2024/06/08 のログ
斬鬼丸 > 「そ、そっすか…そんなら…はい」

深くは言えない!
世話焼き系の女子がいればよかったのだが…
自分は陰キャだしそもそも男子だ!
むしろ大丈夫か聞いただけでも十分頑張ったはずだ。

「落第街とかスラムとかにいたら、言い訳あんま効かないかもしんないんで…
あのへんは二級学生とか結構いるんで、そんで学生証持ってないとかなると一緒にされるかもしんないっす。
刀とかも持ってるし」

話の分かる風紀委員の人であればいい感じに執り成してくれるかもしれないが
そうじゃない場合は、戦闘になってしまうかも。
いかに異能研究の学園都市とはいえ、許可のない帯刀は怪しまれるには十分だ。
それに、嘘も得意ではない様子だ。財布もでてきたし。

「あ、はぁ、持ってたんっすか。
あ、いえいえ、悪いってわけじゃなくて!
警戒するものしょうがないっていうか!えーっと、そっすね…
やっぱ、いったん学園か異邦人街の先輩方に頼ったほうがいいかも知んないっすね。
俺、どっちでもないんすけど…つか、腹減ってんっすよね?」

しょぼしょぼした少女を慰めつつあわあわ。
そういば、金もないのに和食屋の前に立ち止まるとは…ずいぶん腹が減ってるということでは?

緋月 > 「落第街…は初めて聞きました。
スラム、は…確か、あまり治安のよくない場所…ですよね…。」

光ある所、影があるのは道理。
この地域にも、そのような治安維持の行き届かない…あるいは必要に迫られて存在する、そんな場所がある。
気持ちは複雑だが、それでも何も知らずに迷い込むよりは存在を知れた方がずっと助かった。

「うん…知らずに迷い込む事がなくて、良かった。
教えてくれてありがとうございます。」

ぺこりと一礼。
帯刀について指摘されれば、手にしている刀袋を軽く見てから苦笑。

「…やっぱりバレますか?
竹刀や木刀だ、って言えば、割と見逃して貰えてたんですが…此処だとそれも通じないか。」

頬をぽりぽりと描く。
これはなるべく早い内に学園の方に出て、事情を話して保護を求めた方が良いだろう。
紙袋の少年との会話で、知識と一緒に危機感も得られてきた。

「そうですね、早い内に学園の方に事情を話しに行きます。
最初に会った人にも、出来ればそうした方がいいとは言われたので。

――あ、お腹は空いてますけど、ちょっとだけですよ!?
ここ暫く、半額のパンとかばっかりで、和食を目にしてつい…。」

後半はあわあわと慌てつつの言葉。
どうやら和食の類が好みらしい。服装からして、らしいといえばらしいのだが。
空腹で立ち止まったというよりは、好物を目にして欲望が口から漏れてしまっていたという方が正しいだろう。

斬鬼丸 > 「落第街ってのは…そのー
スラムの入口みたいなっていうか…
繁華街とスラムが混ざったようなとこみたいなもんっす」

治安は悪いけどスラムほどではない場所。
自分もよくしらない場所だけど。
なぜならこちらは割と一般学生である。

刀に関しては…元の世界でも結構違法サイドっぽい。
この子、大丈夫だろうか?
しかし、こちらがわかった理由もじつはあるのだ。

「え、ええ、まぁ…。俺も異能のあれで、持ち歩いてたことあったんで」

今は異能に慣れたので持ち歩くことはなくなったが、こちらにきたばかりのときは自身も帯刀してたのである。
同じごまかし文句を使ったこともある。
今持っているのは紙袋(中身は衣類)だが。

そのように環境が変わって大変だろう望まぬ環境に飛ばされてきた少女が腹が減ってるといっている。
こちらも裕福ではないのだが…放っておくのもあれだろう。

「あ、そーなんすか…えーっと…じゃあ、なんか、くいます?」

緋月 > 「うーん…つまり、あまり治安がよろしくなくて、揉め事の起こりそうな場所、と。」

過去の経験からそう判断する書生服姿の少女。
元居た世界で、うっかりそんな場所に迷い込んでちょっとした立ち回りを演じて逃走した事が思い出される。

「ああ、そういう。なるほど、納得です。
――私のは、手放せないもので。「これ」は…言ってみれば、私の「半身」ですから。」

軽く掻き抱くように、刀袋を抱える。
変な奴だと思われても仕方がないだろうが、刀袋の中身と己の関係を言い表す言葉はこれしか思い浮かばない。

と、そんな事を言っていたら、目の前の少年から思わぬお誘いが。

「いいんですか!?」

思わず大声。口からまたよだれがちょっぴり垂れてる。

「――あ、す、すみません。
いや、ホントまだ充分我慢できる範囲なんですけど……それじゃ、お言葉に甘えてしまっていいです、かね…?」

おずおずと、少年にそう訊ねる。
我慢して辞退するという考えが浮かばない程度には、和食への誘惑が強かった。情けない。

斬鬼丸 > 「そんなかんじっすね。
不良生徒とかもいるんで…ここの学生異能もってる人多いんで
わりとやべーっす。
あ、異能…わかるっすか?えーと、それぞれ持ってる変な力で…
例えばなんでも斬れるとか…」

下手したら喧嘩とかで死人が出るレベルでやばい。
怪我人とかの話を聞かないことがないくらいにでてくる。
かく言う自分も危険な異能持ちなので、喧嘩とかは避けたいのだ。人を傷つけるとか…なんかやだし。
刀袋を抱く少女は荒事慣れはしているのかもしれないが、そうでもない自分が刀を持ってたこともある。
一概には言えない。

「うぉ…あ、はい、大丈夫っすよ。
一応、買い物帰りなんで…まだ財布に余裕はあるし、カツ丼くらいなら」

突然でかい声がでてきたのでびっくりした。
あんまり高いのは買えないが、チェーン店の飯なら2人分くらいは余裕だろう。

緋月 > 「異能――――」

その言葉と少年の説明に、一時少女の顔が真顔になる。
赤い瞳が、何かを思い出すように見開かれる。
それぞれが持つ、奇妙な力。それは、紛れもなく――――

「…はい、分かります。
そういう呼ばれ方はしていなかったけれど、個人が持つ妙な力というのは…うん、分かります。」

どこか、遠い所を見るような返事。ともすれば、心当たりがありそうな。
だが、そんな神妙な雰囲気も食事の話となると綺麗に消し飛んでしまう。

「かつ丼…ひさしぶりの、かつ丼……っ!」

赤い瞳が希望に輝いている。食への要求は、人を此処まで情けなくさせるものか。

「そ、それじゃ、その、お呼ばれになります…!」

少々古臭い言い回しの、食事の誘いを受ける返事。
そこまで口にして、はっとした表情。

「――あ、失礼しました、名前も名乗らないで。
えと――私は、緋月【ひづき】と申します。」

名乗りつつ一礼。今回は、淀みもなく名乗る事が出来た。

斬鬼丸 > 「あ、そっすか。
ならよかった。そういうのわかんないってなると余計危ないんで」

彼女の表情の変化には気づかなかった。
今あったばかりの人物。
それに鉄火場にみをおいたことのない普通の学生なのだから。

それよりも、カツ丼にめちゃくちゃ喜んでるのに驚く。
めちゃくちゃ苦労してたんだなーと、なんとなく。

「あ、いえいえ。
俺は斬鬼丸…ざんきまるっていいます。
名前負けしてるって、自分では思ってるんっすけどね…そんじゃ、いきましょうか」

ずいぶん店の前で話し込んでしまったような気がする。
店に入ればおそらく…今持っている資金で十分に彼女の舌と腹を満足させるには足るだろう。
たぶん、きっと、メイビー。

緋月 > 「斬鬼丸君ですね、何だか色々お世話になってしまって、ありがとうございます。
名前負けなんて、そんな事ないですよ。良いお名前だと思います、はい。」

食事という事もあってか、少々テンションが高めだが、名前を褒める言葉は思ったよりも真剣だった。
少女の名前もだが、現代とはまた異なるセンスである。
そういった地域の出身なのだろうか。

「では失礼しまして…お呼ばれになります。」

改めてそう返事を返すと、少年の後ろに続いて入店していく。

食べる様を見れば、お腹が減っている、という割には、随分と綺麗な食事の仕方だという印象を受けるかも知れない。
久方ぶりのカツ丼は充分に書生服姿の少女の少女の空腹と要求を満たした事だろう。

最後に一言二言言葉を交わしたら、店の前で別れる流れになるだろうか。
別れ際、学園の方向と生活委員会について教えて貰える事を教えて貰ってから、となるが。

ご案内:「学生通り」から緋月さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から斬鬼丸さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に都姫うずめさんが現れました。
都姫うずめ > 人通りが絶えない学生通りの商店街。
ずらりと軒を連ねるお店の一軒一軒をうずめは訪問し、話を聞いていた。

「はい、ありがとうございます。 そうですか…。
 『仁義なき料理研究部』がレシピを教えろと言ってきたのですね。
 大事なレシピを、しかも強請ろうだなんて…。 とっても不安ですよね。
 警備の方に話を回しますから、脅迫者の風貌などを覚えていたら教えてください。」
今いるラーメン屋は、とある部にレシピを渡すように脅されたのだという。
端末に情報と会話ログを流し込みながらしっかりと話を聞く、その顔は真剣だった。

「警備の方から、”30分後には担当が到着する”と回答がありました。
 実際の警備計画についてはその担当とお話してもらえればと。
 ちなみに、この辺のお店で同じような脅迫を受けたところって聞いたことは?」
会話をしながら内容を端末に記録する。

生活安全課の大事な業務である、島内の人の生活を守るための活動の真っ最中であった。ひとしきり話を聞き終えてから丁重にお礼をし、店の外へ。
地図を確認しながら、話が聞けそうな…空いてそうな店を探す。
時間的には昼下がりだ。 夕方に差し掛かれば飲食店は忙しくなる。
巡回する経路を考える必要があった。

都姫うずめ > ひとしきり回った所で休憩。
コンビニに入ってアイスコーヒーを頼み、
イートインコーナーに陣取った。
端末を広げて、得た情報を整理し始める。

「仁義なき料理研究部と、始原魔法研究部と、異邦人とのトラブルと…。
 あとは…ロケット研究部がなんかしてる、と…。」
小さくつぶやきながら情報を入力していく。
そうしている間にも、生活安全課のデータベースには
常世島住人の生活に対する不安が続々と追記されていた。
『飼っている犬が喋った』『おこん先生が全裸で歩いている』
『この世界は宇宙人に支配されているという証拠を得た』…。
もちろんこの中でどれが真実かはわからないが、住民が不安を
覚えていることに対して向き合い、解決していくのが役割だ。

都姫うずめ > 入力されている内容を読みながら、他の課員とテキストで会話する。

――――――――――――
《仁義なき料理研究部は最近活動を活発化している。
 警備の方に話は回してあるから、活動の痕跡を見つけたら逐次共有するように》
《了解。 始原魔法研究部の方は?》
《活動実態が不明だが、絞り込みはできる。魔術関連の教師に相談する。》
《わかりました》
《おこん先生については道徳を説くところから…》
……………………
――――――――――――

そんなやりとりを続けているうちに、コーヒーはすっかりぬるくなっていた。
時計を見ると風紀としての活動時間を過ぎている。
端末を閉じ、コーヒーを一気に飲み干してから立ち上がり、店員へ声をかけた。
「すみません、お手洗いを使っても?」
快く返事をしてくれる店員にお礼をしてからお手洗いへ。
お手洗いに入ると、かばんから”私服”を取り出す。

ここからは風紀委員ではない。 『自分』の時間だ。

ご案内:「学生通り」から都姫うずめさんが去りました。
ご案内:「学生通り」にゼアさんが現れました。
>  
[メ ロ ン パ ン]

[お い し い]

[激 ア ツ]

[常 世 の 宝]

ゼア >  
「ねー、これほんとに食べていいのー?」

自分の顔よりは少し小さいくらいの、そんな大きなメロンパンを両手にしながら、ゼアはキッチンカーの中の強面の店主に問うた。

『いいからとっとと食えや』
「売り物なのに。変なのー」

でも、食えというなら遠慮はせず。そのまま焼きたてほかほかのメロンパンを口いっぱいに頬張る。
さく。

「~~~~~っ」

常世の宝。
キッチンカーのそばで揺れる四本の幟――そのうちの一つに書かれた言葉が、ゼアの思考をそっくりそのまま表していた。

あなたの隣におたすけゼアちゃん。
今日はキッチンカーのお手伝いです。

ゼア >  
もぐもぐ。
ごくん。

「めっちゃおいしい~~~っ」

キッチンカー前に備えられたベンチに座りながら、空気に花を咲かせた。
目を輝かせながら店主の方を振り向くと、サングラス下の目が緩んだ気がした。

「メロンパンどうですかー。とってもおいしいよー」

学生通りを歩く生徒たちに声をかける。メロンパンを食べながら。
また一口。

「とおってもおいしいよー!」

声のボリュームが一つ上がる。

ご案内:「学生通り」にジャスパーさんが現れました。
ジャスパー > 「俺のやりたいことねえ…」

せんせから言われたことを考えながら学生通りを歩く
またカフェテリアか、たな香に行って適当に時間潰しながら考えるかあ、などと思っていると
ふわりと香る、とても美味しそうな小麦の匂い…!

「あ、ゼアちゃん」

遠目から、おいしそうにメロンパンを頬張る少女の姿を見つけて呟く
声を張り上げつつ、綺麗なピンク色の花びらがひらひらと舞っているような雰囲気を振りまいている

(美味しいもの、あるいは好物を食べている時の女の子ってどうしてあんなに可愛いんだろうな
いや、女子はみんな可愛いんだけどさ。魅力が100000000%上がるって言うか
やっぱり笑ってるのが一番だぜ。美味しいもの沢山食べて欲しい)

「メロンパンください。2つ」

あまりにおいしそうに食べているものだから妄想しながら無意識に注文していた
このキッチンカーの店主の慧眼には恐れ入る
そりゃあこんなかわいい子が美味しそうにパン食べてたら売れるよ。世界の摂理だ


そして店主からほかほかメロンパンを2つ買えば
偶然を装い、緊張しながら…おいしそうに食べていた少女に声をかけてみよう

「ん、んんん"、やっほ。ゼアちゃん
きき…。奇遇だねー。バイト?」

こんな時、アニメーションなどの主人公ならさらっと声をかけるのに
女子に対して緊張が先に立つ思春期男子は引きつった笑みと共に挨拶
深緑色のエプロンを着ているのを見て、アルバイトだろうかとアタリをつけて会話のパスを投げられたのは頑張った

ゼア >  
「んぐんぐ……んう?」

 メロンパンに舌鼓を売っていると、ふと視界と意識の外から声をかけられる。
 誰かなと思ってそちらの方を見れば、そこにはラフな格好をした金髪の少年の姿。どうしてそんなに緊張してるんだろう。
 っていうか、最近会ったような気が……。

「あー……んー……」

 少しだけ、思い出すまで間が空いて。

「……そうだ。悪戯し甲斐のあるお兄さんだー。やっほー」

 覚え方。

「メロンパンいかが……あれ、もう買ってる。お買い上げありがとーございまーす」

 ベンチから腰を上げて、深くお辞儀。
 両手に齧りかけのメロンパンを持ちながら。

ジャスパー > (うん…やっぱり可愛いな…。ずっとおいしいもの食べててくれ)

ほわほわと桜が舞うような様子に少し安心
最初に会った時は小人からだったから緊張もあまりしなかったが…
普段変態だのと目の敵にされていれば、等身大女子に初手声をかけるのはやはり緊張する

「やほー、そうそう。悪戯された奴です
いやー、ゼアちゃんがあまりにおいしそうに食べるからつい釣られちゃったぜ」

飲み物なしでは厳しいかと思ったが、一口齧りついてみよう
小麦の香りとふんわり甘い風味が口の中にたっぷり広がって至福…!

「あ、ああ、座ってていいって。別にお辞儀とかいらないし
んんん"、ほら、俺たちもうフレンド、だろ?もっと気安くていいぜ」

若干声の震えは残っているが調子は戻ってきた
初手気持ち悪かったお兄さんとか言われたら死んでいたかもしれない
いや、この子に限ってそんなことは無さそうだけれども

(女子エプロン!それは男子の希望
家庭科の授業くらいでしか見ることが無い聖域
できることなら毎朝俺のみそ汁を作って欲しい。いや古いな…
やっぱ、毎日俺と一緒に朝飯を作って欲しい…)

妄想はしているが、表には出さないまま堪えている
とりあえず大きくメロンパンにかぶりついて堪能しよう

ゼア >  
「んふー。そうでしょー。マスターのメロンパン、おいしいんだよー」

キッチンカーに視線を向ける。強面サングラスの男が表情を変えずサムズアップ。

「んー。今のゼアは店員さんなのです。だから、お客さんにはちゃんとするんだよ。なんだっけー……『お客様はカミサマです』ってやーつ」

にっこりスマイルを浮かべながら言う。
とはいえ堅苦しさみたいなものとは無縁な少女である。すぐに思考は「お仕事」から「雑談」に切り替わった。

「どう? 今ちょうど焼きたてなんだー。さくさくふわふわで美味しいでしょう」

いい時間に来たねー、ともう一度微笑む。
ご機嫌モードだった。

ジャスパー > 「…あんた、最高だぜ」

少女の視線に釣られて、マスターの方を見て…こわもてのサングラスにサムズアップを返した
こんなほわほわ系可愛い女子を起用するなんて最高だ
その効果もあってか、少し客入りも増えてきた様子

「やっぱ焼きもんと揚げもんは作りたてだよな~
ゼアちゃんの可愛さも相まって美味さ百倍だぜ」

大きな口でメロンパンを1つ食べきった。大変美味しい

「意識高い…!流石だ。
うーん…カミサマかぁ、それを盾にいちゃもん付けてくる奴も…
ああ、でもあの店長なら大丈夫か…」

あんな厳ついサングラスが居るキッチンカーにいちゃもんを付ける馬鹿はいないだろう
可愛いだけでなく意識も高い店員。最高

「だが、気を付けなよ…いくら美味しいとはいえ両手を塞いじゃったら悪戯されちゃうかもしれない、ZE☆」

ばーん、と銃の形を作っておどける
悪戯は歓迎と聞いたが…等身大女子に手を触れるのは震える
気障な恰好をするのが精いっぱいである

ゼア >  
「お兄さんもマスターのメロンパンのとりこだねー」

 もう一度メロンパンにかぶりつく。咀嚼した瞬間に広がる食感・甘味・香り。
 美味しい。

「あ、お姉さんたちもメロンパンー? おふたつ? はーい、ありがとー」

 話していると、だんだんと客足も増えてきた。時折会話を切って、近づいてくるお客さんに対応する。
 それでもゼアがやることは注文を聞くことだけ。会計と受け渡しはマスターがやってくれる。

『お客様は神様……じゃけどの、変な言いがかりつけてくる奴は……ぶちまわしたる!』
「もー、そんなこと言ってるからお客さん来ないんだよー? せっかくおいしいのにさ」

 多分この店に客が少ないのは8割がたマスターの圧だと思う。

「あ、悪戯する? いいよいいよー、どんとこい」

 と、そこで楽しそうな文言が聞こえてくる。
 まあ、以前も「どんとこい」と言った通り、躊躇う理由はあまりなかった。

「あ、でもメロンパン落とすといけないね。後でもいーい?」

 あった。

ジャスパー > (む。これはちょっとお邪魔か…?
マスターかゼアちゃん、どっちかいやそうだったら止めよう)

今のところは大丈夫そうだが、迷惑をかけるのは本意ではない
しかし、女子と会話するのは心が浄化される
黙る時は黙って、てきぱきと動くマスターと愛らしく注文を聞く相手を見ていよう

「か、過激!ニュースでやってた通り魔?もここには来ないだろうなあ…」

安心である
こんな強面に絡んだら海に沈んでそうだ
グッドコップバッドコップではないが、店主が強面だから可愛さが際立つと言える

「え、…あ、いや、これはマジではなくえーっとその…」

どんとこいと言われると躊躇う
そういうスタンスなのは察していたがいざ受け入れられるとノープランという杜撰さ

(どどどどどどど、どうする!?墓穴を掘った…!
こうなったら悪戯しないと逆に悲しませるかもしれない…
悪戯、…するのもされるのも好きみたいだしなぁ…!)

以前の会話からそんな印象を受けた故の思考
つまりは、楽しみなことをやっぱ無し、と言うことになってしまう
それはいけない。女子を悲しませることになる…!

「――…もちろんさ!バ、バイト終わってからでもいいぜ!
俺別に今日暇だからっ」

だがとりあえず先延ばしにした。ヘタレである

ゼア >  
「とおりま」

 過激なワードに、一瞬、瞼が開く。
 初耳だった――気がするけど、言われてみれば、ちらほらと噂話があったような。

「んー、でも来ないならいいのかな? うーん」

 少し考える。

「……ま、いいや」

 どうせ考えたってできることは何もないのだから。ちょっとだけ気を付けよう。いざとなったら逃げるが勝ち。

「……マジじゃないの?」

 いやまあ、確かに悪戯が何よりも好きってわけじゃないので、やられなかったらやられなかったでもいいんだけど。
 ちょっとこの少年がどんな悪戯をするのかは正直興味があったので残念。……と、思っていたら。

「終わってから? そっかー。ふふふ、楽しみにしてるねー」

 言質、取りました。
 お仕事終わりの楽しみが出来ました。

ジャスパー > 「おっと、重たい話しちゃったな
まー、俺らには関係ないだろうし、楽しくやってこーぜ」

失言が多すぎる。反省
相手の反応を見て、明るく言って話題を閉じておこう

「…お、おう。楽しみにしなっ」

セクハラは絶対にすまい
しかも悪戯をすると宣言してしまった以上ハードルも上がっているし逃げられない
どうしようか、と考える。考える…
悪戯マイスターである(ジャスパーの印象)少女を悦ばせることに思考を集中する…!

「と、とりあえずがんばりな!
俺はメロンパン堪能しておくからさ!」

少女と話していると可愛さに全てを持っていかれる
ある程度邪魔になっていることは確かだし、一度黙ってメロンパンを食べつつ仕事姿を見守っていよう