2024/09/02 のログ
ご案内:「学生通り」に雪城 氷架さんが現れました。
■雪城 氷架 >
新学期がはじまった。
まだ残暑の厳しさ残る学生通りを一人歩くのは、涼しげな美少女。
調子の悪くない日は異能の力を普通に使い、自分の周囲の気温環境をコントロールしているため、汗一つかいていない。
汗は大敵。化粧も崩れる。
学校生活と勉強にそれなりに真面目に向き合おうと決めた新学期。
すべての講義を終えて帰る時間はもう夕方。まだまだ日は高く、学生通りも人が多い。
「(…あ、クレープ)」
キッチンカーを見つけ、ふらふらと誘われるようにそちらへ向かう。
この美少女、食欲には勝てないようにできているのだ。
「生クリーム盛り盛りメガ盛りフルーツギガマックス」
さらりと一息で注文。
そして出てきた両手に抱える程のクレープを手に、満足げである。(表情は変わらないが)
ご案内:「学生通り」に焔誼輝夜さんが現れました。
■焔誼輝夜 >
「ほにゃ――おいしそーなにおい!」
さてさて、この日もお子様はお家でお留守番の日――と思いきゃ。
今日はママたちにお許しを貰ってお出かけ中です。
首から名前が書かれたネームカードを提げていました。
そんなお子様でしたが、匂いに釣られてふらふらと歩いて行っちゃいます。
そこにはキッチンカーと、なんとなく知ってる気配のお姉さんがいました。
さてさて、お子様はどちらに気を取られるのでしょうか。
「――おいしそぉ」
とっても綺麗なお姉さんの横で、一生懸命背伸びしたお子様が、お姉さんの手元をじーっと見上げていました。
■雪城 氷架 >
「ん」
視線を感じてそちらに顔を向けると、小さな子どもがこちらを見ていた。
黒髪に綺麗な紅い瞳、賑やかなシャツだな…と人目で思う風貌。
「なんだ、お腹へってるのか? 親と一緒じゃないのか…」
周囲へ視線を巡らせて見るもそれらしい姿は見えず。
「───」
ふぅ、と小さなため息。
まぁ子供だし、こういうのを見たら気になるか、と。
「一口食べるか?」
やれやれと、しゃがみ込むようにして視線を合わせ、ハイと巨大クレープを差し出してみる。
視線を合わせることで、目に入ったのは首から下げられたネームプレート───。
「(……ん?たしか…)」
少し前に、こんな名前を聞いたような。
■焔誼輝夜 >
「ほにゃっ?」
綺麗なおねーさんが声を掛けてくれました。
ちょっとびっくりしちゃいましたけど、嬉しそうににっこり笑ってお返事します。
「あのねあのね、とってもおいしそーな匂いがしたからきたの!
それとねっそれとねっ!
きょうはあそびにいっていいよーってママたちがいったの!」
そう大きく明るい声でお返事したら、なんと、お姉さんはお子様に視線を合わせて、クレープを差し出してくれたのです。
「わっ、わぁ!
いいのっ?
いいのっ?」
目をキラキラとさせながら、今にもクレープに飛びつきそうな様子で、お姉さんを期待と感動の眼差しで見つめます。
紅い目は、どこかで見たように記憶に重なるかもしれません。
ネームプレートには、『焔誼 輝夜』と大きく書かれています。
見ようとすれば、プレートには連絡先や、裏には保護者の名前に『焔誼 迦具楽』『焔誼 サヤ』という名前が書かれていますね。
■雪城 氷架 >
「そっか。じゃあ、多分しっかりしてんだろうな」
子供といっても言動の割には、身長はそれなりに高い気もする。
まぁ、親が外出を許しているのならいいんだろう。
ネームプレートには連絡先なども書いてあるようだし。
「いいよ。一口って言ったけど、好きに食べて」
はい、よより前に差し出して──。
「───ほむらぎ、かぐや。って言うのか?お前の名前」
聞いた名前と合致する。
ネームプレートに見える、保護者の名前も知ってる。
──そういえば言ってた、子供がいるって。
「(…この子がそうか)」
…知ってしまったとて、どう言葉をかけたものかがわからない。
■焔誼輝夜 >
「そうなのー!
かぐやはねっ、しっかりしてるんだよー!」
えへん、と胸を張りますが。
その様子は外見に比べるとずっと幼そうに見えますね。
「えへへ、やったっ!
おねーさん、やさしいねっ」
遠慮なく大きな一口でクレープを頬張って、お子様はその甘さに両手でほっぺを抑えます。
嬉しさと美味しさで、その場でじたばたしてますね。
「――んにゅうっ?
んぅ――うんっ、かぐやはね、かぐやっていうの!
おねーさん、ありがとー!」
ちゃんとクレープをしっかり味わって、お姉さんにちゃんとお礼をいいました。
自己紹介は、とっても拙い自己紹介でしたが。
「えっとぉ――おねーさんのおなまえは?」
優しいお姉さんの事が気になって、口元にクリームをくっつけたまま、お名前をお訊ねします。
■雪城 氷架 >
間違いないとは思ってたけど、やっぱりそっか。と。
薄く蒼い瞳を細めて、少女を撫でる。
「私は氷架。…雪城氷架。ほっぺにクリームついてる」
撫でた手をそのまま下げて、指先でクリームをとってやりながら。
「お母さんに、聞いたこととかある?」
屈んだ姿勢を起こして、視線は下へ。
──自分の異能から生まれた、って彼女は言った。
自分よりもずっと立派に生きて、家庭を築いて養って。
もしかすれば、怪異の過ごす時間は私達とは異なっているのかもしれないけど。
あの子の姿勢を見たことで、自分の怠惰を少しだけ、恥じた。
この子は、そんな立派に生きた彼女の愛の結晶。
……愛らしいな。素直に、そう思う。(表情は変わらないが)
■焔誼輝夜 >
「ほにゃっ、ひょーかちゃん!
にへへえぇ、ありがとーひょーかちゃんっ」
撫でてもらって嬉しそうにして、クリームを取ってもらったら、またちゃんとお礼が言えました。
「ほにゃ?
なにをー?」
不思議そうに首を傾げて、お姉さんをじーっと見ます。
じーっと見た綺麗なお姉さんは、とってもきらきらしていて。
お子様からも『ほわぁ』なんて、感嘆の声が漏れちゃいました。
■雪城 氷架 >
「…ちゃんとお礼が言えて偉いね」
クリームのついた指は自分の口元へ。
甘くてほんのりレモン果汁の風味、さわやかスイートな味わい。
「私の名前。
聞いたこと、ないかな」
それならそれで良いかもしれない。
聞いていた、としても…どう接すればいいのか。
家族の中で過ごしてはいたけれど、自分の子のようなものと伝えられた彼女にさえ、ちゃんと接することはできていない。
いわば、この子は孫という立場にあたる………自分が祖母…そんなの、想像もできない。
「ないなら、いい。美味しかった?」
口元に小さな笑みを作って、問いかけて。
■焔誼輝夜 >
「うんっ!
あのねっ、うれしーこととか、やさしいことしてもらったら、ちゃんとありがとーっていわなきゃだめなんだよ!」
きっとそうやって教えられたのでしょう。
言われた事をきちんと覚えて、守れたことになんだか得意げな顔ですね。
「ひょーかちゃんの?
うーんん、はじめましてだよー?」
不思議そうな顔は、もっと不思議そうになります。
そこで一生懸命考えてみました。
「うんっすっごい美味しかった!」
と、まずはにこにこの笑顔でクレープの感想を言う方が先になっちゃいましたね。
お子様らしく、甘い物は大好きなようでした。
「んっと、ひょーかちゃんは、ママたちの――」
『おともだち?』と訊くつもりだったのですが、そうして、出てきたのは。
「ほにゃぁ~。
ひょーかちゃん、わらうとすっごいきれー!」
なんて、お姉さんのほんのりとした笑みに、おぉーっと声をあげるのでした。
■雪城 氷架 >
「なら、良かった」
…ちゃんとした、いい子。
自分と同じ、愛情の中できっと育てられてる。
美味しかった、と笑顔で言われると、なんだかむず痒い。
「えっと、ごめん、ヘンなこと言っちゃったね。
…ママ達に、『いい子で安心した』…って伝えてあげてよ。
っ…、そ、う……?」
無意識だったのか、自分の頬に手を当てて眼を丸くする。
…この子の、小さい子むーぶについつい勝手に笑みが浮かんだのか。
「外、まだ暑いし…一人で遊ぶならあんまり遠くにいかないように、気をつけなよ?」
…こんなお節介めいた台詞、人生で初めて吐いたかもしれない。