2024/06/07 のログ
ご案内:「学生通り」に緋月さんが現れました。
緋月 > 午後を少し回ったという時間帯の学生通り。
小さくブーツの足音を鳴らしながら、なるべく目立たないように歩く人影ひとつ。

「……ここは、商店街…とは少し違うみたい、ですかね。」

カフェや飲食店などが多めのストリートを歩きながらぽつりと独り言。
暗い赤のマントに書生服、右手に長物が入っているらしい刀袋を手にした少女が道を行く。

「……少しお腹空きましたね…。
持ってるお金が使えるといいけど…。」

小さく自己主張する腹の虫に小さくため息。

緋月 > ちらりと所々の飲食店に目をやっては、不自然にならないように目をそらす。
何分この時代錯誤な服装の少女、路銀は兎も角この街での身分証明が出来る物を持っていない。
食事の為に店に入って、身分証の提示を求められたらおしまいだ。

「お金だけで食事や宿泊が出来るのが、こんなに有難い事だったとは…。」

ついしょぼしょぼとなりがちな顔を何とか引き締めつつ、しかしため息は止まらない。
とりあえず、腹の虫には暫く我慢してもらう他はないだろう。
あと、あんまり目立ちすぎるのもよくない。
この服装で何を、と自分で自分を笑いつつも、なるべく目立つ真似は避けつつ、出来れば気配も消し気味に足を進める。

ああ、食事が恋しい。

ご案内:「学生通り」に斬鬼丸さんが現れました。
斬鬼丸 > 少年は量販店の紙袋を手に下げ、学生通りを歩く。
学生通りというだけあってやはり道行く人は学生が多い。
自分もまたその一人である。

制服だったり、ジャージだったり…そういった身なりのものが多い中
変わった服を着ているものもしばしば見受けられる。

「…赤マント」

そろそろ暑くなる時期なのになんてかっこうだ。
道行く人の中に交じる変わったかっこうの少女の姿にボソリとつぶやく。
気配を隠しても赤は目立つだろう赤は。

緋月 > せめて夕刻や日が沈んでからならば、まだ目立ちにくいものだっただろう。
だが生憎今は昼間も昼間。
暗い色調とは言え、赤い外套は少々……人によってはかなり目立つ。
無論、腹の虫の主張を抱える少女はそんな事など考えも及ばない。
気配を消してれば大丈夫だろうという考えは甘いものである。

「……。」

つい足が止まってしまった。
視線の先に在るのは和食の店。
店先のメニューの写真に目を奪われる。

(かつ丼…いやいや、贅沢な。
ざるそば…うどん…お腹減った…せめて一番安いのでいいから……
いやいや駄目だ冷静になれ!)

空腹を何とか抑え込むも、つい口の端からよだれがじゅるり。
すぐに気が付き、急いで口元を拭う。

しっかり観察してる者から見れば、不審者気味だ。

斬鬼丸 > わりと注目を集める衣装の少女が立ち止まった。
その視線の先には…和食?
なにをやってるんだろう。
昼食に悩んでいるのだろうか?

あ、なんかじゅるりとしてる。
やはり腹が減っているのか?和食の店にはいるのだろうか??
その気配は…ない。

「あのぉ…どーなされたんですか?」

あまりに不審。
不審だが、こう…なんかのっぴきならない事情があるのかもしれない。
少しばかり声をかけてみる。
外国人っぽくはないし言葉が通じればいいが…色んな意味で。

緋月 > 「――ふぉっ!?」

突然予想しなかった方角から声を掛けられ、変な声を出してしまう書生服姿の少女。
すわ不意打ちかと空いていた手が反射的に刀袋に伸びかけたのを、必死で堪える。がんばった。
恐る恐る声の方を振り返ってみると、自分より幾らか背の高い少年。手には紙袋。

(…年の頃は、私と同じか、大きく見積もって1つ上位か。
恐らく、此処の学生さん、だよなぁ。)

と判断しつつ、ちょっと言葉に詰まりながらお返事。

「あ~…いえ…その、ご飯にしようかなと、思ったんですが……
――財布、そう、お財布をうっかり忘れてしまいまして!」

ごめんなさい、嘘つきました。
お財布はあります。ないのはこの街での身分を証明する代物です。

斬鬼丸 > 「うぉっ」

変な声が相手から飛び出すとこっちもびっくり。
ビクッとするもこっちはなにも武器は持ってないので、紙袋がガサッという程度で済んだ。
たしかに不審行動している最中に声をかけられたらびっくりするのもやむなしか。

「財布忘れたんですか?
取りに帰るのとかめんどいっすからね。
女子寮住まい…っすかね」

同年代くらいの少女は財布を忘れたという。
移動系異能がなければたしかにめんどくさい…が…
忘れたと気づいているなら、なにができるわけでもない。
さっさと帰ったりしないものか?
やっぱり女子と男子ではそういった意識の違いがあるのだろうか?

緋月 > 「ええ、そうです、ついうっかりと…!
気が付いたのが、ほんのついさっきでして、あははは…。」

気まずそうな雰囲気を演出しながら、紙袋を持っている少年には笑ってごまかす体を見せる。
そして、少年の言葉から情報を得るのも忘れてはいない。

(寮…えっと、確か遠方の学校に通う人が入居する寄宿舎、だった筈。
…学園、ですからね。あって当然か。)

其処に入れれば、少なくとも寝泊まりに苦労はしなくなる。
少女の心中では、外部から此処に来た者に対応する部署に頼るという選択肢がかなり割合を増していた。

「あー、えっと、その…私、つい最近こちらに来たばかりでして。
寮には入っていないんです。
もしかしたら、その内入るのかも、ですけど。」

嘘は言っていない、嘘は。
意図的に伏せた所はあるが。
兎も角、そんな事を口にして少年からは不審がられないように気を払う少女だった。

斬鬼丸 > 「あー、そーなんすね。
店入る前でよかったっすね…飯屋だとどーにもなりませんし」

コンビニとかなら買えないことも仕方ないですむが
食べたあとに財布がないとかだと大いに困る。
一人で、しかも最近こちらに来たばかりだというくらいだから
友人もいないだろうし。
自分も転入したばかりのときはボッチだったのでよくわかる。

「最近島に?
ってことは…」

赤マント、変わった服、刀袋、寮に入っていない。

「他の世界から来られたんで?」

そういうひと、結構多い。

緋月 > ぎくっ。
少年の最後の声に対して書生服姿の少女が見せた反応を一言で表せば、これに尽きる。
さっきまで外套を着込んでても汗一つ見せなかった顔からだらだらと汗が出て来る。
口元は某ウサギさんのバッテン口を思わせるような状態だ。

端的に言って、図星である。

「…………その、えっと……はい、実はその通りでして。」

ぼそぼそ、と囁くような返事。

「えっと…少し前に会った、ここの学園の生徒の人から、困ったら…ええっと、生活委員会?に頼るように、と言われまして…。」

実はまだそちらに頼ってないという事がバレたら大変だ。
確実性の高い未来が確実な物になるだけである。

「と、まあ…そう言う事、でして、はい…あははは…。」

これまた何とか笑ってごまかそうとする。
何か誤魔化しに走ってばかりだ。名も知らぬ学生の方、ごめんなさい。

斬鬼丸 > なんか反応的に知られたくなかったやつだこれ。
ちょっと気まずい。

「あ、なんかすんません…」

流石に申し訳なくなってなにが悪いというわけではないけどあやまる。
しかし、この辺わりと異世界人が多いということも彼女はしらないのでは?
だからこそこんなめちゃくちゃ気まずそうだったり?

「まー、えーっと…そっすね。
外からきた人って結構いっぱいいるんで…
異邦人街とかありますし?つか、そのかんじだとアレっすよね…
こっちの金とかないんじゃないっすか?」

彼女は汗ダラダラだが、こちらは風紀委員でもない陰キャの学生だ。
事実を知ったとしても、大して騒いだりはしないが、それがわかるほど彼女はこちらには詳しくないのだろう。

緋月 > 「あ、いやいや、いいんです!
事情はどうあれ、手続きに則った形でここに来てない私の方に問題があるのは事実なので…。」

さすがに謝られてしまっては気まずい。
問題があるのは自分の方なので、気にしないよう身振り手振りで必死に返事を返す。
ともあれ、通報されたりはしないようなので助かった。
いい人そうだ。

「…私みたいな方、やっぱり多いんですか。異邦人街…そんなのもあるなんて。
あ、お金はあるにはありますけど…うん、こっちで使えるかはちょっと分からないな…。
えっと、どう言えば良いんだろう…硬貨の形とか、種類は――」

身振りを交えて、何とか必死に持っている貨幣の形状を説明する。
財布を忘れたという体なので、実物を出す訳にはいかなかった。

とりあえず説明して伝われば、だが、持ってる貨幣の類はこの街で流通しているものとよく似てはいる。
特に硬貨の類はほぼ同じ形状だ。
ただ、紙幣の方は細かい所が違っているのが分かるかも知れない。
下手に使っていたら、偽札扱いされる危険性が大きかっただろう。

斬鬼丸 > 「なんかいつの間にかきてたとか言う人もいるみたいっすから、そのへんはしゃーないっすよ。
っていうか、あなたも大変すよね?
何か知らんところに放り出されたり?
買い物できないんじゃ寝るとこもないんじゃないっすか?」

身振り手振りをする少女。
先程の腹減ったムーブといい困ることが多いのだろう。
身内に元二級学生がいるためにそういった部分の不足の大変さはわかるつもりだ。

「こっちの金はこんな感じっす」

紙袋を腕に引っ掛けて、財布をポッケから出し硬貨と紙幣を見せるように。

「自販機とか最近性能いいっすから、ちょっと違う硬貨でも偽判定出すんで…
気をつけたほうがいいっすよ」

緋月 > ぎくっ。
また痛い所を突かれてしまった。

「…最悪、公園とか、神社とかがあればそこで一晩位は大丈夫なので。
元々居た所でも、路銀に困ったらそんな風に過ごしてましたし。」

供述した事実は何とも時代錯誤というか、ホームレスか何かを思わせるようなものだった。
これで元居た時代が江戸時代辺りなら武者修行の侍にでも見えてしまった事だろう。

「でも、此処だとそれでも不審者扱いですよねぇ…やっぱり素直に助けを求めた方がいいかなぁ。」

世知辛さを感じさせる大きなため息。
目の前の少年が色々と理解してくれて助かる所もある。

「ふむふむ…うーん、殆ど同じだけど、やっぱり細かいところが違うなぁ。
紙幣も…大まかな形と描かれてる人は似てるけど、やっぱりちょっと違う。」

見せて貰えば違いが良く分かる。
これは見る者が見れば偽物扱い待ったなしだ。とても助かる情報である。

「…お金があっても使わない方がいいなぁ、これじゃ。
あ、お金見せてくれてどうもです。知らなかったら大変な事になりそうでした。」

実物を見せてくれた少年に折り目正しく一礼を返す。
手持ちの所持金を下手に使わない方が良いと分かったのは、とても大きい。

斬鬼丸 > 「やっぱそっすか…。
つか、女子的に風呂は入れないのとか…大丈夫っすか?
洗濯も」

このへんとてもいいにくいところである。
流石に臭くなったりしない?とかは聞けない。それだけのデリカシーは陰キャも持っていた。

「不審者っつーか…そっすね、流石に風紀とかにみつかったら
話聞かれるとこはあるんじゃなっすかね」

まぁ、事情は風紀も考慮してくれるだろうし、すぐに処罰とはなるまい。
抵抗さえしなければ。
最初に刀に手をかけようとしたことを考えれば、少し危ういところはあるか。
穏便にいけばそのまま居住の手続きまで楽に進めるかもしれないが。
しかし気になることが…。

「…ってか、家ないなら財布どこに忘れたんっすか?」

緋月 > 年頃の女子に訊き難そうな質問をしてくる少年にも、少女は嫌な顔のひとつもしない。

「日雇いの仕事が見つかれば、そこで銭湯やコインランドリーを使えるだけのお金は手に入りますから。
どうしようもない時はできるだけ綺麗な川で水浴びや洗濯ですね。」

後半はこれまたワイルドな返答。
ともあれ、洗濯や入浴はそれなりに工夫は出来ていたらしかった。

「ううっ…警察機関以外にも気を付けないといけない相手がいるとは…。
治安の維持は大事とは言え、世知辛いです…。」

気を付けないといけない相手がまた増えてしまった。
とは言うものの、目の前の少年がその風紀とやらではないのは良く分かる。
もしそうなら、多分もっと然るべき場所に連れていかれていただろう。
安心安心――と思ったのも束の間。

「う゛っ…!」

またしてもぎくり。
痛い所を的確に突かれてしまった。

「…………学生じゃないのがバレると困るので…実はお財布、持ってるんです。
身分証がないのを追求されるのは避けたかったものでして…。」

しょぼしょぼとした顔をしながら懐を探ると、使い込まれた財布が出て来る。
軽く漁れば、硬貨と紙幣がいくらか。
今しがた実物を見せてくれた少年ならば、よく似ていても明らかに違う箇所があると分かる筈だ。
それでいて、偽造紙幣とは思えない精巧さなのが困ったところである。