2024/07/01 のログ
緋夜鳥 子音 >  
「そない謙遜せんでもええのに」

深く考えずにそんな返しをしつつ、店内へ。
カウンター席に並んで腰掛けメニュー表を見ると、なるほど辛そうだ。
とはいえ、ピリ辛程度からスタートして好みのグレードを選べる親切設計。
ここは無難なところにしようと決めたところで、隣から発せられた注文に思わず二度見した。

「えっ、ほんまに言うてる?
 一番辛いのって、なんやえらい真っ赤なんやけど……」

メニューに掲載された写真を見ているだけでも口の中がヒリヒリしてくる。
こんなの、緊張していなくても味なんて分からないのではなかろうか。
しかし本人は慣れている様子だし、意外と大した事ないのかもしれない。
それなら少しくらいグレードを上げてみるか、という選択をすぐに後悔することとなる。

「せやね、お互い様や。
 伊都波はんも困った事があったら、うちに相談してくれてええで?
 特に怪異絡みなら任しとき」

もちろん日常的な案件でも大歓迎。
手取り足取り教わりながら、無事に連絡先も交換できた。

伊都波 悠薇 >  
「あ、えと、辛いの得意なので無理はしないほうが」

とは言ったものの、そういうのは本人の自由。
食べれなかったら、こちらで引き受けようとか思いつつ。

「……ありがとうございます。今後もどうぞ、よろしくお願いいたします」

新しく、増えた連絡先に笑みを深めつつ。
着丼した、赤いものを美味しそうに啜って、スープまで完飲し。

今日はそこで、お別れ。

その夜、連絡先を交換した挨拶をするのに、一時間ほど悶々として、送信したのは、また別のお話。

緋夜鳥 子音 >  
「こちらこそ、おおきに。
 学校(ガッコ)でも仲良うしてくれたら嬉しいわあ」

新型を購入してからは初めて増えた連絡先。
子音もまた、嬉しそうに目を細めてふんわりと笑う。
そうこうしている内に注文したラーメンが到着したのだが……
―――赤い。スープも麺も、具材に至るまで辛味が染みて赤く染まっている。
子音のはまだマシな方で、隣のやつはもう直視すると目が痛いレベルだ。

「……あはは、せやかて食いもんやろ?
 人の食えんもん提供するわけあらへん辛ぁっ!?!?!?」

せっかく頼んだものを下げてもらうわけにもいかないと、意を決して箸を取る。
しかし一口目から灼けるような刺激に襲われ、珍しく素っ頓狂な声を上げた。
ひぃこら言いながら、どうにか食べ進めようとはしたものの……
結局、ほとんど悠薇に食べてもらうことになってしまった。

そんなハプニング(?)に見舞われつつ、それぞれの帰路に就いて。
悠薇が端末を前に悶々としている間、子音はお尻の痛みに苦悶していたとかなんとか……

ご案内:「学生通り」から伊都波 悠薇さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から緋夜鳥 子音さんが去りました。
ご案内:「学生通り」にエルピス・シズメさんが現れました。
エルピス・シズメ >  
「期末試験つかれる!! ……そしてまだ1日目!」

エルピス・シズメ >  
……そんな叫びと共にベンチに座り込む少女のような少年。
今日の科目は魔法の実技を除いて恙なく済ませたつもりだが、それでも疲れるものはつかれる。

「ジュースのも……みっくすじゅーす。」

 ベンチから立ち上がり紙パックのミックスジュースを購入。
 手慣れた動作で義手を繰り、喉へ流す。

エルピス・シズメ >  
「……う"。」

嫌な予感がする。
こう、風の巡りが悪い。

たぶん──

エルピス・シズメ >  
 一滴、二滴、三滴四滴五6Ⅶ八玖──
 
 空から注ぐ水滴は瞬く間に数え切れなくなり、
 ざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、と、バケツをひっくり返したような大雨へと変化数。

「う、傘持ってきてないや。」
 
 濡れるのはしょうがない。
 困り顔で木の下へと避難する。

エルピス・シズメ >   
 「ひとまずここを離れなきゃ、どこかに良い場所があるといいんだけど──」
 
 木の下に居ても防ぎきれそうにはない。
 長居は無用と判断すれば、この場から立ち去った。
 

ご案内:「学生通り」からエルピス・シズメさんが去りました。