学生街のメインストリート。
学生・教員居住区から続いており、常世学園校舎までまっすぐ続いている大きな道。
学生達の通学路であり、学園行きの路面電車なども走っている。
道に併設されるようにして様々なカフェや飲食店など、商店が並んでいる。
居住するためのマンションや家もあるが、学園も近いこともあり家賃は高く、高級住宅街である。
参加者(0):ROM(1)
Time:10:32:26 更新
ご案内:「学生通り」から桜塚 愛輝さんが去りました。
■二人組 >
『美術館の職員なんだって。どうする?今度いく?…どしたの?』
そうして新任の非常勤講師が去っていったあと、
その後ろ姿に手を振っていた女生徒は連れ合いに声をかけた。
眼鏡をかけた女が紛れていった人混みのほうをじっと見つめていたものだから、
不思議そうに首を傾いで。
「いや、うん……」
連れ合いの生徒は腰の部分に手をすべらせた。
この学園では確かな免状を受ければ帯剣が許される。
もちろんこんなところで抜刀しては大問題ではあるものの。
なんだか少し気になって、その柄に、爪に化粧けのない指がかかった。
「あの先生、どっかで見た覚えがあるんだよね……」
『そぉ?東北訛りじゃなかったけど。
そんなことよりさぁ、行こ行こ。新作奢ってくれるんでしょー?』
その言葉に、後ろ髪引かれるのも僅かだったらしい。
どこにでもある日常の親切で、この一幕はおしまい。
■桜塚 愛輝 >
「ごめんっ! ちょっといい?
職員寮の――……っていうところ、どこかわかるかな?」
そこゆく女生徒を呼び止めて問いかけてみた。
交通機関で移動すればいいものの、歩いてみたいなんて我儘で行動した結果がこれだ。
恥ずかしい気持ちがいっぱいだが、背に腹は代えられない。
『あっち。遠くに高い――ほらあれ。あの建物が見えるでしょ~。
そこまっすぐいけばだいじょぶ』
二人連れの女生徒のお洒落な感じのほうが、慣れた感じで案内する。
「ありがとう~!まだ地図アプリとかも入ってなくって……
ていうか専用の端末もらわないといけないんだった」
『いいのいいの。新しいセンセー?担当なに?うちもしかしたら取るかも』
「スポ……えっと――とりあえず保体かなあ。
非常勤だけどね!もし会ったらよろしくねえ。わたし、ふだんは――」
大型犬のように表情豊かに受け答え。
少し言葉が弾んでいるなかで、二人連れのうちのひとりに顔を不審げに見つめられていることには、
気づいていないかのように。
■桜塚 愛輝 >
「とりあえず寮に荷物を置いてー。
えっと、お役所……生活委員会だっけ。
いろいろと手続きしないと。
今日中にできることは、今日のうちに!」
歩幅は広めだ。しゃきしゃきと歩く。
ぐっと拳を固めてひとりで語る不審人物も、
青春真っ只中の学生たちの背景として流れていく。
「……お店とか、みんな若いコだ。
たしかー、事務とかもほとんど学生のコがやってるんだっけ。
スゴいなぁ。わたしが学生の時なんて……」
懐古に表情をふにゃっとさせていると、ふと景色が変わっていた。
「あれっ、ここどこだろ……。
まいったな、目印の建物――、
青い壁の建物……なんてたくさんあるしーっ!
んーっ、ん……あ!」
■桜塚 愛輝 >
「わぁ―――!」
人でごったがえす学生通りは常世学園の日常だ。
そんな光景を見て感嘆の声をあげてしまうのは、すなわち来島間もないということ。
おのぼりさんよろしくきょろきょろと周囲を見渡しているのは、
長らくの旅程を経て本土から越してきた者だ。
「ずーっと若いコばっかり……!ほんとに学園島なんだなぁ……」
大学近くなどで、街がこうなるのは見覚えがあっても、
ここだけではなく、広大な島すべてが学園に含まれるという巨大な研究施設。
噂の常世島に来たのだという実感が、秒針ごとに湧き上がる。
「しょーじきヤだったけど……楽しみになってきたかも。
任期の間は、うん、がんばろ!」
やがて、人並みに紛れて歩む。
がらごろとキャリーケースを引きずりながら。
ご案内:「学生通り」に桜塚 愛輝さんが現れました。
ご案内:「学生通り」からサロゥさんが去りました。
■サロゥ > 回り続けること数分、女は突然回転をやめ、ある方向を向いたまま硬直した。
数秒ののち、その方向へ歩き出す。向かった先は雑貨店だった。
通行人にぶつかっても構わず、一直線に進み、店の中へ入っていく。
店員の挨拶には口を開くだけで反応。
独特な意思疎通に困惑する店員を無視して、ためらいもなくカウンター内へと踏み込む。
慌てた店員の制止を無視して店の奥へと進み、足を止めたのは通信機器――ルーターの前だった。
「風紀呼びますよ! 呼びますからね! 本当に呼びますよ!?」
店員の声も意に介さず、女はルーターに触れたまま動かなくなる。
数分後、通報を受けた風紀委員が到着。
現場を確認した委員が女に声をかけると、女は首だけをゆっくりと振り向き、口を開いた。
その後、短い問答が数度交わされたのち、女はルーターから手を離し、風紀委員に連行されていった。
翌日、女の供述をもとに調査が行われ、雑貨店のルーターにマルウェアが侵入していたことが確認された。
被害は軽微だったが、店員の一人が解雇されたという。
■サロゥ > 昼食時の賑わいの中、委員会街方面より不審な女が現れた。
女は生活委員会から貸し出されたセーラー服を着ており、見た目だけなら人間と変わらない。
だが注視すれば、すぐに異様さに気づくだろう。
足腰の関節は一見正しく折れ曲がっているものの、可動域が少し広い。特に爪先や足首が顕著で、外側に不自然に開いている。
瞬きと呼吸は規則的すぎ、体液の分泌もなく、目は乾いている。それでいて体臭すらない。
表情もまた変わらない。真顔のまま微動だにせず、わずかな筋肉の揺らぎすら見られない。人間であれば有り得ない静止だ。
そんな違和感をまとった女を、通行人は自然と避けていく。
「不気味だ」「近寄らないでおこう」そんな囁きも、女には届いていない。
女はただ歩いているように見えたが、突如立ち止まり、学園地区の高層建築を見上げた。
立ち止まったその周囲には、台風の目のように空白が生まれる。
女はそこで、回転するように体の向きを変え始めた。
通行人、飲食店、別の通行人、また別の通行人、そして真後ろのコンビニ――視線が絶えず移ろう。
時折、遠くを見やったかと思えば、隣を通る通話中の学生を凝視する。
声もなく、危険な行動という訳でもない。ただ無表情のまま、不可解な動作を続けている。
いずれ風紀委員が呼ばれるだろうが、それまで彼女がただ回り続けるとは限らない。
ご案内:「学生通り」にサロゥさんが現れました。
ご案内:「学生通り」から松村 大地さんが去りました。
■松村 大地 >
気温が落ちた。
浴びるように霧も浴びた。
そろそろ日陰を出て家まで歩くか……
帰り道に信じられないものを見た。
日本語ペラペラのコーカソイドである。
……二周くらいぐるぐる回って新しい。
■松村 大地 >
この前、高座で打った落語である青菜はSNSでは著しく不評であった。
不潔だとか、現代の衛生観念から考えると受け入れられないとか。
そういう感じだ。
勘弁してほしい。
汚いからウケないのでは七度狐すらできない。
そして汚くない落語は大体において死神が人気だが。
師匠の十八番だ。
オリジナル落語考えるか……
■松村 大地 >
スマホを見る。
西園寺宇宙飛行士が帰ってきたらしい。
大歓迎、大騒ぎ。
なるほど、宇宙からの帰還は目出度いものらしい。
となると一度で終わらせるのは勿体ない。
毎年、いや定期的に西園寺宇宙飛行士には帰ってきてもらおう。
そして地球にいる西園寺宇宙飛行士は次々と宇宙から帰って来る自分に恐怖するのだ。
これ、怪談噺にならないかな!?
■松村 大地 >
ため息をついた。
少し目眩がする。
熱中症の初期症状かも知れない。
だいたいの宗教で敵を愛せとか敵のために祈れとかいう教義がある。
だが別に脳内で嫌いな奴を殺す自由まで縛るのであれば
俺は永遠に無神論者を貫きたい。
もちろん、脳内で殺した奴は脳内で生き返している。
相手には感謝してもらいたい。(脳内で)
イルカやクジラが時々、砂浜に打ち上げられると大騒ぎになる。
だがその辺のフグが砂浜で膨らんでいても誰も気にもとめないだろう。
やはりサイズ感が存在感に直結しているのだろうか。
雑魚め。
俺も身長的に他の奴に雑魚呼ばわりされているのだろうか。
平均だぞ。平均。何が悪い。平均で。