝ってやれと言われたところだ」

半分も終わっていない。
宍倉は先ほど出会った同僚。恐らく同じ任務に出たのだろう。
他の面々は報告書を完成させた後も東雲だけここで報告書とにらみ合いを続け、今こうして力尽きた
とでもいったところか…

書類に強い身としては何にそこまで苦労するのかはそれほど共感出来ないが、理解が出来ない訳ではない。
大抵は苦手意識が先行しているようにも感じている。

東雲アリス >  
「マジすか。
 アザス」

がば、と勢いよく身体を起こし、キラキラした目を向ける。
いやあんまりキラキラ輝いてはいないのだが、普段のあまりやる気の無い目に比べれば十分輝いているだろう。
具体的には淡麗系醤油ラーメン油抜きの水面ぐらい。

「いやぁありがとうございます。
 ホント助かります。
 やっぱ持つべきものは優しい先輩です」

ガガガ、と椅子ごと横に退き、半分も終わっていない報告書が映し出されているノートパソコンの前を空ける。
自分の仕事はもう終わったと言わんばかりに背もたれに寄りかかり、頭の後ろで手を組んでリラックス。
小柄な身体に似合わぬ二つの山脈がばいんと揺れた。
それは「手伝ってもらう」ではなく「代わりにやってもらう」に近い態度だ。

青霧在 > 「ああ、見せて……み……
……」

言葉に詰まる。
別に何か求めはしないし、手伝う事にも文句はない。
だがこれほどまでに清々しく丸投げされると流石に言葉に詰まった。

輝いた目を向けながら、ノートパソコンの前を完全に空けて退避する東雲の様子に半ば呆れを覚える。

「…」

とはいえ特に何も言わずに、ノートパソコンの前に自分が座っていた椅子を動かし、東雲からも画面が見える位置で座り直す。
既にある内容に目を通しながら東雲に尋ねる。

「任務の様子が分かるものはあるか?音声記録とか
無ければ逐一聞くが」

一先ず、このまま出されると困りそうな一部に手直しを加えながら尋ねた。
生活委員会と刑事課にいたころの経験から、受領する側の都合も分かっている。

東雲アリス >  
「……冗談ですよ」

流石にツッコミもされず本当に代わりにやってもらう流れになると怖気付く。
罪悪感が凄いし、バレたら上の人に怒られそう。
椅子のキャスターを転がし、小さい身体で先輩をぐいぐい押すように元の位置に戻ろう。

「えー、現場入ってから私が正面のビルの屋上入って、突入隊が交戦始めて――」

そのまますらすらと当時の状況を語り出す。
画面に報告書の作成画面と一緒に表示されたタイムライン表とも完全に一致しているだろう。
無線記録の音声ファイルを再生しても同じことである。
実動隊としては普通に優秀なのだ。

「――て感じですね」

青霧在 > 「ならよかった」

丸投げされたとて、わざわざ上に報告したりはしない。
過去、これ以上に面倒な案件を丸投げされた経験も一度や二度ではない。
とはいえ久々だったが。

割り込んでくる東雲にスペースを空ける為に少しずれて、東雲の状況説明を聞く。
それと同時に、報告書を書き上げていく。
両手でキーボードを叩き、カーソルは異能で動かす。
タイムライン表にも同時に視線を通し、高速のタイピングでテンプレートを文字で埋めていく。

「分かった。もう少しで終わるから確認してもらえるか」

そうして東雲が状況説明を終えるころには、報告書は文字で埋まっていた。
わきに出しておいた付箋のメモを参照しながら一部に手直しを加え、完成に近づけていく。
最後にタイムライン表と照らし合わせるなどし、説明から一分程度で報告書が完成した。

「これで終わ、り。話してくれた通りにはなっている筈だが、合っているか?」

ノートパソコン前を東雲に明け渡した。

東雲アリス >  
「え、すご」

なんか状況説明している間に物凄い量の文字が入力されていた。
こんな速度で文字打つ人初めて見たし、結局自分は何にもしていない。
足をぶらぶらさせながらものすごい速度で報告書が出来上がっていくのをただ眺めているだけ。

「え、もう出来たんですか。
 めちゃくちゃシゴデキじゃないですか青霧先輩」

明け渡されたノートパソコンには、びっしり文字が並んでいる。
ずらずらずらと斜め読みして確認。
完璧。

「結局全部やって貰っちゃいましたね。
 えーこれ怖いな、代償になんかすごいこと要求されたりするのかな……」

割と失礼なことをぶっこく。

青霧在 > 「元は生活委員と刑事課だからな。
こういうのとは長い付き合いなんだ」

こう褒められると悪い気はしない。
とはいえ2年弱書類仕事と向き合い、その後も事あるごとにヘルプで呼び出されるなどすればこれだけの事が出来るのは当然だろう。
そもそも東雲とは3年の差がある。いずれ東雲にもできるようになる。

「そんなわけがないだろう……
強いて言うなら、これを次に活かしてくれ」

確かに結局全部やってしまった。
元より丸投げされたことそのものに思う所があっただけだ。
とはいえ、気付いたら全部やっていたというのは自分でも少し反省だろうか。
これでは東雲の為にならない。

「こういうのは慣れだ。やっているうちに面倒にも思わなくなる」

いつまでも慣れられない人にとってはかなり億劫だとは思うが、そこまでは知らない。

東雲アリス >  
「一年やっても全然慣れる気しないんですけど」

未だにさっぱりわからない。
こう言うのは向き不向きがあると思うんですよ、ええ。
再び机に突っ伏して、ジトッとした視線をパソコンに向ける。

「やさしーんすね先輩。
 がんばりまーす」

一切破棄の無い、いかにも口だけな返事。
自分なりにやり方を学ぼうとはしたのだが、タイピングが早すぎて全然頭に入ってこなかった。
向き不向きがあると思うんですよ。

「でもアレですよ、私料理も全然慣れなかったし、家事も面倒で全然やってませんよ。
 面倒な事って面倒だから面倒なんじゃないですか」

汚部屋、とまでは言わないが、少なくとも人をギリギリ呼べない程度の部屋だ。
流しにもカップ麺の器が溜まっているし。
顔の向きを変え、机の上の腕に頬を押し付けて先輩の方を向く。

「――そうだ、先輩お腹空いてません?」

青霧在 > 「…そのうち慣れるさ」

やる気も無ければ希望もなさそうな様子だが、そういう時期もある。
希望を否定しない言葉を伝える。
…それを伝えるこちらも口だけかもしれない。
構成だけでも見てくれればいいのだが。やる気があれば技量は後からでもついてくることが多い。

「家事と料理は必要に迫られるうちに覚えるものじゃないのか?
今のうちにやっておくほうが後は楽だしな」

もし、もしだ。
書類作成と同じで1年やっても慣れていないのであれば、東雲の部屋はどうなっているのだろうか。
…考えたくもない。

「飯の時間ではあるな。まだ食べてはいない」

空腹かというとそれほどだが、何か食べるには丁度いい頃あいだろう。

東雲アリス >  
「慣れるのが四年目の冬とか全然ありそう……」

慣れた頃には必要なくなってそう。
いや就職したらこう言うことやる機会はむしろ増えそうだしそれはそれで必要あるのか?
でも慣れたくないなぁ。
足をバタバタ。

「だって面倒じゃないですか。
 食べに行けば自分で作らなくてももっと美味しいものいくらでも食べられるし」

幸いそこまで壊滅的な部屋ではない。
多分。
きっと。
恐らく。
料理の場合、食べる量が多いと言うのはあるかもしれない。

「じゃあなんか食べに行きましょうよ。
 報告書手伝ってくれたお礼に奢られてあげます」

ふひ、と半目のままにんまりと笑う。

青霧在 > 自分が今5年目な事を考えれば、4年目の冬でも全く遅くはないだろう。

「それはそうだが……片付いていないと暮らしにくくないか?」

部屋が汚いと暮らしにくくないだろうか。
少なくとも自分は気になるし、気にしてしまう。

「……いいだろう。何を食いたい気分だ?」

中々に我儘なやつだ。
僅かにあっけにとられつつ、額に手のひらを当てる。
だが、後輩に奢るのは別にいやでもない。
そして仮に、奢るから食事にと誘われるのもそれはそれで困る。
折角なら好きなものを食わせてやろう。

東雲アリス >  
「服とか物とか散らかってるだけで、汚いって程ではないですし。
 探さないとものが出てこないほど散らかってもないですから、そこまででもないですよ」

流石にゴミが散乱しているとか服が山積みになっているとかではない。
精々服が脱ぎ散らかされてるぐらいのものだ。
基本的にものは定位置にあるので、問題なのは人を呼びづらいと言うぐらい。
背もたれに上半身を預け、椅子の上で胡坐。

「え、いいんですか。
 私めっちゃ食べますよ。
 育ち盛りの運動部の男の子より食べますよ」

がば、と前のめりになる。
別に食べるものに困っているわけではないが、人のお金で食べるご飯となれば話は別だ。
遠慮なんかしない。
人のお金だし。

青霧在 > 服が散らかってるのも自分からしてみれば不便だが、その辺は個人の感覚なのだろう。
自分は潔癖ではないと思っていたが、存外そうなのかもしれない。
…いやそんなことは無いか。

「あまり高級なものだと困るが、好きに決めてくれ」

今度は冗談ではないらしい。
別に構わないが。
最悪寿司、焼肉ぐらいならセーフだ。
額に当てた手を退け、東雲を見つめた。

東雲アリス >  
「マジすか。
 やったね、任務の後だからお腹空いてたんですよ。
 何にしようかなー」

椅子の上でくるりと体勢を変え、背もたれを抱える様にしてスマホを弄る。
ここから寮までの間にあるなんかよさげなご飯屋さんを検索。

「先輩はなんか食べたいものとかないんですか。
 私は肉食べたいです肉。
 主に焼いた肉」

言いながら検索欄に打ち込むのは焼肉の二文字。
大きくはないオモイカネ8の画面にずらっと並ぶ焼肉屋の名前。

青霧在 > 「俺は……そうだな」

正直に言うと特に何が食べたいという訳でもない。
だが、肉と言われると思い出す先日の異世界の動物の肉。
…美味かったな。

「なら俺も肉が食いたい。
折角なら珍しい肉を食ってみたいな」

異世界の肉でなくてもいい。
どうせなら知らない肉を食べてみるのもいいだろう。

東雲アリス >  
「先輩結構冒険者ですね。
 私は食べ慣れてるものが一番いいなーって思っちゃいますよ」

スマホぽちぽちしながら店を探す。
冒険して美味しくなかったらと考えてついいつも同じものに手を伸ばしてしまう。

「あっ、異世界焼肉の店ありますよ。
 しかも食べ放題」

異邦人街まで行かないといけないが、そこまで遠いわけではない。
基本料金は普通の焼肉よりは高いみたいだが、それでも食べ放題なら財布へのダメージも少ないだろう。

「よし先輩いきますよ。
 やっきにく、やっきにく」

自身の能力を使って椅子から一メートルほど射出。
すたっと綺麗に着地して、ハンガーにかけてあったコートを着る。
そのまま足踏みしながら先輩を急かす。

青霧在 > 「この前知人と食った肉が予想以上に美味かったからな。
あんな経験をすると冒険も悪くないと思えるぞ」

食へのこだわりも強くない身としては冒険も悪くない。
むしろ肉絡みであれば、今は冒険したい気分だ。

東雲が選んだ店は異世界の焼肉。それはいい。
冒険するには丁度いい。
期待が募る。

「いくか」

立ち上がり東雲の方に向かいながら、異能で椅子を元の位置に戻す。
視線は東雲の方に向いたままだが、左目の瞳だけは僅かに動いている。

後輩と焼き肉というのもたまには悪くない。
折角だ、精いっぱい楽しむとしよう。
異世界の肉も、楽しみだ。

東雲アリス >  
「やったー人の金で焼肉だー」

先輩が先に行くのを待って、後からついていく。
両手を頭上に掲げて変な踊りみたいな動きをしながら。
ばるんばるん揺れる。

「異世界肉ってどんな肉です?
 ミノタウルス肉とかオーク肉とかなんですかね。
 でも元が人の形してたらちょっと食べるの躊躇いません?」

などとちょっと食欲がなくなりそうなことを言いながら、異邦人街へ向かう。
無事店に着けば、とにかく片っ端から食べる食べる。
どこにそれだけ入っていくのだと言わんばかりに、ひたすら肉を吸い込んでいっただろう――

ご案内:「委員会総合庁舎 各種委員会オフィス/風紀委員オフィス」から東雲アリスさんが去りました。
ご案内:「委員会総合庁舎 各種委員会オフィス/風紀委員オフィス」から青霧在さんが去りました。