2024/06/28 のログ
Dr.イーリス > お願いすれば、エルピスさんはすぐ紙パックにストローを差してくれた。

「エルピスさん、ありがとうございます。いちごみるく、とてもおいしいです」

いちごみるくを飲むイーリスは、少し笑みが綻んだ。
回転するドリルが地面へと向かっている。それをエルピスさんは足で阻む事で制止を呼び掛けていた。

「……あわよくば埋蔵金を掘り起こして一括千金できたらいいなと思いつつも、同じく車椅子に搭載していた埋蔵金センサーが全く反応しないが故にずっと使い道がなかったドリル……。やっと、出番がきたと思ったのに残念です」

ドリルアームが車椅子に収納されていく。

「連絡先の交換ですね、喜んで」

懐からスマホを取り出して、そしてエルピスさんと連絡先の交換を行った。

「私でよければ、いつでも相談に乗ります。技術者ですから、義手に関する相談などではお役に立てそうです。これから、よろしくお願いします」

新しい友達に、ほんのりと微笑んでみせて。

エルピス・シズメ >  
「うん、良かった。
 …………出てくるのは埋蔵金じゃなくて風紀委員だとおもう。
 それに埋蔵金センサーは……」

 美味しくいちごみるくを飲む素振りに一安心。
 続いて出てくる単語や機能には驚くばかり。
 それが噓偽りでもない、と言う事も含めて。
 
「これでよし……かな?」

 スマホを介して連絡先を交換。
 実際に交換してみると、目的は置いといて普通に嬉しい。
 
 思わず声が弾む。

「改めてよろしくね、イーリスちゃん。
 業者に出すだけだと間に合わなかったり、細かい修理とか調整ができると助かるから……もちろん、ちゃんと対価も払うから安心してね。」

 微笑みにつられるように、内心の喜びを示して笑みを浮かべた。

「僕はそろそろ帰るけど……イーリスちゃんは大丈夫?」

Dr.イーリス > 「む……。埋蔵金を掘り起こそうとしていたら風紀委員が出てくるのは困りますね……。今の私は車椅子に乗る不良……。風紀委員に連行されてはピンチです……」

埋蔵金を掘り起こすのも一筋縄ではいかない……。
センサーも反応してくれない……。

「何かあれば修理を引き受けさせていただきはしますが、代金いただけるのですか……? 生活がとても困窮している中、とても助かります」

働いてお金を稼ぐという事を体感として知らないストリートチルドレンな不良は、対価という言葉にほんのり表情が明るくなった。
こういった自分の技術を活かす機会がある時は、善意の無償提供が普通だと思い込んでいたのだ。商売が絶望的に下手。

「はい、一人で帰れます。お心遣いありがとうございます。さようなら、エルピスさん」

エルピスさんに左手を振る。

エルピス・シズメ >  
「勿論。モノが直れば、モノを買うお金と時間が浮くからね。
 僕も相場とかには詳しくないけど……。」

 素振りから困窮具合を何となく察する。
 その内、ちょっとしたものの修理を依頼しよう内心で思案した。

「それじゃあまたね、イーリスちゃん。」

 大丈夫そう、と判断すればスマホをしまって挨拶を返し、
 友達が出来たことにほんのり足取りを弾ませ、学生通りを立ち去った。

ご案内:「学生通り」からエルピス・シズメさんが去りました。
Dr.イーリス > エルピスさんに左手を振って立ち去る姿を見送る。
イーリスも帰路に着いた。

「今は負傷中の私が紅い怪異や敵対組織に狙われるのはよくないから、あまり長い時間スラムや落第街にいない方がいい、と言われているのでしたね。随分過保護ですね、エメラルド田村さん」

不良集団リーダーの名前を口にして、空を仰ぐ。
イーリスの住処はスラムや落第街であるが、イーリスの事を考えているがためとはいえ今はあまり帰ってこない方がいいと言われているわけである。もちろん、イーリスの体を修理していくのにスラムのラボへと定期的に戻る必要があるけれど。
ストリートチルドレンとしての経験を活かし、手ごろに過ごせる廃屋を既に見つけているので、仮設の帰る場所はある。
イーリスは、確保している廃屋へと帰っていくのだった。

ご案内:「学生通り」からDr.イーリスさんが去りました。