2024/07/19 のログ
ご案内:「学生通り」に黒條 紬さんが現れました。
ご案内:「学生通り」に伊都波 悠薇さんが現れました。
黒條 紬 >  
夏、夏がやって来た。
試験も終わり、海が開き、夏休みを満喫する生徒達が多いこの時期。

黒條 紬もまた、久々の休みをエンジョイする為にこの学生通りへ
出てきていた。

今の彼女は、
お気に入りのフレアワンピースを纏ってモニュメントクロックの下で佇んでいる。

ここは学生通りでもよく待ち合わせに使われることがあり、
今も数多くの男女がこの場所をデートの待ち合わせに使っているようだった。

カフェやショップが軒を連ね、通りをカラフルに彩っている。
そこを楽しく行き交う学生達。紬はその様子を、静かに見守っていた。

さて、待ち人は――?

伊都波 悠薇 >  
「…………ひゅっ」

それを目にした途端に息を飲んだ。

ーーし、私服のレベルたかい!?

自分はといえば、無難に制服にした。
と、いうのも、うまく私服の準備ができず。
また、姉にコーディネートしてもらうと恥ずかしい格好になるし……

と、思っていたのだけど。
これはこれで不釣り合い……。

とはいえ、これ以上待たせるのもいやだったから。

「こ、こんにちわ」

挙動不審に手を上げながら、挨拶。

黒條 紬 >  
「お、悠ちゃん! 来てくれたんですねっ!
 いやぁ、退院祝いってことで、
 何処に誘おうかなーと思ったのですが……
 何だかんだ勝手知ってる学生通りにしちゃいましたっ」

常世渋谷分署勤務の紬ではあるが、本庁に用事がある際には、
決まってこの学生通りに寄っていた。

挙動不審気味の少女を解さんとしているのか、両手を広げて駆け寄る紬。
しかし、目と鼻の先で立ち止まれば、ぴっと敬礼を行う。

「……私も、流石に衆目環視の中では慎みますので」

きゅ、と唇を結んだそれは、とてもとても真面目な顔であった。
距離が近いのは変わりないが。

「しかし、無事退院できて本当に良かったですよ~っ!
 一時は大分心配でしたけど……こうして元気になっているのであれば、
 
 何よりです! 今日は退院祝いのデートですからねっ!
 何か悠ちゃんの欲しいものがあったら、何なりとお申し付けくださいっ」

再び敬礼する紬。

「……えと、予算は10000円までで」

ちょっとだけ顔を背けた後。
三度、敬礼。

伊都波 悠薇 >  
「いえ、家から近いので助かりました……っ」

場所選びに関して気にせず、とそう言おうとしたが。
距離が近い。相変わらず。

ーーつ、慎むってなにを!?

そして、なにより。

「で、でーとぉ!?」

いつのまに、そんなことに。

「あ、こほん。いえ、その、じぶんで、出しますから……」

黒條 紬 >  
思わず驚いて声をあげる悠薇。
すると当然、周りの人々が二人へ目を向けるのであるが。

「軽い元気付け為のジョークですよ、ジョーク!
 あ、それとも本気の方が良かったですかぁ?」

少しだけ目を細めて、ふっと笑う紬。
軽やかに笑う妖艶、と言えばぴったりといった所作だ。

「なーんちゃって……」

だが、そんな所作もすぐに隠れて。
あははー、と爽やかに笑う紬に戻るのであった。


「悠ちゃん、こういう時の友人からの贈り物は受け取るものですよ~。
 何故なら、友人としてはかっこつけたいからです!」

ぴ、と人差し指を立てる紬。


「ま、予算10000円ですけど……」

すぐに立てていた人差し指をしまった。

それじゃ行きますかー、なんて口にしながら、
特に何もなければ、話しながら歩を進め始めるだろう。

伊都波 悠薇 >  
「ぁぅ」

顔を真っ赤にして、うつむく。
そして、脳内には別の妄想が広がってーー

ぷしゅーっと頭から湯気が出た。

パタパタ、手で顔を仰ぎ。
廻りにすみません、すみませんと頭を下げる。

「そのときに、考えます……ち、ちなみにプランはどんな感じですか?」

歩き始めたのを追いかけるように自分も足を動かした。

黒條 紬 >  
「わっ、ちょっとやりすぎたっ!? 大丈夫!? 悠ちゃん大丈夫ですかーっ!」

反省しつつ、彼女と一緒に謝る紬であった。

「こほん。まずは、お気に入りのたこ焼き屋『ハッピーなオクトパス』――
 通称、ハピオクに向かいますっ。
 
 ここのたこ焼きが超絶品なんですよ~!
 ちなみに今はキャンペーン中で、ガチャガチャも回せるらしくて、
 それも一緒にチャレンジしたいなって!」

少しだけ歩を止めれば、オモイカネを取り出して、
たこ焼き屋のサイトを開いて確認をしているようだ。
 
「あとは~……」

人差し指を顎にやり、上を向く。
視界の先には、『白くま』と書かれた、レトロなフォントの木製の喫茶店の看板が置かれていた。
最新のお店から、懐古的な店まで、ラインナップは様々だ。

「ゲームセンターで遊んだりとか、服屋でかわい~服を買ったり、とか?
 ここなら色々ありますからね!
 悠ちゃんの行きたいところなら何処へでも、本日は紬がお供いたしま~す」

そう口にして、ぐっと拳を握る紬。
少し歩けば、たこ焼き屋が見えてくるであろう。
巨大なタコがパーティー帽子を被って、ゆっくりその足を動かしている看板だ。

伊都波 悠薇 >  
「…………」

はて。今、やりすぎたと言わなかったか。

「やりすぎた?」

つい、言葉にも出してしまい。
そのままたこ焼き屋さんへ。

「たこ焼き、そんなに好きなんですか。お好み焼き、とか粉もの全般です?」

あまり、たこ焼きは食べない。
激辛系か、駄菓子か、どちらかに意識がいくことが多いから。

「……行きたいところ」

と言われると、難しい。

「激辛ラーメン、とかですかね。
ゲームセンターとかお洒落な服屋は、いったこと、ないですし。行きなれた、ところだと、そこ、かな」

黒條 紬 >  
「あー、いやちょっと、誂いすぎちゃったかな~って……。
 その、ごめんなさい……」

ぱちぱちと瞬きしながら、
俯いて、人差し指をつんつん突き合わせる紬であった。

「うーん、お好み焼きも結構好きですが、やっぱりたこ焼きですねっ。
 あのほくほくした中に、ぷりっぷりのたこ焼きが入ってるあのギャップ……
 最高じゃないですかぁ~」

店先でたこ焼きについて語る紬。まるで店員である。

「げ、激辛ラーメンですかぁ!?」

固まる紬。再び、人差し指をつんつん突き合わせながら、ちょっと目を逸らした。
顔に『辛いものが苦手』と書いてあるレベルで分かりやすい反応である。

「い、いやぁ……意外すぎるチョイスが来ましたね、びっくりです……。
 お付き合いいたします、ハイ……」

精一杯の笑顔を浮かべる紬であった。

ハピオクのお兄さん > 「いらっしゃいませー! 今ならたこ焼き1つ買うごとに、
 ガチャガチャが1つ引けるよ~!」

そう口にする店員は、店先の立て看板を指さす。
そこには、景品のリストがあった。

『ハズレ無し! ハピオクくじ!』
と書かれたそこには、幾つかの景品の写真と番号が書かれていた。
その横には小さな木の椅子が置かれており、
その上には小さな御椀が置かれている。
中を覗いてみれば、6面ダイスが入っていることが分かるだろう。

景品リスト
1たこ焼きソースボトルキーホルダー
ソースボトルのミニチュア。これが一番ハズレっぽいが、お店のタコも書かれており、そこそこ可愛い。

2たこ焼きミニチュア
ハピオクのたこ焼きとお皿がセットになったキーホルダー。無難に可愛い感じ。

3たこ焼き型消しゴムセット
たこ焼きの香りがする、たこ焼き型の消しゴムセット。

4スペシャルハッピーたこ焼き無料券
店員の気まぐれでチョイスされた具材がこれでもかと乗せられたスペシャルハッピーたこ焼き無料券。次回から使える。

5ハピオクくんぬいぐるみキーホルダー
パーティー帽子を被ったハピオクくんのぬいぐるみキーホルダー。手のひらサイズ。

6ハピオクくんビッグぬいぐるみ
女子高生が両手で抱えるくらいのぬいぐるみ。触り心地が最高だが、見た目がちょっと奇抜。

黒條 紬 >  
「やったー、じゃあ私は普通のたこ焼き8つで!
 ガチャガチャしまーす!」

そう言ってダイスを転がした!
[1d6→2=2]
黒條 紬 >  
景品番号は2番。たこ焼きキーホルダーだ。
小さなそれを受け取って、しげしげと眺める紬。

「結構可愛いかも。明日から通学用の鞄につけますかね~。
 
 さあさあ、悠ちゃんも、せっかくだからチャレンジしましょうよ~」

そう口にして、笑顔でたこ焼きを悠薇に勧める紬。

伊都波 悠薇 >  
「からかってたんですか?」

そうだったのか、と今気付いたようで。

「黒條さん、美人さんですし、色気ある所作が自然だったので、分からなかったです」

くすりと、笑い。
まるで悪戯を失敗した子供みたいだな、なんて思いながらたこ焼きのメニューを見た。
たこ焼きの良さを聴きながら見ると、より美味しそうに見える。

「あ、無理はしなくても。結構、普通なら食べれないくらい辛いですから」

あまり冗談を言わないタイプの妹だ。本当に辛いのだと想像はつきやすいだろう。

「私も8個で。からしマヨネーズ、脇にお願いします。あと七味があれば、それも」

注文したあと。

「……ガチャは、黒條さん、どうぞ? 私、こういうの、運がないので。黒條さん、欲しいのあるのでは?」

黒條 紬 >  
「え~、めっちゃ褒めてくれるじゃないですか~! 衆人環視! 衆人環視!
 いやでもまぁ、美人っていうなら悠ちゃんだって相当……」

今度は紬の方が赤くなった。
流石に悠薇ほどではなかったが、口元に手をやって、ほんのり。

「……今日はお付き合いするって言った手前、頑張る所存デス……」

脳内で思い描いた激辛ラーメンの圧にちょっとやられつつ、敬礼する紬。

「私は限定品ってことで、どれが貰えても嬉しかったので~。
 でも、そうですか? それなら引いちゃいますよ~?」

ノリノリでダイスを振りに行く紬。

黒條 紬 >  
「よいしょっと」 
 
ダイスを転がして――
[1d6→2=2]
黒條 紬 >  
「か、かぶったっ! 同じやつだぁ……」

皿の前で声をあげる紬に、店員さんが笑いながらキーホルダーを渡す。

奇しくも、同じキーホルダーが2つ。

「えと、悠ちゃん良かったらどうぞ……?」 
 
そう言って、悠薇の前にたこ焼きキーホルダーを差し出した。
ハピオクのロゴ――ハッピー帽子を被ったタコが描かれた皿に乗った、8つのたこ焼き――。

伊都波 悠薇 >  
「私ですか? 私は、そうでも」

ない、と言いきりはしなかったが。
やはり姉と比べると、ぷらす。やはり風評から、そんな自己評価なのは仕方のない話だった。

「え、いや。その。あまり、こういうのオブラート包むの苦手、で」

そう言うしかなかったのだ、と弁明。

「……本当に? すごく、辛いですよ。この間、同伴してくれた人はほとんど食べれなかったですよ?」

いいんですか? と、圧。

「じゃあ、せっかくなので、いただきます」

キーホルダーを受け取り。

ーーぺあ?

気づいたら顔が真っ赤にまたなって、湯気が出た。

黒條 紬 >  
「その顔で謙遜したらバチが当たりますからね……。
 自信持って、は……流石に難しいでしょうけど。
 ……ん~。じゃ、私は悠ちゃんは超可愛いと思ってますってことで、ここは一つ」

人差し指をピンと立てて、にこにこと笑う紬。
料金を払えば、やがてたこ焼きが運ばれてくる。

「ええ……やっぱ駄目かも……」

真顔になる紬。

「い、いやでも頑張り……頑張りマス……」

先ほどとは打って変わって、今度は弱々しい姿を見せる紬。
辛いものを前にして攻守が逆転している。

「まー、お揃いってことで。これからの親交の証といたしましょう~」

そう口にして、紬は自分のたこ焼きキーホルダーを指先で摘むと、
悠薇に渡したキーホルダーへとちょん、と当てて見せた。
まるで盃を交わすかのようだ。軽く指先も触れるだろうか。

「あ、お代は私が払いますので~っ」

と、オモイカネを軽く振って見せる紬であった。

たこ焼きを食べ終えれば、また次の場所へと向かうことになる。

伊都波 悠薇 >  
「顔?」

自分の顔については、本当に自覚はないらしい。
可愛いといわれると、モジモジして。

たこ焼きのキーホルダーを、ぱちくり、見つめたあと大事にお財布の中にしまうとした。

と、同時、たこ焼きを、たっぷりのカラシマヨネーズに、べたべたと七味をつけてぱくり。

「……もうすこし、七味もらえばよかったな」

この後の辛いもの、の最低限レベルを想像しやすかったかもしれない。

「……次、どこ行きます?」

黒條 紬 >  
「え゛っ! あんなにカラシマヨと七味かけたのに……!?」

これはやはりラーメンに敗北するのは必至かもしれないな、などと考えながら。
紬も紬でたこ焼きを楽しむのであった。

「ん~。さっきもお伝えした通り、ゲームセンターとか考えてたんですけど……。
 ちょっと色々見て回りながら決めますかね~。
 何かお祝いで欲しいものあったら言ってくださいね」

そんなことを言いつつ学生通りを歩いていると、映画館が見えてくる。

なかなかに古い作りだ。
外壁は経年でくすんだクリーム色をしており、一部にはレンガの装飾が施されている。
おそらく、敢えてこのような外観にしているのだろう。

「映画館、このご時世でも何だかんだで残り続けてるものですね。
 オモイカネでぱぱーっと見れちゃうんですけども」

てくてくと横を通りながら、悠薇の方へ視線をやり。

「悠ちゃんは映画とかよく見るんです~?
 どういう映画がお好みで~? アクションとか、ホラーとか……」

人差し指を立てながら、問いかける。

伊都波 悠薇 >  
「ゲームセンター……」

実はあまり行ったことがない。
ぼっちには機会がなかった、からというのが一番の理由だけれど。

「映画は、本が実写になったやつ、とかを良く見ます、かね。あとは、姉が好きなやつ、とか」

映画館には、姉と一緒に見るとき、くらいで、あとは端末からが主だけれど。

「黒條さんは?」

黒條 紬 >  
「さっきはぬいぐるみ取り逃しちゃいましたからね~。
 一緒に行くのも良いかもしれませんねっ」

でかいの取ったら送って貰いましょう、だなんて意気込みながら。

「姉妹で映画の感想語ったりもするんでしょうね。
 私は、一人っ子だったもので、そういうところは憧れちゃいますね~」

事実。紬は、幼い頃から兄弟や姉妹に憧れていた。
今は天涯孤独の身というやつだが。

「私はもう、やっぱりホラーですよっ。
 スプラッターでもじわじわ怖い系でも大歓迎です。

 チープな作りのやつとか、笑いながら観ちゃうタイプですねっ。
 
 ほらあれ、地獄の毒々したたりサンドイッチ。
 これは映画館で観ちゃおうかなと思ってますねっ」

映画館の壁に貼られたポスターには、地獄の火炎と共に地中から飛び出して
人に齧りついているサンドイッチの姿が描かれている。個性的だ。